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IBSだと思っていたら大腸がんだった|「便が出ても残る」「お腹が張る」40代女性の症例

[2026.02.18]

「便がすっきり出ない」「お腹が張って、何度もトイレに行きたくなる」──

このような症状を過敏性腸症候群(IBS)だと思い込み、様子を見ていませんか?

IBSはよくある病気ですが、似た症状の裏に大腸がん(特にS状結腸・直腸)が隠れていることもあります。

便の通り道が狭くなると、“少しずつしか出ない/残る感じ”が起きやすいからです。

今回は、当院(巣鴨駅前胃腸内科)を受診された実例をもとに、“IBSだと思っていたら大腸がんだった”ケースを、専門医の院長が患者さんにも分かりやすく解説します。

 

同様の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|40代女性「お腹が張って、すっきり便が出ず何度もトイレに行きたくなる」

症状

今回の患者さんは数か月前から次の症状が続いていました。

  • お腹が張る(膨満感)

  • 便が出てもすっきりしない(残便感)

  • 何度もトイレに行きたくなる

  • 産業医で「IBSかもしれない」と言われ薬を開始したが改善しない

「IBSと言われたから大丈夫」と思っても、“改善しない”場合は病気の重要なサインです。

 

診察

「張り・残便感」の原因はIBS以外にもあります。

診察では、次のような病気を幅広く考えます。

  • 大腸の運動異常:過敏性腸症候群(IBS)【2】

  • 腸管の炎症:感染性腸炎、虚血性腸炎、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)

  • 腫瘍やポリープによる狭窄:大腸がん、進行ポリープ など【3】

  • 便秘症、薬剤性、甲状腺機能など(必要に応じて)

特に、IBSを考えるときは“アラームサイン(危険徴候)”がないか確認します(血便、体重減少、発熱、腹部腫瘤など)。

アラームがある・改善しない場合は、大腸内視鏡(大腸カメラ)で器質的疾患を除外することが大切です【2】。

今回も症状が改善しないこともあり、大腸内視鏡を行い病気があるかどうかを状態を確認することにしました。

 

大腸内視鏡検査

直腸を越えてすぐのS状結腸に出血を伴う不整な隆起(黄色部分)を認め、生検で大腸がんと診断しました。

腫瘍により大腸の内腔が狭くなっており(矢印部分)、スコープが通過しにくい状態(狭窄)でした。

この「狭窄」があると、便が一度に出ず、

  • 何回もトイレに行く

  • 出ても残る感じが続く といった症状が起こりやすくなります。

 

治療・経過

大腸がんは、早期なら内視鏡治療で根治できることがあります。

一方、進行がんでは、原則として手術が中心となり、病期(ステージ)によっては術後補助化学療法(抗がん剤)を組み合わせます【3】【5】。

今回の患者さんは高次医療機関で精査を行い、遠隔転移なしのStage IIIAで、手術+抗がん剤治療となりましたが、その後は再発なく経過されています。

 

大腸がんとは:なぜ「IBSみたいな症状」になるの?

大腸がんは、早期のうちは無症状のこともあります。ところがS状結腸・直腸は便が形作られる場所に近く、腫瘍が大きくなると次の変化が起こります。

  • 腸の内側が狭くなる(狭窄)

  • 便の通過が悪くなる

  • ガスが溜まりやすくなり、お腹が張る

  • 便が細くなる/少量ずつしか出ない

  • ときに出血(血便)を伴う

これらはIBSの症状(張り、便通の乱れ)と似るため、“IBSとして治療していたが改善しない”という形で見つかることがあります。

なお近年は、50歳未満の若年層でも大腸がんの罹患が増加傾向とする解析報告があり、年齢だけで安心はできません【4】。

 

院長からのコメント

S状結腸や直腸の大腸がんは、進行すると腸の内腔を圧迫し、

  • お腹が張る

  • 便がすっきり出ない(残便感)

  • 便が細い/少量ずつ

  • 血便が混じる

といった症状を起こします。

これらはIBSと似ており、実際に「IBS」と言われて治療を始める方もいます。ですが、がんによる狭窄は自然に治りません。放置すれば腸閉塞や転移など、命に関わる状況に進むこともあります【3】。

「IBSと言われたけど良くならない」「2週間以上続く」「便が細い・血が混じる」などがあれば、早めにご相談ください。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に検査・診断できる体制を整えています。

お困りの方は是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

※午後の時間の受診時や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

 

よくある質問(FAQ)

Q1. 便がすっきり出ない(残便感)が続くだけでも、大腸カメラは必要ですか?

