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胆石・胆のう炎で背中が痛むことはある?

[2026.04.05]

「背中が痛いので整形外科の病気かと思っていたら、実は胆石や胆のう炎だった」ということはあります。

特に、右上腹部やみぞおちの痛みと一緒に背中が痛む場合や、食後に悪化する場合吐き気や発熱を伴う場合は、胆のうや胆管まわりの病気も考える必要があります【1】【2】【9】。

胆石は、胆のうの中や胆管にできる“石”です。

石が胆汁の流れを妨げると、胆石発作(胆道痛)が起こり、さらに炎症が強くなると急性胆のう炎につながります。

放置すると胆管炎や膵炎などの合併症を起こすこともあるため、背中の痛みだけで判断せず、症状全体で考えることが大切です

本記事では胆石・胆のう炎と背中の痛みとの関係や、受診のタイミングについて、消化器専門医の神谷院長がわかりやすくお伝えします。

 

背中の痛みでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。ぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

背中が痛くなるのはなぜですか?

胆石や胆のう炎では、痛みが胆のうのある右上腹部だけにとどまらず、右肩や右肩甲骨の下、背中に広がる“放散痛”として感じられることがあります。

そのため、「背中が痛い=背骨や筋肉の病気」とは限りません。

とくに、背中の痛みと同時にみぞおちや右上腹部の違和感があるときは、胆石・胆のう炎を含む内臓の病気も鑑別に入ります【2】【6】。

胆石と胆のう炎の違い

胆石

胆石は、胆のうや胆管の中に石がある状態です。

胆石があっても無症状のことは少なくありませんが、胆汁の通り道をふさいだときに急に痛みが出ます。

無症状の場合は、一般にはすぐ治療が必要とは限りません【4】【9】。

急性胆のう炎

胆石が胆のうの出口などをふさぎ、胆のうに炎症が起きた状態です。

急性胆のう炎では、右上腹部の痛みが数時間でおさまらず持続し、吐き気、発熱、悪寒などを伴うことがあります【2】【5】。

胆石・胆のう炎を疑いやすい症状

胆石や胆のう炎でみられやすいのは、次のような症状です。

1.右上腹部やみぞおちの痛み

胆石発作では、右上腹部に急な痛みが出やすく、数時間続くことがあります。

2.背中や右肩甲骨の下の痛み

胆のうの痛みが、右肩や背中に広がって感じられることがあります。

「背中が主症状で、お腹の痛みは軽い」というケースもあり、見逃しやすいポイントです【2】【6】。

3.食後に悪化しやすい

胆石発作は食後、とくに脂っこい食事やボリュームの多い食事のあとに起こりやすいとされています【1】。

4.吐き気・嘔吐

胆石発作や胆のう炎では、痛みと一緒に吐き気や嘔吐を伴うことがあります【1】【2】。

5.発熱、悪寒、黄疸

発熱や悪寒は炎症や感染を疑うサインです。

さらに、皮膚や白目が黄色くなる黄疸、濃い尿、白っぽい便がある場合は、胆管閉塞や胆管炎まで進んでいる可能性があり、早めの対応が必要です【1】【7】。

こんな背中の痛みは早めの受診が必要です

次のような場合は、単なる筋肉痛として様子をみない方がよいです。

  • 右上腹部やみぞおちの痛みを伴う
  • 食後に強くなる
  • 数時間以上続く
  • 吐き気、嘔吐がある
  • 発熱や寒気がある
  • 黄疸がある
  • 痛みが強く、楽な姿勢がとれない

胆石や胆のう炎だけでなく、胆管炎や膵炎など重症化しうる病気でも、腹部から背中にかけて痛みが出ることがあります【1】【7】【8】。

どのような検査をしますか?

胆石・胆のう炎が疑われる場合は、症状だけでなく、血液検査や画像検査を組み合わせて評価します。

腹部エコー

胆石を見つける第一選択の検査です。

実際の胆石のエコー画像です。胆のうの出口部分に11㎜の胆石(黄線部)を認めています

CT検査

炎症の広がりや、胆のう炎・胆管閉塞などの合併症評価に役立ちます。

一方で、CTでは見逃される胆石もあるため、エコーと合わせて判断します【3】。

MRI/MRCP

胆管の中の石が疑われるときに有用です。

MRIは胆道内の結石を描出するのに役立つとされています【3】。

ERCP(胆道の内視鏡検査)

