背中の痛みが続く…実は“内臓の病気”のサインかも|見逃せない症状・受診のタイミングを専門医が解説
「肩こりかと思っていた背中の痛みがなかなか治らない…」
「マッサージに行っても改善しない…」
そんなご相談は実は消化器内科でも非常に多い症状です。
背中の痛み=整形外科の病気と思われがちですが、胃・胆のう・膵臓(すいぞう)・腎臓など“内臓の病気”が原因で起こることもあり、注意が必要です。
本記事では、背中の痛みが続くときに考えられる原因を、消化器専門医がわかりやすく解説します。
▶巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。背中の痛みでお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
背中の痛みの原因は?
背中の痛みは大きく3つの原因に分類できます。
① 筋肉・骨格由来
肩こり、筋肉痛、姿勢不良、椎間板ヘルニアなど。
② 内臓由来(特に重要)
胃・胆のう・膵臓・腎臓などは、神経の走行上、背中へ痛みが響きやすい臓器です。
③ その他
帯状疱疹・心臓の病気・ストレスなど。
特に見逃したくないのが 内臓疾患 です。
「内臓の痛みなのに背中に出る」ことを 放散痛(ほうさんつう) と呼びます。
背中の痛みを起こす“消化器・内臓疾患”は?
① 逆流性食道炎
胸の痛みだけでなく、背中(肩甲骨の間)が痛むことがあります。
胸焼けなどの典型症状がなくても起きる「隠れ逆流性食道炎」も存在します【文献1】。
●特徴
-
食後に背中の痛み
-
前かがみで悪化
-
胸痛との区別が難しい
▼実際の逆流性食道炎の画像
背部痛で受診した50代男性。胃カメラで逆流性食道炎による炎症を認めました。
②十二指腸潰瘍
十二指腸はやや背側に位置するため、背中側の痛みとして感じることがあります。
●特徴
-
空腹時・夜間に痛みが出やすい
-
背中に鈍い痛み
-
ピロリ菌や鎮痛薬が原因【文献2】
▼実際の十二指腸潰瘍の画像
空腹時の背部痛で受診。胃カメラで十二指腸潰瘍を認めました
③ 胆石・胆のう炎(右背部が痛む典型)
胆石が詰まったり炎症を起こすと、右側の背中〜肩に痛みが走ることがあります。
●特徴
-
脂っこい食事後に悪化
-
右上腹部と右背中が痛む
-
発熱・吐き気を伴うことも
- 腹部エコーで診断可能
④膵臓疾患(膵炎・膵臓がん)
膵臓は内臓の中でも背側に位置するため 背中の痛みとして出やすい病気の代表。
急性膵炎(強い背中痛は要注意)
重症化することもあるため、特に見逃せません【文献3】。
●特徴
-
みぞおち〜背中に強い痛み
-
食事と関係なく持続
-
アルコール多飲や胆石が原因
膵臓がん(初期症状が“背中の痛み”だけのことも)
膵臓がんは初期症状が非常に乏しく、背中の痛みのみで見つかるケースがあります。
膵臓は背側にあるので腫瘍が大きくなると 背中側の神経を刺激 し痛みが出ます。
●特徴
-
背中の痛みが徐々に強くなる
-
食欲低下・体重減少
-
胆管を圧迫する場合、黄疸(皮膚が黄色くなる)
-
痛み止めが効きにくい
膵臓がんは早期発見が難しいため、原因不明の背中痛が続く場合は消化器内科での精査が重要です。
⑤腎臓疾患(腎盂腎炎・尿管結石)
腎臓は背中に近いため、炎症や石があると強い痛みが起こります。
尿管結石
-
突然の激痛(疝痛発作)
-
横腹〜背中に広がる痛み
-
血尿が出ることも
腎盂腎炎
-
発熱・腰痛
-
排尿時痛を伴う
-
細菌感染が原因
▼実際の尿管結石のエコー画像
膀胱に続く尿管内に白い結石を認め、尿管結石と診断しました。
⑥心臓の病気(狭心症・心筋梗塞)
消化器ではありませんが、背中痛のみで発症するケースもあり重要です。
●特徴
-
胸痛なしで背中だけ痛む場合も
-
動いたときに悪化
-
冷や汗・吐き気を伴う
⑦ 帯状疱疹(皮膚症状が出る前から痛い)
「皮膚に何も出ていないが背中の表面-内側がピリピリと痛い」時は要注意。
数日後に赤い発疹が出ることがあります。
鑑別疾患一覧
| 背中の痛みの原因 | 特徴 |
|---|---|
| 逆流性食道炎 | 食後に背中が痛む |
| 胃潰瘍 | 空腹時の痛み・背中へ放散 |
| 胆石・胆のう炎 | 右背部痛、脂質で悪化 |
| 膵炎 | みぞおち〜背中へ強い痛み |
| 膵臓がん | 徐々に強くなる背中痛・体重減少 |
| 尿管結石 | 尿管結石強い腰背部の痛み・血尿 |
| 腎盂腎炎 | 発熱・腰背部痛 |
| 心疾患 | 背中だけの痛みもあり |
| 帯状疱疹 | 発疹前からズキズキ |
必要な検査
背中の痛みの原因は多岐にわたるため、症状に合わせて検査を選びます。
血液検査
炎症・膵酵素(アミラーゼ・リパーゼ)・肝機能の確認。
腹部エコー
