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【実際の治療例】胃カメラで「胃炎」と言われたのに痛みが続く…実は大腸憩室炎だった

[2026.02.13]

「みぞおちが痛い=胃が悪い」と考えて、まず胃カメラを受ける方は多いです。

ところが、胃カメラで大きな異常が見つからないのに痛みが強い・長引くケースでは、腸(大腸)・胆のう・膵臓など“胃以外”が原因になっていることがあります。

今回は、他院で胃炎と言われたものの改善せず、診察で反跳痛(押して離した時に響く痛み)もあり、腹部エコー+血液検査で「大腸憩室炎」と診断できた50代男性の実例をご紹介します。

 

みぞおちの痛みが治らずにでお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。

お気軽に是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|50代男性「3日前から強い胃痛」

症状
  • 50代男性

  • 3日前から強い胃痛(みぞおち付近の痛み)

  • 他院で胃カメラ → 「軽い胃炎」と説明され内服治療

  • 改善なく当院を受診

 

診察

診察で目立ったのは、

  • 触診で強い圧痛

  • 反跳痛(押して離すとズキンと響く痛み)

この所見があると、胃炎だけで片づけず、腹部全体を幅広くチェックする必要があります

みぞおちの痛みで考える主な疾患
  • 胃・十二指腸:胃炎、消化性潰瘍 など

  • 胆のう・胆管:胆石発作、急性胆のう炎 など

  • 膵臓:急性膵炎 など

  • 腸:大腸憩室炎(横行結腸など)、腸炎、腸閉塞 など

  • 虫垂炎:初期は“みぞおち〜おへそ周り”から始まることも

  • その他:尿路結石、腹部大動脈瘤、(状況によっては)心臓由来の痛み など

症状だけでの鑑別が非常に難しく、正しく状態を把握し、治療方針を立てるため血液検査腹部エコーを行いました。

 

検査
血液検査

炎症反応(白血球・CRP)の上昇あり

実際のエコー検査画像

横行結腸(黄色部分)に憩室を認め(赤色部分)、炎症により周囲の大腸壁が10㎜大に浮腫んでいました(矢印部分)。

以上より横行結腸の大腸憩室炎と診断しました。

横行結腸は上腹部に位置するため、患者さんには「みぞおち付近の痛み=胃痛」として認識されていた状態でした。

 

大腸憩室炎とは

大腸憩室は、腸の壁の一部が外側に小さく飛び出した“袋”のようなものです。

そこに便がたまったり、細菌が増えたりして炎症が起きる状態が大腸憩室炎です。

💡「痛む場所」は一定ではありません

典型的には下腹部痛が多い一方、炎症の場所によっては

  • 右側腹部

  • みぞおち周辺(上腹部)

など、“胃痛っぽい場所”に痛みが出ることがあります。

重症化するとどうなる?

炎症が強いと、膿瘍(うみ)や穿孔(穴があく)などの合併症を起こすことがあり、画像評価と重症度判断が重要です【3】。

関連ページ

大腸憩室炎について専門医の院長によるより詳しい説明はこちら

 

治療

今回は穿孔などの重篤なサインはなく、外来治療としました。

  • 抗生剤点滴

  • 食事療法(絶食から開始)

  • 安静

翌日の再診時には痛みは7割程度に改善。もう一日絶食とし、翌々日の再診時には痛みは3割程度まで改善。

血液検査の炎症の数値も低下し、やわらかいものから食事を開始。

その後も経過は順調で、5日ほどで治療終了となりました。

院長からのコメント

みぞおちの痛みが続くと、どうしても「胃が原因」と思ってしまいます。

しかし実際には、今回のように大腸(横行結腸)、あるいは虫垂炎の初期、膵臓・胆のうなど、胃以外が原因で“胃痛の位置”に痛みが出ることがあります。

胃カメラで安心できない痛み(強い痛み、反跳痛、発熱、悪化傾向など)があれば、腹部エコーや血液検査(必要ならCT)で多方向から評価し、適切な治療につなげることが大切です【2】【3】。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、みぞおちの痛みに対して当日中に検査・診断できる体制を整えています。

お困りの方は是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※午後の時間の受診時や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問(FAQ)

