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実際の治療例【ゼリー状の血便が続く原因は?|大腸内視鏡で判明した「アメーバ腸炎」】

[2025.10.22]

「便にゼリーのようなものが混じる」「少し血が混ざっているけれど、そのうち治まるかもしれない」――

このような症状が続くと、不安でも様子を見てしまう方は少なくありません。

ゼリー状の血便は、いわゆる粘血便のことが多く、痔だけでなく感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、直腸炎、虚血性腸炎などでみられることがあります。

特に、何日も続く、繰り返す、腹痛や下痢を伴う場合は、大腸カメラを含めた評価が大切です。

今回は、1年ほど前から断続的にゼリー状の血便があり、今回は1週間以上続いたため受診し、大腸内視鏡と生検でアメーバ腸炎と診断された50代男性の実例をご紹介します。

粘血便の方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ ゼリー状の血便は、粘液と血液が混じった「粘血便」の可能性があります。

✅ 痔だけでなく、感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、直腸炎、虚血性腸炎、大腸がんなどでも起こります。

✅ アメーバ腸炎では、粘血便・腹痛・下痢・しぶり腹が続いたり、繰り返したりすることがあります【1】【2】。

✅ 症状が1週間以上続く場合や、繰り返す場合は、早めに消化器内科で相談することが大切です。

✅ 大腸カメラと生検により、潰瘍性大腸炎や大腸がんなどとの鑑別にもつながります【4】。

 

ゼリー状の血便・粘血便でお困りの方へ

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、血便・粘血便・下痢・腹痛などの診察、大腸カメラによる原因精査に対応しています。

「痔かもしれない」と思っていても、腸の炎症や感染症が隠れていることがあります。不安な症状が続く場合は、早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

大腸カメラの詳細(検査のやり方・詳しい流れなど)はこちら

ゼリー状の血便が続くときに考える主な原因

ゼリー状の血便は、血だけでなく粘液が混じる「粘血便」に近い状態です。

便に鮮やかな血がつく場合は痔や裂肛など肛門に近い出血のこともありますが、ゼリー状の粘液を伴う場合は、大腸や直腸の炎症が関係していることがあります。

主な原因としては、以下のような病気が考えられます。

  • アメーバ腸炎
  • 細菌性腸炎などの感染性腸炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • 直腸炎
  • 大腸がん・直腸がん
  • 痔・裂肛

アメーバ腸炎でも、粘血便、下痢、腹痛、しぶり腹が続いたり、いったん軽くなっても再び悪化したりすることがあります。【1】【2】

そのため、「少し治まったから大丈夫」と自己判断せず、症状が続く場合は消化器内科で原因を確認することが大切です。

特に、1週間以上続く、繰り返す、腹痛や下痢を伴う場合は、大腸カメラを含めた検査を検討します。【1】【2】【4】

▶ゼリー状の血便や粘血便について、原因や受診の目安を総論で詳しく知りたい方は、「粘血便とは?原因・受診の目安・必要な検査」もあわせてご覧ください。

アメーバ腸炎とは?

アメーバ腸炎は、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)という原虫によって起こる感染性腸炎の一種です。

赤痢アメーバが大腸の粘膜に侵入すると、びらんや潰瘍をつくり、粘血便、下痢、腹痛、しぶり腹などの症状を起こすことがあります【1】【2】。

アメーバ腸炎の主な感染経路

主な感染経路は経口感染です。汚染された水や食べ物を介して感染することがあるほか、性的接触によって感染することもあります【1】【2】。

  • 衛生環境が整っていない地域での飲食
  • 海外渡航・長期滞在
  • 感染者との接触
  • 性的接触

海外渡航歴がない方でも国内で感染することがあるため、渡航歴がないからといって完全には否定できません。

アメーバ腸炎でみられる症状

  • 粘血便
  • ゼリー状の血便
  • 下痢
  • 下腹部痛
  • しぶり腹
  • 発熱
  • 症状の改善と悪化を繰り返す

特徴的なのは、数日で一度軽くなっても、再び粘血便や腹痛を繰り返すことがある点です。

放置すると、まれに重症化して大腸穿孔や肝膿瘍などを起こすことがあるため、早期の診断と治療が重要です【1】【2】【3】。

アメーバ腸炎の診断で行う主な検査

アメーバ腸炎が疑われる場合、症状や病変の状態に応じて、以下のような検査を組み合わせます。

  • 便検査:赤痢アメーバの有無を調べます。
  • 血液検査:炎症反応、貧血、必要に応じて抗体などを確認します。
  • 大腸カメラ:大腸粘膜の炎症、びらん、潰瘍の分布を直接確認します。
  • 生検:病変部から組織を採取し、病原体や炎症の原因を調べます。

