異所性膵(迷入膵)
異所性膵とは、膵臓と全く違う臓器に膵臓の組織が紛れ込んでしまうもので「迷入膵」とも呼ばれます。
特に胃の出口付近や十二指腸などが好発部位です。
<原因>
膵臓は胃の背側にある臓器で、胎児期に胃と膵臓の組織が別れてそれぞれの臓器に分化してくのですが、膵臓の組織のごく一部が胃の筋肉の層に誤って入り込んだ状態で胃と膵臓が別れてしまうことがあります。
そしてこの誤って胃に入り込んだ膵臓組織を異所性膵(迷入膵)と呼んでいます。
胃の粘膜の下にある筋肉の層に入り込んでいますので、粘膜下腫瘍とよばれる形態をとります。
<症状>
通常は無症状のことが多く、胃カメラの検査でたまたま見つかることが多いです。
ただ、ごくまれに異所性膵が炎症を起こし(異所性膵炎)、みぞおちや背部の強い痛みを感じることもあります。
<異所性膵の内視鏡写真>
<治療>
基本的には無症状で特に害もないので、特別な治療は必要ありません。
ただ極々稀ではありますが、異所性膵が炎症を起こして「異所性膵炎」になったり、がん化した例の報告もあるので、定期的な内視鏡(胃カメラ)による経過観察が望ましいと考えます。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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