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コラム【なぜ過敏性腸症候群は治らないのか?繰り返すのか?|専門医が原因と対策・治療を解説】

[2025.01.03]

「過敏性腸症候群と診断され薬を飲んでいるけれど治らない」

「薬をやめるとすぐにぶり返す」

そんなお悩みを抱える方は少なくありません。

過敏性腸症候群はストレスや体質が関わっており、治りにくく・繰り返しやすく、また症状だけで判断すると実は過敏性腸症候群ではなく、別の病気だったというケースもあり、

適切な診断・状態の把握・投薬を行うことが重要です。

この記事では、過敏性腸症候群が治らない・繰り返す理由と、検査・治療の重要性について、消化器専門医の神谷院長が実例を交えてわかりやすく解説します。

過敏性腸症候群でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 過敏性腸症候群は、ストレス・生活習慣・腸の敏感さなどが関係し、症状を繰り返しやすい病気です。

✅ 薬を飲んでも治らない場合、薬が合っていないだけでなく、診断を見直す必要があることもあります。

✅ 血便・黒い便・体重減少・貧血・夜間の下痢・症状の悪化がある場合は、IBS以外の病気に注意が必要です。

✅ 過敏性腸症候群は、腸に明らかな炎症や腫瘍がないことを確認したうえで診断する病気です。

✅ 症状が続く場合は、血液検査・便検査・腹部エコー・大腸カメラなどを組み合わせて原因を確認します。

 

過敏性腸症候群が治らない・繰り返す方へ

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、腹痛・下痢・便秘・お腹の張りなどの便通異常に対して、診察・検査・治療を行っています。

「薬を飲んでも改善しない」「本当にIBSなのか不安」「大腸カメラを受けた方がよいか相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

 

そもそも過敏性腸症候群とは?

原因は?

過敏性腸症候群とは、腸に異常がないにもかかわらず、慢性的な腹痛や便秘・下痢などの便通異常を繰り返す疾患です。

もともと腸の運動は自律神経やセロトニンというホルモンが調整しています。

不安や緊張といった心因的ストレスや、不規則不摂生な生活・過労や気候の変化などの環境的なストレスが続くと、

・自律神経がうまく働かなくなったり、

・腸の粘膜からセロトニンが過剰に分泌されたりすることで、

腸の運動の調整がうまくいかなくなり過敏性腸症候群が発症するのではないかと考えられています。

また、そうすることで起こる腸の不快感や痛みや便通異常がストレスとして脳に伝わり、さらに症状が悪化するという悪循環に陥りやすくなってしまうのです。

▶過敏性腸症候群(IBS)の症状・診断・治療法について詳しく知りたい方はこちら

どんな症状が起こる?

  • 腹痛、腹部違和感
  • 下痢、便秘、または便秘と下痢を繰り返すなどの便通異常
  • お腹のはり
  • お腹がゴロゴロと鳴る
  • 残便感、頻便感
  • 急にくる便意

などが過敏性腸症候群では起こります。

特にストレスで増悪したり、通勤・通学途中のトイレに行けない場面・ 会議前・試験前・緊張する場面での腹痛・便意などが過敏性腸症候群ではよく見られます。

なぜ治らないのか?ぶり返すのか?5つの理由

過敏性腸症候群が治らない、または一度よくなっても繰り返す場合、主に次のような原因が考えられます。

1.生活習慣やストレスの改善が難しい

前述のように過敏性腸症候群は

  • 不安などによる心因的なストレス
  • 疲れや食生活といった生活習慣に起因する身体的なストレス
  • 気温気圧の変化などの環境的なストレス

などよって起こります。

ですので、生活習慣の改善やストレスの改善がないと、症状が治らなかったり一旦薬でよくなったあともぶり返すことが多いのです。

そのため習慣の改善を行うことが大切になりますが、急激な習慣の改善が難しかったりストレス環境が続く場合には、薬を継続的に使用して症状をコントロールする必要があります。

2.過敏性腸症候群を起こしやすい体質の治療が簡単にはできない

同じようなストレス環境でも過敏性腸症候群を発症する人とそうでない人がいますが、そこには「体質」が関わってきます。

・ストレスに対しての自律神経の耐性

・腸内細菌叢

・腸管でのセロトニンの分泌の程度

これらの体質的な部分はすぐには変えることが出来ないため、一旦薬でよくなった後もぶり返す要因になります。

漢方などを用い長い目で体質を変えていくことも重要です。

3.薬が合っていない

過敏性腸症候群は自律神経の問題や腸管のセロトニンの分泌の影響など様々な要因が組み合わさって発症し、症状も便通異常や腹痛など症状が多岐にわたるため、原因と症状に合わせて薬を選択しないと治療しているのに改善しないという状況に陥ってしまいます。

