大腸がんの症状は?|血便・便が細い・お腹の張り・無症状でも見つかる?
大腸がんというと、「血便が出る病気」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、早い段階ではほとんど症状がないことも少なくありません。
一方で、進行すると血便、便が細くなる、便秘や下痢、お腹の張り、腹痛、貧血など、さまざまな変化としてあらわれることがあります【1】【2】。
「痔だと思っていた」「便通の乱れくらいだと思っていた」「特に症状はなかったのに便潜血で見つかった」というケースもあり、症状の有無だけで大丈夫とは言い切れません。
大腸がん検診は無症状のうちに受けることが大切で、便潜血陽性や気になる症状がある場合には、精密検査として大腸カメラを検討することが重要です【1】【2】【3】。
このページでは、大腸がんでみられる主な症状と、なぜその症状が起こるのかを整理しながら、症状別の実例ページもあわせてご案内します。
本記事が大腸がんの早期発見のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。お気軽にご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
大腸がんでみられる主な症状
血便・便に血が付く
大腸がんで比較的よくみられる症状が、便に血が混じる、便の表面に血が付着するといった変化です。なかでも頻度が高い症状として、国立がん研究センターでも案内されています。
ただし、血便は痔などでも起こるため、見た目だけでは区別できません。痔があるから大丈夫とは言い切れず、出血の原因が痔なのか、大腸ポリープや大腸がんなのかは精密検査をしないと分からないことがあります。
便が細い・便の狭小化
大腸がんが大きくなると、腸の内腔が狭くなり、便が細くなる、便が残る感じがするといった症状が出ることがあります。大腸癌研究会の患者向けガイドラインでも、進行した大腸がんの症状として挙げられています。
特に左側の大腸がんや直腸がんでは、便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す、出血があるといった症状をきっかけに診断されることが多いとされています。
お腹の張り・便秘・便通異常
腸の通り道が狭くなると、便秘、下痢、便が出にくい、お腹が張るといった症状があらわれることがあります。進行すると腸閉塞に近い状態になり、便が出なくなったり、腹痛や嘔吐を伴ったりすることもあります。
「最近急に便秘がひどくなった」「ガスがたまりやすい」「便通が以前と明らかに変わった」といった変化が続く場合は、単なる便秘として放置せず、原因の確認が大切です。
貧血・体重減少・腹痛
大腸がんでは、目立つ血便がなくても、慢性的な出血による貧血がみられることがあります。国立がん研究センターは、慢性的な出血による貧血症状としてめまいなどが起こりうることを説明しています。
また、大腸癌研究会によると、右側の大腸がんは大きくなるまで症状が出にくく、慢性的な出血による貧血が手がかりになることがあります。一方、腹痛は通過障害や進行に伴って出ることがあり、食欲低下や体重減少などの全身症状が前面に出るケースもあります。
便潜血陽性
便潜血検査は、便に混じった微量の血液を調べる検査です。がんやポリープなどで大腸内に出血があると陽性になることがあり、目で見える血がなくても異常のきっかけになります。
国立がん研究センターは、1日分でも便潜血陽性なら精密検査が必要であり、便潜血検査のやり直しは精密検査の代わりにならないと明記しています。症状がなくても自己判断で様子を見ず、精密検査につなげることが重要です。
無症状
大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどないことがあります【1】。
そのため、「症状がないから大丈夫」とは言えません。
特に健診や人間ドックの便潜血検査をきっかけに見つかることもあり、症状がないまま進行しているケースもあります【1】【2】。
大腸がん検診は無症状のうちに受けることが大切であり、反対に血便、腹痛、便の性状や回数の変化などがある場合には、検診ではなく医療機関での診察が望まれます【2】。
なぜ大腸がんでこうした症状が出るのか
がんの表面から出血するため
大腸がんやポリープでは、病変の表面から少しずつ出血することがあり、血便や便潜血陽性につながります【2】【3】。
便潜血検査は、目では見えない程度の血液を調べる検査であり、症状がなくても異常のきっかけになることがあります【2】【3】。
腸の中が狭くなるため
病変が大きくなると、腸の通り道が狭くなり、便が細くなる、残便感がある、便秘や下痢を繰り返す、お腹が張るといった症状が出やすくなります【1】。
さらに進行すると、便やガスが通りにくくなって腸閉塞に近い状態になり、腹痛や嘔吐が起こることもあります【1】。
慢性的な出血で貧血になるため
目立つ血便がなくても、少量の出血が続くことで貧血になることがあります【1】。
その結果、息切れ、疲れやすさ、めまいなどが前面に出て、消化器症状より先に異常が見つかる場合もあります【1】
