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【実例】嘔吐が止まらず来院…原因は“腸閉塞”だった|胃腸炎と誤診されやすい危険なサイン

[2026.05.26]

「お腹が張って気持ち悪い」「嘔吐が続いて治らない」——

このような症状があると、多くの方はまず胃腸炎や食あたりを疑います。実際に胃腸炎でも吐き気や嘔吐はよく起こりますが、なかには腸閉塞のように、早めの診断と治療が必要な病気が隠れていることがあります。

腸閉塞は、腸の中の流れが悪くなったり、腸が詰まったりすることで、嘔吐・腹部膨満・腹痛・排便や排ガスの停止などを起こす病気です【1】。悪化すると脱水、腸管の血流障害、緊急手術が必要になることもあるため、「胃腸炎だろう」と思い込まずに見極めることが大切です。

この記事では、実際に「嘔吐が止まらない」と来院され、検査で腸閉塞が見つかった30代女性の症例をもとに、胃腸炎との違い、検査、受診の目安をわかりやすく解説します。

嘔吐やお腹の張りでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 嘔吐が続く場合、胃腸炎だけでなく腸閉塞も考える必要があります。

✅ 腸閉塞では、嘔吐に加えてお腹の張り・腹痛・排便や排ガスの停止がみられることがあります。

✅ 腹部手術歴がある方は、術後の癒着が原因で腸閉塞を起こすことがあります。

✅ 腹部エコー、レントゲン、血液検査などで、腸の拡張や脱水・炎症の有無を確認します。

✅ 水分が取れない、強い腹痛がある、嘔吐が繰り返す場合は早めの受診が必要です。

 

嘔吐が続く・お腹の張りが強い方へ

巣鴨駅前胃腸内科では、嘔吐・腹痛・お腹の張りなどの消化器症状について、診察、血液検査、腹部エコー、レントゲン検査などを組み合わせて原因を確認しています。

強い腹痛、繰り返す嘔吐、水分が取れない、ぐったりしている、冷汗が出るなどの症状がある場合は、救急受診が必要になることもあります。迷う場合は早めに医療機関へご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

嘔吐が続くときに考える主な原因

嘔吐が続く場合、原因は胃腸炎だけではありません。胃・腸・胆のう・膵臓など、さまざまな病気で吐き気や嘔吐が起こります。

  • 感染性胃腸炎・食中毒
  • 急性胃炎
  • 腸閉塞
  • 胆石発作・胆のう炎
  • 急性膵炎
  • 虫垂炎
  • 便秘や腸管ガスの貯留
  • 妊娠関連の吐き気
  • 薬剤による吐き気
  • まれに、消化管腫瘍や重い炎症性疾患

とくに、嘔吐が繰り返す、お腹が張ってくる、便やガスが出ない、腹痛が強いといった症状がある場合は、腸閉塞を含めた通過障害を考える必要があります。

関連ページ:感染性腸炎の症状・原因・治療法はこちら

関連ページ:胃痛・腹痛外来はこちら

腸閉塞とは?

腸閉塞とは、腸の中を食べ物・水分・ガス・便がうまく通過できなくなった状態です。腸が物理的に詰まる場合もあれば、腸の動きが悪くなって通過できなくなる場合もあります。

近年は厳密には、機械的に腸がふさがるものを「腸閉塞」、腸の動きが止まるタイプを「イレウス」と分けて考えることがあります。ただし、患者さん向けには両者をまとめて「腸閉塞・イレウス」と説明されることもあります。

腸閉塞で起こりやすい症状

  • 吐き気・嘔吐
  • お腹の張り
  • 腹痛
  • 食欲低下
  • 便が出ない
  • ガスが出ない
  • 脱水

腸の流れが悪くなると、腸の中に内容物やガスがたまり、お腹が張ってきます。さらに腸の内容物が先に進めなくなると、吐き気や嘔吐が起こります【1】【2】。

腸閉塞の主な原因

  • 腹部手術後の癒着
  • 婦人科手術後の癒着
  • ヘルニア
  • 大腸がん・小腸腫瘍などによる狭窄
  • 炎症性腸疾患による狭窄
  • 高度な便秘
  • 腸管の血流障害

成人の小腸閉塞では、腹部手術後の癒着が原因となることが多いとされています【1】。そのため、過去に腹部手術や婦人科手術を受けたことがある方で、嘔吐や腹部膨満が出てきた場合は注意が必要です。

胃腸炎と腸閉塞の違い

胃腸炎と腸閉塞は、どちらも吐き気・嘔吐・腹痛を起こすため、症状だけで完全に見分けることは難しい場合があります。

ただし、次のような場合は腸閉塞を疑う重要なサインになります。

  • 嘔吐が何度も続く
  • お腹の張りが強い
  • 便やガスが出ない
  • 波のある腹痛がある
  • 水分を飲んでも吐いてしまう
  • 腹部手術歴がある
  • 胃腸炎の薬を飲んでも改善しない

