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実際の診療例 “食事が降りていかない感じが治らない(食道カンジダ症)”

[2024.01.03]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

20代 男性 食事が下に降りて行かない感じが治らない

【症状】

数年ほど前から食事中に下に降りて行かない感覚があり改善しないとのことで当院を来院されました。

 

【問診】

症状が出始めたころは1週間に1度くらいでしたが徐々に頻度が増えて、最近は毎食起こるとのことでした。

症状は食事の時にのみ起こるとのことで、食道病変を考え胃カメラ(胃内視鏡)を行いました

 

【検査】

内視鏡ではアレルギーによる食道炎(好酸球性食道炎)を強く疑う所見を認め、炎症を繰り返したことによって狭窄が生じていました。

食道は全体的に浮腫んで、好酸球性食道炎に特徴的な線状の溝(青矢印)や白斑(黄色部分)を認めました。

下部食道は炎症を繰り返したことで狭窄し(赤矢印)、食べ物が通りづらい状態となっていました。

確定診断のため生検を行い病理検査をしたところ、食道粘膜に多数の好酸球(アレルギーを起こしたときに出現する白血球の一種)を認め、好酸球性食道炎の診断が確定しました。

関連ページ:胃内視鏡(胃カメラ) 好酸球性食道炎

 

【治療】

好酸球性食道炎とは食物によるアレルギー反応が主な原因と考えられていますが、調べてみてもアレルギーの元がはっきりとしないこともあります1)

慢性的な炎症が起こることで食道の機能(蠕動して食事を胃に送る)が障害され、さらに炎症を繰り返すことで食道が狭窄し、のどのつまり感や食事が降りて行かないような感覚が生じます。

アレルギー源が分かる場合は、アレルギーとなる食物を避けてもらうことが多いですが、わからない場合は薬物療法を行います。

今回のケースでもアレルギーの原因が特定できなかったため、投薬治療を行いました。

 

<治療内容>

1.制酸薬

好酸球性食道炎の約半数の方はプロトンポンプインヒビター(PPIと呼ばれる胃酸を抑える薬で改善すると言われており今回も使用しました。

2.漢方薬

アレルギーを抑える漢方薬も有効との報告があり、薬自体の副作用も少ないため今回はPPIと併用して使用しました。

 

【経過】

投薬を開始して2週間ほど経過を見ましたが症状の改善が乏しく、ステロイドや免疫抑制剤などのアレルギー反応を強く抑える薬を使用する必要があると考え、アレルギー科のある高次医療機関へ紹介となりました。

その後ステロイド治療にて症状は改善傾向であるとの報告が届き、引き続き紹介先の病院で治療を継続していただいています。

 

参考文献:1) Ishimura Net al: Limited role of allergy testing in patients with eosinophilic gastrointestinal disorders. J Gastroenterol Hepatol 2013; 28; 1306-1313

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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