症状があるときは「検診」ではなく受診が大切です
便潜血検査は、無症状の人に対する検診として重要ですが、すでに血便、腹痛、便の性状の変化、排便回数の変化などがある場合には、検診を待つのではなく医療機関を受診することが勧められています【2】。
また、大腸がんが疑われる場合には、大腸カメラ(内視鏡検査)でがんかどうかを確定し、必要に応じてCTなどで広がりを調べます【3】。
症状が続くときや便潜血陽性を指摘されたときには、原因確認のための精密検査が重要です【2】【3】。
こんな症状があるときは大腸カメラを検討しましょう
✅血便が続く
✅便に血が付く
✅便が細い状態が続く
✅便秘と下痢を繰り返す
✅お腹の張りが続く
✅原因不明の貧血を指摘された
✅便潜血陽性を指摘された
✅痔と思っていた出血がなかなか治らない
これらの症状があるからといって、すべてが大腸がんというわけではありません。
実際には痔、大腸ポリープ、炎症性腸疾患、感染性腸炎などでも似た症状は起こります。
とはいえ、大腸がんでも起こりうる症状である以上、自己判断せずに確認することが大切です【1】【2】。
【繰り返す血便の精査のため行った大腸カメラで見つかった大腸がん】
症状別にみる実際の治療例
大腸がんは、血便のように比較的気づきやすい症状で見つかることもあれば、便が細い、お腹の張り、便秘、貧血、便潜血陽性などをきっかけに見つかることもあります。
また、早期では症状がほとんどなく、人間ドックや便潜血検査で偶然見つかることも少なくありません。
ここでは、症状ごとの解説ページと、代表的な実際の治療例をあわせてご案内します。
まず全体像を知りたい方は子ページへ、実際の症例を先に読みたい方は治療例ページも参考にしてください。
血便で見つかる大腸がん
血便は、大腸がんで比較的みられやすい症状のひとつです。
ただし、痔でも同じような出血がみられるため、「いつもの痔だろう」と自己判断されやすい症状でもあります。
血便の特徴や、どのような場合に大腸カメラを考えた方がよいかは、こちらのページで詳しく解説しています。
▶ 血便で見つかる大腸がん|痔との違い・受診目安・必要な検査を専門医が解説
▷ 代表的な治療例:若くても注意!血便の裏に“大腸がん”が潜むことも|S状結腸がんが見つかった20代男性
便が細い・便の狭小化で見つかる大腸がん
大腸がんが大きくなると、腸の中が狭くなり、便が細くなる、残便感がある、すっきり出ないといった症状が出ることがあります。
便の細さは一時的な便秘でも起こることがありますが、以前より明らかに細い状態が続くときは注意が必要です。
▶ 便が細い・便の狭小化で見つかる大腸がん|原因・受診目安・大腸カメラの必要性
▷ 代表的な治療例:急に便が細くなった…原因は“大腸がん”だった|40代女性の実例
お腹の張り・便秘で見つかる大腸がん
お腹の張りや便秘はよくある不調ですが、大腸がんによって便やガスの通りが悪くなることで起こることもあります。
「最近急に便秘がひどくなった」「お腹の張りが続く」「ガスがたまって苦しい」といった変化が続く場合は、単なる便秘として見過ごさないことが大切です。
▷ 代表的な治療例:お腹の張りが続く・便がすっきり出ない…それ、便秘だけ?|50代女性に見つかったS状結腸がん
貧血・体重減少・腹痛で見つかる大腸がん
大腸がんでは、目立つ血便がなくても、慢性的な出血による貧血や、腹痛、体重減少などをきっかけに見つかることがあります。
特に右側の大腸がんでは、貧血が手がかりになることもあります。なんとなく続く不調の背景に大腸の病気が隠れていないかを確認することが大切です。
▶ 貧血・体重減少・腹痛で見つかる大腸がん|見逃したくない症状と受診の目安
▷ 代表的な治療例:健診で貧血を指摘されたら要注意|原因は大腸がんだった50代男性の実例
便潜血陽性で見つかる大腸がん
便潜血陽性は、大腸がん確定という意味ではありません。
ただし、大腸ポリープや大腸がんなどの病変が隠れていることもあるため、精密検査として大腸カメラが必要です。
▶ 便潜血陽性とは?原因・放置リスク・大腸カメラの必要性を専門医が解説
▷ 代表的な治療例: 人間ドックで便潜血「陽性」…症状がなくても直腸がんが見つかった60代男性
無症状なのに見つかる大腸がん
大腸がんは、早い段階では自覚症状がほとんどないことがあります。
そのため、「症状がないから安心」とは言い切れず、便潜血検査や人間ドック、別の検査をきっかけに偶然見つかることもあります。
無症状で見つかるケースについては、こちらでまとめています。
▶ 無症状なのに見つかる大腸がん|症状がなくても検査が必要な理由
▷ 代表的な治療例:無症状でも早期大腸がん|父親の大腸がんをきっかけに見つかった30代男性の実例
院長コメント
大腸がんは、症状がはっきり出てから見つかることもあれば、まったく症状がない段階で便潜血や健診をきっかけに見つかることもあります。
特に、血便を痔と決めつけてしまうことや、便が細い・お腹が張るといった変化を年齢や便秘のせいにしてしまうことは少なくありません。
気になる症状が続くとき、あるいは便潜血陽性を指摘されたときは、早めに大腸カメラで確認することが大切です。
よくある質問
Q:大腸がんは必ず血便が出ますか?
