実際の治療例【ゼリー状の血便が続く原因は?|大腸内視鏡で判明した「アメーバ腸炎」】
「便にゼリーのようなものが混じる」「少し血が混ざっているけど、そのうち治まるだろう」
そんな症状を繰り返していませんか?
一見軽い腸炎のように見えても、実は感染性の炎症性腸疾患が隠れていることがあります。
今回は、1年ほど前から断続的にゼリー状の血便がみられ、今回は1週間以上続いて受診した患者さんの実例を紹介します。
▶巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
実際の治療例|50代男性「便に粘液のような血が混じる」
【症状】
1年ほど前から、時々便にゼリーのような血便が混じることがありました。
2〜3回で自然に治まるため、これまで特に受診はしていませんでした。
しかし今回は、1週間前から症状が続き改善しないため、不安になって受診されました。
【診察】
症状からは何らかの大腸炎を疑い、以下のような疾患の可能性を考慮しました。
-
潰瘍性大腸炎
-
感染性腸炎(細菌性・アメーバ性など)
-
虚血性腸炎
-
直腸炎(性感染症関連)
【検査・診断】
状態を確認するため大腸カメラ(大腸内視鏡)を実施。
深部大腸(盲腸-上行結腸)にびらん・発赤を認めました。
病変部からの生検検査により、アメーバ原虫(Entamoeba histolytica)を検出し、アメーバ腸炎と診断しました。
■実際の大腸カメラの画像■
深部大腸に出血を伴うびらん・炎症を多数認めました。状態や分布からアメーバ腸炎を疑い生検を行い、確定診断となりました。
【アメーバ腸炎とは?】
アメーバ腸炎は、赤痢アメーバによる感染性腸炎の一種です。
◆原因
主に経口感染で、汚染された水や食べ物、または性的接触によって感染します。
途上国や衛生環境が整っていない国への旅行の際に感染することもあります。
今回の方は、出張で東南アジアに長期滞在していたことがあり、原因の可能性が考えられました。
◆症状
腸の粘膜にアメーバが侵入して潰瘍やびらんをつくるため、以下のような症状を引き起こします。
-
粘血便(ゼリー状の血便)
-
下腹部痛や下痢
-
時に発熱
-
長期化する軽い下痢・血便
特徴的なのは、数日で治まっても再発を繰り返す点です。
放置すると重症化して大腸穿孔や肝膿瘍を起こすこともあるため、早期の診断と治療が重要です【1】【2】。
◆治療
アメーバ腸炎の治療では、抗アメーバ薬(メトロニダゾールやチニダゾールなど)を使用します。
【経過】
抗アメーバ薬で治療を開始。数日で血便は改善し、便の性状も正常に戻りました。
再感染を防ぐため、衛生管理や性的接触時の感染予防についてもお伝えし、診療終了となりました。
院長からのコメント
ゼリー状の血便は「痔」や「軽い腸炎」と誤解されやすいですが、感染性腸炎や炎症性腸疾患の初期症状であることも少なくありません。
特に1週間以上続く・繰り返す血便は、自然に治ると判断せずに早めの大腸カメラ(内視鏡検査)を受けることが大切です。
当院の大腸カメラの特徴
-
鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
-
高解像度スコープで小さな病変も発見
-
土日対応、事前診察は原則不要
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
まとめ
-
ゼリー状の血便は、アメーバ腸炎など感染性腸炎の可能性がある
-
放置せず、症状が続く場合は大腸内視鏡検査を受ける
-
抗菌薬治療で改善可能。
-
重症化すると大腸穿孔や肝膿瘍を起こすこともあるため早期発見が重要
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. アメーバ腸炎は人から人にうつりますか?
A1. はい。赤痢アメーバは便中に排出され、経口的に感染します。性的接触による感染例もあります【1】。
Q2. 放置するとどうなりますか?
A2. 炎症が拡大し、大腸穿孔や肝膿瘍を引き起こすことがあります。放置せず治療を受けることが重要です【2】。
Q3. ゼリー状の血便はすぐ受診すべきですか?
A3. 数日で治まっても再発を繰り返す場合は要注意。感染性腸炎や潰瘍性大腸炎の可能性があります。
Q4. 再発を防ぐ方法はありますか?
A4. 治療後も衛生管理を徹底し、感染経路(飲食・接触)を避けることが大切です。
Q5. 大腸カメラは痛いですか?
A5. 鎮静剤を用いて行うため、多くの方が「寝ている間に終わった」と感じられます。
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
アクセス
所在地
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら
▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833
▶【WEB予約】
参考文献
-
厚生労働省感染症情報センター. アメーバ赤痢(赤痢アメーバ症)に関する情報.
-
日本感染症学会ガイドライン「腸管感染症の診断と治療 2023」
内部リンク
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
