のどの違和感が続く…原因は甲状腺炎だった|耳鼻科や胃カメラで異常なしでも要注意
この記事はこのような方におすすめです
- のどの違和感・圧迫感が長く続いている
- 耳鼻科で異常なしと言われたが症状が残っている
- 胃カメラで異常なしと言われたが、のどのつかえ感が続く
- 首の前側を押すと違和感や痛みがある
- 逆流性食道炎の薬を飲んでも改●でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
「のどの奥がつまるような感じ」「飲み込みづらさ」「常に圧迫されるような違和感」──
こうした症状は、耳鼻科や胃カメラを受けても「異常なし」と言われることがあります。
しかし、のどのすぐ前には甲状腺という臓器があり、そこに炎症が起きると似たような違和感が出ることがあります。
今回は、耳鼻科と胃カメラでは異常が見つからなかったものの、当院で甲状腺エコーを行ったことをきっかけに、最終的に亜急性甲状腺炎と診断された30代女性の実際の治療例を紹介します。
のどのつまりが治らずにでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、のどの違和感・つかえ感・胃酸逆流症状・甲状腺エコーに関するご相談を受け付けています。
巣鴨駅から徒歩圏内で、WEB予約・お電話での予約に対応しています。症状が続いて不安な方は、一度ご相談ください。
のどのつまりや違和感を起こす主な原因
のどの違和感は、ひとつの原因だけで起こるとは限りません。耳鼻科領域、消化器領域、甲状腺、リンパ節、神経、ストレスや知覚過敏など、複数の要因が関係することがあります。
- 耳鼻科領域の病気:咽頭炎、喉頭炎、扁桃炎、後鼻漏、声帯の異常など
- 胃酸逆流・食道の病気:逆流性食道炎、咽喉頭酸逆流症、好酸球性食道炎、食道カンジダ症、食道アカラシアなど
- 甲状腺の病気:亜急性甲状腺炎、橋本病、バセドウ病、甲状腺腫瘍など
- 首のリンパ節や周囲組織の病気:リンパ節腫大、炎症、腫瘤など
- 腫瘍性疾患:咽頭がん、喉頭がん、食道がんなど
- 機能性の違和感:咽喉頭異常感症、ストレス、自律神経の乱れ、のどの知覚過敏など
特に、耳鼻科や胃カメラで異常がない場合でも、首の前側を押すと痛い・違和感がある、発熱や動悸を伴う、首の腫れがある場合には、甲状腺の評価も検討します。
のどの違和感全体の原因や検査については、以下のページでも詳しく解説しています。
亜急性甲状腺炎について
亜急性甲状腺炎とは、ウイルス感染後などに甲状腺に一時的な炎症が起こる病気です。かぜの後に起こることもあり、首の前側の痛みや圧痛、発熱、倦怠感などを伴うことがあります。
甲状腺は首の前側、のどぼとけの下あたりにある臓器です。そのため、甲状腺が腫れたり炎症を起こしたりすると、患者さんは「のどがつまる」「首の前が圧迫される」「飲み込むと違和感がある」と感じることがあります。
亜急性甲状腺炎で起こりやすい症状
- 首の前側の痛み・押すと痛い
- のどの違和感・圧迫感
- 飲み込みづらさ
- 発熱・倦怠感
- 動悸・手の震え・汗が増える
- 症状が片側から反対側へ移ることがある
炎症により甲状腺ホルモンが一時的に血液中へ漏れ出すと、動悸や手の震え、体重減少、汗が増えるなど、甲状腺ホルモンが多いときの症状が出ることがあります。その後、甲状腺ホルモンが一時的に低下する時期を経て、数か月で回復していくことが多いとされています[1][2]。
実際の治療例|30代女性「のどの圧迫感・引っかかる感じがとれない」
【症状】
3か月前から「のどの奥に常に何かがあるような圧迫感」を感じていた女性。
特につばを飲み込むときに引っかかる感じがあり、特に首の前側を触ると軽い違和感がある状態でした。
最初は一時的でしたが最近は常に感じるとのことでした。
【診察】
耳鼻科では咽頭・喉頭に異常なし。
その後、他院で胃カメラを受けましたが、食道や胃にも問題はありませんでした。
しかし症状は続いたため、「何かほかに原因があるのでは」とのことで当院を受診されました。
のどの違和感は耳鼻科系の疾患や食道疾患以外にも甲状腺疾患でも起こるため、甲状腺エコーを行いました。
【検査・治療】
甲状腺エコーでは甲状腺の肥厚を認め、甲状腺の炎症を疑う状態でした。
症状の原因と考え、専門病院へ紹介。
同院で詳しい検査の結果、亜急性甲状腺炎と診断されました。
投薬治療となり、炎症の改善とともに症状も消失したとのことでした。
■実際の甲状腺エコーの画像■
甲状腺炎が炎症により著明に腫大・肥厚しています。
のどの違和感で受診した方がよい目安
のどの違和感は一時的な炎症やストレスで起こることもありますが、次のような場合は早めの受診をおすすめします。
- のどの違和感が2週間以上続く
- 耳鼻科で異常なしと言われたが症状が続いている
- 胃酸を抑える薬を飲んでも改善しない
- 首の前側を押すと痛い、または腫れている
- 発熱、強い倦怠感、動悸、手の震えがある
- 食べ物が通りにくい、つかえて吐いてしまう
- 体重減少、血痰、声がれが続く
- 喫煙歴や飲酒量が多く、のどの症状が続いている
特に、「耳鼻科で異常なし」「胃カメラで異常なし」でも症状が続く場合は、甲状腺やリンパ節、のどの知覚過敏など、別の視点から原因を整理することが大切です。
院長からのコメント
のどの違和感は、患者さんにとって非常につらい症状です。
一方で、検査で明らかな異常が見つからないことも多く、「気のせい」「ストレス」と言われてしまうこともあります。
しかし、今回のように、耳鼻科や胃カメラで異常がなくても、甲状腺炎が原因となっていることがあります。
当院では、のどの違和感を診る際に、逆流性食道炎や咽喉頭酸逆流症だけでなく、食道疾患、甲状腺疾患、咽喉頭異常感症なども含めて総合的に考えるようにしています。
のどの症状が長引いている方、薬を飲んでも改善しない方、どこに相談すればよいかわからない方は、一度ご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. のどの違和感は甲状腺炎でも起こりますか?