いいえ。大腸がんで血便がみられることはありますが、早期では自覚症状がほとんどないこともあります。血便がないから大腸がんではない、とは言い切れません【1】【2】【3】。
Q:便が細いだけでも大腸カメラを考えた方がよいですか?
便が細くなる原因は大腸がんだけではありませんが、腸が狭くなることで便が細くなることはあります。以前より明らかに細い状態が続く、残便感や便秘を伴う場合は相談をおすすめします【1】【3】。
Q:お腹の張りや便秘だけでも大腸がんのことはありますか?
あります。大腸がんで腸の通り道が狭くなると、便秘、下痢、お腹の張り、便が出にくいなどの症状が出ることがあります【1】【3】。
Q:無症状でも大腸がんが見つかることはありますか?
はい。早期の大腸がんは自覚症状がほとんどないことがあり、便潜血検査や人間ドックをきっかけに見つかることがあります【1】【2】【3】。
Q:便潜血陽性は、大腸がん確定ということですか?
いいえ。便潜血陽性の原因は大腸がんだけではなく、ポリープや痔などでも陽性になることがあります。ただし、精密検査が必要な結果なので、放置せず大腸カメラをご検討ください【2】【3】。
Q:便潜血陽性が出たら、もう一度便潜血検査をすればよいですか?
いいえ。便潜血検査のやり直しは精密検査の代わりになりません。1日分でも陽性なら、必ず精密検査を受けることが勧められています【2】。
Q:痔があるのですが、出血は様子を見てもよいですか?
痔でも出血は起こりますが、痔が原因か、大腸がんやポリープが原因かは精密検査をしないと分からないことがあります。自己判断せず相談することが大切です【1】【2】。
Q:貧血だけで大腸カメラが必要になることはありますか?
あります。大腸がんでは慢性的な出血によって貧血が進み、血便より先に貧血やめまい、だるさなどで見つかることがあります【1】【3】。
Q:40歳未満でも症状があれば受診した方がよいですか?
はい。検診の対象年齢とは別に、血便、腹痛、便の性状の変化、排便回数の変化など症状がある場合は、年齢にかかわらず医療機関で相談することが大切です【2】。
Q:以前の大腸カメラで異常なしでも、便潜血陽性なら受診した方がよいですか?
はい。国立がん研究センターは、最近の大腸内視鏡で異常なしでも、その後に便潜血陽性となった場合は対応を相談するよう案内しています。自己判断せず確認することが大切です【2】。
まとめ
大腸がんでは、血便、便が細い、便秘・下痢、お腹の張り、腹痛、貧血などの症状がみられることがあります【1】。一方で、早期では無症状のことも少なくなく、便潜血検査や健診をきっかけに見つかるケースもあります【1】【2】。
症状があるから必ず大腸がんというわけではありませんが、大腸がんでも起こりうる変化である以上、放置せずに確認することが重要です。特に、血便、便通の変化、便が細い、お腹の張り、便潜血陽性などがある場合には、大腸カメラによる精密検査をご検討ください【1】【2】【3】。
関連ページ
大腸がんの症状について
詳しい症状ごとの解説は以下のページをご覧ください
大腸カメラ(内視鏡について)
医師紹介|神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
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(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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参考文献
【1】国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」
【2】国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」
【3】国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 検査」
【4】National Cancer Institute, “Screening Tests to Detect Colorectal Cancer and Polyps”



