【食道カンジダ症】のどの違和感・飲み込みづらさに注意!原因・症状・治療と実際の症例
「のどがつかえる」「食べ物を飲み込みにくい」──
こうした症状が長引いている場合、逆流性食道炎やストレスのせいだと思ってしまう方は少なくありません。
しかし実際には、食道にカンジダという真菌が増殖して起こる食道カンジダ症が隠れていることがあります。
食道カンジダ症は、口腔や皮膚にも存在する常在菌「カンジダ」が免疫力の低下や薬剤の影響で食道に繁殖してしまう病気です。
免疫力の低下がある方だけでなく、糖尿病、抗菌薬の使用、ステロイド、胃酸を抑える薬の影響などを背景に起こることがあり、症状としては飲み込みにくさ、のどや胸の違和感、飲み込むときの痛みなどがみられます。
この記事では、食道カンジダ症の原因・症状・胃カメラ所見・治療の考え方に加えて、実際の症例も交えながら、逆流性食道炎との違いや受診の目安まで専門医の院長がわかりやすく解説します。
同様の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。
巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。
是非ご相談ください。
※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
食道カンジダ症とは?
食道の粘膜に「カンジダ」という真菌(カビの一種)が繁殖した状態を指します。
食道にカビが繁殖!?
と聞くと驚かれるかもしれませんが、カンジダはもともと人間の皮膚・口腔内などに住み着いている常在菌です。
カンジダは空気にさらされずに湿った環境を好むため、食道は繁殖にうってつけの場所で、私たちの体の免疫が低下した際などに食道に感染して繁殖します。
食道カンジダ症の原因は?なりやすい人は?
食道カンジダ症は、免疫力が大きく落ちている方だけの病気ではありません。
高齢の方、糖尿病のある方、抗菌薬やステロイドを使用している方、胃酸を抑える薬を長く飲んでいる方などでも起こることがあります。
背景にある体調や服薬内容を確認することで、再発予防や他の病気の見落とし防止にもつながります。
1.免疫力の低下
高齢者や糖尿病などの体の免疫が低下している方や、体の免疫を抑える薬(ステロイドなど)や抗がん剤を服用している人などに見られます。
また、ストレスや疲れなどで身体の免疫が低下すると特に基礎疾患のない正常な方にも発生することもあります。
2.抗生剤などの服用
抗生剤などを飲んでいて、もともと住み着いていた常在菌のバランスが乱れる場合があります。このような際にはカンジダに感染することがあります。
3.制酸剤の長期服用
胃酸は菌に対しての殺菌効果を持っています。
ですので、逆流性食道炎や胃潰瘍などで使用するPPIやP-CABと呼ばれる制酸剤を長期服用することで殺菌効果が低下しカンジダが繁殖することがあります。
食道カンジダ症を疑う症状|胃カメラを考えたいサイン
食道カンジダ症では、無症状のこともありますが、
- のどの違和感
- 食べ物のつかえ感
- 飲み込みにくさ
- 飲み込むときの痛みや胸の痛み
として感じることもあります。
とくに、耳鼻科で異常がないのに症状が続く場合、逆流性食道炎の薬を飲んでも改善しない場合、糖尿病やステロイド使用、抗菌薬使用、胃酸を抑える薬の長期内服がある場合は、食道の感染や炎症を確認するため胃カメラを検討したいところです。
「のどの症状だから耳鼻科だけでよい」とは限らず、食道に原因が隠れていることもあるため注意が必要です。
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▶のどのつかえ感が続く方は、のどのつかえ・違和感外来もあわせてご覧ください。
逆流性食道炎と食道カンジダ症の違い
逆流性食道炎でも、のどの違和感や胸のつかえ感、飲み込みにくさが出ることがあります。
一方、食道カンジダ症では、白い付着物を伴う特徴的な内視鏡所見がみられ、飲み込むと痛い、しみるように感じるといった症状を伴うこともあります。
見た目の症状だけでは区別が難しいため、薬を飲んでも改善しない場合や、症状が長引く場合には、自己判断で治療を続けるのではなく胃カメラで実際の食道粘膜を確認することが重要です。
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▶飲み込みにくさを放置してはいけない理由については、飲み込みにくい放置は危険の記事でも解説しています。
検査・診断は?
胃カメラ(胃内視鏡)検査で実際に食道の状態を確認して診断します。
こちらは実際の胃カメラの写真です。
食道カンジダは「酒粕様の白斑」と表現される白い点状のものとして観察されます。
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▶胃カメラでどのような病気が見つかるのかは、胃内視鏡(胃カメラ)のページでも詳しく解説しています。
治療は?
