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【実際の治療例】左腹が張る・圧迫感がある…原因は脾臓?|エコーで判明した脾腫と白血病

[2026.05.29]

「左のお腹だけが張る」「左上腹部に重たい圧迫感がある」「便秘やガスだと思っていたけれど、なかなか改善しない」

このような症状は、腸のガス・便秘・胃腸の動きの低下などで起こることが多い一方で、まれに脾臓の腫れ(脾腫)や、血液の病気が隠れていることがあります。

脾臓は左上腹部、肋骨の奥にある臓器です。通常は自分で意識することはほとんどありませんが、腫れて大きくなると、左上腹部の張り・圧迫感・早期満腹感・背中や肩への違和感として自覚されることがあります【1】【2】。

今回は、巣鴨駅前胃腸内科で腹部エコーを行ったことをきっかけに脾腫が見つかり、血液検査の異常から高次医療機関へ紹介し、最終的に白血病と診断された実際の症例をもとに、原因・必要な検査・受診の目安などを専門医の院長が分かりやすく解説します。

左腹部の張りや圧迫感が気になっておられる方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 左腹部の張り・圧迫感は、便秘やガスだけでなく、脾臓・腎臓・膵臓・大腸などの病気でも起こることがあります。

✅ 脾臓が腫れる「脾腫」では、左上腹部の張り、食後すぐ満腹になる感じ、左背部や左肩の違和感が出ることがあります【1】【2】。

✅ 白血病などの血液疾患では、脾臓が腫れたり、血液検査で白血球・赤血球・血小板の異常が見つかることがあります【3】【4】。

✅ 腹部エコーは、脾臓・肝臓・腎臓・胆のう・膵臓周囲などを体の外から確認できるため、左腹部の張りの原因検索に役立ちます。

✅ 「左腹の張りが続く」「体重減少・発熱・寝汗・貧血・出血しやすい」などを伴う場合は、自己判断せず早めの受診が大切です。

 

左腹部の張り・圧迫感が続く方へ

巣鴨駅前胃腸内科では、腹部の張り・違和感に対して、診察、血液検査、腹部エコー、必要に応じた胃カメラ・大腸カメラなどを組み合わせて原因を確認しています。

「便秘やガスだと思っていたけれど、左だけ張る」「圧迫感が続いて不安」という方は、お気軽にご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

 

左腹部の張り・圧迫感を起こす主な原因

左腹部の張りは、日常的には便秘・ガス・食べ過ぎ・胃腸の動きの低下などで起こることが多い症状です。

ただし、症状が長引く場合や、左上腹部だけが張る場合、体重減少・発熱・貧血・血液検査異常などを伴う場合には、胃腸以外の臓器も含めて確認する必要があります。

分類 主な原因 症状の特徴
胃腸 便秘、ガス貯留、過敏性腸症候群、機能性ディスペプシア 食後や便秘時に張る、排便やガスで軽くなることがある
脾臓 脾腫、血液疾患、感染症、肝疾患など 左上腹部の圧迫感、早期満腹感、左背部や左肩の違和感
腎臓・尿路 尿管結石、腎盂腎炎、腎嚢胞など 側腹部痛、背中の痛み、血尿、発熱を伴うことがある
大腸 大腸がん、大腸ポリープ、大腸炎、腸閉塞など 便通異常、血便、便が細い、張りが徐々に強くなることがある
膵臓・その他 膵炎、膵腫瘍、後腹膜腫瘍など 背部痛、体重減少、食欲低下、持続する圧迫感など

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左腹部だけでなく、お腹全体の張り・もたれ・違和感が続く方は、こちらも参考にしてください。
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脾腫とは?

脾腫(ひしゅ)とは、脾臓が通常より大きく腫れている状態のことです。

脾臓は、左上腹部の肋骨の奥にある臓器で、古くなった血液細胞の処理、免疫への関与、血液の貯蔵などに関わっています。通常は体の外から意識することはありませんが、腫れて大きくなると、胃や周囲の臓器を圧迫して症状を起こすことがあります【1】【2】。

脾腫で起こりやすい症状

  • 左上腹部の張り、重たい感じ
  • 左腹部の圧迫感
  • 少量の食事で満腹になる
  • 左背部や左肩の違和感
  • 疲れやすい、息切れ、貧血を指摘される
  • あざができやすい、鼻血が出やすい
  • 発熱、寝汗、体重減少を伴う

脾腫そのものは病名ではなく、背景にある病気によって起こる「所見」です。そのため、脾腫が見つかった場合は、血液検査や画像検査で原因を調べることが大切です。

白血病とは?

