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膵がんで背中が痛むのはなぜ?|痛みの特徴・注意したい症状・受診の目安を解説

[2026.04.11]

まずお伝えしたいポイント

  • 膵がんで背中が痛むのは、膵臓が背中に近く、周囲の神経や組織に影響しやすいためです
  • みぞおちの痛み、体重減少、黄疸、食欲低下、糖尿病の変化を伴うときは注意が必要です
  • 背中の痛みが続くときは、膵臓も含めて消化器内科で相談することが安心です

背中の痛みが続くと、「姿勢のせいかな」「筋肉痛かもしれない」と考える方は少なくありません。

実際、背中の痛みの原因はさまざまですが、なかには膵がんのように、お腹の奥にある臓器の異常が関係していることもあります。

膵臓は胃の後ろ、背中に近い位置にあるため、病変が進行するとみぞおちの痛みと背中の痛みが同時に出ることがあります。

さらに膵がんは、初期には症状がはっきりしないこともあるため、「よくある背中の痛み」と思っていた症状が、実は内臓からのサインだったということもあります。

そのため、背中の痛みが長引くときは、整形外科的な痛みだけでなく、膵臓を含めた消化器の病気も視野に入れて考えることが大切です。

本記事では背部痛と膵がんとの関係や他に考えるべき疾患、受診のタイミングについて、消化器専門医の神谷院長がわかりやすくお伝えします。

 

背部痛でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

膵がんで背中が痛むのはなぜ?

膵臓は胃の後ろにある細長い臓器で、背骨や大きな血管、神経の集まりに近い場所にあります。

膵がんが大きくなったり、周囲へ広がったりすると、こうした神経や近くの臓器を圧迫・浸潤して、背中の痛みとして感じることがあります。【1】【6】【7】

特に膵臓の後ろ側には腹腔神経叢(ふくくうしんけいそう)と呼ばれる神経の束があり、膵がんがここに影響すると、みぞおちから背中へ抜けるような痛み、鈍い重苦しさ、焼けるような痛みとして出ることがあります。【7】

膵体部・尾部の腫瘍では背中側の痛みが出やすいことや、仰向けで悪化し、前かがみで少し楽になることもあります。

膵がんの背中の痛みでみられやすい特徴

膵がんによる背中の痛みには、次のような特徴がみられることがあります。

1.みぞおち〜背中にかけて痛む

背中だけが痛むというより、上腹部の違和感や痛みと一緒に、背中にも痛みが出ることがあります。【3】【4】【6】

2.鈍く重い痛みが続く

一瞬の鋭い痛みというより、鈍い痛み、重だるさ、違和感が続く形で出ることがあります。ときに「なんとなく背中が気になる」という程度から始まることもあります。【5】【7】

3.食後や横になるとつらくなることがある

食事後や横になったときに悪化し、前かがみで軽くなることがあります【4】【5】

4.動きで再現しにくい

筋肉や骨の痛みは、体をひねる・押す・動かすと再現しやすいことがあります。

一方で、膵臓など内臓由来の痛みでは、姿勢や動作だけでは説明しにくい背部痛として感じることがあります。

背中の痛みだけで膵がんと決まるわけではありませんが、「いつもと違う」「長引く」という感覚は軽視しないことが大切です。【3】【6】

膵がんで背中の痛み以外に注意したい症状

膵がんでは、背中の痛み以外にも次のような症状がみられることがあります。

黄疸

皮膚や白目が黄色くなる症状です。膵頭部のがんでは、胆管がふさがれて黄疸が出ることがあります。濃い尿、白っぽい便、かゆみを伴うこともあります。【1】【5】

体重減少・食欲不振

食事量が極端に減っていないのに体重が落ちる、食欲が出ない、といった変化も注意が必要です。【2】【3】【5】

吐き気・お腹の張り・消化器症状

膵がんが消化の流れに影響すると、吐き気、膨満感、便通異常などを伴うことがあります。【4】【5】

急に糖尿病を指摘された、または急に悪化した

国立がん研究センターでも、新たな糖尿病の発症や糖尿病の悪化が、膵がん発見のきっかけになることがあるとされています。【2】【3】

背中の痛みがあるときに、受診が必要なサインは?

次のような場合は、単なる背中のこりとして片づけず、消化器内科で膵臓を含めた評価を考えたほうがよいサインです。

  • 背中の痛みが数日〜数週間以上続いている
  • みぞおちの痛みや食後の不快感もある
  • 体重減少、食欲低下、吐き気を伴う
  • 黄疸、尿の濃さ、便色の変化がある
  • 最近、糖尿病を指摘された、または急に悪化した
  • 喫煙、糖尿病、慢性膵炎、肥満、家族歴などのリスクがある【1】【2】【8】

もちろん、こうした症状があるからといって膵がんとは限りません。

実際、国立がん研究センターも、これらの症状は膵がん以外の理由でも起こると明記しています。

ただし、膵がんは小さいうちは症状が出にくいため、「続く」「いつもと違う」痛みは早めに確認することが大切です。【2】【3】

また、黄疸は早めの評価が必要な症状です。黄疸があるときは胆管閉塞などを伴っている可能性があり、原因検索を急ぐ必要があります。【5】【6】

受診するとどんな検査をする?

