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空腹時の胃痛と背中の痛み…原因は十二指腸潰瘍?胃カメラでピロリ菌も見つかった40代男性の実例

[2026.04.04]

「空腹時に胃が痛い」「みぞおちが痛くて背中まで気になる」――

このような症状があると、胃炎かなと思って様子を見てしまう方は少なくありません。

ただ、上腹部痛と背部痛の組み合わせでは、十二指腸潰瘍や逆流性食道炎、膵炎や胆のう・胆石の病気などの可能性もあります。

特に症状が続く、悪化する、吐き気や黒い便を伴う場合は、早めに原因を確認することが大切です【2】【4】【9】【10】。

本記事では実際の症例をもとに、空腹時の胃痛・背中の痛みと関係する可能性のある疾患や、受診のタイミングについて、消化器専門医の神谷院長がわかりやすくお伝えします。

胃痛や背部痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。

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実際の治療例|40代男性「空腹時の胃痛・背部痛」

症状

2週間ほど前から空腹時に胃痛と背中の痛みを感じ、すぐに治るだろうと思い様子をみていましたが一向に改善せず、2日前から痛みが増悪したとのことで当院を受診されました

 

診察

胃痛・背部痛の原因としては、

  • 胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化管疾患
  • 膵炎や膵臓などの膵疾患
  • 胆石などの胆のう疾患

などが考えられ、腹部エコー胃内視鏡(胃カメラ)にて状態をチェックすることにしました。

検査

腹部エコーでは胆のうや膵臓に異常はなく、続いて胃内視鏡(胃カメラ)を施行したところ、十二指腸潰瘍を認めました

実際の胃カメラの画像です。十二指腸の入り口に潰瘍(黄色部分)を認めました

さらに、胃の中には萎縮性胃炎があり、ピロリ菌陽性であったことから、今回の潰瘍の原因としてピロリ菌感染が強く疑われました

 

十二指腸潰瘍とは

十二指腸潰瘍とは、胃のすぐ先にある十二指腸の粘膜が深く傷つき、えぐれた状態です。

胃酸や消化液にさらされる一方で、粘膜を守る防御機能が弱くなることで発症します。消化性潰瘍の主な原因は、H. pylori(ピロリ菌)感染とNSAIDs(痛み止め)です【2】【4】。

症状としては、みぞおちの痛み、空腹時痛、背部痛・夜間痛、吐き気、膨満感などがあり、なかには症状が乏しい方もいます。

悪化すると出血、穿孔(穴があくこと)、通過障害などの合併症につながるため、症状が長引く場合は放置しないことが大切です【4】【6】【11】。

また、今回のようにピロリ菌が関与している場合、潰瘍の治療だけでなく除菌治療が重要になります。日本のガイドラインでも、H. pylori感染は胃・十二指腸潰瘍の重要な原因であり、除菌は潰瘍再発の抑制に有効とされています【2】【3】。

さらに、ピロリ菌感染は胃がんリスクとも関係しており、除菌によりそのリスク低下が期待されます。一方で、萎縮性胃炎がある方では除菌後も胃粘膜の状態に応じて定期的な胃カメラを検討することがあります

 

治療

今回は潰瘍の程度は軽度で出血もないことから薬で治療することとしました。

治療内容
①制酸薬

胃酸の分泌過多を抑える薬です。胃酸分泌を抑えることで、胃の粘膜の再生力で潰瘍は治癒していきます。今回はプロトンポンプ阻害薬(PPI)という薬を処方しました。

②粘膜保護薬

胃の粘膜の防御機能を高め、潰瘍による胃痛を抑え改善をより早めます。

 ③食事指導

食事についてはしばらくの間は刺激の少ない粥食や消化のよい和食系のものを召し上がっていくこととしました。

 

経過

投薬開始翌日には痛みは取れてきており、3日目の再診時には痛みはほぼなくなったとのことでした。食事は通常食に戻し内服を続け、1か月後の再診時もほぼ問題ない状態でした。

十二指腸潰瘍は90%近くがピロリ菌が原因となっており、今回もピロリ菌が陽性であったため除菌も行うこととしました。

(実際にピロリ菌除菌後の潰瘍の再発率は 1~2%と極めて低いことが報告されています※1。詳しくは、ピロリ菌と潰瘍の関係を参照ください。)

 

