便潜血陽性は30代でも要注意|大腸カメラで15mm“扁平ポリープ(鋸歯状腺腫)”をその場で切除した実例
「便潜血陽性=がんですか?」と不安になって来院される方はとても多いです。
結論から言うと、便潜血陽性の理由は“がん以外”にもあります。
ただし一方で、早期の大腸がんや、将来がん化しうるポリープは“症状がほぼないまま”見つかることもあり、陽性のときに精密検査(大腸内視鏡)まで進むことが大切です【1】【2】。
今回は、30代男性が会社健診の便潜血陽性をきっかけに受診し、15mmの扁平ポリープ(鋸歯状腺腫)をその場で切除して将来的な大腸がん予防につながった実例をご紹介します。
便潜血陽性の方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。
是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|30代男性「便潜血検査陽性」
症状
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会社の検診で便潜血検査陽性を指摘
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自覚症状はほぼなし(腹痛・体重減少などは目立たない)
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「若いけど精密検査は必要?」とのご相談で当院を受診
診察
便潜血陽性の背景には、次のような原因が考えられます。
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大腸がん
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大腸ポリープ(腺腫/鋸歯状病変など)
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痔(いぼ痔・切れ痔)
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大腸炎(感染性腸炎、虚血性腸炎、炎症性腸疾患など)
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憩室出血 など
便潜血検査(免疫法)は大腸がん検診として有効ですが、陽性=がん確定ではない一方、陽性なら精密検査=大腸カメラ(大腸内視鏡)が必要とされています【1】【3】。
大腸がんやポリープなどの前がん病変は、早期ほど無症状のことが珍しくないこともご説明し、大腸カメラを行いました。
実際の大腸カメラ画像
大腸カメラでNBIモードで観察すると、S状結腸に15mm大の扁平ポリープ(鋸歯状腺腫)を認め、その場で切除しました。
病理結果は良性で、比較的大きな病変でしたが、がん化する前に治癒切除できたため、将来的な大腸がん予防につながりました。
今回見つかった「鋸歯状腺腫(鋸歯状病変)」とは
大腸ポリープの中での今回のように扁平なタイプを鋸歯状病変と呼びます。
このタイプのポリープが多発しやすい方を、鋸歯状ポリープ症候群( SPS;Serrated polyposis syndrome)と言い、いわゆる「ポリープが出来やすい体質」のことを指します。
原因としてはご自身の遺伝子異常・遺伝的な素因に年齢・食生活などの生活環境が合わさることで発症すると考えられています。
SPSの有病率は1,000~1,700人に1人であり,大腸癌の合併率は25~54%と極めて高く、
定期的に大腸カメラを行いガン化する前にポリープを適宜切除していくことが重要です。
💡巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、無痛大腸カメラを行っております。お気軽にご相談ください。
◆当院の大腸カメラの特徴
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鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
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土日対応、事前診察は原則不要
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
院長からのコメント
便潜血陽性は、「がんのサイン」と決めつける必要はありません。
ただし、陽性の背景に“早期がん”や“将来がん化しうるポリープ”が隠れていることがあるため、陽性の時点で大腸カメラまで進むことが重要です【1】【2】【3】。
今回のように、30代でも大きめの扁平ポリープ(鋸歯状病変)が見つかり、その場で切除して“予防”につながるケースがあります。
「若いから大丈夫」と自己判断せず、まずは一度ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
よくある質問
Q1. 便潜血検査が陽性=大腸がん確定ですか?
A1. 確定ではありません。痔や炎症、ポリープなどでも陽性になります。ただし陽性なら精密検査(大腸内視鏡)が必要です【1】【3】。
Q2. 1回だけ陽性でも大腸カメラは必要ですか?
A2. 必要です。出血は毎日同じように起こるとは限らず、「たまたま」陰性になることもあるため、1回でも陽性なら精密検査が推奨されます【1】【2】。
Q3. 30代でも便潜血陽性なら精密検査を受けるべき?
A3. はい。若い方でもポリープや炎症性疾患が見つかることがあります。陽性のときは年齢にかかわらず精密検査が大切です【1】【3】。
Q4. 便潜血陽性の原因で多いのは何ですか?
A4. 大腸がんに加え、痔、ポリープ、大腸炎、憩室出血などが原因になり得ます。検査で原因を確認することが重要です【1】【3】。
Q5. 痔があるので陽性でも様子見でいいですか?
A5. 痔があっても、別の原因(ポリープや大腸がんなど)が同時に隠れていることがあります。自己判断せず精密検査をご検討ください【1】【3】。
Q6. 「鋸歯状腺腫(鋸歯状病変)」って何が問題なんですか?
A6. 形やタイプによってはがん化するため、サイズが大きい場合などは特に注意して切除・フォローします【6】。
Q7. 扁平なポリープは見つけにくいって本当?
A7. はい。盛り上がりが少ないため、タイプによっては発見が難しいことがあります。だからこそ精密検査では丁寧な観察が重要です(ポリープの性質として知られています)【6】。当院では扁平なポリープを見逃さないために様々な工夫をしております。
Q8. 大腸カメラでポリープが見つかったら、その場で取れますか?
A8. 多くは可能です。大きさ・形・部位によって方法が変わるため、検査中に安全性を判断し、必要なら日程を分けることもあります【1】。
Q9. 15mmの鋸歯状病変を切除した後、次の大腸カメラはいつ頃ですか?
A9. 当院では10mm以上の鋸歯状病変は、切除後の再発チェックのため1年後の再検査を勧めています。
Q10. 便潜血陽性を放置するとどうなりますか?
A10. 原因がポリープやがんだった場合、発見が遅れるリスクがあります。陽性のときに精密検査まで進むことが推奨されています【1】【3】。
まとめ
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便潜血陽性は“がん以外”でも起こるが、陽性なら精密検査が必要【1】【3】
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30代でもポリープや炎症が見つかることはある
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扁平な鋸歯状病変は見つけにくいことがあり、がん化する前の切除=予防につながる【6】
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参考文献
【1】国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について(精密検査)」 。
【2】日本消化器内視鏡学会 市民向けFAQ「便潜血検査で『1回だけ陽性』…内視鏡は必要?」。
【3】大腸癌研究会「患者さんのための大腸癌治療ガイドライン 2022年版(検診・便潜血陽性時の対応)」 。
【4】US Multi-Society Task Force on Colorectal Cancer. Follow-up after colonoscopy and polypectomy (2020).
【5】ESGE Guideline. Post-polypectomy colonoscopy surveillance (2020).
【6】Choe AR, et al. Serrated pathway as an alternative pathway accounting for a proportion of sporadic CRC (Sci Rep, 2024).
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
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