静かな会議中にお腹が鳴ってしまう…原因は?|実例でわかる腹鳴と過敏性腸症候群(IBS)の治療
「会議中に限って、お腹が大きな音で鳴ってしまう…」
「会社の静かな時間がストレス」
そんな相談が実はとても多いです。
今回ご紹介する30代男性も、数年前から続く腹鳴がストレスとなり、仕事に集中できないというお悩みで来院されました。
腹鳴(ふくめい)は“お腹が鳴る”ことですが、腸の病気と関連する場合もあるため、一度は原因を調べることが大切です。
▶巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
実際の治療例:30代男性 「お腹が鳴って困る」
【症状】
-
数年前から腹鳴が続く
-
とくに会議中や静かな場面で顕著
-
痛みはないが、仕事中のストレスが大きい
-
下痢は少ないが、ときどきお腹にガスが溜まりやすい
【診察】
腹鳴の原因となる疾患として以下のような疾患を考えました
腹鳴の主な鑑別疾患
-
過敏性腸症候群(IBS)
-
小腸のガス貯留(SIBO・CIPOなど)
-
IBD(炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎・クローン病)
-
食物不耐症(乳糖不耐症など)
-
腸内細菌バランスの乱れ
-
胃炎・胃酸過多
-
便秘症 など
腹鳴は一見「単なる癖」と思われがちですが、IBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)などでも出現することがあるため、除外診断は必須です。
【検査】
今回の男性には、以下の検査を行いました。
胃カメラ
→ 異常なし
(胃炎・胃潰瘍・幽門狭窄などの除外)
大腸カメラ
→ 異常なし
(炎症性腸疾患やポリープの除外)
腹部レントゲン
→ 大腸ガスが多く、腸の張りや腹鳴の原因と考えました
■実際のレントゲン画像■
黄色で囲まれた部分に見える黒い塊が腸管ガスです
これらの検査により、器質的な病気は除外され、過敏性腸症候群(IBS・ガス型)と診断しました。
【腹鳴とは?(原因疾患の解説)】
腹鳴は、腸が動く際にガスや液体が移動するときに発生する音です。
健康な人でも起こりますが、以下の状況で強くなりやすいことがわかっています。
▼腹鳴が強くなる要因
-
空腹時(腸が活動しやすい)
-
ガスが溜まりやすい体質
-
炭酸・小麦・乳製品などの摂取
-
食物不耐症
-
ストレス・緊張
→ 交感神経の乱れで腸が過敏になり音が大きくなる -
過敏性腸症候群(IBS)
特にIBSでは、腸が過敏に反応し、少量のガスでも音が鳴りやすくなる特徴があります【1】。
【治療】
今回の男性には、以下の治療を組み合わせて行いました。
① 漢方治療
腸の緊張を和らげ、ガス・腹鳴の改善に有効とされています【2】。
② 消化管運動改善薬
腸の動きを整え、ガスの移動・停滞を改善。
③ 低フォドマップ(低FODMAP)食
小腸で吸収されにくい糖質(小麦・玉ねぎ・牛乳など)を制限する食事療法。
IBSの症状を改善するエビデンスが豊富です【3】。
▼治療後
-
腹鳴の頻度が大きく減少
-
会議中のストレスも軽減
-
食事療法と漢方は「安全に継続できるため」今後も継続し、腹鳴に悩まされない生活を送られています。
▶関連ページ:
・低フォドマップ食による過敏性腸症候群の治療方法と実際の治療例
院長からのコメント
腹鳴は“恥ずかしいだけの症状”と思われがちですが、
腸の過敏性・ガス貯留・食生活など、体のサインとして現れることが多い症状です。
今回の男性のように検査で異常がなくても、治療でしっかり改善するケースは非常に多くあります。
「仕事中に鳴ったらどうしよう…」などの不安が強いと、交感神経が高まり、さらに腹鳴を助長してしまう悪循環に入ってしまいます。
治療することで不安がなくなり良い循環となることで、再発も起こりにくくなります。
▶巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。
📞 お電話でのご予約:03-5940-3833
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 腹鳴は病気ですか?
A. 正常でも起こりますが、IBS・ガス貯留・腸炎などが原因の場合もあります【1】。
Q2. なぜ会議中や静かな場所でお腹が鳴るのですか?
A. 緊張で腸が過敏になり、ガスや液体の動きが強調されるためです。
Q3. どんな検査を受ければいいですか?
A. 胃カメラ・大腸カメラ・腹部レントゲン・腹部エコーが基本です。小腸の病変が疑われた場合には高次医療機関に紹介して小腸の検査を行うこともあります。
Q4. 食事では何に気をつける?
A. 小麦・玉ねぎ・乳製品・豆類などFODMAPを多く含む食品の制限が有効です【3】。
Q5. 炭酸飲料は腹鳴を悪化させますか?
A. 悪化させることがあります。ガスが腸に増えるためです。
Q6. ストレスで腹鳴は起こりますか?
A. はい。自律神経が腸に影響し、音が鳴りやすくなります。
Q7. IBSと腹鳴の関係は?
A. IBSでは腸が過敏になり、ガスが少量でも大きな音として感じる傾向があります【1】。
Q8. 放置すると悪化しますか?
A. 命に関わる病気ではありませんが、仕事の支障や不安症状を引き起こすことがあります。
Q9. 漢方はどれくらいで効きますか?
A. 2週間前後で変化を感じる方が多いです。
Q10. 食事療法は続けたほうがいい?
A. 再発予防のためにも継続がおすすめです。
まとめ
-
腹鳴は腸の動きやガスの影響で起こる
-
胃カメラ・大腸カメラで病気を除外することが大切
-
IBS(ガス型)でよく見られる症状
-
漢方や消化管運動改善薬、低フォドマップ食で改善が期待できる
-
不安があるほど腹鳴は悪化するため、早めの相談がおすすめ
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
関連ページ
-
▶なぜ過敏性腸症候群は治らないのか?|過敏性腸症候群が治りにくい・再発しやすい理由と対応について
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
アクセス
所在地
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら
▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833
▶【WEB予約】
参考文献
-
Chey WD, et al. Irritable bowel syndrome: a clinical review. JAMA.
-
日本消化器病学会:機能性消化管疾患ガイドライン
-
Halmos EP, et al. A diet low in FODMAPs reduces IBS symptoms. Gastroenterology.
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