4.食事内容が合っていない

IBSでは、特定の食品でお腹の張り、下痢、腹痛が悪化する方がいます。

代表的なものとして、発酵性の糖質を多く含む食品が症状に関係することがあり、低FODMAP食が選択肢になる場合があります。

ただし、低FODMAP食は自己流で長期間厳しく続けるものではありません。一定期間の制限、その後の再導入、自分に合わない食品の見極めという流れで行うことが大切です。

▶食事の見直しについて詳しく知りたい方は、以下のページもご参照ください。

5.診断が間違っている

腹痛やお腹の張り、下痢・便秘などの便通異常などは実は炎症性腸疾患や感染性腸炎、大腸がんなど他の病気でもおこりえます。

過敏性腸症候群はそもそもが「腸に異常がないのに起こる腹痛や便通異常」という疾患のため、大腸カメラなどのきちんとした検査を行い本当に腸に異常がないか、他の病気が隠れていないかを見極めて診断を行う必要があります。

「症状が合致するから」「若いから病気の可能性は高くないから」といって必要な検査をせずに過敏性腸症候群と決めつけていると、過敏性腸症候群ではなく実は他の病気だった、ということがありえるのです。

 

過敏性腸症候群と間違えやすい病気

IBSは「症状があるのに、消化管に明らかな器質的異常が見つからない」病気です。

一方で、IBSと似た症状を起こす病気もあります。特に以下の病気は、腹痛・下痢・便秘・腹部膨満感などを起こすことがあります。

病気 主な症状 IBSとの違い・注意点
潰瘍性大腸炎 下痢、腹痛、血便、粘液便 大腸に慢性的な炎症が起こる病気です。血便や粘液便がある場合は注意が必要です。
クローン病 腹痛、下痢、体重減少、発熱、肛門病変 口から肛門までの消化管に炎症を起こすことがあります。若い方でも発症します。
大腸がん 血便、便が細い、残便感、お腹の張り、便秘、貧血 初期は無症状のこともあります。便通異常が続く場合は検査が大切です。
感染後IBS 胃腸炎後に続く下痢、腹痛、腹部不快感 食あたりや感染性胃腸炎のあとに、IBSのような症状が長引くことがあります。
甲状腺疾患 下痢、便秘、動悸、体重変化、疲れやすさ 腸ではなくホルモンの異常が便通に影響することがあります。

そのため、

  • 「IBSと言われたが治らない」
  • 「薬を飲んでも何度もぶり返す」

という場合には、最初の診断が本当に合っているのかを見直すことが大切です。

「若いから大丈夫」「前にもIBSと言われたから今回も同じだろう」と考えず、症状の経過と赤旗症状の有無に応じて検査を組み立てることが大切です。【1】【2】【3】

 

▶潰瘍性大腸炎や大腸がんは、IBSと似た症状で始まることがあります。以下のページもあわせてご参照ください。

正しい診断に必要な検査は?

前述のように過敏性腸症候群とは、「腸に異常がないにもかかわらず慢性的な腹痛や便秘・下痢などの便通異常を繰り返す疾患」です

ですので、血液検査・レントゲン・腹部エコー検査・大腸内視鏡(大腸カメラ)などの検査で他の疾患を除外していく必要があります。

血液検査:

 炎症などの数値、甲状腺疾患の数値などを確認します。

レントゲン:

 腸管のガスの状態や便の溜まり具合などを確認します。

腹部エコー:

 小腸や大腸の粘膜の浮腫みや炎症、進行がんなどがないかを外から見てみます。

▶エコー検査の詳細については、以下のページをご参照ください

大腸内視鏡(大腸カメラ):

 過敏性腸症候群の診断において一番大切な検査になります。

 実際に大腸の粘膜の状態を直接見ることが出来、炎症性腸疾患やガンなどの有無、粘膜の詳細な状態を調べ過敏性腸症候群かどうかを診断します。

▶大腸カメラの流れや当院の工夫については、以下のページをご参照ください。

過敏性腸症候群が疑われても検査を考えたいサイン

過敏性腸症候群は、症状のパターンから診断を考える病気ですが、すべての方に大腸カメラが必ず必要というわけではありません。

一方で、次のような症状がある場合は、IBSだけでは説明しにくく、潰瘍性大腸炎・クローン病・大腸がんなどを見逃さないための検査が大切です。

  • 血便がある
  • 黒い便が出る
  • 肛門からの出血がある
  • 体重が減ってきた
  • 貧血を指摘された
  • 夜間も下痢で目が覚める
  • 発熱を伴う
  • 便が細くなってきた
  • 残便感が強くなってきた
  • 症状が長引く、または悪化している
  • 大腸がんや炎症性腸疾患の家族歴がある