胆石、胆のう炎、膵・腎の異常を評価。
胃カメラ(内視鏡検査)
十二指腸潰瘍・逆流性食道炎の評価。
CT検査
膵炎・胆石・尿管結石などを高精度で確認。
治療・予防
原因によって治療は異なります。
●逆流性食道炎
PPI、生活習慣改善(食後すぐ横にならない、脂質控えめ)。
●十二指腸潰瘍
ピロリ菌除菌+胃酸抑制薬。
●胆石・胆のう炎
抗生剤・痛み止め・場合によっては手術。
●膵炎
絶食・点滴・入院管理が必要なことも。
●膵臓がん
手術・抗がん剤治療
●腎臓疾患
抗生剤や結石排出の治療。
実際の治療例
50代男性「背中が痛い」
【症状】
数か月前から背中の張りがあり、ここ数週間は背部痛を感じていた
糖尿病でかかりつけの内科で相談したところ、消化器内科で見てもらった方がいいと言われ、当院を受診。
【診察・検査】
背中が痛む場合は膵臓病変由来の可能性があり、糖尿病は膵がんの高リスク因子であり、腹部エコーと血液検査で膵臓の状態をチェック。
実際の腹部エコー画像
腹部エコーでは膵体部に50mm大の低エコー腫瘤(点線部)を認め、また血液検査で膵酵素と腫瘍マーカーの上昇を認め、膵臓がんを強く疑いました。
【治療】
確定診断のため造影CTなどの検査が必要なため高次医療機関に紹介。
同院にてstageⅣの膵臓がんの診断となり、手術での治療が難しく抗がん剤治療を行うこととなりました。
【膵臓がんの症状とリスク】
膵臓がんの症状の一つに背部痛がありますが、症状が出た時には進行していることが多く治療が後手に回ってしまうことも少なくありません。
エコー検査や血液検査は外来でも簡便に出来る検査であり、背部痛がある場合にはなるべく早めに検査を受けること、また症状が出る前の早期の状態で発見するためには定期的に腹部エコーや血液検査を受けることが重要です。
特に以下の方は膵がんの高リスクであり、しっかりと定期検査を行う必要があります。
・糖尿病(発症1年未満:5.4倍のリスク、2年以降:1.5倍のリスク)
・膵のう胞(3倍~22.5倍のリスク)
・膵がん家族歴(近親者の膵がんが2名:6.4倍のリスク、3名以上:32倍のリスク)
・膵管拡張(6.4倍のリスク)
・慢性膵炎(13.3~16.2倍のリスク)
院長からのコメント
背中の痛みは、整形外科疾患と思われがちですが、消化器疾患のサインであることが非常に多いです。
「いつもと違う痛み」「食事と関係する痛み」「発熱・吐き気を伴う痛み」は特に注意が必要です。
迷ったら早めにご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
よくある質問(FAQ)
Q1. 背中の痛みはストレスでも起こりますか?
A. はい。筋緊張や胃腸機能の低下を通じて起こることもあります。
Q3. 背中の痛みと膵臓の病気は関係ありますか?
A. 強く関連します。膵炎の典型症状に背部痛があります。
Q4. 病院へ行く目安は?
A. 数日続く、食事で悪化、発熱や吐き気がある場合は受診を推奨します。
Q5. 胃カメラで背中の痛みの原因はわかりますか?
A. 十二指腸潰瘍・逆流性食道炎は診断可能です。
Q6. 心臓の病気でも背中は痛みますか?
A. はい。背中痛のみの心筋梗塞も報告されています。
Q7. 市販薬で様子を見てもいいですか?
A. 数回の使用で改善しなければ受診してください。
Q8. どの科を受診すべきですか?
A.まずは整形外科か消化器内科を受診してください
Q9. 寝起きに痛む原因は?
A. 筋骨格性のこともありますが、胃酸逆流によることもあります。
まとめ
-
背中の痛みは 筋骨格だけでなく内臓の病気が原因のことも多い
-
特に 胃・胆のう・膵臓・腎臓 は背中に痛みを出しやすい
-
数日続く痛み、食事との関連、発熱・吐き気があるときは受診を推奨
-
消化器専門医による診察・エコー・胃カメラが早期発見につながる
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
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参考文献
-
Vakil N, et al. "The Montreal definition of GERD." Am J Gastroenterol.
-
Malfertheiner P, et al. "Management of Helicobacter pylori infection." Gut.
-
Banks PA, et al. "Classification of acute pancreatitis." Gut.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
