便秘と下痢を2年くり返す…「ストレスのせい」で片づけないで|過敏性腸症候群(IBS)と診断した実例
「転職してから、便秘と下痢をくり返すようになった」
最初はストレスや環境の変化が原因かな…と思って様子を見ても、2年も続くと不安になりますよね。
実はこのような症状は、過敏性腸症候群(IBS)でよく見られます。
IBSは“気のせい”ではなく、腸と脳の連携(脳腸相関)が乱れることで起こる病気として整理されています【1】【2】。
大事なのは、「IBSで説明できる症状なのか」、そして「IBS以外の病気が隠れていないか」を丁寧に確認して、治療を組み立てることです。
繰り返す便秘・下痢の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|30代女性「2年ほど前に転職してから便秘と下痢を繰り返している」
症状
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2年ほど前に転職
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その頃から 便秘と下痢を交互に繰り返す ようになった
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強い腹痛はないものの、
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便が出ない日が続く
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急に下痢になる という状態が慢性的に続いていた
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「環境やストレスの影響だろう」と様子を見ていたが改善せず、当院を受診
診察
便秘と下痢を繰り返す場合、まず以下を整理します。
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炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
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大腸がん・大腸ポリープ
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感染性腸炎
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甲状腺機能異常
- 糖尿病などによる自律神経異常
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薬剤性の便通異常
特に
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血便
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体重減少
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貧血
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夜間症状
がある場合は、IBSと決めつけず必ず検査が必要です【2】【3】。
正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査と大腸カメラ(内視鏡検査)を行いました。
検査
■血液検査:炎症反応や甲状腺異常・糖尿病などを確認 ➡ 異常所見なし
■大腸カメラ:炎症性腸疾患・大腸がんやポリープなどを除外
実際の内視鏡の画像:大腸内には炎症や腫瘍などの病変は認めず正常の状態でした
▶関連ページ:
- 無痛大腸カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤とオリジナル低痛挿入による無痛大腸カメラの詳細がご確認いただけます
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群(IBS)とは、血液検査や大腸カメラなどの検査で明らかな異常が見つからないにもかかわらず、腹部症状や便通異常が慢性的に続く病気です【1】。
「異常がない」と言われると
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気のせいなのでは?
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我慢するしかないのでは?
と不安になる方も多いですが、IBSはガイドラインもある治療法のある病気です。【2】。
IBSでよくみられる症状
IBSの症状は人によってさまざまですが、代表的なものは以下です。
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便秘が続く
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下痢が続く
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便秘と下痢を交互に繰り返す
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排便後に腹痛が軽くなる
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お腹の張り・ガスがたまりやすい
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緊張すると症状が悪化する
なぜIBSは起こるのか?
IBSの原因は一つではなく、複数の要因が関係すると考えられています【1】【4】。
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腸の動き(蠕動運動)の調節異常
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腸が刺激に過敏になる(内臓知覚過敏)
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自律神経の乱れ
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ストレスや生活リズムの変化
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腸内環境の変化
最近では、「脳と腸が影響し合う病態(脳腸相関)」がIBSの中心的な考え方とされています【2】。
IBSは治らない病気?
IBSは「一生治らない病気」「我慢するしかない病気」と誤解されがちですが、実際には違います。
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症状の波を小さくする
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日常生活に支障が出ない状態を維持する
という点では、適切な治療で十分コントロール可能です【1】【3】。
IBSの治療法は?