膵がんが疑われるときは、症状や血液検査だけで決めつけるのではなく、画像検査を組み合わせて評価していきます。

まず当院で行うのは血液検査と腹部超音波検査です。

疑わしい所見が見つかった場合は、CTやMRIを行います。

CTはがんの有無や広がり、血管への浸潤、転移の有無をみるために重要で、MRIは膵管や周囲の状態をより詳しくみるのに役立ちます。【1】【8】

さらに詳しい評価が必要な場合には、超音波内視鏡(EUS)が行われます。EUSは胃や十二指腸から膵臓を至近距離で観察でき、必要に応じてEUS-FNAという方法で組織を採取し、確定診断につなげます。【1】【8】

黄疸がある場合には、胆管のつまりを評価するためにERCPなどの追加検査や処置が必要になることもあります。【1】【8】

実際の診療例|背中の痛みをきっかけに膵臓の精査につながった一例

50代男性の方が、数週間続く背中の鈍い痛みを主訴に受診されました。

はじめは筋肉痛と思って様子をみていましたが、改善せず、みぞおちの違和感食欲低下も伴っていました。

診察の結果、整形外科的な痛みだけでは説明しにくかったため、血液検査と腹部エコーを行いました。その結果、膵がんを疑い、CTなどの精密検査につなげ、最終的に膵がんと診断されました。

<実際のエコー画像>

  • 膵臓に約30mm大の腫瘤(青矢印)と、腫瘍より尾側の膵管拡張(赤矢印)を認め、膵がんを強く疑いました

背中の痛みの原因はさまざまですが、長引く痛みに加えて、上腹部症状体重減少・食欲低下を伴う場合は要注意です。

「ただの背中の痛みかもしれない」と思っていても、いつもと違う経過のときは早めの相談が安心です。

症例の詳細はこちらからもご確認頂けます。

50代男性・背中の痛みで判明した膵臓がん

院長からのコメント:背中の痛みが続く方は当院へご相談ください

背中の痛みは整形外科的な原因で起こることが多い一方で、膵臓・胆のう・胃・食道など消化器の病気が背景にあることもあります

とくに、みぞおちの不快感、食後症状、体重減少、黄疸、糖尿病の変化を伴う場合は、膵臓も含めた評価が大切です。【2】【3】

当院では、症状や診察所見に応じて、血液検査、腹部エコーを行い、必要時にはCTやMRI、超音波内視鏡が可能な連携先紹介も含めて、適切な検査につなげています。

背中の痛みが続いて不安な方は、お早めにご相談ください。【1】【8】

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に背部痛に対しての血液検査や腹部エコーをお受け頂ける体制を整えています。

是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問

膵がんの背中の痛みは、どのあたりに出ますか?

みぞおちから背中に抜けるような痛みや、背中の中央〜上部の鈍い痛みとして感じることがあります。上腹部痛を伴うこともあります。【1】【4】【5】

 

膵がんの背中の痛みは、なぜ起こるのですか?

膵臓は胃の後ろ、背骨や神経の近くにあるため、がんが周囲の神経や臓器に影響すると背中の痛みとして感じることがあります。【1】【6】【7】

 

背中の痛みだけでも膵がんの可能性はありますか?

可能性はゼロではありませんが、背中の痛みだけで膵がんと決まるわけではありません。長引く痛みや、体重減少、黄疸、食欲低下などを伴う場合は早めの受診が大切です。【2】【3】【6】

 

膵がんの痛みは、食後に悪化することがありますか?

あります。食後や横になったときに痛みが強くなり、前かがみで少し楽になることがあるとされています。【4】【5】

 

膵がんでは背中の痛み以外にどんな症状が出ますか?

黄疸、体重減少、食欲不振、吐き気、お腹の張り、便通異常、糖尿病の新規発症や悪化などがみられることがあります。【2】【3】【5】

 

黄疸があるときは急いで受診したほうがよいですか?

はい。黄疸は胆管のつまりなどを伴うことがあり、早めの評価が必要です。皮膚や白目が黄色い、尿が濃い、便が白っぽい場合は早めに相談してください。【5】【6】

 

膵がんが疑われるときは、どんな検査をしますか?

腹部エコー、CT、MRI、超音波内視鏡(EUS)などを行います。必要に応じてEUS-FNAで組織を採取し、確定診断につなげます。【1】【8】

 

血液検査だけで膵がんはわかりますか?

血液検査だけで確定することはできません。画像検査や、必要に応じて組織検査を組み合わせて診断します。【1】【8】

 

最近、急に糖尿病を指摘されたのですが関係ありますか?

新しく糖尿病を発症したり、急に悪化したりすることが膵がん発見のきっかけになる場合があります。気になる症状があれば膵臓の検査について相談してください。【2】【3】

 

背中の痛みがあれば、必ず膵がんですか?

いいえ。背中の痛みにはさまざまな原因があり、多くは膵がん以外です。ただし、いつもと違う痛みが続く、上腹部症状や体重減少を伴う場合は早めの受診が安心です。【2】【3】【6】

まとめ

膵がんで背中が痛むのは、膵臓が胃の後ろ、背骨や神経に近い位置にあるためで、がんが進行すると周囲の神経や臓器に影響して背部痛が出ることがあります。【1】【6】【7】

ただし、背中の痛みだけで膵がんと決まるわけではありません。大切なのは、痛みが続くことみぞおちの症状を伴うこと体重減少や黄疸、糖尿病の変化があることです。

気になるサインがある場合は、早めにご相談することをおすすめします。

 

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。

背中の痛みでお困りの方は是非ご相談ください。

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医師紹介:神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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参考文献

【1】 国立がん研究センター東病院「膵(すい)がん」
【2】 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がん」
【3】 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がんについて」
【4】 NHS “Symptoms of pancreatic cancer”
【5】 Johns Hopkins Medicine “Pancreatic Cancer Symptoms”
【6】 Pancreatic Cancer Action “Symptoms”
【7】 Pancreatic Cancer UK “Types of pancreatic cancer pain”
【8】 国立がん研究センター がん情報サービス「膵臓がん 検査」

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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