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実際の治療例 【便秘が原因?突然始まった冷や汗を伴う強い下腹部痛】

[2023.12.12]

突然起こる冷や汗を伴うような下腹部の強い痛み。

—それは単なる便秘ではなく虚血性腸炎かもしれません。

今回の症例は便秘をきっかけに虚血性腸炎を発症した20代女性のケースです。

虚血性腸炎は比較的短期間で治ることも多い病気ですが、放置すると腸閉塞や腸管壊死など命に関わる事態に発展する可能性もあります。

症状が急に出て長引く場合は、迷わず医療機関での検査・治療が重要です。

 

20代 女性 突然始まった冷や汗を伴う強い下腹部痛

【症状】

もともと便秘気味でしたが、最近は悪化気味で5日ほど排便がない状態でした。

便秘が続く中、夜間にいきなり強い腹痛が出現。便が出れば楽になるだろうとトイレに行き排便をしましたが全く改善せず、

痛みで冷や汗も出てきたため近くの救急病院を受診。

腹部CTを施行したところ下腹部が張れ炎症と思われる所見があり、大腸カメラを受けるうように言われたとのことで当院を受診されました。

【診察】

状態からは虚血性腸炎感染性腸炎などの腸炎が疑われ、ご本人と相談し実際に大腸カメラを行って状態を把握することとしました。

【検査】

大腸内視鏡を行うと下行結腸からS状結腸にかけて区域性のある炎症を認め、虚血性腸炎に合致する所見でした。

実際の内視鏡画像です。大腸の奥の方は綺麗にして炎症は見当たりませんでした。

下行結腸からS状結腸にかけて、大腸の浮腫・発赤・出血といった強い炎症を区域性に認め虚血性腸炎と診断しました

【治療】

「虚血性腸炎」とは、大腸に栄養や酸素を供給するための血管が一時的に詰まってしまうことで、大腸に炎症(粘膜のただれ・潰瘍など)が起こる病気です。

突然起こる腹痛・下痢・血便が特徴的で左側の下行結腸やS状結腸が好発部位といわれています。

今回は便秘を契機に発症した虚血性腸炎と考えられましたが、症状は2-4日で落ち着くことがほとんどで、

・安静

・症状を抑える漢方や整腸剤などの内服薬

・食事療法(絶食からはじめ、症状の改善をみながら食事形態を上げていきます。)

にて経過を見ました。

翌日には痛みはかなり改善し、食事制限を徐々に解除しましたが再燃なく、5日後に無事に治療完了となりました。

【院長からのコメント】

虚血性腸炎は前述のように血管が一時的に詰まることで引き起こされ

突然発症する

  • 腹痛(左の側腹部~下腹部に多い)
  • 下痢
  • 血便 

の3つが特徴的ですが、今回のように腹痛だけという方もおられます。

血管が詰まる原因としては、大腸に血流を送る血管の問題大腸自体の問題があります。

・血管側の問題としては、高血圧症・糖尿病・高脂血症などによる動脈硬化・虚血性心疾患・不整脈などによる血流の低下があり、

・大腸の問題としては便秘,大腸内視鏡検査,浣腸,下剤の服用による大腸の内圧の上昇があります。

基本的には高齢の方や、上記のような基礎疾患としてもつ場合に多くみられますが、若年者の方でも血管の一時的な痙攣でも起こると言われています。

特に便秘の方はは虚血性腸炎発症リスクが 2.78 倍上昇するとの報告もあります 

虚血性腸炎は大腸カメラ以外にも腹部エコーで診断がつくことも多く、極々稀ではありますが腸閉塞を来し腹部の膨満感や嘔吐を起こしたり、

腸管壊死を起こしショック状態になることもあり、腹痛が長引く際・痛みが強い際は我慢せず医療機関を受診することが重要です。

お困りの方はお力になれますので当院にご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

虚血性腸炎Q&A

Q:必ず腹痛・下痢・血便が出ますか?

A: 必ずしも出るわけではありませんが、高確率で見られます。

特に腹痛は88 %, 血便は82%と確率が高く、下痢も51%と約半数の方に見られるとの報告があります。

参考文献 吉 田 豊, 棟方 昭博, 中路重 之: 虚血性大腸炎 の疫 学. 臨床消化器内1998; 3: 1109-1114

Q:どのくらいで治りますか?

A:2-3日でよくなる方が多いです。

大腸粘膜の再生は早い ため2~3 日以内に症状は改善していき,2週間 以内に粘膜の状態も完全に回復する方がほとんどです。

参考文献 Washington C, Carmichael JC: Management of ischemic colitis. Clin Colon Rectal Surg 2012; 25: 228― 235

Q:再発はしますか?

A:それほど高くはないですが再発することもあります。

虚血性腸炎の再発率は 6.8~16% と報告があり1)、実際に当院でも再発した方もおられます。

前述のように便秘が発症にかかわることが多く、普段から便通コントロールを行うことが予防につながります。

参考文献  1) Brandt LJ, Feuerstadt P, Longstreth GF, et al.: American College of Gastroenterology. ACG clinical guideline: epidemiology, risk factors, patterns of presentation, diagnosis, and management of colon ischemia (CI). Am J Gastroenterol 2015; 110: 18―44.

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや下痢といった一般的な症状から炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

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所在地

170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通

巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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