「IBSだから様子見」は危険?おなかの張りが悪化…大腸カメラで“大腸がん狭窄”が見つかった実例
「以前からIBSと言われているし、今回もその延長だろう」
おなかの張りや便通異常がある方ほど、こうして症状を“慣れ”で判断してしまうことがあります。
IBS(過敏性腸症候群)は確かに多い病気で、治療により安定する方も少なくありません。
しかし、症状の経過が変わったときには注意が必要です。
今回は、IBSとして長年治療されていた方が、症状悪化をきっかけに大腸内視鏡を行い、大腸がんによる狭窄が見つかった実例をご紹介します。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。
過敏性腸症候群の悪化や腹部の張りでお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|40代女性「お腹の張りが悪化した」
症状
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以前から腹部膨満(おなかの張り)があり
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約5年前にIBSと診断
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投薬治療で長期間安定
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1か月ほど前から腹部膨満が明らかに悪化
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薬を調整しても改善せず、不安になり受診
患者さん自身も「当初はIBSが悪くなっただけだ」と思っていたと振り返られていました。
診察
IBSと診断されている方でも、次のような変化がある場合は再評価が必要です。
<IBSの増悪として考えられるもの>
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生活リズムの乱れ
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ストレス
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便秘の悪化
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食事内容の変化
<同時に除外すべき疾患>
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大腸がん・大腸ポリープによる狭窄
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
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腸閉塞(イレウス)
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腹部腫瘍性病変 など
特に重要なのは「以前と症状の質が違う」という点です【3】。
この方は最終の大腸内視鏡検査が5年前でした。
「本当にIBSの悪化だけなのか」
「器質的な病気が隠れていないか」
を確認するため、大腸カメラ(大腸内視鏡)を施行しました。
実際の大腸カメラの画像
S状結腸に出血を伴う腫瘍を認め、生検にて大腸がんと診断しました。
この大腸がんにより大腸の内腔が狭窄し(黄色矢印部分)、便やガスの流れが滞り、お腹の張りの原因となっていました。
治療
すでの進行がんの状態で、入院・手術が必要な状態であり、高次医療機関へ紹介。
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手術(外科的切除)を施行
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病理結果:大腸がん ステージ3A
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術後補助化学療法を実施
現在は治療を終え、定期的なフォローを継続されています【1】。
大腸がん狭窄とは
大腸がんは進行すると、腫瘍が大きくなり腸管の内腔を狭くします。
狭窄によって起こる症状
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おなかの張り
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便秘
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便が細くなる
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ガスが溜まる感じ
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腹痛
これらはIBSの症状と非常によく似ているため、「いつもの症状」と誤解されやすいのが特徴です【2】。
ただし、大腸がんによる症状はIBSの薬で改善することはないため、症状が改善しない時には手遅れになる前に大腸カメラを検討する必要があります。
◆巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に検査ができる体制を整えています。
IBSの悪化・腹部の張りでお困りの方は是非ご相談ください。
📞 お電話でのご予約:03-5940-3833
※来院時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
院長からのコメント
IBSは「命に関わらない病気」と説明されることも多く、その言葉が安心材料にもなり、落とし穴にもなります。
IBSと診断されていても、
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症状の出方が変わった
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悪化のスピードが早い
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薬が効かなくなった
こうした変化があれば、「一度立ち止まって調べる」ことが非常に重要です。
特に、大腸内視鏡から数年経過している方は、「念のため」の検査が結果的に命を守ることにつながります。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q. IBSと診断されていれば、大腸がんの心配は少ないですか?
A. いいえ。IBSと診断されていても、大腸がんを含む別の病気が後から起こる可能性はあります。特に症状が変化したときは再評価が大切です【3】。
Q. 「お腹の張り」だけでも大腸カメラ(内視鏡)は必要ですか?
A. 年齢、症状の変化、便通異常の程度、貧血や体重減少などの所見によって必要性は変わりますが、2週間以上症状が続く際には大腸カメラを検討します。
Q. IBSの薬が急に効かなくなることはありますか?
A. IBS自体の波で効きにくく感じることもありますが、別の病気(狭窄、炎症など)が重なっている場合もあります。症状の質が変わったら検査を考える必要があります【3】。
Q. 大腸がんの「狭窄」って何が起きている状態なのですか?
A. 腫瘍が大きくなって腸の通り道が狭くなり、便やガスが通りにくくなる状態です。お腹の張りや便秘が目立つことがあります。
Q. 便が細くなった気がします。危険ですか?
A. 体質や便の硬さでも細く見えることはありますが、狭窄が原因のこともあります。2週間以上続く際には一度相談してください。
Q. 大腸がん検診(便潜血)で陰性なら安心?
A. 便潜血検査は有用ですが万能ではありません。症状がある場合は、検診結果に関わらず大腸カメラを検討します【2】。
Q. 大腸カメラはどのくらいの間隔で受ければいいですか?
A. 年齢、家族歴、過去のポリープの有無などで変わりますが、症状が出た場合は間隔に関係なく評価が必要です。
Q. 大腸がんステージ3Aだと、治療はどうなりますか?
A. 一般的には手術で切除したうえで、再発リスクを下げる目的で術後補助化学療法を行うことが推奨されます【1】。
Q. 過敏性腸症候群(IBS)の診断はどうやってつけるの?
A. IBSは症状に加え、他に病気がないかを検査で除外することで診断をつけます。
▶詳細は【専門医の神谷院長による過敏性腸症候群の解説】でご確認頂けます
Q. 「いつもと違う悪化」の目安は?
A. ①急に悪化した、②薬が効かない、③便秘・下痢の質が変わった、④体重減少・貧血・血便などを伴う、⑤2週間以上症状が続く――こうした場合は早めに受診し、検査を検討しましょう【2】【3】。
まとめ
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IBSと診断されていても大腸がんのリスクはゼロではない
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「IBSだから様子見」は危険な場合がある
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おなかの張り・便通異常の質の変化は重要なサイン
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大腸がん狭窄はIBSと症状が似ている
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症状が2週間以上続く場合は大腸内視鏡を検討する【2】【3】
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。
お困りの方はお力になれますので是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
参考文献
【1】大腸癌研究会:大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024
【2】USPSTF. Colorectal Cancer Screening Recommendations.
【3】日本消化器病学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン(IBS)
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
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