Q. みぞおちが痛いのに、原因が大腸のことはありますか?

A. はい。大腸憩室炎は痛む場所が一定ではなく、炎症部位によって上腹部(みぞおち付近)に痛みが出ることもあります。胃カメラで説明がつかない強い痛みは、腹部エコーなどで評価します【3】。

 

Q. 胃カメラで「軽い胃炎」と言われたのに痛みが強いのはなぜ?

A. 胃炎が軽度でも痛みが強いことはありますが、別の臓器(胆のう・膵臓・腸など)が原因の可能性もあります。診察と血液検査、画像検査で総合的に判断するのが安全です【2】。

 

Q. 反跳痛(押して離すと痛い)は危険ですか?

A. 反跳痛は腹膜が刺激されているサインの一つで、腹膜炎などを示唆することがあります【1】。痛みが強い・悪化する場合は早めの受診が安全です。

 

Q. 大腸憩室炎の診断は腹部エコーだけでできますか?

A. 当院ではほとんどの場合、エコーで診断できます。ただし、腸管のエコー検査に慣れていない医療機関では正しく診断ができないこともあります。

 

Q. どんなときにCTが必要になりますか?

A. 痛みが強い・高熱・血液検査で炎症が強い・合併症(膿瘍や穿孔)が疑われる、などの場合はCTで重症度評価を検討します【3】【4】。

 

Q. 大腸憩室炎は抗生剤(抗菌薬)を必ず使いますか?

A. 状態によります。軽症の合併症のない憩室炎では抗菌薬を routine に使わない考え方もあります【5】。一方、症状が強い、炎症が強い、合併症が疑われる場合は抗菌薬治療が重要になります【4】【5】。

 

Q. 食事はどうすればいいですか?

A. 急性期は「腸を休める」目的で食事調整(絶食)を行い、症状が落ち着いたら段階的に戻します。ガイドラインでも腸管安静を含む治療が示されています【4】。

 

Q. 痛み止めは飲んでいいですか?

A. 受診前に自己判断で強い鎮痛薬を使うと、診察所見が分かりづらくなることがあります。まずは医療機関へ相談を。使用する薬は病状に合わせて選びます。

 

Q. 大腸憩室炎のあとに大腸カメラは必要ですか?

A. 憩室炎と似た所見として大腸の腫瘍が紛れることもあるため【5】、症状が落ち着いてから大腸内視鏡を受けることが大切です

 

Q. 受診の目安は?救急車を呼ぶべき症状は?

A. 痛みが急に強くなる/歩けないほどの激痛/高熱/繰り返す嘔吐/お腹が板のように硬い/冷汗・意識がぼんやり、などは早急な評価が必要です。反跳痛がある場合も早めの受診が安全です【1】。

 

まとめ

  • みぞおちの痛み=胃とは限らない(大腸・胆のう・膵臓などでも起こる)

  • 胃カメラで説明がつかない強い痛みは、血液検査+エコー検査で再評価が大切【2】

  • 大腸憩室炎の診断は腹部エコーが有用【3】

  • 大腸憩室炎の治療は重症度で変わる(抗菌薬・食事調整・安静、必要なら入院や処置)【4】【5】

  • 反跳痛など“腹膜刺激”が疑われる所見は要注意【1】

 

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胃痛・腹痛外来

参考文献(本文の【番号】と対応)

  1. MedlinePlus. Point tenderness - abdomen(Rebound tenderness と腹膜刺激). Updated 2024.

  2. Sartelli M, et al. 2020 update of the WSES guidelines for the management of acute colonic diverticulitis(診断は臨床+炎症マーカー+画像で総合評価).

  3. 日本消化管学会(ほか). 大腸憩室症(憩室出血・憩室炎)ガイドライン 2017(画像診断:CT推奨、超音波の有用性にも言及).

  4. 日本消化管学会(ほか). 同ガイドライン(憩室炎の診断・治療フローチャート:抗菌薬投与・腸管安静など).

  5. Peery AF, et al. AGA Clinical Practice Update on Medical Management of Colonic Diverticulitis(抗菌薬は選択的、画像・内視鏡フォローなど).

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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