実際の治療例 “お腹が張って、すっきり便が出ず何度もトイレに行きたくなる”
「便がすっきり出ない」
「お腹が張って何度もトイレに行きたくなる」──
そんな症状を、過敏性腸症候群(IBS)だと思っていませんか?
実際医療機関でもそのような診断を受けることもありますが、実は、このような便通異常の裏に大腸がんが隠れていることがあります。
今回は、当院を受診された患者さんの実際の症例をもとに、“IBSだと思っていたら大腸がんだった”ケースを専門医の院長が分かりやすくご紹介します。
便がすっきり出ない、お腹が張る、頻回な便意などでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
お腹の張り・便通異常でお困りの方へ
巣鴨駅前胃腸内科では、胃腸症状の診察、大腸カメラ、腹部エコーなどを行っています。お腹の張り、残便感、便が細い、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が続く方はご相談ください。
お腹の張りやすっきり便が出なくなる原因
お腹の張りや「便がすっきり出ない」症状は、さまざまな原因で起こります。
代表的には、次のようなものがあります。
- 便秘:便が腸内に長くとどまり、ガスや便がたまって張りを感じる状態です。
- 過敏性腸症候群(IBS):腸の動きや知覚が過敏になり、腹痛、張り、便秘、下痢、残便感などが出ることがあります。
- 大腸ポリープ:多くは無症状ですが、大きさや場所によって出血や便通異常の原因になることがあります。
- 大腸がん:腫瘍によって腸の中が狭くなると、便が細い、残便感、便秘、腹部膨満感などが出ることがあります【1】。
- 大腸炎:感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、虚血性腸炎などで、腹痛、下痢、血便、粘液便を伴うことがあります。
- 腸閉塞・腸管狭窄:便やガスが通りにくくなり、強い張り、腹痛、吐き気、嘔吐を起こすことがあります。
- 薬の影響:一部の痛み止め、抗うつ薬、鉄剤、便秘を起こしやすい薬などが影響することがあります。
過敏性腸症候群と大腸がんの違い
今回の症状で特に重要なのは、過敏性腸症候群のように見える症状の中に、大腸がんなどの器質的疾患が隠れていることがあるという点です。
過敏性腸症候群とは?
過敏性腸症候群は、腸に明らかな腫瘍や炎症がないにもかかわらず、腹痛、腹部不快感、便秘、下痢、便がすっきり出ない、残便感などが続く病気です。ストレスや自律神経、腸の知覚過敏、腸内環境などが関係すると考えられています【2】。
ただし、過敏性腸症候群と診断されていても、症状が長引く場合や、血便、体重減少、貧血、便が細いなどのサインがある場合は、別の病気が隠れていないか確認する必要があります。
大腸がんでも便がすっきり出ない理由
大腸がんが大きくなると、腸の内側に腫瘍が盛り上がり、便の通り道が狭くなることがあります。
特にS状結腸や直腸付近のがんでは、便が通りにくくなることで、次のような症状が出ることがあります【1】。
- 便が細くなる
- 便が出てもすっきりしない
- 何度もトイレに行きたくなる
- お腹が張る
- 便秘と下痢を繰り返す
- 血便が出る
実際の治療例|40代女性「お腹が張って、すっきり便が出ず何度もトイレに行きたくなる」
【症状】
数か月前からお腹が張る・すっきり便が出ず何度もトイレに行きたくなる感覚があり、会社の産業医に相談したところ過敏性腸症候群ではないかと言われ、薬を出されましたが一向に改善なく、当院を受診されました
【診察】
お腹が張る・便がすっきりと出ない要因として、
-
大腸の運動異常(過敏性腸症候群)
-
腸管の炎症(大腸炎)
-
腫瘍などによる腸の狭窄
などが考えられます【1】【2】。
症状が改善しないこともあり、大腸内視鏡(大腸カメラ)を行い病気があるかどうかを状態を確認することにしました。
