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突然の胃の激痛はアニサキス?寿司を食べた翌日に胃カメラで治療した実例

[2026.05.20]

「夜中に突然、みぞおちをつかまれるような強い痛みで目が覚めた」

「寿司や刺身を食べた後から、胃の激痛と吐き気が続いている」

このような症状がある場合、胃炎や胃潰瘍、感染性腸炎だけでなく、胃アニサキス症が原因になっていることがあります。

アニサキス症は、アニサキス幼虫が寄生した魚介類を生または加熱不十分な状態で食べることで起こる食中毒です。特に急性胃アニサキス症では、食後数時間から十数時間後にみぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を起こすことがあります【1】。

今回は、寿司を食べた後に突然の胃の激痛で来院され、腹部エコーと胃カメラで胃アニサキス症と診断し、その場で摘出治療を行った実際の治療例を専門医の院長が分かりやすく紹介します。

胃の強い痛みでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 寿司・刺身・しめさば・イカなどを食べた後の突然の胃の激痛では、アニサキス症を考える必要があります。

✅ 急性胃アニサキス症では、食後数時間から十数時間後にみぞおちの強い痛み、吐き気、嘔吐が出ることがあります【1】。

✅ 胃アニサキス症では、胃カメラでアニサキスを確認し、その場で摘出できる場合があります【1】【2】。

✅ 痛みが強い場合や嘔吐を伴う場合は、我慢せず早めに消化器内科を受診することが大切です。

 

突然の胃の激痛・みぞおちの痛みがある方へ

寿司や刺身などの魚介類を食べた後に、突然の胃の激痛や吐き気・嘔吐が出た場合は、胃アニサキス症の可能性があります。

痛みが強い場合は、無理に様子を見ずに早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

胃の激痛を起こす主な原因

突然の胃の激痛やみぞおちの痛みは、アニサキス症だけで起こるわけではありません。似た症状を起こす病気もあるため、食事内容、痛みの出方、嘔吐や発熱の有無、腹部所見などを確認しながら診察を進めます。

  • 胃アニサキス症:寿司・刺身・しめさば・イカなどを食べた後、数時間から十数時間で激しいみぞおちの痛みが出ることがあります。
  • 感染性腸炎:食あたりにより腹痛、下痢、嘔吐、発熱などを起こします。
  • 急性胃炎:飲酒、薬剤、ストレス、食事などをきっかけに胃痛や吐き気が出ることがあります。
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍:みぞおちの痛み、吐き気、黒い便などを起こすことがあります。
  • 胆石発作・胆のう炎:右上腹部からみぞおちに強い痛みが出ることがあります。
  • 急性膵炎:みぞおちから背中に抜けるような強い痛みを起こすことがあります。

▶突然の胃痛・腹痛について詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてください。

胃痛・腹痛外来|巣鴨駅前胃腸内科クリニック

アニサキス症とは?

アニサキスは寄生虫の一種で、幼虫はサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどの魚介類に寄生していることがあります【1】。

アニサキス幼虫が寄生した魚介類を生、または加熱・冷凍が不十分な状態で食べると、幼虫が胃壁や腸壁に刺入して症状を起こします【1】。

胃に刺入した場合は急性胃アニサキス症と呼ばれ、食後数時間から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を起こすことがあります【1】。痛みは「少し弱まったと思ったら、また強くなる」という断続的なパターンになることもあります。

アニサキスは薬で治せる?

厚生労働省は、アニサキス幼虫に対する効果的な治療薬はなく、胃アニサキス症では胃内視鏡検査時に胃粘膜に穿入している虫体を摘出すると説明しています【1】。

CDCも、アニサキス症の診断には内視鏡などが用いられ、治療として内視鏡や手術で虫体を取り除く場合があるとしています【2】。

つまり、胃アニサキス症が疑われる場合は、胃カメラで直接確認し、見つかればその場で摘出することが重要になります。

ただし、胃カメラがすぐにできない場合などは、アニサキスによるアレルギー反応を抑える薬などで対症療法を行うケースもあります。

▶胃アニサキス症について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。

胃アニサキス症|巣鴨駅前胃腸内科クリニック

実際の治療例|50代男性「突然始まった胃の激痛」

【症状】

就寝中に突然、みぞおちの強い痛みで目が覚めました。その後も、みぞおちをつかまれるような強い痛みが断続的に続き、数回の嘔吐もあったため、当日の朝に当院を受診されました。