A. はい。甲状腺は首の前側にあるため、甲状腺に炎症や腫れが起こると、のどの圧迫感、つかえ感、飲み込みづらさとして感じることがあります。特に首の前側を押すと痛い場合や発熱を伴う場合は、甲状腺炎も鑑別に入ります。
Q2. 耳鼻科で異常なしと言われても、別の病気が隠れていることはありますか?
A. あります。耳鼻科で咽頭や喉頭に異常がない場合でも、逆流性食道炎、咽喉頭酸逆流症、好酸球性食道炎、食道アカラシア、甲状腺疾患、リンパ節病変、咽喉頭異常感症などが原因となることがあります。
Q3. 胃カメラで異常なしなら、のどの違和感は心配いりませんか?
A. 胃カメラで食道がんや逆流性食道炎などが否定的であれば安心材料になりますが、それだけですべての原因を否定できるわけではありません。甲状腺やリンパ節、耳鼻科領域、のどの知覚過敏なども含めて考える必要があります。
Q4. 亜急性甲状腺炎ではどのような症状が出ますか?
A. 首の前側の痛み、押したときの痛み、発熱、倦怠感、のどの違和感、飲み込みづらさ、動悸、手の震え、汗が増えるなどの症状が出ることがあります。症状の出方には個人差があります。
Q5. 甲状腺エコーは痛い検査ですか?
A. 甲状腺エコーは痛みを伴わない検査です。首にゼリーを塗り、プローブを当てて甲状腺や周囲のリンパ節を確認します。放射線被ばくもありません。
Q6. 甲状腺炎は血液検査でもわかりますか?
A. 血液検査では、炎症反応、甲状腺ホルモン、TSHなどを確認します。亜急性甲状腺炎では、炎症反応の上昇や甲状腺ホルモンの一時的な変化がみられることがあります。エコー所見や症状と合わせて総合的に判断します。
Q7. 亜急性甲状腺炎は自然に治りますか?
A. 亜急性甲状腺炎は自然に改善していくことも多い病気です。ただし、痛みや発熱、動悸などが強い場合には治療が必要になることがあります。また、経過中に甲状腺ホルモンが一時的に低下することもあるため、医師のもとで経過を確認することが大切です。
Q8. のどの違和感がストレスで起こることもありますか?
A. はい。検査で明らかな異常が見つからない場合、ストレスや自律神経の乱れ、のどの知覚過敏などが関係していることがあります。ただし、最初からストレスと決めつけず、必要な検査で見逃してはいけない病気を確認することが重要です。
Q9. のどの違和感で胃カメラを受けた方がよいのはどんな場合ですか?
A. 胸やけ、げっぷ、酸っぱいものが上がる、食べ物がつかえる、体重減少、飲み込みづらさ、喫煙・飲酒歴がある場合などは、胃カメラで食道や胃の状態を確認することがあります。咽喉頭酸逆流症や食道疾患の評価にも役立ちます。
Q10. 巣鴨駅前胃腸内科クリニックで甲状腺エコーは受けられますか?
A. はい。巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、腹部エコーだけでなく甲状腺エコーにも対応しています。のどの違和感が続く方、首の前側に違和感や腫れがある方はご相談ください。
まとめ
- のどの違和感は、耳鼻科疾患や逆流性食道炎だけでなく、甲状腺炎でも起こることがあります。
- 耳鼻科や胃カメラで異常なしでも、首の前側の違和感や痛みがある場合は甲状腺エコーが役立つことがあります。
- 亜急性甲状腺炎では、首の前の痛み、発熱、倦怠感、動悸などを伴うことがあります。
- のどの違和感が長引く場合は、「ストレス」と決めつけず、のど・食道・甲状腺を含めて原因を整理することが大切です。
- 巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、のどの違和感に対して胃カメラ・咽頭観察・甲状腺エコーなどを組み合わせて診療しています。
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
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参考文献
-
Ito Y, et al. Diagnosis and surgical management of thyroid nodules. Endocr J. 2021.
-
American Thyroid Association Guidelines, 2016.
-
Koufman JA, et al. Laryngopharyngeal reflux: Diagnosis and management. Otolaryngol Head Neck Surg. 2002.
-
World Health Organization. Thyroid cancer: Risk factors and epidemiology. 2020.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介 (消化器学会・内視鏡学会専門医)