これらは「赤旗症状」と呼ばれる、見逃したくないサインです。

赤旗症状がある場合や、治療しても改善しない場合は、自己判断で様子を見続けず、ご相談ください。

過敏性腸症候群の治療

過敏性腸症候群の治療では、「これだけで必ず治る」という一つの方法に頼るのではなく、症状のタイプに合わせて複数の対策を組み合わせることが大切です。

1. 症状タイプに合わせた薬物療法

下痢型、便秘型、混合型、腹痛が強いタイプなど、症状に応じて薬を選択します。

整腸剤、腸の動きを整える薬、下痢を抑える薬、便秘を改善する薬、腹痛を和らげる薬、漢方薬などを組み合わせることがあります。

2. 生活習慣の見直し

睡眠不足、過労、不規則な食事、運動不足、ストレスはIBSの悪化要因になります。

急にすべてを変える必要はありませんが、睡眠時間、食事のリズム、適度な運動、休息を整えることが症状の安定につながります。

3. 食事の調整

脂っこい食事、アルコール、カフェイン、刺激物、乳製品、発酵性の糖質を多く含む食品などで症状が悪化する方もいます。

ただし、食事制限を厳しくしすぎると栄養バランスが崩れることがあります。 症状と食事の関係を記録しながら、自分に合わない食品を見極めることが大切です。

4. ストレス・不安への対策

「またお腹が痛くなったらどうしよう」「電車でトイレに行けなかったらどうしよう」という予期不安が、さらに腸の症状を悪化させることがあります。

薬だけでなく、生活環境の調整、睡眠、運動、ストレス対策を組み合わせることで、症状が安定しやすくなります。

5. 診断の見直し

治療しても改善しない場合は、薬を増やす前に「本当にIBSでよいのか」を見直すことも大切です。

特に赤旗症状がある場合や、以前より症状が変化している場合は、追加検査を検討します。

実際の治療例

ここからは、IBSと思われていたものの、検査で別の病気が見つかった実際の治療例をご紹介します。

①20代男性「過敏性腸症候群が治らない」

【症状】

数年前から一日数回の下痢と腹痛があり、近医にて過敏性腸症候群と診断され投薬治療を受けていましたが、症状が改善しないととのことで当院を受診されました。

 

【診察】

下痢や腹痛はストレス時に悪化するとのことであり過敏性腸症候群の症状としても矛盾はありませんでしたが、潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性的に腸に炎症を起こす炎症性腸疾患も否定はできない症状でした。

前医では特に検査はせずに症状のみで過敏性腸症候群と診断を受けたとのことで、ご本人と相談し大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行い腸の状態を確認してみることとしました。

 

【検査】

大腸内視鏡行うと大腸全体に広がる炎症を認めました。

生検を行い内視鏡所見と合わせて潰瘍性大腸炎と診断しました。

大腸内視鏡画像です。 大腸粘膜全体に潰瘍性大腸炎と思われるびらん(黄色矢印部分)・炎症によるうっ血(青丸部分)を認めました。

【治療】

潰瘍性大腸炎とは、「体内に侵入したウイルスや細菌などの外的を攻撃する免疫細胞(白血球など)が、大腸粘膜や腸内細菌を敵と誤認して攻撃してしまい、大腸の粘膜に慢性的に炎症を起こす病気」です。

大腸に炎症を来すことで、腹痛・下痢・血便などの症状を来します。

実は根本的な治療法が今のところはない難病の一つですが、炎症自体は薬で抑えることが可能で、継続的に薬を使っていく必要があります。

今回も患者さんにご説明し、潰瘍性大腸炎に対しての抗炎症薬(5-ASA)製剤の投与を行いました。

▶関連ページ:【潰瘍性大腸炎の詳細】

 

【経過】

1週間ほどで下痢・腹痛はかなり改善し、2週間ほどで腹痛は消失し、通常便になりました。

状態的には薬で症状が消えた状態=寛解状態となりました。

ただ、先述のように根本的な治療法はなく薬で炎症を抑えているだけであり、この寛解状態を維持するため投薬を継続しています。

(やめると高確率で再燃してしまいます。)