白血病は、骨髄で血液細胞が正常に作られにくくなり、異常な白血病細胞が増える病気です。

白血病には急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病などがあり、種類によって進行の速さや治療方針は異なります。

白血病では、異常な血液細胞が増えることで、正常な白血球・赤血球・血小板が不足し、感染しやすい、貧血、出血しやすいといった症状が出ることがあります。

白血病で脾臓が腫れる理由

白血病細胞は血液中だけでなく、脾臓や肝臓などの臓器にも浸潤することがあります【2】。

脾臓は血液をろ過・破壊する臓器のため、異常な血液細胞が増えると、脾臓が過剰に働き腫れてしまい(=脾腫)、腹部の張りや早期満腹感として自覚されることがあります【3】【4】。

白血病で注意したい症状

  • 強い倦怠感
  • 発熱が続く
  • 寝汗をかく
  • 体重が減る
  • 息切れしやすい
  • あざが増える、鼻血が出やすい
  • 歯ぐきから出血しやすい
  • 首・わき・足の付け根のリンパ節が腫れる
  • 左上腹部の張りや圧迫感が続く

もちろん、これらの症状があるからといって必ず白血病というわけではありません。ただし、腹部症状に加えて血液検査の異常や全身症状を伴う場合には、血液疾患も含めた確認が必要になります。

実際の治療例|50代男性「左腹が張る・圧迫感がある」

【症状】

2か月ほど前から、左腹部の張りや違和感が続いていました。

強い痛みではないものの、左側のお腹に重たい感じ、圧迫されるような感覚があり、最初は「腸のガスか便秘かもしれない」と思われていましたが、症状が続くことに不安を感じて来院されました。

 

【診察・検査】

診察で左上腹部に軽度の膨隆を認め、腹部エコー検査を行ったところ、脾臓の腫大(脾腫)が確認され、症状の原因と考えました。

■実際のエコー画像■

脾臓(黄色部分)が135㎜大に腫大しています。※正常は120㎜以下

 

【経過】

さらに行った血液検査で白血球・血小板・赤血球に異常を認めたため、血液疾患の可能性を考慮し、高次医療機関へ紹介。

その後の精密検査で白血病と診断され、同院の血液内科で治療となりました。

今回の症例では、当院で腹部エコーと血液検査を行ったことが、白血病の発見につながる重要なきっかけとなりました。

左腹部の張りは、よくある胃腸症状として見過ごされやすい症状です。しかし、今回のように、症状の背景に脾腫や血液疾患が隠れていることもあります。

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腹部エコー検査の流れ・費用・わかる病気については、こちらで詳しく解説しています。
巣鴨のエコー検査|腹部・甲状腺・頸動脈エコーの費用と流れ

左腹部の張り・圧迫感が続くときに行う検査

左腹部の張りの原因は、問診だけで判断することは難しいため、症状の部位・経過・随伴症状に応じて検査を組み合わせます。

腹部エコー検査

腹部エコーでは、肝臓・胆のう・膵臓周囲・腎臓・脾臓・腹水の有無などを体の外から確認します。脾腫や腫瘤、腎臓・尿路の異常などを確認するうえで有用です。

血液検査

白血球・赤血球・血小板、炎症反応、肝機能、腎機能、膵酵素、貧血の有無などを確認します。今回のように、血球の異常が見つかることで血液疾患の発見につながることがあります。

CT検査

腹部エコーや血液検査で異常が疑われる場合、より詳しく臓器の状態を確認するためにCT検査が必要になることがあります。当院で必要と判断した場合は、連携医療機関へご紹介します。

胃カメラ・大腸カメラ

症状や検査所見から胃・大腸など消化管の病気が疑われる場合には、胃カメラや大腸カメラを検討します。大腸がん、大腸炎、胃がん、胃潰瘍などが腹部の張りや違和感の原因になることもあります。

受診の目安

一時的な張りで、排便やガスで改善する場合は、便秘や胃腸の動きの乱れによることも多くあります。

ただし、次のような症状がある場合は、胃腸だけでなく脾臓・血液疾患・腫瘍性疾患なども含めて確認が必要です。

早めの受診をおすすめする症状
  • 左腹部の張り・圧迫感が1〜2週間以上続く
  • 左上腹部だけが張る、重たい感じがある
  • 少し食べただけでお腹が苦しくなる
  • 体重が減ってきた
  • 発熱や寝汗がある
  • 強い倦怠感が続く
  • 貧血を指摘された
  • あざが増えた、鼻血や歯ぐきの出血が増えた
  • 血便、黒い便、便が細いなどの便通異常がある
  • 左背部痛や左肩の痛みを伴う

「痛みが強くないから大丈夫」と思っていても、今回のように検査で重要な病気が見つかることがあります。不安な症状が続く場合は、早めにご相談ください。

院長コメント

左腹部の張りや圧迫感は、便秘やガスなどのよくある胃腸症状として相談されることが多い症状です。

もちろん、実際には胃腸の動きの低下や便秘が原因のことも多いのですが、今回のように腹部エコーで脾腫が見つかり、血液検査の異常から白血病の診断につながるケースもあります。

大切なのは、症状の部位・続いている期間・体重減少や発熱などの全身症状・血液検査の異常などを総合的に見て判断することです。

当院では、腹部エコーや血液検査を組み合わせ、胃腸だけでなく肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓なども含めて確認しています。

「左だけ張る」「圧迫感が続く」「何となくいつもと違う」という感覚は、患者さんご本人にしか分からない大切なサインです。気になる症状が続く場合は、我慢しすぎず一度ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 左腹が張る原因は便秘やガスが多いですか?

