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お尻から真っ赤な血が出る原因は?|鮮血便・下血の違いと受診の目安を専門医が徹底解説

[2025.12.11]

お尻から“真っ赤な血”が出たら要注意

突然トイレで鮮やかな赤い血(鮮血便)を見ると、多くの方が「痔かな?」と思われます。

しかし、実際には痔以外にも大腸の炎症感染症ポリープ・大腸がんなど、幅広い病気で出血します。

特に、血が何度も続く腹痛や下痢・発熱を伴う40代以降で初めて出た家族に大腸がんの方がいる、といった場合は「様子見」よりも先に原因を確認することが大切です。

この記事では、鮮血便の主な原因、下血との違い、受診のタイミング、必要な検査、治療について専門医の巣鴨駅前胃腸内科・神谷院長がわかりやすく解説します。

鮮血便でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

まずお伝えしたいポイント

・鮮血便は痔だけでなく、大腸ポリープ・大腸がん・感染性腸炎・虚血性腸炎・潰瘍性大腸炎でも起こります。

・一度だけでも、繰り返す・腹痛や発熱を伴う・40代以降・家族歴がある場合は早めの受診がおすすめです。

・便の色や出血の出方だけで原因を断定するのは難しく、必要に応じて直腸診、血液検査、腹部エコー、大腸カメラで確認します。

・大量出血、ふらつき、冷汗、息苦しさを伴う場合は、当日受診または救急受診を検討してください。

 

▶巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

鮮血便とは?

鮮血便とは、真っ赤な血が便やトイレットペーパーに付着する状態を指し、多くは肛門に近い場所からの出血です。

一般的には痔が多いですが、

  • 大腸ポリープ

  • 大腸がん

  • 憩室出血

  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)

など、治療を急ぐ病気が原因となる場合もあります。

鮮血便と下血の違い

「鮮血便」と「下血」は似ていますが意味が異なります。

用語 主な原因 位置の目安
鮮血便 鮮やかな赤 痔・裂肛・大腸ポリープ・大腸炎・肛門に近い部分の大腸がん 肛門〜大腸の下部
下血(血便) 赤〜暗赤色 大腸炎・憩室出血・虚血性腸炎・比較的奥の大腸がん 大腸全体

鮮やかな赤い血=肛門に近い場所の出血である可能性が高いとされています【1】。

鮮血便を起こす主な病気

鮮血便の代表的な原因を「重要度」「頻度」「危険度」から整理します。

痔(いぼ痔・切れ痔)

最も多い原因。
排便時にポタポタ落ちる鮮血が典型。

  • 痛みなし → 内痔核(肛門の内側の痔)の可能性

  • 強い痛み → 外痔核(肛門の外側の痔)や裂肛(肛門の皮膚が切れること)が多い

▶排便時の出血が痔によるものか気になる方は、痔核(内痔核・外痔核)のページもあわせてご覧ください。

大腸ポリープ

大きなポリープの場合は表面が擦れて出血することがあります。

感染性腸炎(カンピロバクター・サルモネラなど)

細菌感染では粘血便(粘液+血)が出やすい【2】。

随伴症状:発熱、腹痛、下痢

▶突然の腹痛に続いて血便が出た場合は、感染性腸炎とは?症状・原因・検査・治療法の解説ページもご参照ください。

虚血性腸炎

突然の腹痛と下血が特徴。
便秘気味の中高年女性に多い【3】、とされますが、若年者の方でも起こることがあります。

▶腹痛を伴う突然の下血が出た場合には、虚血性腸炎とは?原因・検査・治療もご確認ください。

潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)

若い方にも多い。
血便が長く続いたり、繰り返して起こることが特徴。

▶血便が長く続く、何度も繰り返す場合は、潰瘍性大腸炎とは?原因・検査・治療もあわせて確認しておくと安心です。

憩室出血

大腸の袋状の部分から大量出血することがあります。

大量の鮮血便が突然出るのが典型。

大腸がん

出血量は少量のこともありますが、
40代以降、もしくは大腸がんの家族歴のある35歳以上の方の鮮血便は必ず除外が必要【1】。

鮮血便の原因特定に必要な検査

鮮血便を見た際、原因の見極めには次の検査が重要です。

直腸診

痔かどうかの初期評価。

血液検査

貧血や炎症の有無を確認。

腹部エコー

感染性腸炎や憩室炎などの炎症を疑う際に施行。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

最も確実な検査です。
大腸ポリープ・がん・炎症性腸疾患の判別が可能。

▶大腸カメラの流れや費用が気になる方は、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の流れ・費用・当院の工夫をご覧ください。

