メニュー

胃薬を飲んでも治らない胃痛…本当の原因は虫垂炎(盲腸)だった|見逃されやすい初期症状に注意

[2025.11.23]

「胃が痛いから胃薬を飲んだのに、どんどん痛みが強くなる…」

こういったケースで実は胃ではない臓器の病気が隠れていることは珍しくありません。

特に急性虫垂炎(いわゆる盲腸)は、初期にはみぞおちの痛みとして始まることがあり、胃痛と誤解されやすい代表的な疾患です【1】。

今回は、胃薬で改善しないみぞおち痛の原因が「急性虫垂炎」だった実例をご紹介します。

胃痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。

同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

 

胃薬で治らない胃痛を起こす主な原因

胃薬を飲んでも胃痛やみぞおちの痛みが改善しない場合、原因は胃だけとは限りません。特に、痛みがだんだん強くなる場合や、痛む場所が変わってきた場合には、他の臓器の病気も考える必要があります。

胃薬で改善しにくい胃痛・みぞおちの痛みでは、主に次のような病気が鑑別に挙がります。

  • 急性虫垂炎
  • 急性胃炎
  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
  • 胆石・胆のう炎
  • 急性膵炎
  • 感染性腸炎
  • 大腸憩室炎
  • 尿管結石
  • 心臓や血管の病気

このように、同じ「胃が痛い」という症状でも、背景にある病気はさまざまです。問診・触診・血液検査・腹部エコーなどを組み合わせて、緊急性のある病気を見落とさないことが大切です。

▶胃痛・腹痛の原因について詳しく知りたい方は、当院の胃痛・腹痛外来のページもあわせてご覧ください。

 

急性虫垂炎とは?

急性虫垂炎とは、大腸の始まりにある「虫垂」という細い管状の臓器に炎症が起こる病気です。一般的には「盲腸」と呼ばれることが多い病気です。

虫垂の内部が糞石やリンパ組織の腫れなどで詰まると、虫垂の中で細菌が増え、炎症が起こります。炎症が強くなると虫垂が腫れ、痛み・発熱・吐き気などの症状が出ます。

虫垂炎は「胃痛」から始まることがあります

虫垂炎というと「右下腹部の痛み」をイメージされる方が多いと思います。しかし、初期にはみぞおちやおへその周りの痛みとして始まることがあります【1】【3】。

典型的には、次のような流れで痛みが変化します。

  1. みぞおち付近の痛み
  2. おへそ周囲の痛み
  3. 右下腹部の痛み

このため、初期の段階では「胃が痛い」「胃薬で様子を見よう」と考えられ、受診が遅れることがあります。

▶急性虫垂炎について詳しく知りたい方は、当院の急性虫垂炎の解説ページもご覧ください。

 

実際の治療例|40代男性「胃薬を飲んでも胃痛が治らない」

【症状】

  • 2日前からみぞおちの痛み

  • 近くの内科で胃薬が処方され「様子見」

  • しかし痛みは増悪し、当院を受診


【診察】

触診ではみぞおちの強い痛みに加え右下腹部にも圧痛 を確認。

みぞおち痛+右下腹部痛で考える病気として、

  • 急性虫垂炎

  • 急性胃炎 / 胃潰瘍

  • 胆のう炎 / 胆石

  • 十二指腸潰瘍

  • 腸炎

  • 憩室炎 などが挙げられます。

症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく診断し、治療方針を立てるためまずは血液検査・腹部エコーを行いました。


【検査】

■血液検査
  • 炎症反応(CRP)の上昇

  • 白血球数増加

■腹部エコー
  • 虫垂の腫大を認め急性虫垂炎と診断

■実際のエコー画像■

虫垂が16㎜大と著明に腫脹し(正常は6㎜以下)、周囲は炎症により黒く縁どられています。

【治療】

今回の患者さんは穿孔(虫垂の破れ)の所見がなかったため、

  • 抗生剤治療

  • 食事制限(絶食または流動食)

で外来通院治療を選択。

数日で炎症は改善し、手術を避けることができました。

 

胃痛で受診すべき目安

次のような症状がある場合は、単なる胃痛と決めつけず、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  • 胃薬を飲んでもみぞおちの痛みが改善しない
  • 痛みが時間とともに強くなっている
  • 痛みがおへそ周囲や右下腹部に移動してきた
  • 右下腹部を押すと強く痛む
  • 発熱がある
  • 吐き気・嘔吐がある
  • 歩く、咳をする、体を動かすとお腹に響く
  • 食欲がない状態が続いている
  • 下痢や便秘を伴う
  • 冷や汗、ふらつき、強い腹痛がある

特に、強い腹痛、冷や汗、意識がぼんやりする、吐き続ける、高熱がある、歩けないほど痛い場合は、救急受診も検討してください。

院長からのコメント

胃痛と思ったら実は虫垂炎、は非常に多いです

急性虫垂炎は、初期に「みぞおちが痛い」と感じるため胃薬で様子を見るケースが多い病気です。

しかし、進行すると穿孔し腹膜炎になることもあり、早期診断が極めて重要です。

  • 胃薬で良くならない

  • 痛みが強くなる

  • 右下腹部に痛みが移動してきた

こういった場合には、なるべく早く医療機関を受診することをおすすめします。

胃薬で治らない胃痛でお悩みの方へ

巣鴨駅前胃腸内科では午前中は即日のエコー検査にも対応しております。

同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

 