 

【院長からのコメント】

最初に他院で診断された、過敏性腸症候群は「腸に炎症や腫瘍などの異常がないにも関わらず起こる腹痛や便通異常をきたす疾患」です。

ストレスや緊張で悪化しやすいのが特徴ですが、潰瘍性大腸炎も同じように腹痛や便通異常をきたし、かつストレスで増悪することもあり、

症状が合致するからと言って必ずしも過敏性腸症候群とは言えません。

今回のように症状が治らない場合はもちろん、過敏性腸症候群と診断する際にはしっかりと大腸内視鏡などの検査することが重要です。

土日も検査対応可です

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

②40代女性「お腹が張ってすっきり便が出ず何度もトイレに行きたくなる」

【症状】

数か月前からお腹が張る・すっきり便が出ず何度もトイレに行きたくなる感覚があり、会社の産業医に相談したところ過敏性腸症候群ではないかと言われ、薬を出されましたが一向に改善なく、当院を受診されました

 

【診察】

お腹が張る・便がすっきりと出ない要因として、過敏性腸症候群に代表される大腸の蠕動運動の問題の他に、腫瘍などの出来物による大腸の内腔の狭窄や大腸炎、などでも生じることがあり、症状が改善しないこともあり、大腸内視鏡(大腸カメラ)を行い病気があるかどうかを状態を確認することにしました。

 

【大腸内視鏡検査】

直腸を超えてすぐのS状結腸のに腫瘍を認め、生検にて大腸がんと診断しました。

※出血を伴う不整な隆起(黄色部分)を認め、進行直腸がんを疑い生検を行い、がんと診断しました

この大腸がんによって腸の管腔が狭まり、便の通り道が細くなることで一度に便がすっきりと出ない状態となっていました。

ガンによって大腸の内腔は狭窄して(矢印部分)、検査スコープは通過ができない状態でした。

【治療・経過】

大腸ガンは早期の状態であれば内視鏡で治療が可能ですが、進行がんの状態になると手術や抗がん剤治療が必要となります。

今回は残念ながら進行がんの状態であり、高次医療機関でCTなどで大腸がんのステージを評価して治療方針を決める必要があり、対応できる医療機関に紹介となりました。

紹介先の病院では遠隔転移はなく、stageⅢ-Aの診断で手術と抗がん剤治療となりました。

 

【院長からのコメント】

S状結腸や直腸に出来る大腸ガンは進行すると次第に大腸の内腔を圧迫するようになり、

  • お腹が張る
  • 便がすっきりと出ない
  • 便が細くなる
  • 血便が混じる

など過敏性腸症候群同様の腹部症状や便通異常を伴うことが少なからずあります。

放置しておくと腸が詰まってしまい腸閉塞になったり、ガンの進行に伴い転移を来し命に関わることも出てきます。

大腸ガンによる便通異常は進行することはあっても、ガンを治療しない限りは自然治癒することはなく、たとえ過敏性腸症候群と診断を受けていても、2週間以上便通異常が続いた場合は医療機関で検査を受けることが望ましいと考えます。

まとめ

過敏性腸症候群は、ストレスや腸の敏感さが関係するため、症状を繰り返しやすい病気です。

その一方で、腹痛・下痢・便秘・お腹の張りといった症状は、潰瘍性大腸炎や大腸がんなど、別の病気でも起こります。

特に「治らない」「悪化している」「血便がある」「便が細くなってきた」「体重が減ってきた」といった場合は、IBSと決めつけず、腸の状態を確認することが大切です。

当院では、症状の経過を丁寧に伺い、必要に応じて血液検査・便検査・腹部エコー・大腸カメラなどを組み合わせて診療しています。

過敏性腸症候群でお悩みの方、薬を飲んでも改善しない方、本当にIBSなのか不安な方は、お気軽にご相談ください。

過敏性腸症候群が治らないと感じている方へ

IBSは「我慢するしかない病気」ではありません。症状のタイプを見極め、薬・食事・生活習慣・必要な検査を組み合わせることで、症状のコントロールを目指せます。

腹痛・下痢・便秘・お腹の張りにお悩みの方は、巣鴨駅前胃腸内科クリニックへご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