受診のタイミング

以下に当てはまる場合は当日〜早急な受診をお勧めします

  • 突然大量の鮮血が出た

  • 血便が数日続く

  • 発熱・腹痛を伴う

  • 40代以上で初めての血便

  • ポリープや大腸がんの家族歴がある

鮮血便の治療と予防

原因によって大きく異なります。

軟膏治療、生活改善(便秘予防)。

感染性腸炎

細菌性の場合は抗菌薬が必要な場合あり。

虚血性腸炎

安静・点滴治療。多くは改善。

潰瘍性大腸炎

5-ASAやステロイド、免疫調整薬。

大腸ポリープ / 大腸がん

内視鏡切除・手術など。

実際の症例|50代男性「週に何度か血便が出る」

【症状】

・数か月前から週に数回排便時に鮮血が混じっていた

・痔だろうと思って様子を見ていたが、改善がないため心配になり当院を受診。

【大腸カメラ(大腸内視鏡)】

原因精査のため、大腸カメラ(内視鏡検査)を施行

S状結腸に出血を伴う腫瘍を認め、生検にて大腸がんと診断しました。

出血を伴う不整な隆起(黄色部分)が大腸がんです

この大腸がんに便が接触して出血することで血便が出ていたと考えられました。

【治療】

大腸がんは早期の状態であれば内視鏡で治療が可能ですが、進行がんの状態になると手術や抗がん剤治療が必要となります。

今回は残念ながら進行がんの状態であり、対応できる医療機関に紹介となりました。

紹介先の病院では遠隔転移はなく、stageⅡの診断で手術にて根治治療となりました。

症例のまとめ

血便をきっかけに見つかる大腸がんについては、以下のページでも詳しくご案内しています。

院長からのコメント

鮮血便は痔が最も多いとはいえ、
「痔だと思っていたら大腸がんだった」 というケースは今回のように実際にあります。

また、虚血性腸炎や感染性腸炎など、年齢に関係なく誰にでも起こる病気もあります。

鮮血便を見たら、
「一度は大腸カメラで確認する」 これが最も安全で確実な方法です。

当院では無痛大腸カメラにも対応しております。お困りの方はお力になれますのでご相談ください。

当院の大腸カメラの特徴

苦痛の少ない大腸カメラのために低痛挿入法、鎮静剤、細径スコープ、下剤の工夫、土日検査と日帰りポリープ切除に対応している当院の特徴を示した図解

  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法、大腸に合わせたカメラの選択で苦しくない内視鏡検査

  • オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
  • 下剤の工夫による負担の少ない前処置
  • 土日対応、事前診察は原則不要

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

よくある質問 

Q. 鮮血便が出たら、痔だと考えてよいですか?

A. 鮮血便の原因として痔はよくありますが、それだけで決めつけるのは危険です。実際には、大腸ポリープ、大腸がん、感染性腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎などでも真っ赤な血が出ることがあります。とくに、出血を繰り返す、腹痛や下痢を伴う、40代以降で初めて出た、家族に大腸がんの方がいる場合は、痔と思い込まずに消化器内科で原因を確認することが大切です。【1】【2】【4】

Q. 一度だけ鮮血便が出た場合でも受診した方がよいですか?

A. 一度だけでも、完全に自己判断で済ませない方が安心です。便が硬かったあとに少量ついた程度なら裂肛や痔のこともありますが、出血量が多い、数日以内にまた出る、腹痛・下痢・発熱を伴う、40代以上で初めての血便である場合は早めの受診をおすすめします。とくに原因がはっきりしない鮮血便は、必要に応じて直腸診や大腸カメラで確認することが重要です。【1】【2】

Q. 痛みがない血便でも大腸がんの可能性はありますか?

A. あります。痛みがないから安心とは言えません。内痔核では痛みのない出血がみられますが、大腸ポリープや大腸がんでも痛みのないまま血便だけが続くことがあります。逆に、強い痛みを伴う場合は裂肛や炎症性の病気が考えられますが、痛みの有無だけで原因を見分けることはできません。症状が繰り返す場合は、大腸カメラで直接確認することが大切です。【1】【4】