【大腸内視鏡検査】
直腸を超えてすぐのS状結腸に出血を伴う不整な隆起(黄色部分)を認め、進行直腸がんを疑い生検を行い、がんと診断しました
この大腸がんによって腸の管腔が狭まり(矢印部分)、便の通り道が細くなることで一度に便がすっきりと出ない状態となっていました。
【治療・経過】
大腸ガンは早期の状態であれば内視鏡で治療が可能ですが、進行がんの状態になると手術や抗がん剤治療が必要となります。
今回は残念ながら進行がんの状態であり、高次医療機関でCTなどで大腸がんのステージを評価して治療方針を決める必要があり、対応できる医療機関に紹介となりました。
紹介先の病院では遠隔転移はなく、stageⅢ-Aの診断で手術と抗がん剤治療となりました。
受診の目安
お腹の張りや便秘はよくある症状ですが、次のような場合は早めの受診をおすすめします。
- お腹の張りが2週間以上続く
- 便がすっきり出ない状態が続く
- 何度もトイレに行きたくなる
- 以前より便が細くなった
- 血便、暗赤色便、黒っぽい便がある
- 便秘と下痢を繰り返す
- 体重が減ってきた
- 貧血を指摘された
- 腹痛や吐き気を伴う
- 家族に大腸がんの方がいる
特に、便が出ない、ガスも出ない、強い腹痛、吐き気・嘔吐がある場合は、腸閉塞の可能性もあるため、早急な受診が必要です。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。
また鎮静剤による無痛大腸カメラにも対応しております。是非ご相談ください。
📞 お電話でのご予約:03-5940-3833
当院の大腸カメラの特徴
-
鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査
-
高解像度スコープで小さな病変も発見
-
土日対応、事前診察は原則不要
院長コメント
S状結腸や直腸に出来る大腸ガンは進行すると次第に大腸の内腔を圧迫するようになり、以下のような症状を引き起こします。
- お腹が張る
- 便がすっきりと出ない
- 便が細くなる
- 血便が混じる
これらは過敏性腸症候群の症状と似ているため、今回のように見逃されることも少なくありません。
しかし放置しておくと腸が詰まってしまい腸閉塞になったり、がんの進行に伴い転移を来し命に関わることも出てきます。
大腸ガンによる便通異常は進行することはあっても、がんを治療しない限りは自然治癒することはなく、
たとえ過敏性腸症候群と診断を受けていても、2週間以上便通異常が続いた場合は医療機関で検査を受けることが望ましいと考えます。
同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
巣鴨駅前胃腸内科で相談できること
- お腹の張り・便秘・残便感の診察
- 血便・便潜血陽性の精査
- 鎮静剤を使用した大腸カメラ
- 大腸ポリープの日帰り切除
- 必要時の高次医療機関への紹介
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q. お腹の張りだけで大腸がんのことはありますか?
A. お腹の張りだけで大腸がんと決まるわけではありません。多くは便秘や腸内ガス、過敏性腸症候群などが原因です。ただし、大腸がんで腸の通り道が狭くなると、お腹の張りや便秘、残便感として現れることがあります。症状が続く場合は一度ご相談ください。
Q. 便がすっきり出ないのは過敏性腸症候群ですか?
A. 過敏性腸症候群でも残便感や頻回の便意が出ることがあります。ただし、大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎、腸管狭窄などでも似た症状が出ることがあります。薬を使っても改善しない場合や、症状が長引く場合は大腸カメラで確認することが大切です。
