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痔だと思っていた出血、原因は大腸ポリープでした|排便時の血が治らない30代男性の治療例

[2023.10.22]

排便のたびに血がつくと、まず「痔かな」と思う方が少なくありません。

実際、痔は排便時の鮮血のよくある原因ですが、直腸出血をすべて痔と決めつけてしまうのは危険です。

肛門の病気だけでなく、大腸ポリープ、直腸の炎症、大腸がん、憩室出血などでも似た出血パターンをとることがあります【1】【5】。

今回は、肛門科で「痔」と診断されて治療を受けていたものの、なかなか出血が治らず、当院での大腸カメラによって直腸S状結腸移行部付近の巨大ポリープが見つかった30代男性の実例をご紹介します。

「鮮血だから痔だろう」
「若いから大丈夫だろう」

そう思って様子を見てしまう前に、ぜひ知っていただきたい内容です。若い世代でも、直腸出血は見逃さず評価すべきサインとされています【6】【8】。

 

排便時の出血が続いている方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|30代男性「排便時の出血が治らない」

症状

数か月前から排便時の出血を繰り返しており、肛門科で「痔」と診断されて軟膏治療を受けていました。

しかし、その後も出血がたびたび続くため、詳しい原因確認をご希望され当院を受診されました。

今回のポイントは、以下のような経過です。

  • 数か月前から排便時に出血

  • 肛門科で痔と診断され軟膏治療

  • それでも出血が繰り返される

  • 腹痛はなく、便の色そのものは大きく変化していない

痔による出血はたしかに多いのですが、便全体の色が大きく変わらないからといって、大腸側の病変を否定はできません

大腸・直腸の病変でも、出血量や部位によっては「トイレットペーパーにつく」「便の表面に血がつく」程度に見えることがあります【2】【9】。

 

診察

問診では、便の色は概ね正常で、腹痛や下痢などの目立った随伴症状はなし。一見すると、たしかに痔出血に合う印象もありました。

ただし、実際に直腸診を行うと、はっきりした痔核は確認できませんでした。

この時点で、出血源として以下のような鑑別が必要になります。

  • 内痔核

  • 裂肛

  • 直腸ポリープ・S状結腸ポリープ

  • 直腸がん・大腸がん

  • 直腸炎・潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患

  • 憩室出血

  • 血管性病変

ガイドラインでも、直腸出血を自動的に痔のせいと判断すべきではないとされており、明らかな出血源が見当たらない場合や、痔の治療後も出血が続く場合には、より詳しい大腸評価が勧められています【1】。

今回も、診察所見と経過から大腸内視鏡(大腸カメラ)を行う方針としました。

 

検査

大腸内視鏡検査では、予想どおり痔核は明らかではありませんでした

その代わりに、直腸とS状結腸の境目付近(直腸S状結腸移行部付近)に巨大なポリープを認めました。

出血の性状や位置関係から、このポリープが今回の出血源である可能性が高いと判断し、内視鏡的に切除しました。

S状結腸に認めた大腸ポリープの内視鏡画像

S状結腸に認めた大腸ポリープの切除後と医療用クリップの内視鏡画像

その後の経過も良好で、合併症なく経過。病理検査でも良性と確認され、治療終了となりました。

大腸ポリープは、大腸カメラでしか見つけられない病変が少なくありません。

また大腸カメラでは、ポリープやがんを見つけるだけでなく、その場で切除できることが大きな利点です【4】【7】。

「大腸ポリープ」とは?

