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実際の治療例【整腸剤を飲んでも治らない下痢…原因はカンピロバクター腸炎だった】

[2023.10.06]

「5日以上下痢が続いている」「整腸剤を飲んでも全然よくならない」──。

こうした場合、単なる胃腸炎ではなく 感染性腸炎や大腸炎 が原因になっていることがあります。

今回は、実際に当院を受診された40代女性の症例を通じて、診断から治療・経過までをご紹介します。

 

40代 女性 腹痛・下痢が治らない

【症状】

5日ほど前から発熱と腹痛と水下痢があり、近くの内科を受診し胃腸炎と診断され整腸剤の処方となりましたが、改善しないとのことで当院を受診されました。

【診察】

触診では下腹部に痛みがあり、水下痢はまだ1日10回以上続いている状態でした。

発熱を伴っていたこと・症状が長引いていることなどから細菌性の感染性腸炎疑い、腹部エコーレントゲン血液検査を行いました。

【検査】

腹部エコーで右大腸中心に炎症像および血液検査にて炎症反応の上昇があり、中等度の大腸炎と診断しました。

【実際の画像】水色矢印の範囲で腸管が浮腫み粘膜下層が炎症で白く見えます (黄色矢印)

【治療】

右中心に起こる急性の大腸炎はカンピロバクター病原性大腸菌による細菌感染が多く、主に食中毒が原因となります。

今回も問診で確認すると、最初に症状がでた日の4日前に鶏の刺身を食べたとのことで、カンピロバクター腸炎を考え治療を行いました。

治療内容

①内服治療;整腸剤 漢方薬

下痢・腹痛といった胃腸炎症状を和らげます。

②抗生剤

カンピロバクター菌に対して使用します。抗生剤は細菌性の腸炎に対して、炎症反応や症状が強い場合に用います

③食事指導

大腸炎の場合は水分が吸収できずに激しい水下痢を起こしてしまいます。

そのため水分摂取はOS1やポカリスエットなどの体に吸収されやすいもの、食事はおかゆなどの消化しやすいものを召し上がっていただきました。

【経過】

治療開始後3日目くらいから次第に和らぎ、5日後ににはほぼ改善。

整腸剤を数日間継続していただき終診となりました。

【院長からのコメント】

細菌性の腸炎は症状も激しく長引くことが多く、また激しい胃腸炎後は過敏性腸症候群になるリスクがあることが分かっており1)

発症初期段階で適切な診断と治療を行うことが大切です。

また症状が長引く場合薬が効かない場合血便を伴う場合は感染性腸炎の他に潰瘍性大腸炎大腸がんなどの病気も考えられるため、大腸内視鏡(大腸カメラ)を行い実際に大腸の状態を確認することもあります。

症状でお困りの方はお力になれますので当院にご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

感染性腸炎Q&A

Q:人から人に移りますか?

A:移る場合があります。

感染性腸炎の原因は、病原体が口から入ってきて起こる“経口感染”で発症します。

大部分は食品から感染する食中毒ですが、以下の場合などに人から移る場合もあります。

◆感染者の吐物や便に触れた手で口元を触ったりする場合

感染者の吐物や糞便を処理する際に、手についてしまい、手洗いが不十分だと、病原体が口に入ってしまい感染することがあります。

◆感染者の手洗いが不十分な場合

病原体が手に付着したまま共有のタオルやドアや家具を触れ、その病原体を付着したものを他の人が触れ、そこから口を触りにうつるケースも考えられます。

また、感染者が手洗い不十分な状態で食品を触ったり、調理を行い、それを食べてしまうことで発症することもあり得ます。

◆病原体が舞い散る場合

感染者の便や吐物を放置し乾燥させてしまうと、病原体が空気中に舞い散ってしまい、その空気を吸い込むことで感染することもあります。

 

Q:仕事はできますか?

A:内容によって変わってきます。

通常の感染性腸炎の場合は、法律上の就労停止などはありませんが、しっかり休養を取った方が体調面ではよいと思われます。

ただし、飲食業や食品関係の仕事について国からの指示として、

「責任者に対し“直に調理、加工、製造する者(食品取扱者)”に嘔吐下痢などの症状があれば、感染性胃腸炎の有無を確認すること。

ノロウイスを原因であった場合は、 リアルタイムPCR等の好感度の検便検査でノロウイルスを保有していないことが確認されるまで、食品の取り扱いに従事させないよう処置をとることが望ましい」

と指導していますので、基本的には症状が改善し、病原体が消失するまでは休養が必要と考えます。

※ノロウイルスなどのウイルス検査は保険診療外となるため当院では対応していません。

 

Q. 下痢が1週間以上続く場合は何の病気が考えられますか?

A:感染性腸炎のほか、潰瘍性大腸炎や大腸がんなど慢性的な腸の病気が隠れている可能性があります。

改善がない場合は大腸内視鏡検査が必要です。

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Q. 食中毒はどのくらいで治りますか?

A:原因となる菌やウイルスにもよりますが、軽症なら2〜3日で改善することもあります。

ただし今回の様なカンピロバクター腸炎や大腸菌感染などは1週間近く続く場合もあります。

 

Q. 下痢の時はどんな食事をすればよいですか?

A:おかゆ、うどん、バナナなど消化に優しく水分を含む食品がおすすめです。

スポーツドリンクや経口補水液で水分・電解質を補いましょう。

Q. 再発を防ぐ方法はありますか?

A:生肉・生魚など食中毒のリスクがある食品はよく加熱して食べることが大切です。

また、外食や旅行時には衛生状態に注意することで感染リスクを下げられます。

 

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや下痢といった一般的な症状から炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや便秘などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れ、診療を行っている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

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所在地

170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通

巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

参考文献:

1)Barbara G, Grover M, Bercik P, et al. Rome Foundation working team report on post-infection irritablebowel syndrome. Gastroenterology 2019; 156: 46-58.e7 , 過敏性腸症候群ガイドライン2020:p5-6

一般社団法人日本感染症学会,公益社団法人日本化学療法学会 JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 腸管感染症ワーキンググループ:JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015 ―腸管感染症―.感染症誌2015;90:31-65

 

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