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実際の治療例 “朝から起こった突然の激しい腹痛・下痢・血便(虚血性腸炎)”

[2023.11.16]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

50代女性 朝から起こった突然の激しい腹痛・下痢・血便(虚血性腸炎)

 

【症状】

朝からの突然の腹痛と下痢・下血とのことで急遽受診されました。

 

【検査】

普段便秘気味であり発症が突然であったとの問診と、腹部エコー検査S状結腸の広範な浮腫を伴う炎症の所見から虚血性腸炎と診断しました。

 

【治療・経過】

程度が軽かったため、点滴・抗生剤を投与し、自宅にて安静と当日絶食で過ごして頂くと、翌日の再診時にはかなり改善していました。

治療後に改めて他の病気(がんや炎症性腸疾患など)がないかを大腸内視鏡(大腸カメラ)で確認し、最終的に確定診断に至りました。

(※急性期に大腸内視鏡を行うと強い痛みを伴うことが多いため、腹部エコーで診断がつく方は落ち着いたあとに大腸内視鏡を行うことが多いです。)

虚血性腸炎(CS)

クリックすると拡大表示します

虚血性腸炎は便秘の方に起こりやすく(便秘の方はは虚血性腸炎発症リスクが 2.78 倍上昇するとの報告もあります 1))、普段から便秘の方に突然の腹痛・下痢・血便が生じた場合には虚血性腸炎の可能性があるので早めに医療機関に受診することが大切です。

 

※関連ページ;虚血性腸炎の原因や治療について ・腹部エコー ・大腸内視鏡(大腸カメラ)

 

参考文献:1)Suh D C, Kahler K H, Choi I S, et al.: Patients with irritable bowel syndrome or constipation have an increased risk for ischaemic colitis. Aliment Pharmacol Ther 2007; 25 (6): 681―692

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

■関連ページ■

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