食道カンジダ症の治療は、症状や背景を踏まえて判断します。
症状がなければ様子をみることもありますが、一般的には抗真菌薬による治療が行われます。
とくに、飲み込みにくさ、飲み込むときの痛み、胸の違和感がある場合は、症状の改善を目的に治療を検討します。
実際の治療例
30代 女性 食べ物を飲み込む時につまる感じがする
【症状】
以前から食べ物を飲み込むときにのどに詰まったような感じがするとのことで耳鼻科を受診。
診察や喉頭ファイバー(鼻から細いカメラを入れて喉を見る検査)を行い異常はなく「逆流性食道炎」と診断され投薬治療となり、1か月ほど薬を続けたが改善しないとのことで当院を受診されました。
【診察】
胃内視鏡(胃カメラ)は受けていないとのことで、実際に胃カメラで逆流性食道炎や他の食道疾患のチェックを行いました。
【検査】
内視鏡検査では逆流性食道炎は認めませんでしたが、青い丸で囲まれた領域にカンジダ菌の塊となった白斑を認め、この内視鏡所見から食道カンジダ症と診断しました
【治療・経過】
カンジダ菌に対しての抗真菌薬で治療を開始。
服用開始して数日後から飲み込む時のつまり感の症状は和らぎ、2週間後の再診時には症状は改善されていました。
院長からのコメント
飲み込んだときのつまり感は、耳鼻科領域で異常がない場合に「逆流性食道炎による症状」と診断されることも少なくないのですが、今回のように食道カンジダ症など別の疾患が原因だったというケースも少なくありません。
もちろん、実際に逆流性食道炎でこのような症状が起こることもあります。ただ、耳鼻科領域では胃カメラ検査まで行わないことも多く、症状だけで「逆流性食道炎だろう」と判断されてしまうことがあります。
逆流性食道炎では、PPIなどの制酸薬で改善することが多いため、治療を続けても改善しない場合は、本当に逆流性食道炎なのかを含めて胃カメラで状態を確認することが大切です。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。
また鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しておりますので、症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります
当院の胃カメラの特徴
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ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査
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高解像度スコープで小さな病変も発見
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土日対応、事前診察は原則不要
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▶逆流性食道炎やのどへの胃酸逆流との違いが気になる方は、咽喉頭酸逆流症とは|逆流性食道炎との違い・治療法も参考になります。
よくある質問
Q. 食道カンジダ症とはどんな病気ですか?
A. 食道カンジダ症とは、食道の粘膜に「カンジダ」という真菌(カビの一種)が繁殖した状態を指します。カンジダはもともと皮膚や口腔内にも存在する常在菌ですが、免疫力の低下や薬剤の影響などをきっかけに食道で増殖し、症状の原因になることがあります。
Q. 食道カンジダ症の原因は何ですか?
A. 主な原因として、免疫力の低下、高齢、糖尿病、ステロイドや抗がん剤など免疫を抑える薬の使用、抗生剤の服用、胃酸を抑える薬(PPI・P-CABなど)の長期使用が挙げられます。ストレスや疲労で体調が落ちたときに起こることもあります。
Q. 食道カンジダ症ではどんな症状が出ますか?
A. 無症状のこともありますが、のどの違和感、つまる感じ、食べ物の飲み込みにくさ、飲み込むときの痛み、胸の違和感などがみられることがあります。耳鼻科で異常がないのに症状が続く場合は、食道に原因があることもあります。
Q. 食道カンジダ症はストレスで起こりますか?
A. ストレスがあると必ず発症するわけではありませんが、心身のストレスが長く続くことで免疫力が低下し、発症のきっかけになることがあります。疲労が重なっているときも注意が必要です。
Q. 食道カンジダ症の診断には胃カメラが必要ですか?
A. はい。食道カンジダ症は、胃カメラ(胃内視鏡)で実際に食道の状態を確認して診断します。内視鏡では「酒粕様の白斑」と表現される白い点状の付着物がみられるのが特徴です。
Q. 逆流性食道炎との違いは何ですか?
A. のどの違和感や飲み込みにくさは、逆流性食道炎でもみられることがあります。一方で、食道カンジダ症では胃カメラで白斑が確認されるのが特徴です。逆流性食道炎の薬を飲んでも改善しない場合は、胃カメラで食道の状態を確認することが重要です。
Q. 食道カンジダ症は自然に治ることもありますか?
A. 軽症で偶然見つかることもありますが、のどのつかえ感や飲み込みにくさなどの症状がある場合は、抗真菌薬で治療を行います。症状の有無や程度をみながら治療方針を判断します。
Q. 食道カンジダ症の治療はどのように行いますか?
A. 症状がある場合は、抗真菌薬の内服で治療を行います。治療内容は症状の強さや背景疾患を踏まえて判断し、必要に応じて胃カメラ所見や経過を確認しながら進めます。
Q. 耳鼻科で異常がないと言われましたが、消化器内科を受診した方がいいですか?
A. のどのつかえ感や飲み込みにくさが続くのに、耳鼻科で明らかな異常がない場合は、食道に原因があることがあります。とくに逆流性食道炎の治療で改善しない場合は、消化器内科で胃カメラを受けて確認することが大切です。
Q. 食道カンジダ症にヨーグルトは効きますか?
A. 現時点では、食道カンジダ症にヨーグルトが有効であるとはいえません。自己判断で対応せず、症状が続く場合は医療機関で相談することが大切です。
参考文献
- Pappas PG, Kauffman CA, Andes DR, et al. Clinical Practice Guideline for the Management of Candidiasis: 2016 Update by the Infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis. 2016;62(4):e1-e50.
- Robertson KD, Nagra N, Mehta D. Esophageal Candidiasis. In: StatPearls. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; updated July 31, 2023.
- Merck Manual Professional Edition. Infectious Esophageal Disorders.
- Nassar Y, et al. Possible Risk Factors for Candida Esophagitis in Immunocompetent Individuals. Gastroenterology Research. 2018;11(3):195-199.
- Ogiso H, et al. Risk factors for the development of esophageal candidiasis among patients in community hospital. Scientific Reports. 2021;11:20632.
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
