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実際の治療例 “腹痛と粘液交じりの血便”

[2023.11.25]

当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。

 

40代女性 腹痛と粘液交じりの血便

 

【症状】

数か月前からたまに粘液交じりの便が出ていましたが、毎回ではないため医療機関は受診せずに様子を見ていました。

1か月前くらいから毎回粘液が混じり、2週間ほど前から粘血便となり、3日前から腹痛と発熱を伴うようになったため当院を受診されました。

 

【診察】

症状からは慢性的に腸に炎症を引き起こす潰瘍性大腸炎を疑いました。

その他の鑑別疾患として感染性腸炎も候補にあがるため、まずは腹部エコーを行い外側から状態を評価しました。

 

【検査】

腹部エコーでは大腸の左半分に炎症像を認め、潰瘍性大腸炎を疑いました。

発熱や腹痛を伴う場合は、症状が悪化しやすく状態を説明し当日すぐに大腸内視鏡(大腸カメラ)を行いました。

大腸に多発するびらんと潰瘍を認めました。

内視鏡の所見と病理検査結果から「潰瘍性大腸炎」の確定診断となりました。

関連ページ;潰瘍性大腸炎について 大腸内視鏡 腹部エコー

 

【治療】

潰瘍性大腸炎は約80%の患者さんが5-ASA製剤という内服薬で症状が落ち着くため、まず同薬の治療を開始しました。

 

【経過】

内視鏡上炎症が強く、5-ASA製剤は最大量で開始ししました。すると内服開始3日目くらいから発熱・腹痛は改善し、血便は1週間ほどでなくなり、粘液のような便も2週間ほどで消失しました。

発熱や腹痛を伴う潰瘍性大腸炎は悪化しやすく、5-ASA製剤で改善ない場合にはステロイド白血球除去治療生物学的製剤などの強力な治療を行いますが、それでも外来での治療が奏功しないときには入院や手術が必要になるケースもあり、症状がひどくなる前に検査を行い診断したうえで早めに治療することが大切です。

潰瘍性大腸炎は緩解状態(症状が消失した状態)になった後も再燃を起こしやすい病気であり、また炎症状態が長期に続くと発がんのリスクも増加するため、基本的には内服製剤を続け緩解状態を維持していく必要があります。

関連ページ:潰瘍性大腸炎の治療について

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

■関連ページ■

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