便潜血陽性とは?なぜ大腸カメラが必要なの?放置のリスク・原因・治療を専門医が解説
「便潜血検査で陽性と言われたけど、本当に大腸カメラを受けた方がいいの?」
「痔の出血かもしれないし様子を見ても大丈夫?」
こうしたご相談を患者さんからよくいただきます。
確かに、便潜血陽性の原因は痔や炎症のこともあります。
ただし、便潜血陽性となった方の3〜5%で大腸がんが見つかるとされており、陽性結果をそのままにしてよいとは言えません。
この記事では、便潜血陽性と診断されたときになぜ大腸カメラを受けるべきなのか、当院での実際の症例やよくある質問(FAQ)を交えてわかりやすく解説します。
検診結果で不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。
便潜血陽性の方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
便潜血陽性とは?
便潜血検査は、便の中に混じった肉眼では見えない微量の血液を調べる検査です。
日本の大腸がん検診では、40歳以上を対象に、年1回の便潜血検査が用いられています。
2日法で行う場合は、1日でも陽性なら精密検査の対象です。
便潜血陽性は「がん確定」ではありませんが、出血源を確認する必要があり、一般に内視鏡による精密検査が勧められます。【2】【5】
便潜血陽性は、症状がはっきり出る前の大腸がんを発見することが出来るかもしれない重要なサインです。
実際に大腸がんでは、血便、便が細い、お腹の張り、便秘、腹痛、貧血などで見つかることがありますが、早期では症状がないまま便潜血検査だけがきっかけになることもあります。
▶ 大腸がんの症状は?|血便・便が細い・お腹の張り・無症状との関係はこちら
なぜ便潜血陽性になったら大腸カメラが必要なの?
大腸がんがあると、病変から出血して血が混じることがあり、実際に便潜血反応陽性の方に大腸カメラの検査をすると、3%程度に大腸がんが見つかっています。
「自分は痔があるから痔の出血だろう」だと思って放っておいたら、実はその奥にあるがんからの出血だった、ということもありえるのです。
実際に便潜血陽性反応後に大腸内視鏡を施行しなかった方は施行した方に比べ、「直腸ガン・大腸ガンによる死亡率が2倍以上になった」との報告もあり、便潜血陽性の方は大腸内視鏡検査を受けることが大切です。
大腸がんではない残りの97%くらいの方は、ただの痔であったり大腸の炎症であったりしますが、その中には大腸ポリープが見つかる方も大勢おられます。
大腸がんはポリープが大きくなってがん化するケースがほとんどで、ポリープを切除することで大腸がんの予防につながりますので、がんは見つからなくても大腸カメラを受ける意味は大きいと考えます。
大腸カメラと聞くと、痛い・つらいというイメージを持たれる方も少なからずおられると思いますが、当院では挿入時の様々な工夫や鎮静剤を用いることで無痛状態で大腸カメラを受けていただけます。
関連ページ
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
便潜血陽性で考える主な原因
痔
便潜血陽性の原因として、内痔核などの痔はよくみられます。排便時のいきみや硬い便による刺激で出血し、便潜血が陽性になることがあります。
ただし、痔があるから他の病気はないとは言えません。痔があっても、その奥にポリープやがんが隠れていることがあります。【4】
→ 関連ページ:痔核
大腸ポリープ
便潜血陽性をきっかけに大腸ポリープが見つかることは少なくありません。腺腫などのポリープは、時間をかけて大きくなり、一部ががん化することがあります。
見つかった時点で切除できれば、将来の大腸がん予防につながります。【3】【5】
▶関連ページ:【便潜血陽性を契機に発見された大腸ポリープ 】
大腸がん
便潜血陽性の方の一部には、実際に大腸がんが見つかります。
大腸がんでは、進行すると血便、便が細い、便秘や下痢、お腹の張り、腹痛、体重減少、貧血などがみられることがありますが、早期ではこうした症状がほとんどなく、便潜血検査だけがきっかけになることも少なくありません。
そのため、便潜血陽性だからといって「痔かもしれない」「症状がないから様子を見よう」と自己判断せず、精密検査として大腸カメラを受けることが大切です。
▶ 関連ページ:【無症状なのに見つかる大腸がん】 【人間ドックで便潜血「陽性」…無症状で直腸がんが見つかった実例】
大腸炎・その他の出血性疾患
感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎、憩室出血などでも便潜血陽性になることがあります。