症状としては、次のような状態でした。

  • 夜中に突然、みぞおちの強い痛みで目が覚めた
  • 痛みが断続的に続いている
  • 数回嘔吐している
  • 前日の夕食で寿司を食べていた

「寿司を食べた後の突然の胃の激痛」という経過から、胃アニサキス症を疑う必要がある状態でした。

 

【問診】

診察では、痛みの場所、痛みが始まった時間、食事内容、嘔吐や下痢の有無、発熱、背中の痛み、腹部の張りなどを確認しました。

この方は、痛みが出る直前の夕食に寿司を食べていたため、主に以下の病気を考えました。

  • 胃アニサキス症
  • 感染性腸炎、食あたり
  • 急性胃炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 胆石発作・胆のう炎
  • 急性膵炎

感染性腸炎とアニサキス症では、治療方針が大きく異なります。また、アニサキス症の場合でも、胃にいるのか、小腸に進んでいるのかによって対応が変わります。

そのため、まずは腹部エコーとレントゲンで状態を評価することにしました。

 

【検査】

腹部エコー レントゲン

レントゲンでは明らかな異常所見は認めませんでした。

一方で、腹部エコーで胃の壁の限局的な肥厚(矢印部分)を認め、胃のアニサキス症を考え胃カメラを行うこととしました

※感染性腸炎の場合はレントゲンで異常ガスが出現したり、腹部エコーで腸管の炎症像が描出されます。

また小腸アニサキスの場合は、小腸に限局的な壁の肥厚像を認めます。

▶腹部エコー検査について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

腹部エコー検査|巣鴨駅前胃腸内科クリニック

胃カメラ

胃の壁に食いついたアニサキスを認め(青線部分)、周囲の粘膜がアレルギーにより浮腫を起こしている状態でした。

鉗子を用いて回収しました。

左写真:食いついたアニサキスを鉗子でつまんでいます。 右写真:アニサキスを胃壁から引き離し回収(矢印)。食いついていた部分はわずかな傷となりますが(青丸部分)、1-2日で自然に改善します。

▶胃カメラについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。

胃内視鏡検査(胃カメラ)|巣鴨駅前胃腸内科クリニック

 

【治療】【経過】

アニサキスによる痛みは、アニサキスが胃壁に食いつくことで体がアニサキスを異物と認識してアレルギー反応を起こすことで誘発されます。

ですので、アレルゲンであるアニサキスを取り除くことで症状が消えることがほとんどです。

今回も内視鏡終了後には痛みは消え、無事に治療完了となりました。

アニサキス症はイカやサバ・アジなどの海鮮を食べて数時間後に激しい胃痛として発症することが多く、「強い痛みがありちょっと和らいでまた強い痛みが出る」というような断続的な胃痛のパターンをとることが多いのが特徴的です。このような痛みがあるときは我慢せずに早めに医療機関への受診が重要です。

 

受診の目安

次のような場合は、アニサキス症や他の急性腹症の可能性があるため、早めに消化器内科を受診してください。

  • 寿司・刺身・しめさば・イカなどを食べた後から、みぞおちの強い痛みが出た
  • 胃の痛みが突然始まり、波のように強くなる
  • 吐き気や嘔吐を伴っている
  • 市販薬を飲んでも痛みが改善しない
  • 冷汗が出るほど痛い
  • 発熱、下痢、血便、黒色便を伴う
  • 背中に抜けるような痛みがある

特に、痛みが強い場合や嘔吐が続く場合は、胃アニサキス症だけでなく、胃潰瘍、急性膵炎、胆のう炎、腸閉塞などの病気も考える必要があります。無理に様子を見すぎないことが大切です。

寿司・刺身の後の強い胃痛は早めにご相談ください

アニサキス症は、問診で食事内容を確認し、必要に応じて腹部エコーや胃カメラで診断・治療を行います。 「我慢できないほど痛い」「何度も吐いている」「魚介類を食べた後から急に痛くなった」という場合は、早めの受診をご検討ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのご予約:03-5940-3833

院長コメント

寿司や刺身を食べた後に、突然のみぞおちの激痛が出た場合、胃アニサキス症は必ず考えたい病気の一つです。

アニサキス症は、症状の出方が特徴的なことも多く、食事内容を丁寧に確認することで診断の手がかりになります。ただし、同じような痛みでも、感染性腸炎、胃潰瘍、胆石、急性膵炎など別の病気が隠れていることもあります。

今回の症例では、腹部エコーで胃壁の肥厚を確認し、胃カメラでアニサキスを見つけて摘出することで、速やかに痛みが改善しました。

「魚介類を食べた後だからアニサキスかもしれない」と思っても、ご自身で判断するのは難しいことがあります。

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しておりますので、是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

 

よくある質問

Q1. 寿司を食べた後の胃痛はアニサキスですか?