胆のうの機能低下や胆管の閉塞が疑われる場合に追加されることがあります。

ERCPは診断だけでなく、総胆管に詰まった石を取り除く治療目的でも選択されます【3】【5】。

胆石・胆のう炎の治療

無症状の胆石

偶然見つかっただけで症状がない胆石は、すぐに治療しないこともあります【4】【9】。

症状のある胆石

胆石発作を起こしている場合は、今後も繰り返すことがあり、胆のう摘出術が検討されます。

急性胆のう炎

急性胆のう炎では、絶食、点滴、鎮痛、必要に応じた抗菌薬などの初期治療を行いながら、全身状態に応じて手術のタイミングを判断します。

ガイドラインでは、急性胆のう炎に対して診断から1週間以内の早期腹腔鏡下胆のう摘出術が勧められています【5】。

総胆管結石や胆管炎を伴う場合

胆管に石が詰まっている場合は、ERCPで石を取り除いたうえで、その後に胆のう摘出を検討する流れになることがあります【3】【5】。

背中の痛みがあっても、必ず胆石とは限りません

背中へ痛みが広がる病気は胆石・胆のう炎だけではありません。

たとえば膵炎でも、上腹部痛が背中へ広がることがあり、しかも原因として胆石が関係していることもあります【8】。

また、背中の痛みだけで原因を決めることは難しく、胃・十二指腸の病気、尿路結石、筋肉や背骨の痛みなども含めて見分ける必要があります。

「右上腹部痛や食後増悪、吐き気、発熱を伴う背中の痛み」は胆道系の病気を疑うヒントになります【2】【6】【8】。

受診の目安

次のような方は、消化器内科への相談をおすすめします。

  • 背中の痛みと一緒に、みぞおちや右上腹部が痛む
  • 食後に痛みが出る、または繰り返す
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 発熱がある
  • 黄疸や濃い尿がある
  • 痛みが数時間以上続く

特に、発熱・黄疸・強い持続痛がそろう場合は、胆のう炎や胆管炎、膵炎などの合併も考え、早めの医療機関受診が大切です【1】【7】【8】。

実際の治療例

当院でも、「背中が痛い」ことをきっかけに受診し、胆石・胆のう炎が見つかった方もおれます。

症状の出方や受診のきっかけは患者さんごとに異なります。気になる症状が続く方は、実際の治療例も参考にしてみてください。

院長からのコメント

背中の痛みは整形外科的な原因を思い浮かべやすい症状ですが、実際には胆石や胆のう炎のような消化器の病気が隠れていることもあります。

とくに、右上腹部痛、みぞおちの痛み、食後の悪化、吐き気、発熱を伴う場合は、胆道系のトラブルを疑って確認することが大切です。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に背部痛の原因精査の血液検査と腹部エコー検査をお受け頂ける体制を整えています。

背中の痛みだけで自己判断せず、症状が続くときは早めにご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問(FAQ)

Q:胆石や胆のう炎で、背中だけが痛むことはありますか?

あります。典型的には右上腹部やみぞおちの痛みが中心ですが、痛みが右肩や右肩甲骨の下、背中へ広がって感じられることがあります【1】【2】【6】。

 

Q:右肩甲骨の下が痛いときも胆石のことがありますか?

あります。胆石による胆道痛や胆のう炎では、関連痛として右肩や肩甲骨周囲、背中に痛みが出ることがあります【2】【6】。

 

Q:食後に背中まで痛くなるのですが、胆石を疑った方がよいですか?

食後、とくに脂っこい食事や量の多い食事のあとに右上腹部痛や背部痛が出る場合は、胆石発作のパターンに合うことがあります【1】。

 

Q:発熱を伴う背中の痛みは危ないですか?

はい。発熱や悪寒を伴う場合は、単なる胆石発作ではなく急性胆のう炎や胆管炎など、感染を伴う状態の可能性があり、早めの受診が必要です【1】【2】【7】。

 

Q:黄疸がある場合は救急受診した方がよいですか?

黄疸、濃い尿、白っぽい便、強い腹痛、発熱がある場合は、胆管閉塞や胆管炎の可能性があり、早めの医療機関受診が重要です【1】【7】。

 

Q:胆石かどうかは腹部エコーで分かりますか?

腹部エコーは胆石を見つける第一選択の検査です。必要に応じて血液検査、CT、MRI/MRCP、ERCPなどを追加して評価します【3】。

 

Q:胆石があっても症状がなければ手術しなくてよいですか?

無症状の胆石は、すぐに治療しないこともあります。一方で、痛みを繰り返す症候性胆石では胆のう摘出術が検討されます【4】【9】。

 

Q:急性胆のう炎では必ず手術になりますか?

全例がすぐ手術というわけではありませんが、点滴や抗菌薬などで初期対応を行いながら、全身状態に応じて早期の胆のう摘出術が検討されます【5】【6】。

 

Q:胆のうを取っても生活できますか?

はい。胆のうはなくても生活できます。胆のう摘出後は、胆汁が肝臓から直接十二指腸へ流れる形になります【4】。

 

Q:背中の痛みがあるときは、整形外科と消化器内科のどちらを受診すればよいですか?

背中の痛みだけなら整形外科的な原因もありますが、みぞおちや右上腹部の痛み、食後の悪化、吐き気、発熱、黄疸を伴う場合は消化器内科での評価が重要です【1】【2】【8】。

 

まとめ

胆石・胆のう炎では、右上腹部やみぞおちの痛みが背中へ広がることがあります。

とくに、食後に強くなる、右肩甲骨の下まで痛む、吐き気や発熱を伴う、数時間以上続くといった場合は、胆石発作や急性胆のう炎を疑うきっかけになります【1】【2】。

背中の痛みは整形外科の病気だけでなく、胆道系や膵臓など内臓の病気でも起こります。

自己判断で様子を見すぎず、気になる症状がある場合は早めにご相談ください

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医師紹介 神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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参考文献

  1. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Symptoms & Causes of Gallstones.
  2. MSD Manual Consumer Version. Quick Facts: Cholecystitis.
  3. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Diagnosis of Gallstones.
  4. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Treatment for Gallstones.
  5. NICE. Gallstone disease: diagnosis and management / surveillance review.
  6. Tokyo Guidelines 2018: diagnostic criteria and severity grading of acute cholecystitis.
  7. MSD Manual Consumer Version. Gallstones - complications and bile duct obstruction.
  8. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Symptoms & Causes of Pancreatitis.
  9. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Definition & Facts for Gallstones.

 

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