Q. トイレットペーパーに血がつくだけでも検査は必要ですか?

A. トイレットペーパーに少量の血がつくだけであれば、痔や裂肛のことは多いです。ただし、毎回のように続く、便にも血が混じる、粘液が混じる、便秘や下痢を繰り返す、体重減少や貧血がある場合は、肛門の病気以外も考える必要があります。見た目だけで判断せず、症状が繰り返す場合は消化器内科で相談し、必要に応じて大腸カメラを受けることが望ましいです。【1】【3】

Q. 鮮血便と下血はどう違うのですか?

A. 一般的に、鮮血便は鮮やかな赤い血が便や紙につく状態を指し、肛門や直腸、S状結腸など比較的出口に近い場所からの出血でみられやすいです。一方、下血は赤色から暗赤色まで含む広い表現で、大腸のやや奥からの出血でもみられます。ただし、色だけで出血部位を正確に断定することはできません。便の色や出血量に加えて、腹痛、下痢、発熱、年齢、家族歴などを含めて判断することが大切です。【1】【3】

Q. 腹痛や下痢を伴う血便では、どんな病気が疑われますか?

A. 腹痛や下痢を伴う血便では、感染性腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎などが代表的です。発熱があれば感染性腸炎、突然の腹痛のあとに血便が出れば虚血性腸炎、血便や粘液便を繰り返す場合は潰瘍性大腸炎などが考えられます。痔でも出血は起こりますが、腹痛や下痢が前面に出る場合は大腸の炎症性疾患を先に疑った方が安全です。【1】【2】【3】

Q. どのような場合に救急受診を考えた方がよいですか?

A. 便器の水が赤く染まるほどの大量出血、血のかたまりが出る、何度も続けて出血する、ふらつき、冷汗、動悸、息苦しさ、強い腹痛や高熱を伴う場合は、当日中の受診または救急受診を考えてください。鮮血便の中には痔だけでなく、憩室出血など急ぎの対応が必要な病気が隠れていることがあります。出血量と全身状態で緊急性を判断することが大切です。【1】【2】【3】

Q. 鮮血便があると大腸カメラは必ず必要ですか?

A. すべての方に必須とは限りませんが、原因を最も確実に確認できる検査は大腸カメラです。とくに、出血を繰り返す、40代以降で初めて出た、家族に大腸がんの方がいる、腹痛や下痢を伴う、貧血がある場合は、大腸カメラを前向きに検討した方がよいでしょう。大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患などを直接観察できることが大きな利点です。【1】【2】【4】

Q. 便潜血検査が陰性でも血便が出ることはありますか?

A. はい、あります。便潜血検査は便に混じる微量の血液を調べる検査ですが、出血のタイミングや量によっては陰性になることがあります。また、便潜血検査が陰性でも、痔、大腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどが完全に否定できるわけではありません。目で見てわかる血便がある場合は、便潜血の結果にかかわらず医療機関で相談することが重要です。【1】【4】

Q. 市販の痔の薬で様子を見てもよいですか?

A. 軽い痔が疑われる場合に市販薬を使うこと自体はありますが、自己判断で長く様子を見るのはおすすめできません。とくに、数日たっても改善しない、何度も繰り返す、便に血が混じる、腹痛や下痢を伴う、40代以降で初発の場合は、痔以外の病気を除外することが大切です。鮮血便は「痔かもしれない」で終わらせず、必要に応じて専門医の診察を受けましょう。【1】【3】【4】

まとめ

  • 鮮血便は痔だけでなく重大な病気のこともある

  • 痛みの有無では鑑別できない

  • 血便が続く/繰り返す/40代以上は特に要注意

  • 最も確実な検査は 大腸内視鏡(大腸カメラ)

  • 「一度は検査して安心する」ことが大切

 

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関連ページ

参考文献

【1】National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Symptoms & Causes of GI Bleeding.
【2】American College of Gastroenterology. Management of Patients With Acute Lower Gastrointestinal Bleeding.
【3】Cleveland Clinic. Rectal Bleeding (Blood in Stool): Causes, Colors & Treatments.
【4】CDC. Symptoms of Colorectal Cancer.

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」そんな方にも安心して診察や検査を受けていただけるような診療を心がけております。気軽にご相談ください。

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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

(消化器学会・内視鏡学会専門医)

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