実際の治療例【発熱は治ったのに下痢と腹痛が続く…原因は“感染性腸炎後過敏性腸症候群”だった】
10日ほど前に発熱と強い下痢・腹痛があり、発熱はすぐ治ったものの、“その後も下痢や腹痛だけが長引く”ケースは珍しくありません。
20代女性の患者さんも、「食あたりだったのかな?」と様子を見ていたものの、1日3〜4回の下痢と腹痛が続き、不安になり受診されました。
検査を進めると、原因はただの胃腸炎ではなく、感染性腸炎後過敏性腸症候群でした。
この記事では、実際の治療の流れをもとに、「どのくらい続いたら受診すべきか」「何の検査が必要?」「どんな治療で良くなるのか」を専門医としてわかりやすく解説します。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|20代女性「下痢と腹痛が続いている」
【症状】
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10日前:発熱・下痢・腹痛で発症
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発熱は2日で改善
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しかし下痢と腹痛が継続
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来院時:
・下痢は1日3〜4回
・腹痛は軽快しているが残存
・脱水や血便はなし
【診察】
症状から考えられるのは以下の疾患です:
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感染性腸炎の遷延(細菌性・ウイルス性)
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潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患
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大腸憩室炎
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虫垂炎(亜急性のもの)
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過敏性腸症候群(IBS)
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甲状腺機能の異常
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膵・胆のうの炎症
長引く下痢や腹痛は鑑別が広く、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査・腹部エコー・大腸内視鏡(大腸カメラ)を行いました。
【検査】
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血液検査: 炎症反応なし、貧血なし
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腹部エコー: 胆のう・膵臓に異常なし
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大腸内視鏡(大腸カメラ): 粘膜に炎症なし、ポリープなし
重い病気が隠れていないか確認するために大腸カメラまで行いましたが、異常はなく、
経過と合わせて、感染性腸炎後過敏性腸症候群と診断しました
<実際の内視鏡画像>
大腸粘膜は炎症や腫瘍などなく正常な状態でした
感染性腸炎後過敏性腸症候群とは
急性胃腸炎の後、腸の知覚過敏や運動異常がしばらく続いてしまう状態のことです。
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胃腸炎後に10〜30%で起こると報告
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数週間〜数か月続くことも
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下痢型IBSの原因として非常に多い【参考文献1】
腸の炎症は治っていても、腸が敏感な状態が続くため、下痢・腹痛が“クセづく”ように続くのが特徴です。
関連ページ
▶過敏性腸症候群について|専門医の院長によるより詳しい説明はこちら
【治療】
今回の患者さんには以下を行いました:
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腸の動きを整える薬
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腸の知覚過敏を改善する漢方
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必要に応じて整腸剤
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食事指導
治療開始後は数日で症状が改善し、1週間ほどでほぼ通常の生活に戻られました。
放置すると数週間〜数か月続くこともあるため、早めの治療が効果的です。
院長からのコメント
「胃腸炎が治ったはずなのに、なぜか下痢だけ続く」という方はとても多いです。
感染性腸炎後IBSは適切に治療すれば改善しやすい病気で、逆に放置すると長引く傾向があります。
以下のような症状がある場合は早めの受診をおすすめします:
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1週間以上下痢が続く
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発熱は治ったのに腹痛・下痢だけ残る
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食べるとお腹がゴロゴロする
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下痢と便秘を繰り返す
当院では即日の腹部エコー・血液検査、内視鏡の早期対応も可能です。気になる症状があればお気軽にご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. 胃腸炎のあとに下痢だけ残るのはよくあることですか?
A. はい。10〜30%で過敏性腸症候群が起こると報告されています【1】。
Q2. どれくらい続いたら受診すべき?
A. 1週間以上続く場合、受診をおすすめします。
Q3. 過敏性腸症候群はストレスと関係しますか?
A. あります。ストレスで腸の過敏性が強くなります。
Q4. 大腸カメラは必要ですか?
A. 長引く下痢・血便・体重減少・炎症数値の上昇がある場合は推奨します。
Q5. 市販薬で治りますか?
A. 一時的には楽になりますが、根本治療には専門的な薬が必要なことが多いです。
Q6. 感染性腸炎後過敏性腸症候群は治りますか?
A. 多くの方が薬と生活改善で改善します。
Q7. 食事で気をつけることは?
A. 発酵性の高い食品・脂質・アルコール・カフェイン・刺激物を控えると軽減します。
Q8. 便の検査は必要ですか?
A. 重症例や血便、発熱が続く場合に行います。
Q9. プロバイオティクスは効果ありますか?
A. 補助的に有効との報告があります。
Q10. 運動はしてもよいですか?
A. 軽い運動は腸の働きを整えるためおすすめです。
まとめ
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発熱は治ったのに下痢や腹痛が続く場合、感染性腸炎後IBSの可能性
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鑑別疾患が多いので血液検査・エコー・大腸カメラが有用
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適切な投薬で改善する例が多い
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1週間以上下痢が続く場合は早めの受診を
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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参考文献
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Thabane M, et al. Post-infectious irritable bowel syndrome. World J Gastroenterol. 2009.
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Spiller R. Postinfectious functional gastrointestinal disorders. J Pediatr Gastroenterol Nutr. 2016.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