A1. はい、左腹部の張りは便秘・ガス・腸の動きの低下などで起こることが多いです。ただし、左上腹部だけが張る、圧迫感が続く、体重減少や発熱を伴う場合は、脾臓・腎臓・大腸・膵臓などの病気も確認する必要があります。

 

Q2. 脾臓が腫れるとどのような症状が出ますか?

A2. 脾臓が腫れると、左上腹部の張り、圧迫感、少量の食事で満腹になる感じ、左背部や左肩の違和感などが出ることがあります。ただし無症状のこともあり、エコーやCTで偶然見つかることもあります。

 

Q3. 脾腫は危険な病気ですか?

A3. 脾腫そのものは病名ではなく、背景にある病気によって起こる所見です。感染症、肝疾患、血液疾患、腫瘍性疾患などさまざまな原因があります。原因によって対応が大きく変わるため、脾腫が見つかった場合は精査が必要です。

 

Q4. 白血病でお腹が張ることはありますか?

A4. あります。白血病細胞が脾臓や肝臓に集まると、脾臓や肝臓が腫れて、お腹の張り、左上腹部の圧迫感、食後すぐ満腹になる感じとして自覚されることがあります。

 

Q5. 脾腫は腹部エコーでわかりますか?

A5. はい、腹部エコーでは脾臓の大きさや形を確認できます。体の外から行う検査で、痛みもなく、脾腫や腹水、肝胆膵腎などの異常を調べるきっかけになります。

 

Q6. 脾臓の大きさはどれくらいから異常ですか?

A6. 一般的には成人で脾臓の長径が12cmを超える場合に腫大の目安とされることがあります。ただし体格や測定条件によっても異なるため、画像検査の所見と血液検査、症状を合わせて判断します。

 

Q7. 左腹部の張りだけで白血病とわかりますか?

A7. 左腹部の張りだけで白血病と判断することはできません。白血病が疑われる場合は、血液検査で白血球・赤血球・血小板の異常を確認し、必要に応じて血液内科で詳しい検査を行います。

 

Q8. 左腹部の張りで胃カメラや大腸カメラは必要ですか?

A8. 症状や診察所見によります。胃や大腸の病気が疑われる場合、血便・黒色便・便が細い・体重減少・貧血などがある場合には、胃カメラや大腸カメラを検討します。まずは診察と腹部エコー・血液検査で原因を絞り込むことが多いです。

 

Q9. 左腹部の張りがあるとき、自宅で様子を見てもよいですか?

A9. 一時的な張りで、排便やガスで改善する場合は様子を見てもよいことがあります。ただし、1〜2週間以上続く、徐々に悪化する、発熱・体重減少・貧血・出血しやすいなどを伴う場合は、早めに受診してください。

 

Q10. 何科を受診すればよいですか?

A10. まずは消化器内科で相談するのがよいです。腹部エコーや血液検査で、胃腸だけでなく肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓などを確認できます。血液疾患が疑われる場合は、血液内科のある高次医療機関へ紹介します。

まとめ

左腹部の張り・圧迫感は、便秘やガスなどのよくある原因で起こることも多い一方で、脾臓の腫れや血液疾患が背景にあることもあります。

  • 左腹部の張りは、胃腸だけでなく脾臓・腎臓・大腸・膵臓などの異常でも起こることがあります。
  • 脾腫では、左上腹部の張り、圧迫感、早期満腹感、左背部や左肩の違和感が出ることがあります。
  • 白血病などの血液疾患では、脾腫や血液検査異常が診断のきっかけになることがあります。
  • 腹部エコーと血液検査は、左腹部の張りの原因を調べるうえで重要な検査です。
  • 症状が続く場合や、体重減少・発熱・貧血・出血しやすいなどを伴う場合は、早めの受診が大切です。
左腹部の張り・圧迫感が続く方へ

「便秘だと思っていたけれど治らない」「左側だけ張る」「圧迫感が続いて不安」という場合は、体の中で何が起きているかを確認することが大切です。

巣鴨駅前胃腸内科では、診察・腹部エコー・血液検査を組み合わせ、必要に応じて高次医療機関とも連携しながら診療を行っています。

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医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

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所在地

〒170-0002
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交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら

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参考文献

  1. MSD Manual Professional Edition. Splenomegaly.
  2. Merck Manual Consumer Version. Enlarged Spleen.
  3. American Cancer Society. Signs and Symptoms of Acute Lymphocytic Leukemia.
  4. Blood Cancer UK. Leukaemia symptoms and signs.
  5. 日本血液学会 編. 血液疾患診療ガイドライン 2023.

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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