“食事が降りていかない”原因は?【好酸球性食道炎】の検査と治療
「食べ物がのどにつかえる感じがある」「飲み込みにくい」
その症状、実は 好酸球性食道炎(アレルギー性食道炎) が原因かもしれません。
この病気はアレルギーに関連する比較的珍しい疾患ですが、放置すると食道が狭窄して食事が取れなくなることもあります【1】【2】。
しばしば逆流性食道炎や異常なしと誤診されることもありますが、当院では内視鏡検査による正確な診断・治療を行っています。
症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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好酸球性食道炎とは?
好酸球性食道炎とは、アレルギー反応を引き起こす白血球の一種である「好酸球」が、食道の粘膜に慢性的に炎症を起こす病気です。
アレルギーによっておこるものなので、別名「アレルギー性食道炎」とも言われています。
5000人に1人くらいの頻度で起こる比較的珍しい病気で、約半数の方に喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を併発しています【1】【2】。
症状がでて胃カメラ(内視鏡)を受けて見つかる方もいますが、たまたま検診で胃カメラを受けて見つかる方もおられ、検診などでの胃カメラの受診率の増加に伴い、最近は有病率が増加していると言われています。
原因は?
食物によるアレルギー反応が主な原因と考えられていますが、調べてみてもアレルギーの元がはっきりとしないこともあります【3】。
症状は?
好酸球性食道炎は無症状の方もおられますが、慢性的な炎症が起こることで食道の機能(蠕動して食事を胃に送る)が障害され、下記のような症状が出ます。
・のどのつかえ感。
・飲み込みにくさ。
・食事が胃に降りて行かない感じ。
・胸部の痛み
長期間炎症が続くことで、食道が狭窄を来し食事の通過障害(食べれない・食べても吐いてしまう)ような状態になることもあります。
診断は?
好酸球性食道炎の診断は、内視鏡検査(胃カメラ)とその際に食道粘膜の生検(組織を一部採取して顕微鏡で細胞を見る検査)を行い確定します。
■好酸球性食道炎の内視鏡写真■
同じような症状を来す病気として逆流性食道炎がありますが、治療が異なったり、好酸球性食道炎の場合は前述のように狭窄を来すことがあるため、
つかえ感や飲み込みにくさが続く場合には内視鏡検査を受けてみることが重要です。
治療は?
無症状の場合には治療を行わず様子を見る場合もありますが、症状がある方や内視鏡上の炎症がひどい方は治療を行います。
また、未治療のまま10年以上の炎症が続くと食道狭窄が起こることが少なからずみられるため、定期的に内視鏡を受けて評価をすることも重要です。
①薬物療法
A.制酸薬
好酸球性食道炎の約半数の方はプロトンポンプインヒビター(PPI)と呼ばれる胃酸を抑える薬で改善すると言われ、まず一番最初に試してみる薬です。
B.ステロイド
免疫反応を抑えるステロイドを用いアレルギーを抑制します。
喘息などの際に吸入する吸入用ステロイドを飲んで頂いたり【3】、それでも効果がない場合や狭窄を来している場合にはステロイドの錠剤などを用います。
C.その他
ステロイドは副作用も多彩なため、免疫抑制剤や抗ロイコトリエン拮抗薬といったステロイド以外のアレルギーを抑える薬を選択することもあります。
好酸球性食道炎は薬物療法で症状が落ち着いた場合でも、やめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまうため【4】、基本的には投薬治療を継続します。
②食事療法
好酸球性食道炎の原因となっているアレルギー源を突き止め、その食物を抜いて頂くことで改善することがあります。
ただし血液検査や皮膚試験を行っても原因となるアレルゲンを見つけるのは難しいと言われおり【3】、アレルギー専門科での精査が望ましいと考えます。
(当院での対応が難しいため専門施設への紹介を行っております。)
実際の治療例
40代男性 食事中ののどや前胸部つまり感・降りて行かない感覚
【症状】
数か月ほど前から食事中に時々のどや胸のあたりがつまったり、下に降りて行かない感覚が出現。
頻度が多くないので様子をみていましたが、最近頻度が増えてきたとのことで当院を来院されました。
【問診】
症状は食事中に毎回出るわけではなく、最初は2-3週間に1度くらい、最近は週に3-4回とのことでした。
食事の時以外は症状はほとんど感じないとのことで、食道病変による症状を考え胃カメラ(胃内視鏡)を行い状態を確認しました
【検査】
内視鏡では、アレルギーによる食道炎(好酸球性食道炎)を強く疑う所見を認めました。
確定診断のため生検を行い病理検査をしたところ、食道粘膜に多数の好酸球(アレルギーを起こしたときに出現する白血球の一種)を認め、好酸球性食道炎の診断が確定しました。

■実際の内視鏡画像です
【治療】
好酸球性食道炎とは食物によるアレルギー反応が主な原因と考えられていますが、調べてみてもアレルギーの元がはっきりとしないこともあります