胃腸炎では下痢を伴うことも多い一方で、腸閉塞では便やガスが出にくくなることがあります。ただし、部分的な閉塞では下痢のような症状が出ることもあり、自己判断は危険です。

実際の治療例|30代女性「嘔吐が止まらない」

【症状】

  • 2日前からお腹の張り・気持ち悪さ

  • 前日昼ごろから張りが強くなり嘔吐

  • 近所の内科で「胃腸炎」と診断され内服薬に

  • その後も何度も嘔吐

  • 翌朝になっても改善しないため当院を受診

 

【診察】

問診・診察では以下の病気の可能性を考えました。

  • 胃腸炎

  • 食中毒

  • 急性胃炎

  • 腸閉塞(イレウス)

  • 胆のう炎・胆石症

  • 膵炎

  • 妊娠関連疾患

  • 腹膜炎

胃腸炎の症状としても矛盾はしませんが、嘔吐が続く場合、消化管のどこかが“詰まっている”可能性を必ず考える必要があります。

症状だけでの診断は難しく、正しく診断をつけ、治療方針を立てるため血液検査・エコー検査・レントゲン検査を行いました。

 

【検査】

 血液検査

炎症反応の上昇・脱水傾向あり。

 腹部エコー

小腸の拡張を確認 → 腸閉塞を疑う所見。

<実際のエコー画像>

小腸(青部分)が閉塞して、拡張しています。

 腹部レントゲン

ニボー像(腸閉塞で典型的にみられるガスと液体の層)を確認。

<実際のレントゲン画像>

黄色の部分に見える黒い部分が小腸ガスです。下端が水平になっているのが腸閉塞の特徴です(矢印)

→以上から 腸閉塞(イレウス)と診断。

 

【治療・経過】

腸閉塞は、原因や重症度によって治療方針が変わります。軽症であれば絶食、点滴、胃管による減圧などで改善することもありますが、閉塞が強い場合、血流障害が疑われる場合、穿孔のリスクがある場合などは、入院や手術が必要になることがあります【2】【4】。

今回の患者さんは、入院での絶食・点滴治療、外科的な対応の必要性があると判断し、入院・外科対応が可能な医療機関へ紹介しました。その後、紹介先で治療を受け、無事に改善されました。

今回のように、クリニックで初期評価を行い、腸閉塞が疑われる場合は、必要に応じて速やかに高次医療機関へつなぐことが大切です。

腸閉塞が疑われるときの受診の目安

次のような症状がある場合は、腸閉塞や重い腹部疾患の可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。

  • 嘔吐が何度も続く
  • 水分を飲んでも吐いてしまう
  • お腹の張りが強くなっている
  • 腹痛が強い、または波のように繰り返す
  • 便やガスが出ない
  • 腹部手術歴がある
  • 発熱や冷汗を伴う
  • ぐったりしている、脱水が疑われる
  • 血便や黒い便がある
  • 胃腸炎と言われたが改善しない

とくに、強い腹痛、冷汗、意識がぼんやりする、呼吸が苦しい、嘔吐で水分がまったく取れない場合は、救急受診が必要です。

嘔吐が続く方へ

「胃腸炎だと思っていたけれど、嘔吐が止まらない」「お腹の張りが強くなっている」という場合は、腸閉塞などの重い病気が隠れていることがあります。

巣鴨駅前胃腸内科では、腹部エコー・レントゲン・血液検査を組み合わせ、必要に応じて高次医療機関への紹介も行っています。不安な症状が続く場合は、早めにご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのご予約:03-5940-3833

院長からのコメント

腸閉塞は胃腸炎と非常に似た症状を起こします。

しかし、嘔吐が繰り返す/お腹の張りが強い/改善しないときは、胃腸炎だけで片づけてはいけません。

特に、

  • 手術歴がある方

  • 嘔吐が止まらない方

  • お腹の張りが急に強くなった方

は腸閉塞の可能性があります。

当院では、腹部エコー・レントゲン・血液検査をその場で行い、初期診療の段階で重症疾患を見逃さない体制を整えています。

不安がある方は早めにご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

よくある質問(FAQ)

Q1. 嘔吐が続く原因は胃腸炎だけですか?

いいえ。胃腸炎でも嘔吐は起こりますが、腸閉塞、胆のう炎、膵炎、虫垂炎、薬剤性の吐き気などでも嘔吐が続くことがあります。とくにお腹の張りや便・ガスが出ない症状を伴う場合は、腸閉塞も考える必要があります。

 

Q2. 胃腸炎と腸閉塞はどう違いますか?