腹痛、下痢、血便などを伴う場合は、炎症性疾患や出血性疾患も含めた評価が必要です。
→ 関連ページ:血便外来
便潜血陽性の精密検査=大腸カメラは「いつ受けるべき?」の目安
結論からいうと、なるべく早くです。
研究では、便潜血陽性後の大腸カメラが遅れるほど、がんや進行がんのリスクが上がることが示されています【2】。
特に、6か月超の遅れでリスク上昇が目立ち、10か月以降でより不利になる傾向が報告されています【6】。
ですから、陽性を指摘された先延ばしにせずなるべく早くに大腸カメラを受けることが重要です。
こんな方は特に早めの受診を
次のような場合は、特に早めに大腸カメラを検討したい状態です。
-
痔があるが、最近出血が増えている
-
40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない
-
便が細い、便秘と下痢を繰り返す、残便感がある
-
血便、腹痛、体重減少、貧血がある
-
家族に大腸がんや大腸ポリープの方がいる
-
以前大腸カメラで異常なしでも、今回あらためて便潜血陽性になった
また早期がんなどは出血を来しにくく、便潜血検査が陰性だから大腸がんではないとは言い切れません。
ですので大腸がんの好発年齢に差し掛かってくる40歳になられたら、一度は大腸カメラをうけることをお勧めしています。
そして大腸カメラにて大腸の中の状態を評価しておけば、「次の大腸カメラは○○年後」という目安もお伝えすることができます。
実際に大腸カメラを受けるかどうかお悩みの方は外来でご相談いただけますので、一度ご受診ください。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に検査・診断できる体制を整えています。
お気軽に是非ご相談ください。
📞 お電話でのご予約:03-5940-3833
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
実際に便潜血陽性で見つかった病気
①60代男性 直腸がん
【症状】
特に自覚症状はありませんでしたが、人間ドックで受けた便潜血検査で陽性を指摘されて来院されました。
【内視鏡検査】
精査のために大腸内視鏡を行ったところ、直腸がんが発見されました。
【治療】
残念ながら進行がんのため内視鏡治療はできない状態でしたが、幸いにも転移はなく手術にて完治しました。
②50代男性 内痔核
【内視鏡検査】
大腸内視鏡検査ではガンやポリープなどは認めませんでしたが、内痔核(直腸の出口にある静脈叢がうっ血して浮腫んだ状態)を認め、便潜血反応陽性の原因と診断しました。
写真の黄色で囲まれた青黒い部分が内痔核です。
いきんだり、硬い便でこすれたりすると出血し下血したり、便に血が付着して便潜血検査の陽性反応が出ることがあります。
【治療】
内痔核は悪化すると下血したり肛門から突出して痛みや違和感の原因となりますが、今回は自覚症状はなく、うっ血しないために排便時にいきまないなどの生活習慣指導で経過観察としました。
③ 60代女性 直腸がん
【内視鏡検査】
内視鏡検査では直腸ガンを認め、便潜血検査陽性の原因と考えました。
黄色で囲まれた隆起がガンです。
【治療】
内視鏡診断では進行がんが疑われ内視鏡治療の適応はなく、外科的に手術を行いました。幸い進行度はI期と早い段階だったため転移の心配もなく手術にて根治することができました。
状況別に詳しく知りたい方へ
便潜血陽性といっても、内容は人によって異なります。
症例や検査ページを状況別にまとめました。気になる状況にあわせて、以下のページもご覧ください。
-
若いのに便潜血陽性だった方へ
20代・30代でも、便潜血陽性なら精密検査を考える意味があります。
→ 若年者の便潜血検査陽性 -
ポリープが見つかったらどうなるか知りたい方へ
大腸ポリープは便潜血陽性の原因となり、切除が将来のがん予防につながることがあります。
→ 便潜血陽性を契機に発見された大腸ポリープ -
無症状でも本当に検査が必要か不安な方へ
自覚症状がなくても、便潜血陽性をきっかけにがんが見つかることがあります。
→ 無症状で直腸がんが見つかった実例 -
以前大腸カメラで異常なしだった方へ
見つけにくい病変が背景にある場合もあります。
→ 見逃されやすい扁平な大腸ポリープの実例 - 大腸がんの症状全体を確認したい方へ
血便、便が細い、お腹の張り、無症状、貧血など、大腸がんでみられる症状をまとめて確認できます。
→ 大腸がんの症状は? -
検査の流れや費用を知りたい方へ
事前準備、所要時間、費用、ポリープ切除について詳しく確認できます。
