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逆流性食道炎で背中が痛いことはある?胸やけだけではない症状と見逃せない病気とその見分け方

[2026.04.04]

逆流性食道炎の典型的な症状は、胸やけや呑酸(酸っぱいものが上がってくる感じ)です。

ただ、実際の診療では「胸の奥が焼けるように痛い」「みぞおちから胸、背中にかけて重い」「背中まで違和感が抜ける感じがする」と表現される方もおられます。

逆流性食道炎そのものの代表症状は背中の痛みではありませんが、胃酸の逆流による食道の刺激が背中側の痛みとして感じるケースはありえます。

一方で、胸痛や背部痛は心臓・大動脈・膵臓など重要な病気でも起こるため、症状だけで自己判断しないことが大切です

本記事では逆流性食道炎と背中の痛みとの関係や、受診のタイミングについて、消化器専門医の神谷院長がわかりやすくお伝えします。

 

背中の痛みでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。ぜひご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

背中の痛みだけでも逆流性食道炎の可能性はありますか?

背中の痛みだけでも、逆流性食道炎が関係している可能性はあります

ただし、典型的な症状ではなく、注意が必要です。

特に症状が背中の痛みだけの場合は、逆流性食道炎以外の原因も考えることが重要です。特に、心臓や膵臓、胆のうの病気でも背中の痛みが出ることがあるため、症状の全体像で判断する必要があります【2】【7】【8】。

👉 ポイント
  • 背中の痛みだけ=逆流性食道炎とは言えない
  • 胸やけ・呑酸などの症状があれば疑いやすい
  • 単独症状なら他の病気の除外が重要

逆流性食道炎で背中が痛く感じるのはなぜ?

逆流性食道炎は、胃酸の分泌増加、胃や食道の運動の低下、下部食道括約部の働きの低下、食道裂孔ヘルニアなどにより胃酸が食道に逆流することで発症します。

胃酸が食道へ逆流すると、食道粘膜が刺激され、胸やけだけでなく胸痛が発生し、その痛みが背中・首・あご・腕へ放散することがあります。

そのため、患者さんによっては「胸やけ」よりも「背中が痛い」と受け取られることがあります。

逆流性食道炎を疑いやすい症状とその特徴

背中の痛み・違和感に加えて、次のような症状があると、逆流が関係している可能性は高くなります。

  • 胸やけ
  • 酸っぱいものが上がる感じ
  • 食後や就寝時・横になったときの悪化
  • のどのつかえ感
  • 慢性的な咳
  • 声がれ

などです。

特に、以下のような特徴がそろうと、逆流性食道炎が関係している可能性が高くなります。

✔ 食後や夜間に悪化する

食後や就寝前、横になったときに症状が強くなる場合は、胃酸の逆流が関係している可能性があります【1】【4】。

✔ 前かがみや横になるとつらい

胃酸は前屈しせいや臥位になると上がってきやすくなります。

✔ 胸やけ・呑酸を伴う

「胸の奥が焼ける感じ」「酸っぱいものが上がってくる」といった症状がある場合は、逆流性食道炎を疑いやすくなります【1】【3】。

✔ みぞおち〜胸〜背中に広がる痛み

痛みが一点ではなく、みぞおちから胸、背中へと広がるように感じる場合は、食道由来の痛みの可能性があります【2】。

✔ 鈍い違和感・重だるさ

鋭い痛みというより、「重い」「違和感が続く」といった性質の痛みが多いのも特徴です。

一方で、体をひねると痛い、押すと痛い、動作で再現しやすい背中の痛みは、筋肉や骨格由来のことも少なくありません。

👉 ポイント
  • 「食後・横になると悪化」は重要サイン
  • 背中単独ではなく「他の症状とのセット」で考える

背中の痛みだけで片づけてはいけない病気

まず注意したいのは心臓の病気です。

心筋梗塞では、胸の圧迫感や痛みに加えて、背中、首、あご、肩、腕などへの放散痛、息苦しさ、冷や汗、吐き気、ふらつきが出ることがあります。

胸やけのように感じられることもあり、自己判断は危険です。【6】【7】

また、膵炎ではみぞおちの痛みが背中へ広がることがあり、吐き気、嘔吐、発熱を伴うことがあります。

胆石症では、右上腹部やみぞおちの痛みに加えて、肩甲骨の間の背部痛や右肩の痛みがみられることがあります。

食後に悪化することもあり、逆流性食道炎と紛らわしい場面があります。【8】【9】

逆流性食道炎以外を疑う背中の痛みの特徴

✔ 心臓の病気(狭心症・心筋梗塞)

