実際の診療例 “人間ドックの検便検査陽性で発見された大腸がん”
当院の患者さんの実際の治療経過です。
60代男性 人間ドックの検便検査陽性
【症状】
特に自覚症状はありませんでしたが、人間ドックで受けた便潜血検査で陽性を指摘されて来院されました。
【診察】
便潜血検査は大腸がん検診の位置づけであり、陽性の方には大腸がんのリスクがあることをご説明し、大腸内視鏡検査を受けていただくことにしました。
【内視鏡検査】
精査のために大腸内視鏡を行ったところ、直腸がんが発見されました。
【治療】
残念ながら進行がんのため内視鏡治療はできない状態でしたが、幸いにも転移はなく手術にて完治しました。
便潜血検査陽性の方に大腸内視鏡を行ってみると3%程度の方に大腸がんが見つかるとのデータがあり、実際に今回のようにガンが見つかるケースもあります。
また、便潜血陽性反応後に大腸内視鏡を施行しなかった方は施行した方に比べ、直腸ガン・大腸ガンによる死亡率が2倍以上になったとの報告(※1)もあり、便潜血陽性の方は自覚症状がなくても、大腸内視鏡を受けることが大切です。
※1 参考文献;Zorzi M et al Gut 2022;71(3):561-567
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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