→ 大腸内視鏡(大腸カメラ)の詳細ページ
院長からのコメント
区検診の検便検査(便潜血検査)は便中の血液の混入をチェックする検査なので、②の方のように単なる「痔」のこともありますが、①③の方のようにがんが見つかるケースもあります。
ただ検査をしてみないことには、「がん」なのか「それ以外の痔などの良性疾患」なのかは判別がつかず、がんだった場合には進行すると命にかかわることとなります。
また便潜血陽性反応後に大腸内視鏡を施行しなかった方は施行した方に比べ、直腸ガン・大腸がんによる死亡率が2倍以上になったとの報告(※1)もあり、便潜血陽性の方は自覚症状がなくてもやはり大腸内視鏡を受けることが大切だと考えます。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に検査・診断できる体制を整えています。
是非ご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
※午後の時間の受診時や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
よくある質問FAQ
Q1. 痔でも便潜血が陽性になりますか?
A1. はい。ただし約3%に大腸がんが見つかります【Zorziら, Gut 2022】。痔と思って放置すると進行がんを見逃す可能性があります。
Q2. 症状がないのに本当に検査が必要ですか?
A2. 無症状でもがん・ポリープが隠れていることがあります。大腸カメラ未施行者は、施行者に比べ大腸がん死亡率が2倍以上という報告もあります。
Q3. 大腸カメラは痛いですか?
A3. 当院では鎮静剤を用い、眠っている間に終了する無痛大腸カメラが可能です。
Q4. 便潜血陰性なら安心ですか?
A4. 出血の少ない早期がんは便潜血検査で陰性になることもあります。40歳を超えたら一度は大腸カメラを。
まとめ
-
便潜血検査陽性=大腸カメラを受けるべき強いサイン
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実際に便潜血陽性の約3%に大腸がんが発見される
-
「痔だから大丈夫」と思い込み放置 → 進行がんを見逃すリスク大
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大腸ポリープが見つかればその場で切除=将来のがん予防に直結
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当院では**無痛大腸カメラ(日帰りポリープ切除対応)**を実施
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40歳を過ぎたら便潜血陰性でも一度は大腸カメラを推奨
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。
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関連ページ
- 大腸がんの症状は?
- 血便で見つかる大腸がん
- 便が細い・便の狭小化で見つかる大腸がん
- お腹の張り・便秘で見つかる大腸がん
- 無症状なのに見つかる大腸がん
- 便潜血陽性で見つかる大腸がん
- 貧血・体重減少・腹痛で見つかる大腸がん
参考文献
【1】国立がん研究センター がん対策研究所「大腸がんファクトシート2024」/「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン2024年度版」
【2】厚生労働省「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」
【3】日本対がん協会「大腸がんの基礎知識〜症状と治療〜」
【4】Zorzi M, et al. Gut. 2022;71(3):561-567.
【5】日本消化器病学会 患者さんとご家族のための大腸ポリープガイド 2023
【6】Mutneja HR, et al. J Gastroenterol Hepatol. 2021.
【7】Corley DA, et al. JAMA. 2017.
【8】Forbes N, et al. Clin Gastroenterol Hepatol. 2021.
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
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