胸の圧迫感や締めつけ感に加えて、背中、肩、あご、腕へ痛みが広がることがあります。息苦しさや冷や汗、吐き気を伴う場合は注意が必要です【6】【7】。

✔ 膵炎

みぞおちの強い痛みが背中へ抜けるように広がるのが特徴です。吐き気や嘔吐を伴うことが多く、比較的強い痛みになります【8】。

✔ 胆石症・胆のう炎

右上腹部の痛みとともに、右の背中や肩に痛みが出ることがあります。食後に悪化することもあります【9】。

✔ 筋肉・骨格の痛み

体を動かしたときに痛む、押すと痛い、同じ場所がピンポイントで痛い場合は、筋肉や姿勢の影響も考えられます。

👉 ポイント
  • 強い痛み・急な発症 → 内臓疾患を優先
  • 動きで変わる痛み → 筋骨格系を考える

こんなときは早めの受診が必要です

背中の痛みに加えて、胸痛、息苦しさ、冷や汗、あごや腕への放散痛があるときは、まず心臓の病気を除外する必要があります。

逆流関連胸痛は心臓の痛みと区別しにくいため、胸痛が目立つ場合は心疾患を先に除外することが推奨されています。【2】【6】【7】

また、食べ物のつかえ感、飲み込みにくさ、原因不明の体重減少、吐血、黒い便、繰り返す嘔吐、貧血がある場合は、逆流性食道炎以外に食道や胃の病気も含めて確認が必要です。

こうしたアラーム症状があるときは、胃カメラを早めに検討します。【1】【2】【4】【6】

当院で行う検査

まずは、心臓の病気を先に除外したうえで、必要に応じて胃カメラ(内視鏡検査)腹部エコーを考えます。

逆流性食道炎と思っていた症状が、実際には食道運動障害や好酸球性食道炎、機能性の胸痛、膵臓疾患であることもあるため、胃カメラ・腹部エコーでの診断は重要です。

実際の胃カメラ画像

背部痛の精査目的に胃カメラを行い、逆流性食道炎を認めました。

逆流性食道炎による背部痛の治療

逆流性食道炎の治療の中心は、胃酸を抑える薬です。

内視鏡所見や症状の程度に応じて薬の程度を選択します。逆流性食道炎が原因であれば、治療により背中の症状は軽くなることがあります。【2】【3】

生活面では、体重過多がある場合の減量、就寝前2~3時間は食事を避けること、夜間症状が強い場合の頭側挙上、喫煙の回避、症状を悪化させる食事内容の見直しが勧められます。

刺激物や脂っこい食事、カフェイン、アルコールなどは人によって悪化因子になるため、症状との関連を見ながら調整します。【2】【5】

実際の治療例

当院でも、「背中が痛い」ことをきっかけに受診し、胃カメラで逆流性食道炎が見つかった方もおれます。

逆流性食道炎の症状の出方や受診のきっかけは患者さんごとに異なります。気になる症状が続く方は、実際の治療例も参考にしてみてください。

院長からのコメント

背中の痛みがあると、整形外科的な痛みをまず思い浮かべる方が多いのですが、食後に悪くなる、夜に悪い、胸やけやのどの違和感を伴う、といった場合には逆流性食道炎が関係していることがあります。

ただし、背中の痛みを逆流性食道炎だけで説明してしまうのは危険で、心臓、胆のう、膵臓などの病気を見逃さないことが大切です。【2】【7】【8】【9】

当院では、症状の出方、食事や就寝との関係、胸やけ・呑酸の有無、必要時の胃カメラを組み合わせながら、本当に逆流が原因なのか、それとも別の病気を考えるべきかを丁寧に見極めています。

背中の痛みが続く方、胸やけを伴う方、自己判断で市販薬を続けている方は、一度ご相談ください。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

当院の胃カメラの特徴
  • ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

 

よくある質問

Q:逆流性食道炎で本当に背中が痛くなることはありますか?

あります。典型症状は胸やけや呑酸ですが、逆流に伴う胸痛を「背中まで痛い」「背中に抜ける」と感じる方はいます。ただし、背中の痛みだけが目立つ場合は、逆流性食道炎以外の病気も含めて確認が必要です【1】【2】【4】

 

Q:背中の痛みだけでも逆流性食道炎のことはありますか?

