実際の治療例【治療しても食事がつかえる…実は逆流性ではなかった|アカラシアが見つかった30代男性】
「食事が喉や食道につかえる感じがする」
「食道から胃へ降りていかない」。
一見すると逆流性食道炎のようにも思える症状ですが、実はまったく違う病気が隠れていることがあります。
今回ご紹介するのは、数年前から続く“つかえ感”がひどくなり、就寝中に嘔吐してしまうこともあった30代男性の実例です。
かかりつけでは逆流性食道炎と診断されましたが改善せず、当院での検査で「食道アカラシア」が判明しました。
症状だけでは区別のつかない病気もあるため、専門医による適切な検査がとても重要です。
▶巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|30代男性「食事がつかえて降りていかない」
【症状】
30代男性
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1年ほど前から食後に食べ物が食道につかえたままの感じがする
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胃にスッと落ちていかない
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かかりつけで逆流性食道炎と言われ治療したが全く良くならない
- 最近は夜寝ていると嘔吐してしまうことがある
と相談を受けました。
【診察】鑑別疾患(考えるべき主な病気)
つかえ感は逆流性食道炎だけでなく様々な疾患で起こりうる症状で、以下の疾患も考えられます。
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逆流性食道炎
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食道炎(薬剤性・感染性)
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食道裂孔ヘルニア
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食道狭窄(瘢痕・潰瘍後)
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食道がん
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食道アカラシア(機能性の通過障害)
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食道運動障害(DESなど)
もちろん「逆流性食道炎」の可能性も否定はできませんが、
正しく状態を把握し、治療方針を立てるため胃カメラ(内視鏡検査)を行いました。
【胃カメラ(胃内視鏡検査)】
当院で胃カメラ検査を行ったところ、
- 胃と食道のつなぎ目部分の異常収縮による狭窄
- 上部食道の拡張と水分の残存
といった所見があり、食道アカラシアが強く疑われました。
■実際の胃カメラの画像■
胃と食道のつなぎ目が強く収縮して狭窄しています。アカラシアの所見です
食道アカラシアとは?
食道アカラシアは、食道の運動異常により、食べ物が胃へスムーズに流れなくなる病気です。
特徴
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下部食道括約筋(LES)がうまく開かない
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食道が拡張し、食べ物が滞留
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夜間の咳・誤嚥・嘔吐を引き起こすことも
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若い世代にも発症する
国内発症率は10万人に約1人程度とされ、比較的稀な疾患です【1】。
よく誤診される理由
つかえ感 → 逆流症状(胸焼け・咳)へとつながるため、「逆流性食道炎」と診断されやすいのが大きなポイントです。
関連ページ:
▶食道アカラシアの症状・検査・治療について専門医の院長がより詳細に解説
【治療】
治療法として現在もっとも一般的なのが、胃カメラ(内視鏡)を用いた内視鏡的筋層切開術(POEM)です。
POEMとは、食道の内側からアプローチし、開きにくくなった筋肉を切開して通過を改善する治療です【2】。
今回の方も、連携する高次医療機関に紹介しPOEMを施行。
治療後は食事の通過がスムーズになり、つかえ感・夜間の嘔吐も改善しました。
院長からのコメント
逆流性食道炎と思って治療しても良くならない場合、実はまったく違う病気が隠れていることがあります。
特に、“食べ物がつかえる” はアカラシアを含む重要サインです。
症状だけでの判断には限界があり、胃カメラや機能検査による正確な診断が不可欠です。
つかえ感・胸焼け・咳・夜間の嘔吐など、気になる症状があれば早めに受診してください。
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
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土日対応、事前診察は原則不要
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. 食道アカラシアは珍しい病気ですか?
A. はい。10万人に1人程度とされる比較的まれな病気です【1】。
Q2. 逆流性食道炎との違いは?
A. 逆流性食道炎は胃酸の逆流による炎症、アカラシアは括約筋の異常収縮による“通過障害”で、同じような症状を起こすことがありますが、全く別の病態です。
Q3. 放置するとどうなりますか?
A. 誤嚥性肺炎や体重減少、食道狭窄による接触困難などの可能性があります。またアカラシアは食道がんのリスク因子でもあるため要注意です。
Q4. 病院で検査すればすぐ分かりますか?
A. 胃カメラで疑うことができ、確定には食道内圧検査が有効です。ただし、専門施設でないと胃カメラ行っても見逃されてしまうことがあります。
▶関連ページ:複数の医療機関で見落とされてしまっていた食道アカラシア
Q5. アカラシアの内視鏡治療のPOEMは安全ですか?
A. 高い成功率が報告されており、世界的に標準治療です【2】。
Q6. 日常生活で悪化する要因はありますか?
A. 食事中の早食い・大食いは症状を増悪させることがあります。
Q7. 夜間の咳や嘔吐もアカラシアのサインですか?
A. はい。アカラシアで起こることもあります。ただし他の疾患の可能性もあるので、症状がある場合でも胃カメラによる精査が必要です。
Q8. 若い人でも起こりますか?
A. 起こります。20〜40代でも発症報告があります。
Q9. エコーやCTではわかりますか?
A. ほぼわかりません。胃カメラ・内圧検査の方が診断に有効です。
Q10. 完治しますか?
A. 内視鏡治療(POEM)でほとんどの方が改善します。長期成績も良好です。
まとめ
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“食べ物がつかえる”症状は逆流性だけが原因ではない
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胃カメラで初めてアカラシアが疑われることも多い
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確定には食道内圧検査など専門的検査が必要
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POEMにより高い確率で改善が期待できる
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改善しない逆流やつまり症状は、一度専門医での検査を受けることが大切です
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関連ページ
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▶胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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参考文献
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Ghoshal UC, et al. Epidemiology of achalasia.
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Inoue H, et al. POEM(Peroral Endoscopic Myotomy)の臨床成績.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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