アメーバ腸炎は、潰瘍性大腸炎や他の感染性腸炎と似た症状・内視鏡所見を示すことがあります。そのため、症状だけで判断せず、必要に応じて大腸カメラや生検で確認することが大切です【4】。

アメーバ腸炎の治療

アメーバ腸炎の治療では、抗アメーバ薬(メトロニダゾールやチニダゾールなど)を使用します。

▶アメーバ腸炎そのものの原因・検査・治療について詳しく知りたい方は、「アメーバ腸炎とは?原因・検査・治療を専門医がわかりやすく解説」も参考になります。

実際の治療例|50代男性「便に粘液のような血が混じる」

【症状】

1年ほど前から、時々便にゼリーのような血便が混じることがありました。

2〜3回で自然に治まるため、これまで特に受診はしていませんでした。

しかし今回は、1週間前から症状が続き改善しないため、不安になって受診されました。

 

【診察】

症状からは何らかの大腸炎を疑い、以下のような疾患の可能性を考慮しました。

  • 潰瘍性大腸炎

  • 感染性腸炎(細菌性・アメーバ性など)

  • 虚血性腸炎

  • 直腸炎(性感染症関連)

▶血便を起こす病気全体の見分け方や、どのような検査が必要になるかを知りたい方は、「血便外来|血便・下血の原因・検査方法・治療法」もご参照ください。

 

【検査・診断】

状態を確認するため大腸カメラ(大腸内視鏡)を実施。

■実際の大腸カメラの画像■

深部大腸に出血を伴うびらん・炎症を多数認めました。

状態や分布からアメーバ腸炎を疑い生検を行い、アメーバ原虫(Entamoeba histolytica)を検出し、アメーバ腸炎と診断しました。

今回の方は、出張で東南アジアに長期滞在していたことがあり、原因の可能性が考えられました。

 

【治療経過】

抗アメーバ薬で治療を開始。数日で血便は改善し、便の性状も正常に戻りました。

再感染を防ぐため、衛生管理や性的接触時の感染予防についてもお伝えし、診療終了となりました。

 

ゼリー状の血便で受診した方がよい目安

ゼリー状の血便が一度だけで自然に治まった場合でも、繰り返す場合や長引く場合は注意が必要です。

特に、以下に当てはまる場合は、早めに消化器内科で相談することをおすすめします。

  • ゼリー状の血便が1週間以上続く
  • 一度治っても何度も繰り返す
  • 腹痛や下痢を伴う
  • 便意があるのに少ししか出ない、しぶり腹がある
  • 発熱がある
  • 体重が減ってきた
  • 貧血を指摘されている
  • 便が細くなった、残便感が続く
  • 海外渡航歴や感染リスクがある
  • 40歳以上で大腸カメラを受けたことがない

これらに当てはまる場合は、痔や一時的な腸炎と自己判断せず、消化器内科で原因を確認することが大切です。

血便・粘血便が続く方へ

ゼリー状の血便や粘血便は、痔だけでは説明できないことがあります。

大腸炎、感染症、炎症性腸疾患、大腸がんなどの可能性を確認するためにも、症状が続く場合は早めの受診が安心です。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのご予約:03-5940-3833

院長からのコメント

ゼリー状の血便は、「痔」や「軽い腸炎」と誤解されやすい症状です。

しかし実際には、感染性腸炎、アメーバ腸炎、潰瘍性大腸炎、直腸炎、大腸がんなど、検査をしないと見分けにくい病気が隠れていることがあります。

特に、1週間以上続く血便、何度も繰り返す血便、腹痛や下痢を伴う血便は、自然に治ると判断せずに早めに相談していただくことが大切です。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また大腸カメラに不安がある方にも、鎮静剤による無痛大腸カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

当院の大腸カメラの特徴

苦痛の少ない大腸カメラのために低痛挿入法、鎮静剤、細径スコープ、下剤の工夫、土日検査と日帰りポリープ切除に対応している当院の特徴を示した図解

  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法、大腸に合わせたカメラの選択で苦しくない内視鏡検査

  • オリンパス製最新システム+高解像度スコープで小さな病変も早期発見
  • 下剤の工夫による負担の少ない前処置
  • 土日対応、事前診察は原則不要

 