大腸ポリープとは、大腸や直腸の粘膜にできる盛り上がった病変です。

多くは良性ですが、種類によっては将来的にがん化するものもあり、見つけた時点で適切に切除することが大切です【3】【4】。

ポリープというと「無症状」のイメージが強いかもしれませんが、実際には

  • 直腸からの出血

  • 便に血が混じる

  • 貧血

  • 大きい病変による便通異常

などのきっかけで見つかることがあります【2】。

ポリープ自体も下部消化管出血の原因として挙げられ、鮮血便=痔とは限らないということです。

特に、今回のように痔の治療をしても改善しない場合や、診察で典型的な痔核がはっきりしない場合は、大腸カメラで奥の病変を探す意義があります【1】【5】。

院長からのコメント

排便時の出血は、患者さんご自身でも「痔だろう」と考えやすく、実際に最初は痔として治療されることも少なくありません。

ただ、痔に見える出血の中に、大腸ポリープや直腸の病変が隠れていることはあります

特に、

  • 痔の治療をしても改善しない

  • 診察で明らかな痔核がない

  • 出血を繰り返す

  • 便通異常や貧血がある

  • 家族に大腸がん・大腸ポリープの方がいる

といった場合は、年齢にかかわらず一度しっかり評価したほうが安心です。

50歳未満でも直腸出血や便通異常があれば、速やかな内視鏡評価が推奨されています【8】。

「痔と言われたけれど治らない」
「鮮血が続くけれど本当に大丈夫か不安」

そのような方は、どうぞ早めにご相談ください。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛大腸カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問(FAQ)

排便時の出血は、鮮血なら痔と考えてよいですか?

鮮血でも痔とは限りません。痔核や裂肛のほか、直腸・S状結腸のポリープ、炎症、がんなどでも赤い血がつくことがあります。ASCRSガイドラインでも、直腸出血を自動的に痔と決めつけるべきではないとされています【1】【5】。

 

肛門科で「痔」と言われていても、大腸カメラは必要ですか?

必要になることがあります。特に、痔の治療をしても出血が続く場合、診察で明らかな痔核が見つからない場合、便通異常や腹部症状を伴う場合は、大腸内視鏡でほかの出血源を確認する意義があります【1】【8】。

 

30代でも大腸ポリープや大腸がんは見つかりますか?

はい。頻度は高齢者より低いものの、若い世代でも大腸ポリープや大腸がんは起こります。NCIは、50歳未満でも直腸出血・腹痛・下痢・鉄欠乏性貧血などが重要なサインになると報告しており、NCCNも症状があれば速やかな評価を勧めています【6】【8】。

 

便の色が普通なら、深刻な病気ではないと考えてよいですか?

そうとは限りません。大腸や直腸からの少量出血では、便全体の色が大きく変わらず、便の表面やトイレットペーパーだけに血が付くことがあります。大腸ポリープや大腸がんでも同様の見え方をすることがあります【2】【9】。

 

大腸ポリープでも出血することはありますか?

あります。多くのポリープは無症状ですが、直腸出血、血便、鉄欠乏性貧血などの原因になることがあります【2】。下部消化管出血の原因としても、ポリープやがんは代表的な鑑別のひとつです【5】。

 

大腸カメラでは、その場でポリープを切除できますか?

多くの場合は可能です。ただし、大きさや形、部位によっては日を改めた処置や専門施設での治療が必要なこともあります。

 

大腸ポリープを取ると、大腸がん予防になりますか?

はい。大腸ポリープの一部は将来的にがん化する可能性があり、見つけて切除することは大腸がん予防につながります【3】【4】。

 

大腸カメラやポリープ切除は危険ですか?

一般に安全性の高い検査ですが、出血や穿孔などの合併症リスクはゼロではありません。報告では、穿孔は約1万件あたり3件、出血は約1万件あたり15件程度とされています【7】。当院では事前にリスク説明を行い、適切に対応しています。

 

病理結果が良性なら、もう安心してよいですか?

まずは大きな安心材料ですが、それで今後のフォローが不要とは限りません。ポリープの種類や大きさ、数によっては、将来あらためて大腸カメラで経過をみたほうがよい場合があります【4】。

 

どんな出血なら、早めに受診したほうがよいですか?

排便時の出血が繰り返す場合、痔の治療をしても改善しない場合、便が細い・便秘や下痢が続く・貧血がある・体重減少がある場合は、早めの受診が勧められます【1】【6】【8】。若い方でも放置せず相談してください。

まとめ

排便時の出血は、たしかに痔で起こることが多い症状です。

しかし今回のように、「痔だと思っていたら、実は大腸ポリープだった」ということは実際にあります。

特に重要なのは、次の3点です。

  • 鮮血=痔とは限らない

  • 痔の治療で改善しない出血は再評価が必要

  • 30代でも、大腸ポリープや大腸がんの可能性をゼロにはできない

痔らしい出血パターンであっても、診察で典型的な痔核がない場合や、治療しても治らない場合は、大腸カメラで原因を確認することが大切です【1】【8】。

排便時の出血が続く方、痔と言われたのに治らない方は、巣鴨駅前胃腸内科クリニックまでご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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