IBS治療で重要なのは、
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必要な検査で他の病気を除外すること
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症状のタイプを見極めること
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生活・食事・薬を組み合わせて治療すること
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、「異常がないから終わり」ではなく、「異常がないからこそ、症状に向き合う医療」を大切にしています。
治療
この方は、腸の動きを整える整腸剤や漢方、腸への負担を減らす食事療法(低フォドマップ食)を中心に治療を行い、2週間ほどで症状が安定しました。
その後も再発予防のため投薬を継続しながら現在も落ち着いた生活を送られています。
▶関連ページ:低フォドマップ食による過敏性腸症候群の治療方法と実際の治療例
IBS治療は「これ一択」ではなく、症状タイプ(便秘優位/下痢優位/混合)に合わせて組み立てるのが基本です【2】【3】。
よく行う治療の柱
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生活リズム・睡眠の調整(乱れが続くと腸が不安定になりやすい)
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食事調整(刺激物・脂質・アルコール・冷たい飲料などの見直し)
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薬物療法:整腸剤、便性状を整える薬、腸の緊張を和らげる薬など(症状に合わせる)【2】【4】
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食事療法(例:低FODMAPなど):合う人には有効ですが、自己流の長期制限は栄養面の注意が必要なため、状況に応じて提案します【3】【5】
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ストレス対策(腸に効く“治療としての心理アプローチ”):いわゆる気合ではなく、脳腸相関にアプローチする考え方です【2】
※ガイドラインでは、症状に合わせてこれらの食事・薬・心理的アプローチを組み合わせることが推奨されています【2】【3】【4】。
院長からのコメント
便秘と下痢をくり返すと、「体質だから」「ストレスだから」と我慢してしまう方が少なくありません。
ですがIBSは、“診断がつく病気”で、治療でコントロールを目指せる病気です【2】【4】。
当院では、必要な検査で危険な病気を除外したうえで、症状タイプ・生活背景に合わせて、無理のない治療プランを一緒に作ります。
お困りの方は、どうぞご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
よくある質問
Q1. 便秘と下痢を交互にくり返すのはIBSですか?
A. IBSの混合型で見られます。ただし他の病気でも起こるため、医療機関での診察・検査が大切です【1】【2】。
Q2. 大腸カメラで異常がなければ安心ですか?
A. 大腸の重大な病気を除外できる点で大きいです。そのうえで症状が続く場合、IBSとして治療を組み立てると改善が期待できます【2】【4】。
Q3. IBSは“気のせい”ですか?
A. 気のせいではありません。脳腸相関の乱れや腸の過敏性など、病態が整理されています【2】【3】。
Q4. ストレスが原因なら、仕事を辞めないと治りませんか?
A. 辞めなくても改善する方は多いです。薬・食事・生活リズム調整などでコントロールを目指します【2】【4】。
Q5. 整腸剤(プロバイオティクス)は効きますか?
A. 合う方には有効なことがあります。症状のタイプや反応を見ながら選びます【2】。
Q6. 漢方はIBSに使えますか?
A. 体質・症状に合えば選択肢になります。西洋薬と組み合わせて調整することもあります【6】。
Q7. 食事で気をつけることは?
A. 刺激物・脂質・アルコール・カフェインの摂り方、食べる量・時間の規則性がポイントです。必要に応じて低FODMAPなども検討します【3】【5】。
Q8. 低FODMAP食は自分で始めてもいい?
A. 短期の評価は有用ですが、自己流の長期制限は栄養の偏りに注意が必要です。症状や食事状況を見て提案します【3】【5】。
Q9. どんなときに再度検査が必要ですか?
A. 血便、体重減少、貧血、夜間症状など“赤旗”が出たときや、症状が明らかに変化したときは再評価が必要です【2】【3】。
Q10. IBSは完治しますか?
A. 体質傾向は残ることもありますが、治療の組み立てで「日常生活に支障が出ない状態」を目指せることが多いです【2】【4】。
まとめ
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便秘と下痢を繰り返す状態はIBSの可能性
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検査で重大な病気を除外することが重要
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IBSは適切な治療でコントロール可能
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「年齢や体質」と決めつけず相談を
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
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関連ページ
参考文献
【1】日本消化器病学会 機能性消化管疾患診療ガイドライン
【2】ACG Clinical Guideline: IBS, 2021
【3】BSG guideline for IBS, 2021
【4】Rome IV Diagnostic Criteria for IBS
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
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