まったくないとは言えませんが、背中の痛みだけでは典型的とは言いにくいです。胸やけ、酸っぱいものが上がる感じ、食後や就寝時の悪化などがそろうと逆流を疑いやすくなります【1】【4】【6】。

 

Q:どんな背中の痛みだと逆流性食道炎を疑いますか?

食後や夜間に悪くなる、横になるとつらい、胸の奥の灼熱感や圧迫感を伴う、といった場合は逆流が関係していることがあります。反対に、動作や姿勢で再現しやすい局所的な背中の痛みは筋骨格由来も考えます【2】【4】

 

Q:胸やけがなくても逆流性食道炎のことはありますか?

あります。胸やけや呑酸が典型ですが、胸痛や咳、声がれ、のどの違和感などの非典型症状で出ることがあります【2】【3】【4】。

 

Q:背中の痛みと胸痛があるときは、まず何を疑うべきですか?

まずは心臓の病気を外すことが重要です。心筋梗塞では胸痛に加えて、背中、首、あご、腕への放散痛、息苦しさ、冷や汗、吐き気などが出ることがあります【2】【6】【7】。

 

Q:胃カメラは受けた方がよいですか?

症状が続く場合や、食べ物のつかえ感、体重減少、出血、嘔吐、貧血などがある場合は、胃カメラを早めに考えます。逆流性食道炎以外の病気を除外する意味でも重要です【1】【2】【4】。

 

Q:市販の胃薬で様子を見てもよいですか?

軽い症状が一時的に楽になることはありますが、症状が繰り返す、背中の痛みが続く、つかえ感や体重減少がある、といった場合は自己判断で長く様子を見ない方が安全です【1】【4】【6】。

 

Q:生活習慣で改善できることはありますか?

あります。体重過多がある場合の減量、就寝前2~3時間は食べないこと、夜間症状が強い場合の頭側挙上、喫煙の回避、悪化しやすい食事の見直しは基本です【2】【5】。

 

Q:薬を飲んでも良くならない場合はどうなりますか?

逆流性食道炎以外に、食道運動障害、好酸球性食道炎、機能性の胸痛などが隠れていることがあります。治療しても改善しない場合は、診断の見直しや追加検査が必要です【1】【2】【3】。

 

Q:すぐに受診した方がよいサインはありますか?

胸痛に息苦しさや冷や汗を伴う場合、強いみぞおち痛が背中へ抜ける場合、吐血や黒い便、食べ物のつかえ感、体重減少、繰り返す嘔吐がある場合は、早めの受診が必要です【2】【4】【7】【8】【9】。

まとめ

逆流性食道炎で背中が痛いことは、まったく珍しいとは言いません。

ただし、典型的なのは胸やけや呑酸であり、背中の痛み単独は逆流性食道炎らしい症状とは言いにくいのが実際です。

食後や夜間の悪化、胸やけ、のどの違和感を伴うなら逆流が関係している可能性がありますが、胸痛、息苦しさ、つかえ感、体重減少、強い腹痛や嘔吐を伴う場合は、心臓や膵臓、胆のうなど別の病気も含めて確認することが大切です。

 

こんな症状がある方はご相談ください

  • 背中の痛みが続いている
  • 胸やけやのどの違和感を伴う
  • 市販薬で改善しない
  • 原因がはっきりせず不安

👉 当院では胃カメラを含めて原因を丁寧に確認しています。気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。

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関連ページ

内臓からくる背部痛ついての総論ページはこちら
胆のうや膵臓が関連したの背中の痛みの実例はこちら
胃カメラ(内視鏡について)はこちらからご確認頂けます

参考文献

  1. 日本消化器病学会.患者さんとご家族のための胃食道逆流症(GERD)ガイド 2023.
  2. Katz PO, Dunbar KB, Schnoll-Sussman FH, et al. ACG Clinical Guideline: Guidelines for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. 2022.
  3. Iwakiri K, Kinoshita Y, Habu Y, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for gastroesophageal reflux disease 2021.
  4. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Symptoms & Causes of GER & GERD.
  5. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Eating, Diet, & Nutrition for GER & GERD.
  6. Mayo Clinic. Gastroesophageal reflux disease (GERD) - Symptoms and causes.
  7. Mayo Clinic / CDC. Heart attack symptoms and warning signs.
  8. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Symptoms & Causes of Pancreatitis.
  9. Mayo Clinic. Gallstones - Symptoms & causes.
  10. Vaezi MF, Richter JE. Atypical Manifestations of Gastroesophageal Reflux Disease.

医師紹介 神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

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