抗生剤と制酸剤の組み合わせを1週間飲んでもらい、1か月後に再診をして頂き、呼気検査にてピロリ菌の除菌成功を確認しました。

ただ、ピロリ菌除菌後も胃がんのリスクがあるため※2、胃カメラは定期的に行っていく方針としています。

 

院長からのコメント

空腹時の胃痛や背中の痛みは、「胃が荒れているだけかな」と思って様子を見られがちな症状です。

ですが、今回のように胃カメラで十二指腸潰瘍が見つかることがありますし、背中の痛みがある場合は膵炎や胆のう疾患なども鑑別が必要です【1】【9】【10】。

特に、症状が長引く、強くなる、黒い便が出る、吐血する、急に激しい痛みになるといった場合は、合併症のサインのことがあります。市販薬で一時的に楽になっても原因が解決していないこともあるため、早めの受診をおすすめします【4】【11】。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

当院の胃カメラの特徴
  • ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

よくある質問(FAQ)

Q:空腹時の胃痛は、十二指腸潰瘍のサインですか?

空腹時や夜間の胃痛は、十二指腸潰瘍でみられることがあります。ただし、胃炎、機能性ディスペプシア、膵炎、胆のう疾患などでも似た症状は出るため、症状が続く場合は胃カメラなどで原因を確認することが大切です【2】【4】【5】【9】【10】【11】。

 

Q:胃痛と背中の痛みが同時にあるときは、どんな病気を考えますか?

十二指腸潰瘍や胃潰瘍のほか、膵炎、胆石・胆のう疾患などが鑑別に挙がります。背中の痛みがあるから整形外科の病気とは限らず、内臓の病気が隠れていることもあります【4】【9】【10】。

 

Q:胃カメラでは何が分かりますか?

胃カメラでは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察でき、潰瘍の有無、出血の有無、胃炎の程度、必要に応じた生検まで確認できます。十二指腸潰瘍をしっかり評価するうえで重要な検査です【5】。

 

Q:ピロリ菌はなぜ重要なのですか?

ピロリ菌は胃・十二指腸潰瘍の重要な原因で、感染が続くと胃粘膜に慢性的な炎症を起こします。さらに、胃がんのリスクとも関係するため、陽性の場合は除菌を検討する意義があります【2】【3】【7】。

 

Q:ピロリ菌が陽性なら、除菌した方がよいですか?

一般的には、ピロリ菌感染が確認された場合は除菌治療が勧められます。特に胃潰瘍・十二指腸潰瘍がある方では、除菌によって再発予防効果が期待できます【2】【3】。

 

Q:薬で痛みが良くなっても、検査や除菌判定は必要ですか?

はい。症状が軽くなっても、潰瘍の原因がピロリ菌であれば除菌まで考えることが大切です。また、除菌治療後は呼気検査や便検査などで結果を確認します【1】【3】【5】。

 

Q:黒い便や吐血があるときはどうすればよいですか?

黒色便、吐血、急に強い腹痛が出た場合は、潰瘍からの出血や穿孔など重い合併症の可能性があります。早めではなく、できるだけ速やかに医療機関へ相談してください【4】【11】。

 

Q:痛み止めを飲んでいると潰瘍は悪化しますか?

NSAIDsと呼ばれる痛み止めは、胃や十二指腸の粘膜を傷つけやすくし、潰瘍の原因になります。長期使用や高用量、複数併用では特に注意が必要です【4】。

 

Q:除菌すれば、もう再発しませんか?

再発リスクは大きく下がりますが、ゼロとは言い切れません。ただし、ガイドラインではH. pylori除菌が潰瘍再発予防に有効とされており、再発率を大きく下げることが示されています【2】。

 

Q:除菌後も胃カメラを続けた方がよいのはどんな人ですか?

萎縮性胃炎がある方や、胃粘膜に前がん病変のリスクがある方では、除菌後も胃カメラの継続を検討することがあります。頻度は胃粘膜の状態や年齢、リスクに応じて決めます【7】【8】。

まとめ

空腹時の胃痛と背中の痛みは、胃の不調として軽く考えられがちですが、十二指腸潰瘍が隠れていることがあります

さらに、膵炎や胆のう疾患など、別の内臓疾患との鑑別も必要です【4】【9】【10】。

今回の症例では、腹部エコーと胃カメラによって原因が明らかになり、薬物治療とピロリ菌除菌につながりました。

 

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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