Q. 便が細くなるのは大腸がんのサインですか?
A. 便が細くなる原因は便秘や腸の動きの変化でも起こります。ただし、以前より明らかに細い便が続く場合、大腸がんや直腸がんによって腸の内側が狭くなっている可能性があります。残便感や血便を伴う場合は早めの受診をおすすめします。
Q. 血便がなくても大腸がんのことはありますか?
A. あります。大腸がんでは血便が出ることがありますが、必ず血便が見えるわけではありません。お腹の張り、便秘、便が細い、残便感、貧血、体重減少などをきっかけに見つかることもあります。
Q. 便秘が続くと大腸がんになりますか?
A. 便秘そのものが直接大腸がんに変わるわけではありません。ただし、大腸がんによって便が通りにくくなり、結果として便秘のような症状が出ることがあります。急に便秘が悪化した場合や、便通の変化が続く場合は注意が必要です。
Q. 何日くらい症状が続いたら受診した方がいいですか?
A. 明確な日数だけで判断することはできませんが、お腹の張りや便通異常が2週間以上続く場合、薬を使っても改善しない場合、血便や便の細さを伴う場合は早めの受診をおすすめします。
Q. 大腸カメラで大腸がんはわかりますか?
A. 大腸カメラは、大腸の粘膜を直接観察できる検査です。大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎などを確認でき、必要に応じて組織を採取して詳しく調べることができます。
Q. 大腸カメラは痛いですか?
A. 当院では、患者さんの状態に応じて鎮静剤を使用し、できるだけ苦痛を少なく検査を受けていただけるよう工夫しています。過去に大腸カメラがつらかった方や、検査に不安がある方もご相談ください。
Q. 40代でも大腸がんになりますか?
A. はい、40代でも大腸がんが見つかることはあります。年齢が若いから大丈夫と決めつけず、便通の変化、血便、便が細い、残便感、体重減少などがある場合は早めに確認することが大切です。
Q. 巣鴨駅前胃腸内科では大腸カメラを受けられますか?
A. はい。巣鴨駅前胃腸内科では、大腸カメラを行っています。お腹の張り、便秘、残便感、血便、便潜血陽性などでお困りの方はご相談ください。必要に応じて高次医療機関への紹介も行っています。
まとめ
お腹の張りや「便がすっきり出ない」症状は、便秘や過敏性腸症候群で起こることが多い一方で、大腸がんが隠れていることもあります。
- お腹の張りや残便感は、腸の通り道が狭くなることで起こることがあります。
- 大腸がんでは、便が細い、血便、便通の変化、腹痛、貧血などを伴うことがあります。
- 過敏性腸症候群と診断されていても、症状が長引く場合は再評価が必要です。
- 大腸カメラは、大腸がんや大腸ポリープ、大腸炎を確認する重要な検査です。
- 早期発見のためには、気になる症状を自己判断で放置しないことが大切です。
関連ページ
- お腹の張り・便秘で見つかる大腸がん
- 大腸がんの症状は?血便・便が細い・お腹の張りとの関係
- 大腸カメラの流れ・費用・当院の工夫
- なぜ当院の大腸カメラは痛くない・苦しくないのか?
- 大腸カメラはどんな人が受けるべき?
- 過敏性腸症候群とは
関連ページ
お腹の張りや便秘をきっかけに見つかる大腸がんについては、以下のページでも詳しくご紹介しています。
大腸カメラ(内視鏡について)はこちらからご確認頂けます
- ▶ 大腸カメラの詳細(検査のやり方・詳しい流れなど)
- ▶ なぜ当院の大腸内視鏡は「痛くなく」「苦しくない」の?
- ▶ 大腸カメラはどんな人が受けるべき?
- ▶ 専門医が教えます!大腸カメラは何歳から受けるべき?
その他の関連ページはこちら
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
アクセス
所在地
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら
▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833
▶【WEB予約】
参考文献
- 国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/150/index.html - 厚生労働省 e-ヘルスネット「過敏性腸症候群」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/heart/yk-079.html - 大腸癌研究会「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024年版」金原出版
- 厚生労働省 eJIM「過敏性腸症候群[各種疾患 - 医療者]」
https://www.ejim.mhlw.go.jp/pro/overseas/c05/16.html - US Preventive Services Task Force. Colorectal Cancer: Screening. 2021.
https://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf/recommendation/colorectal-cancer-screening
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック 院長 神谷雄介
日本消化器病学会専門医・日本消化器内視鏡学会専門医