慢性的な炎症が起こることで食道の機能(蠕動して食事を胃に送る)が障害され、のどのつまり感や食事が降りて行かないような感覚が生じます。
アレルギー源が分かる場合は、アレルギーとなる食物を避けてもらうことが多いですが、わからない場合は薬物療法を行います。
今回のケースでもアレルギーの原因が特定できなかったため、投薬治療を行いました。
1.制酸薬
2.漢方薬
アレルギーを抑える漢方薬も有効との報告があり、薬自体の副作用も少ないため今回はPPIと併用して使用しました。
【経過】
投薬を開始8日目くらいからは症状が出る頻度が減り、1か月経過する頃には症状がほぼ出なくなったとのことでした。
ただ前述のように、薬物療法で一旦症状が落ち着いた場合でも、やめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまうため、薬は継続して様子を見る方針としました。
今回は幸いPPIと漢方の併用が非常によく効いてくれましたが、改善が乏しい場合はステロイドや免疫抑制剤などのアレルギー反応を強く抑える薬を併用し治療するケースもあります。
まとめ
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好酸球性食道炎はアレルギーが関与する比較的まれな病気(5000人に1人程度)
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主な症状は のどのつかえ感・飲み込みにくさ・食事が降りていかない感覚
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放置すると 食道狭窄 に進展することもあるため、早期に内視鏡検査を受けることが大切
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治療は制酸薬(PPI)、ステロイド、食事療法などを症状に応じて組み合わせる
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完治は難しく、再発予防のため長期的な治療継続や定期内視鏡 が必要
症状でお困りの方、治療でお悩み方はお力になれますのでご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問FAQ
Q:好酸球性食道炎は完治する病気ですか?
A:完治は難しく、薬物療法で一旦症状が落ち着いた場合でも、やめてしまうと1年以内に半数以上の方が再発してしまうと言われています。
内視鏡上軽症で全く症状がない場合は様子見とすることもありますが、症状がある方は一旦薬で落ち着いたあとも改善状態を維持するため投薬を継続するケースが多い疾患です。
Q:好酸球性食道炎は珍しい病気ですか?好酸球性食道炎は何人に1人くらいですか?
A:5000人に1人くらいの頻度で起こる比較的珍しい病気で、約半数の方に喘息やアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を併発しています。【1】【2】
Q:好酸球性食道炎は指定難病ですか?
A:平成27年に指定難病となっており、中等症以上の場合には医療費助成の対象となります
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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参考文献
1)Kinoshita Y et al: Systematic review: Eosinophilic esophagitis in Asian countries. World J Gastroenterol
2015; 21; 8433-8440
2) Kinoshita Y et al: Clinical characteristics of Japanese patients with eosinophilic esophagitis and eosinophilic gastroenteritis. J Gastroenterol 2013; 48; 333-339
3) Ishimura Net al: Limited role of allergy testing in patients with eosinophilic gastrointestinal disorders. J Gastroenterol Hepatol 2013; 28; 1306-1313
4) Dellon ES et al: ACG clinical guideline: Evidenced based approach to the diagnosis and management of esophageal eosinophilia and eosinophilic esophagitis
(EE) . Am J Gastroenterol 2013; 108; 679-692