胃腸炎はウイルスや細菌などによる感染が原因で起こることが多く、下痢や発熱を伴うことがあります。一方、腸閉塞は腸の流れが悪くなる病気で、嘔吐、お腹の張り、腹痛、便やガスが出ない症状が目立つことがあります。ただし症状だけでは見分けにくいため、診察や検査が重要です。

 

Q3. 嘔吐が何回続いたら受診した方がよいですか?

嘔吐の回数だけで判断することは難しいですが、何度も吐く、水分を飲んでも吐く、半日以上改善しない、お腹の張りや腹痛を伴う場合は早めの受診をおすすめします。ぐったりしている、冷汗が出る、強い腹痛がある場合は救急受診も検討してください。

 

Q4. 腸閉塞の初期症状は何ですか?

腸閉塞の初期には、吐き気、嘔吐、お腹の張り、腹痛、食欲低下などが出ることがあります。進行すると、便やガスが出ない、水分も取れない、脱水が進むなどの症状がみられることがあります。

 

Q5. 腸閉塞は自然に治りますか?

軽症の場合は絶食や点滴、腸管の減圧などで改善することもありますが、自己判断で様子を見るのは危険です。閉塞が強い場合や腸の血流障害が疑われる場合は、入院や手術が必要になることがあります。

 

Q6. 腹部手術を受けたことがあると腸閉塞になりやすいですか?

はい。腹部手術後の癒着は腸閉塞の原因の一つです。婦人科手術、虫垂炎の手術、腸の手術などを受けたことがある方で、嘔吐やお腹の張りが続く場合は注意が必要です。

 

Q7. エコーで腸閉塞はわかりますか?

腹部エコーでは、小腸の拡張や腸管の動き、腹水の有無などを確認でき、腸閉塞を疑う手がかりになります。必要に応じてレントゲンやCT検査などを組み合わせて判断します。

 

Q8. 腸閉塞の検査は痛いですか?

腹部エコーや腹部レントゲンは、基本的に痛みを伴わない検査です。診察でお腹を押した際に痛みを感じることはありますが、検査自体の負担は比較的少ないです。

 

Q9. 市販の胃薬や吐き気止めで様子を見てもよいですか?

軽い胃もたれや一時的な吐き気であれば改善することもありますが、嘔吐が続く、お腹が張る、便やガスが出ない場合は市販薬で様子を見るのはおすすめできません。腸閉塞などでは治療の遅れにつながる可能性があります。

 

Q10. 腸閉塞は再発しますか?

原因によっては再発することがあります。とくに癒着が原因の場合は再発することがあるため、過去に腸閉塞を起こしたことがある方は、嘔吐や腹部膨満が出た際に早めに相談することが大切です。

まとめ

嘔吐が続く場合、胃腸炎だけでなく腸閉塞の可能性も考える必要があります。腸閉塞は、早めに診断できれば適切な治療につなげることができますが、放置すると脱水や腸管の血流障害、緊急手術につながることもあります。

  • 嘔吐が止まらない場合は、胃腸炎だけで判断しないことが大切です。
  • お腹の張り、腹痛、便やガスが出ない場合は腸閉塞を疑います。
  • 腹部手術歴がある方は、術後の癒着による腸閉塞に注意が必要です。
  • 腹部エコーやレントゲンで、腸の拡張やニボー像を確認することがあります。
  • 水分が取れない、嘔吐が続く、強い腹痛がある場合は早めに受診してください。
嘔吐が続く・お腹の張りが強い方へ

「胃腸炎だと思っていたけれど治らない」「嘔吐が続いて水分が取れない」「お腹の張りが強い」という場合は、腸閉塞などの重い病気が隠れていることがあります。

巣鴨駅前胃腸内科では、症状に応じて腹部エコー・レントゲン・血液検査を行い、必要な場合は高次医療機関へ速やかに紹介しています。不安な症状が続く場合は、早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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巣鴨駅前胃腸内科クリニック

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参考文献

  1. Schick MA, Kashyap S, Meseeha M. Small Bowel Obstruction. StatPearls. 2025.
  2. Merck Manual Professional Version. Intestinal Obstruction.
  3. Chang KJ, Marin D, Kim DH, et al. ACR Appropriateness Criteria® Suspected Small-Bowel Obstruction. J Am Coll Radiol. 2020;17(5S):S305-S314.
  4. Jackson P, Cruz MV. Intestinal Obstruction: Evaluation and Management. American Family Physician. 2018;98(6):362-367.
  5. Nelms DW, Kann BR. Imaging Modalities for Evaluation of Intestinal Obstruction. Clin Colon Rectal Surg. 2021;34(4):205-218.

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

 

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