A. “いつもと違う便通異常”が2週間以上続く、改善しない、便が細い・血が混じるなどがあれば、IBS以外(狭窄や炎症など)の確認が重要です。医師と相談し大腸内視鏡を検討します【2】【3】。

 

Q2. IBS(過敏性腸症候群)と大腸がんは、症状だけで見分けられますか?

A. 難しいことがあります。IBSと似た張り・便通異常でも、血便、体重減少、発熱、腹部腫瘤などの“アラームサイン”があれば内視鏡で除外が推奨されます【2】。

 

Q3. 便が細くなるのはなぜですか?

A. 腸の内腔が腫瘍や炎症で狭くなると、通過できる便が細く・少量ずつになりやすいです【3】。

 

Q4. お腹の張りで何度もトイレに行きたくなるのは、がんでも起こりますか?

A. はい。狭窄で便やガスが溜まりやすく、残便感・頻回の便意が出ることがあります。IBSでも起こりますが、改善しない場合は原因確認が大切です【3】。

 

Q5. 40代でも大腸がんになりますか?

A. はい。近年、50歳未満の若年層で大腸がんの増加傾向が報告されています【4】。年齢だけで自己判断せず、症状が続く場合は受診をご検討ください。

 

Q6. 大腸カメラは痛いですか?

A. 当院では鎮静剤の使用やスコープのサイズの調整、挿入法の工夫によって無痛状態でお受けいただくことが可能です。

▶関連ページ:なぜ当院の大腸内視鏡は「痛くなく」「苦しくない」の?

 

Q7. 便潜血が陰性でも、大腸がんはありますか?

A. 可能性はゼロではありません。症状が続く場合は、便潜血の結果だけで安心せず、医師が総合的に判断します。

 

Q8. 大腸がんが見つかったら、まず何をしますか?

A. 生検で診断し、CTなどで病期(ステージ)評価を行い、手術や薬物療法を含めた治療方針を決めます【3】【5】。

 

Q9. 進行がんだと内視鏡では治療できませんか?

A. 一般に深く進んだがんや狭窄が強い場合は内視鏡ではなく外科的な手術による治療となります。病期により術後補助化学療法を行うことがあります【3】【5】。

 

Q10. 「IBSの薬を飲んでいるのに良くならない」場合、どのタイミングで受診すべき?

A. 目安として2週間以上改善しない、悪化していく、血便・体重減少・発熱などがある場合は早めの受診が安全です【2】。

 

まとめ

お腹の張りや便通異常はIBSでも起こりますが、大腸がんなどの器質的疾患が隠れることがあります。特に次のような症状がある場合は、迷わずご相談ください。

  • ✅ 便が細い/少量ずつしか出ない

  • ✅ 便に血が混じる

  • ✅ お腹の張りが続く・悪化する

  • ✅ IBSの治療をしても改善しない(2週間以上)

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。同様の症状でお困りの方は是非ご相談ください。

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 関連ページ

お腹の張りや便秘をきっかけに見つかる大腸がんについては、以下のページでも詳しくご紹介しています。
大腸カメラ(内視鏡)や張り・IBSについて

 

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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所在地

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交通
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巣鴨駅前胃腸内科クリニック

JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら

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参考文献

  1. 国立がん研究センター がん対策研究所. 有効性評価に基づく 大腸がん検診ガイドライン 2024年度版(PDF).

  2. 日本消化器病学会. 機能性消化管疾患診療ガイドライン 2020―過敏性腸症候群(IBS)(PDF).

  3. 大腸癌研究会(JSCCR). 大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024年版(PDF).

  4. 国立がん研究センター. 若年大腸がんと子宮体がんの罹患・死亡の増加を確認(プレスリリース 2025/12/25).

  5. 大腸癌研究会(JSCCR). 大腸癌治療ガイドライン 医師用 2026年版(PDF).

 

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

 
 

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