よくある質問

Q. 虫垂炎はみぞおちが痛くなることがありますか?

A. はい、あります。急性虫垂炎は初期にみぞおちやおへその周りの痛みとして始まることがあり、胃痛と誤解されることがあります。その後、時間とともに右下腹部へ痛みが移動することがあります【1】【3】。

 

Q. 胃薬が効かない時は虫垂炎を疑うべきですか?

A. 胃薬が効かないから必ず虫垂炎というわけではありません。ただし、痛みが強くなる、右下腹部にも痛みが出る、発熱や吐き気を伴う場合は、急性虫垂炎を含めた胃以外の病気も考える必要があります。

 

Q. 虫垂炎は必ず右下腹部が痛くなりますか?

A. 典型的には右下腹部の痛みがみられますが、初期にはみぞおちやおへその周りが痛むことがあります。また、虫垂の位置や炎症の広がり方によって、痛みの出方が分かりにくいこともあります。

 

Q. 虫垂炎は自然に治りますか?

A. 自然に改善するように見えることもありますが、悪化して穿孔や腹膜炎につながることがあります。虫垂炎が疑われる場合は、自己判断で様子を見続けず、医療機関で診断と治療方針を確認することが大切です。

 

Q. 虫垂炎は抗菌薬だけで治ることがありますか?

A. 穿孔や膿瘍形成がない虫垂炎では、状態によって抗菌薬による保存治療が選択されることがあります。ただし、すべての方に適しているわけではなく、悪化時には手術が必要になることもあります【2】【4】。

 

Q. 虫垂炎で手術が必要になるのはどんな時ですか?

A. 炎症が強い場合、虫垂に穴が開く穿孔が疑われる場合、膿瘍を形成している場合、全身状態が悪い場合、保存治療で改善しない場合などは手術が検討されます。状態によっては連携医療機関での入院・外科治療が必要です。

 

Q. エコー検査で虫垂炎は分かりますか?

A. 腹部エコー検査で、腫れた虫垂や周囲の炎症を確認できることがあります。エコーは被ばくがなく、診察室で比較的すみやかに行える点がメリットです。ただし、体格や腸管ガスの影響で見えにくい場合もあり、必要に応じてCT検査などを検討します。

 

Q. 胃カメラを受ければ虫垂炎も分かりますか?

A. 胃カメラは食道・胃・十二指腸を調べる検査であり、虫垂炎を直接診断する検査ではありません。虫垂炎が疑われる場合は、診察、血液検査、腹部エコー、必要に応じてCT検査などで評価します。

 

Q. 下痢や吐き気だけでも虫垂炎のことはありますか?

A. あります。虫垂炎では吐き気、食欲低下、発熱、下痢に近い症状がみられることがあります。感染性腸炎と似た症状になることもあるため、腹痛の部位や経過、診察所見を含めて判断することが重要です。

 

Q. 胃痛で受診した場合、当日にエコー検査はできますか?

A. 当院では、症状や診察所見から必要と判断した場合、腹部エコー検査を行うことがあります。胃薬で改善しないみぞおちの痛み、痛みの悪化、右下腹部への痛みの移動がある場合は、虫垂炎や胆のう炎など胃以外の病気も考えて診察します。

まとめ

胃薬を飲んでも改善しない胃痛やみぞおちの痛みは、胃だけが原因とは限りません。急性虫垂炎は、初期にみぞおちの痛みとして始まることがあり、胃痛と誤解されやすい病気です。

 ✔ 急性虫垂炎は、初期にみぞおちやおへそ周囲が痛くなることがあります。

 ✔ 時間とともに右下腹部へ痛みが移動する場合は注意が必要です。

 ✔ 胃薬で改善しない、痛みが悪化する、発熱・吐き気を伴う場合は早めの受診が大切です。

 ✔ 診断には、診察・血液検査・腹部エコー検査などを組み合わせます。

 ✔ 虫垂炎の状態によって、抗菌薬治療や手術など治療方針が変わります。

胃薬で治らない胃痛が続く方へ

胃痛が続くときは、胃の病気だけでなく、虫垂炎・胆のう炎・膵炎・腸炎なども含めて確認することが大切です。

特に、痛みが強くなる、右下腹部に移動する、発熱や吐き気を伴う場合は、早めにご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのご予約:03-5940-3833

関連ページ

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

クリックしてGoogleMapを表示

所在地

170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら

▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

▶【WEB予約

参考文献

  1. Snyder MJ, Guthrie M, Cagle S. Acute Appendicitis: Efficient Diagnosis and Management. Am Fam Physician. 2018;98(1):25-33.
  2. Di Saverio S, Podda M, De Simone B, et al. Diagnosis and treatment of acute appendicitis: 2020 update of the WSES Jerusalem guidelines. World J Emerg Surg. 2020;15:27.
  3. Bhangu A, Søreide K, Di Saverio S, Assarsson JH, Drake FT. Acute appendicitis: modern understanding of pathogenesis, diagnosis, and management. Lancet. 2015;386(10000):1278-1287.
  4. Lotfollahzadeh S, Lopez RA, Deppen JG. Appendicitis. StatPearls. Updated 2024.

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック 院長 神谷雄介

日本消化器病学会専門医/日本消化器内視鏡学会専門医

HOME

ブログカレンダー

2026年7月
« 6月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME