【実例】嘔吐が止まらず来院…原因は“腸閉塞”だった|胃腸炎と誤診されやすい危険なサイン
「お腹が張って気持ち悪い」「嘔吐が続いて治らない」——
このような症状は、たしかに“胃腸炎”でも起こります。
しかし、腸閉塞(イレウス)という、より危険な病気でも同じ症状が出るため注意が必要です。
今回ご紹介するのは、胃腸炎と言われた後も嘔吐が止まらず来院された30代女性のケース。
検査を行ったところ、実は腸閉塞が隠れていました。
腸閉塞は悪化すると手術や命に関わることもあり、早期診断が非常に重要です。同じような症状の方の参考になればと思い、実例としてまとめました。
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実際の治療例|30代女性「嘔吐が止まらない」
【症状】
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2日前からお腹の張り・気持ち悪さ
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前日昼ごろから張りが強くなり嘔吐
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近所の内科で「胃腸炎」と診断され内服薬に
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その後も何度も嘔吐
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翌朝になっても改善しないため当院を受診
【診察】
問診・診察では以下の病気の可能性を考えました。
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胃腸炎
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食中毒
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急性胃炎
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腸閉塞(イレウス)
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胆のう炎・胆石症
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膵炎
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妊娠関連疾患
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腹膜炎
胃腸炎の症状としても矛盾はしませんが、嘔吐が続く場合、消化管のどこかが“詰まっている”可能性を必ず考える必要があります。
症状だけでの診断は難しく、正しく診断をつけ、治療方針を立てるため血液検査・エコー検査・レントゲン検査を行いました。
【検査】
血液検査
炎症反応の上昇・脱水傾向あり。
腹部エコー
小腸の拡張を確認 → 腸閉塞を疑う所見。
<実際のエコー画像>
小腸(青部分)が閉塞して、拡張しています。
腹部レントゲン
ニボー像(腸閉塞で典型的にみられるガスと液体の層)を確認。
<実際のレントゲン画像>
黄色の部分に見える黒い部分が小腸ガスです。下端が水平になっているのが腸閉塞の特徴です(矢印)
→以上から 腸閉塞(イレウス)と診断。
腸閉塞(イレウス)とは?
腸閉塞とは、腸が物理的に塞がったり、動かなくなったりして内容物が流れなくなる状態です【1】。
内容物が逆流してしまい嘔吐したり、腸を圧迫して強い腹痛が続きます。
よくある原因
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術後の癒着(特に婦人科手術後に多い)【2】
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腹部手術歴
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腫瘍(大腸がん・小腸腫瘍)
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ヘルニア
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炎症性腸疾患
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重い便秘
- 腸管の血管の閉塞
今回の患者さんは、婦人科手術歴があり、それに伴う癒着による閉塞が疑われました。
悪化するとどうなる?
- 嘔吐による脱水
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腸管の血流障害による激しい腹痛・穿孔(腸に穴があく)
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敗血症
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緊急手術
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命に関わるケースも
そのため、早期診断が最も重要な病気の一つです。
【治療・経過】
入院・絶食治療が必要がなため、入院・外科対応が可能な医療機関へ紹介となり、同院で治療を行い無事改善されました。
院長からのコメント
腸閉塞は胃腸炎と非常に似た症状を起こします。
しかし、嘔吐が繰り返す/お腹の張りが強い/改善しないときは、胃腸炎だけで片づけてはいけません。
特に、
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手術歴がある方
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嘔吐が止まらない方
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お腹の張りが急に強くなった方
は腸閉塞の可能性があります。
当院では、腹部エコー・レントゲン・血液検査をその場で行い、初期診療の段階で重症疾患を見逃さない体制を整えています。
不安がある方は早めにご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. 胃腸炎と腸閉塞の違いは?
A. 胃腸炎は感染が原因で、腸閉塞は腸が詰まったり動かなくなる病気です。症状が似ているため検査が重要です【1】。
Q2. 嘔吐が続くときは何時間で受診すべき?
A. 数時間〜半日以上嘔吐が続く、水分が飲めない場合は早めに受診をおすすめします。
Q3. 腸閉塞は自然に治ることもありますか?
A. 軽症なら絶食で改善する場合もありますが、悪化すると手術が必要です。
Q4. 以前手術したことがあると腸閉塞になりやすい?
A. はい。腹部・婦人科手術後の癒着は腸閉塞の最大の原因です【2】。
Q5. エコーで腸閉塞はわかりますか?
A. 小腸拡張など特徴的所見がわかります。レントゲンと併用すると診断精度が上がります。
Q6. 腸閉塞の初期症状は?
A. お腹の張り、嘔吐、食欲低下、排便・排ガスの停止など。
Q7. 市販薬は効きますか?
A. 効きません。むしろ症状を悪化させる可能性があります。
Q8. 痛みが強くない腸閉塞もありますか?
A. あります。痛みより“張り”が目立つタイプもあります。
Q9. 検査は痛いですか?
A. エコーとレントゲンは痛みはありません。
Q10. 再発しますか?
A. 癒着が原因の場合は再発することがあります。
まとめ
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嘔吐が続き改善しない場合、腸閉塞の可能性がある
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胃腸炎と似ているため、エコー・レントゲンなどの検査が必須
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放置すると重症化する病気
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特に手術歴のある方は要注意
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早期診断が治療の鍵になる
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
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参考文献
-
日本消化器病学会:イレウス診療ガイドライン
-
日本外科学会:術後癒着に関するガイドライン
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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