よくある質問(FAQ)

Q. ゼリー状の血便は、すぐ受診したほうがいいですか?

A. はい。1週間以上続く場合、何度も繰り返す場合、腹痛・下痢・発熱・しぶり腹を伴う場合は、痔だけでなく感染性腸炎や炎症性腸疾患なども考える必要があります。自己判断で様子を見続けず、消化器内科で相談することをおすすめします。【1】【2】

Q. ゼリー状の血便は痔でも起こりますか?

A. 痔で出血することはありますが、ゼリー状に見える便は粘液が混じる「粘血便」のことがあり、腸の炎症や感染でみられることがあります。血便の見え方だけで痔と決めつけないことが大切です。【1】【2】

Q. 下痢がなくてもアメーバ腸炎の可能性はありますか?

A. あります。アメーバ腸炎では粘血便、腹痛、しぶり腹が目立つことがあり、必ずしも強い下痢が前面に出るとは限りません。症状が軽くなったり悪化したりを繰り返すこともあります。【1】【2】【4】

Q. アメーバ腸炎は人にうつりますか?

A. はい。赤痢アメーバは便中に排出され、糞口感染でうつるほか、性的接触で感染することもあります。手洗いやトイレ後の衛生管理、感染経路への配慮が大切です。【1】【2】【3】

Q. 海外渡航歴がなくてもアメーバ腸炎になりますか?

A. はい。海外渡航がきっかけになることはありますが、国内感染もあります。衛生環境だけでなく、感染者との接触や性的接触が感染経路となることも報告されています。【1】【2】

Q. 便検査だけで診断できますか?

A. 便検査で診断できることはありますが、症状や病変の場所によっては大腸カメラで炎症の分布を確認し、生検で確定診断につなげることがあります。特に、他の大腸炎との鑑別が必要な場合は内視鏡が有用です。【1】【3】【4】

Q. 大腸カメラは必要ですか?

A. ゼリー状の血便が続く場合や、原因をはっきりさせたい場合には有用です。アメーバ腸炎は感染性腸炎や潰瘍性大腸炎などと症状が似るため、内視鏡で病変を確認し、生検を行うことで診断に近づけます。【1】【4】

Q. 放置するとどうなりますか?

A. 症状が長引くだけでなく、まれに重症化して大腸穿孔や肝膿瘍などの腸管外病変につながることがあります。血便を繰り返す場合は、早めに原因を調べることが大切です。【1】【2】【3】

Q. アメーバ腸炎の治療はどのように行いますか?

A. 一般に、メトロニダゾールやチニダゾールなどの抗アメーバ薬が用いられます。症状のあるアメーバ症では、腸管内のシストに対する追加治療が検討されることもあります。【1】【3】

Q. 再発や再感染を防ぐにはどうすればよいですか?

A. 手洗いを徹底すること、感染経路となりうる飲食や接触に注意することが大切です。治療後も便の状態に違和感が続く場合は、自己判断せず再度ご相談ください。【1】【2】

まとめ

ゼリー状の血便や粘血便は、痔や一時的な腸炎だけでなく、大腸や直腸の炎症、感染症、炎症性腸疾患、大腸がんなどが関係していることがあります。

  • ゼリー状の血便は、粘液と血液が混じった粘血便の可能性があります。
  • アメーバ腸炎では、粘血便、腹痛、下痢、しぶり腹が続くことがあります。
  • 症状が数日で治まっても、繰り返す場合は注意が必要です。
  • 1週間以上続く血便や粘血便は、早めの受診が大切です。
  • 大腸カメラと生検により、原因を詳しく見分けることができます。
  • アメーバ腸炎は、適切な抗アメーバ薬治療により改善が期待できます。
  • 放置すると、まれに大腸穿孔や肝膿瘍などにつながることがあります【1】【2】【3】。
ゼリー状の血便・粘血便が続く方へ

「痔だと思っていた」「一度治まったから大丈夫だと思っていた」という方でも、実際には大腸炎や感染症が隠れていることがあります。

ゼリー状の血便や粘血便が続く場合は、自己判断せず、消化器内科で原因を確認しましょう。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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参考文献

  1. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト. アメーバ赤痢.
  2. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト. アメーバ赤痢(詳細版).
  3. MSDマニュアル プロフェッショナル版. アメーバ症.
  4. 病原微生物検出情報(IASR). アメーバ性腸炎の内視鏡診断.

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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