よくある質問FAQ

Q. 過敏性腸症候群は本当に治らないのですか?

A. 過敏性腸症候群(IBS)は症状を繰り返しやすい病気ですが、「治療できない」という意味ではありません。食事や生活習慣の見直し、症状タイプに合わせた薬物療法を組み合わせることで、症状を軽くし、再発を減らしていくことは十分可能です。【4】【5】【6】

Q. どんな症状があると、IBS以外の病気を疑いますか?

A. 血便、黒い便、肛門からの出血、体重減少、貧血、大腸がんや炎症性腸疾患の家族歴がある場合は、IBS以外の病気も考えて検査を進めることが大切です。【1】【2】

Q. IBSの診断に大腸カメラは必ず必要ですか?

A. 必ずしも全員に必要というわけではありません。赤旗症状がなく、必要な基本検査で他の病気が疑われない場合は、症状パターンから前向きにIBSと診断する考え方があります。一方で、血便、貧血、体重減少、症状の悪化などがある場合は、大腸カメラを含めた追加評価が重要です。【1】【2】【3】実際に過敏性腸症候群 が疑われている患者さんに大腸内視鏡を行うと約30%に何らかの器質疾患が見つかったというデータもあります。

Q. 検査で異常がないのに、腹痛や下痢、便秘が起こることはありますか?

A. あります。IBSは、消化管に目に見える異常がなくても、腹痛や便通異常を繰り返す病気として知られています。【6】

Q. ストレスだけが原因なのですか?

A. ストレスは大きな要因の一つですが、それだけではありません。IBSは原因が一つではなく、腸の敏感さ、生活習慣、食事、心理的要因などが重なって起こると考えられています。【5】【6】

Q. 便秘型と下痢型で治療は違いますか?

A. 違います。IBSは便秘優位型、下痢優位型、混合型などに分けて考え、症状のタイプに応じて薬や治療方針を調整していくことが重要です。【5】

Q. 低フォドマップ食はずっと続けたほうがよいですか?

A. ずっと厳しく続ける方法ではありません。低FODMAP食は、一定期間の制限、その後の再導入、最後に自分に合わない食品を見極めて調整する流れで行います。【4】

Q. IBSが疑われるとき、どのような検査をすることがありますか?

A. 状況に応じて、血液検査、便検査、必要時の大腸カメラなどを組み合わせます。炎症や貧血、他の病気の可能性を確認することが大切です。【1】【2】

Q. 市販薬で様子を見てもよいですか?

A. 一時的に整腸剤などを試すことはありますが、症状が長引く、悪化する、血便や体重減少などがある場合は自己判断を続けず、医療機関で評価を受けることが大切です。【1】【2】

Q. 受診の目安はありますか?

A. 腹痛と便通異常が繰り返し、日常生活に支障が出ている場合は受診をおすすめします。血便や体重減少などの見逃したくない症状がある場合は、早めの受診が大切です。【1】【2】

Q:食あたりは原因になりますか?

A:感染性胃腸炎(食あたり)も原因になります。

感染性胃腸炎を起こした後に約10%程度の方に発症し、実は過敏性腸症候群の1/6程度は感染性胃腸炎が要因となっており、少なくとも胃腸炎後2-3年は過敏性腸症候群の発症のリスクが高いという研究結果があります

胃腸炎後に過敏性腸症候群を起こしやすくなるリスクとしては、女性・若年・心理的問題・胃腸炎自体の程度が強いことが関連していると言われています。

胃腸炎後の過敏性腸症候群は、胃腸炎が治っていないと誤診されてしまうことも多く、適切な治療を受けれずにいつまでも症状に悩ませることもあるため、胃腸の専門施設でしっかりと診断を受けることが大切です。

Q:過敏性腸症候群は遺伝しますか?

A:遺伝が関与することが分かっています。セロトニン関連遺伝子やTNFSF15遺伝子との関連が報告されています【Czogalla 2015】。

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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〒170-0002
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交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介(消化器学会・内視鏡学会専門医)

参考文献

【1】National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Diagnosis of Irritable Bowel Syndrome.
【2】NICE. Quality statement 2: Giving a diagnosis | Irritable bowel syndrome in adults.
【3】Lacy BE, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol. 2021.
【4】Chey WD, et al. AGA Clinical Practice Update on the Role of Diet in Irritable Bowel Syndrome: Expert Review. Gastroenterology. 2022.
【5】American Gastroenterological Association. AGA issues clinical guidelines outlining drug treatment plans for patients with irritable bowel syndrome (IBS). 2022.
【6】National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Irritable Bowel Syndrome (IBS).

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

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