【実際の治療例】左腹が張る・圧迫感がある…原因は脾臓?|エコーで判明した脾腫と白血病
「左腹が張る」「重たい感じがする」といった症状は、腸のガスや便秘などの消化器症状と思われがちですが、
実は脾臓(ひぞう)の腫れによるものだった、というケースもあります。
今回は、当院で脾臓の腫大(脾腫)が見つかり、精密検査の結果白血病と診断された実例を紹介します。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例|50代男性「左腹が張る・圧迫感がある」
【症状】
2か月ほど前から左腹部の張りや違和感が続き、改善しないとのことで当院を受診されました。
【診察・検査】
診察で左上腹部に軽度の膨隆を認め、腹部エコー検査を行ったところ、脾臓の腫大(脾腫)が確認され、症状の原因と考えました。
■実際のエコー画像■
脾臓(黄色部分)が135㎜大に腫大しています。※正常は120㎜以下
【経過】
さらに行った血液検査で白血球・血小板・赤血球に異常を認めたため、血液疾患の可能性を考慮し、高次医療機関へ紹介。
その後の精密検査で白血病と診断され、同院の血液内科で治療となりました。
白血病とは?
白血病は、骨髄で血液細胞が正常に作られず、未熟な白血球(白血病細胞)が異常に増殖する病気です【1】。
種類には急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)などがあります。
いずれも放置すると死に至る病のため、血液内科で治療を受ける必要があります。
白血病で脾臓が腫れる理由
白血病細胞は血液中だけでなく、脾臓や肝臓などの臓器にも浸潤することがあります【2】。
脾臓は血液をろ過・破壊する臓器のため、異常な血液細胞が増えると、脾臓が過剰に働き腫れてしまう(=脾腫)のです。
左腹部が張る・圧迫感があるときに考えられる主な原因
| 分類 | 主な疾患・原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 消化器 | 便秘、過敏性腸症候群、胃拡張、ガス貯留 | 食後や便秘時に一時的な張り |
| 脾臓 | 脾腫、脾臓腫瘍、白血病 | 左上腹の圧迫感 |
| 腎臓・尿路 | 腎嚢胞、尿管結石 | 側腹部の痛みや圧迫感 |
| 婦人科 | 卵巣嚢腫、子宮筋腫 | 女性に多い下腹部の張り |
| 腫瘍 | 胃・大腸・膵臓の腫瘍(がん) | 持続する張り、体重減少 |
必要な検査
左腹部の張りが続く場合、以下のような検査を組み合わせて原因を調べます。
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腹部エコー:脾臓の腫大、腫瘤の有無を確認
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血液検査:血球数・肝機能・腎機能・炎症・腫瘍マーカーなど
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CT検査:臓器の腫大や腫瘍の精密評価
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胃カメラ・大腸カメラ:消化器が原因の場合
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血液内科紹介:血球異常を認めた場合は専門医へ
まとめ
左腹の張りや圧迫感は、腸のガスや胃の張りと思われがちですが、脾臓や血液の病気が背景にあることもあります。
今回のように、腹部エコーや血液検査が診断のきっかけとなるケースも多くあります。
症状が続く場合は、自己判断せずに消化器内科で検査を受けましょう。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. 左腹が張るとき、脾臓の病気は多いですか?
A1. 頻度としては少ないですが、エコーで偶然見つかることもあります。原因が分からない張りが続く場合は一度確認しましょう。
Q2. 脾臓が腫れていると痛みはありますか?
A2. 多くは鈍い圧迫感程度ですが、大きく腫れると左背部や肩への放散痛が出ることもあります。
Q3. 白血病は急に発症しますか?
A3. 急性型は数週間で進行しますが、慢性型は徐々に進行します【1】。
Q4. 白血病は治療で治りますか?
A4. 現在は薬物療法・骨髄移植などの進歩により治癒や長期寛解が期待できる時代です。
Q5. 脾腫があるときに避けた方がいいことは?
A5. 強い腹圧(重い物を持つなど)は脾破裂の危険があるため注意が必要です【2】。
Q6. エコーで脾臓の大きさはどれくらいが異常ですか?
A6. 成人で長径12cm以上が腫大の目安とされています。
Q7. 脾臓が腫れても自然に治ることはありますか?
A7. 一時的な感染などで腫れる場合は回復しますが、慢性的に大きい場合は精査が必要です。
Q8. 白血病の初期症状は?
A8. 倦怠感、発熱、出血傾向、リンパ節の腫れなどが見られます。
Q9. 左腹の張りとガスは関係ありますか?
A9. 腸のガスが原因のこともありますが、持続する場合は臓器性の病気を疑います。
Q10. 検査はどの診療科で受ければいい?
A10. まずは消化器内科でエコーと血液検査を受けるのが最も効率的です。
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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参考文献
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日本血液学会編『血液疾患診療ガイドライン 2023』
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日本消化器病学会『肝脾疾患の診断と治療 2022』
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厚生労働省e-ヘルスネット「白血病」
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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