寿司や刺身を食べた後に、数時間から十数時間で突然のみぞおちの強い痛み、吐き気、嘔吐が出た場合は、胃アニサキス症の可能性があります。ただし、感染性腸炎や胃潰瘍など他の病気でも似た症状が出るため、診察と検査で確認することが大切です。

 

Q2. アニサキス症ではどんな痛みが出ますか?

急性胃アニサキス症では、食後数時間から十数時間後に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を起こすことがあります。痛みは断続的に強くなることがあり、「少し楽になったと思ったらまた強く痛む」という経過をとることもあります【1】。

 

Q3. アニサキスは胃薬で治りますか?

アニサキス幼虫に対する効果的な治療薬はないとされています。胃アニサキス症では、胃カメラで胃粘膜に刺入している虫体を確認し、摘出することが治療になります【1】。

 

Q4. 胃カメラでアニサキスを取ると痛みはよくなりますか?

胃壁に刺入しているアニサキスを胃カメラで摘出すると、原因が取り除かれるため痛みが改善することが多いです。ただし、炎症やアレルギー反応の程度によって、しばらく違和感が残る場合もあります。

 

Q5. アニサキスが疑われるときは何科を受診すればいいですか?

寿司や刺身などの魚介類を食べた後に強い胃痛が出た場合は、胃カメラや腹部エコーに対応できる消化器内科への受診をおすすめします。痛みが非常に強い場合や嘔吐が続く場合は、救急受診も検討してください。

 

Q6. アニサキスは何時間後に症状が出ますか?

急性胃アニサキス症では、食後数時間から十数時間後に症状が出ることがあります。腸に刺入した場合は、食後十数時間後から数日後に強い下腹部痛や腹膜炎症状を起こすことがあります【1】。

 

Q7. わさびや醤油、酢でアニサキスは死にますか?

一般的な料理で使う食酢、塩漬け、醤油、わさびでは、アニサキス幼虫は死滅しないとされています【1】。予防には十分な加熱や適切な冷凍処理が重要です。

 

Q8. アニサキスの予防法はありますか?

アニサキスは加熱や冷凍で死滅します。厚生労働省は、調理する場合には70℃以上、または60℃で1分の加熱、冷凍では-20℃で24時間以上を示しています【1】。魚を購入した後は、速やかに内臓を取り除き、目視で確認することも重要です。

 

Q9. アニサキス症と食あたりはどう違いますか?

アニサキス症は、魚介類に寄生したアニサキス幼虫が胃や腸の壁に刺入して起こります。一方、感染性腸炎、いわゆる食あたりでは、細菌やウイルスなどにより腹痛、下痢、嘔吐、発熱などが出ます。症状だけで判断が難しいこともあるため、食事内容や検査所見をあわせて判断します。

 

Q10. アニサキス症は人にうつりますか?

CDCは、アニサキス症は人から人へは広がらないと説明しています【2】。原因は、アニサキス幼虫が寄生した魚介類を生または加熱不十分な状態で食べることです。

まとめ

突然の胃の激痛やみぞおちの痛みは、胃炎や食あたりだけでなく、胃アニサキス症が原因になっていることがあります。

  • 寿司・刺身・イカ・しめさばなどの後に強い胃痛が出た場合は、アニサキス症を考える必要があります。
  • 急性胃アニサキス症では、食後数時間から十数時間後にみぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐を起こすことがあります【1】。
  • 胃アニサキス症では、胃カメラで虫体を確認し、その場で摘出できる場合があります【1】【2】。
  • 感染性腸炎、胃潰瘍、胆石、急性膵炎などでも似た痛みが出るため、診察と検査で見極めることが大切です。
  • 強い痛みや嘔吐がある場合は、我慢せず早めに医療機関を受診しましょう。
突然の胃の激痛でお困りの方へ

魚介類を食べた後の強い胃痛は、アニサキス症の可能性があります。 胃カメラで診断と治療ができることもあるため、症状が強い場合は早めにご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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巣鴨駅前胃腸内科クリニック

JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら

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▶【WEB予約

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

参考文献

  1. 厚生労働省:アニサキス食中毒に関するQ&A
  2. Centers for Disease Control and Prevention:About Anisakiasis
  3. Sugiyama H, Shiroyama M, Yamamoto I, Ishikawa T, Morishima Y. Anisakiasis Annual Incidence and Causative Species, Japan, 2018–2019. Emerging Infectious Diseases. 2022.

 

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