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胃痛・腹痛外来|原因と受診目安

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 胃痛・腹痛の原因は、胃炎・胃潰瘍、胆石、膵炎、虫垂炎、大腸炎、大腸がんなど多岐にわたります。

✅ 「みぞおちの痛み」でも、胃の病気とは限らず、胆のう・膵臓・腸の病気が隠れていることがあります。

✅ 痛みが強い、だんだん悪化する、発熱・嘔吐・血便・黒い便を伴う場合は、早めの受診が必要です。

✅ 胃薬で改善しない痛みや、繰り返す腹痛、便通異常を伴う腹痛では、胃カメラ・大腸カメラ・腹部エコーなどで原因を確認することが大切です。

✅ 巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、症状に応じて診察・血液検査・腹部エコー・胃カメラ・大腸カメラを組み合わせ、原因に合わせた診療を行っています。

「胃が痛い」「お腹が痛い」

という症状は、多くの方が一度は経験する身近な症状です。

一時的な食べ過ぎやストレスで起こることもありますが、なかには胃潰瘍、胆石、膵炎、虫垂炎、大腸炎、大腸がんなど、検査が必要な病気が隠れていることもあります。

特に慢性的に続く弱い痛みは、「いつものこと」と様子を見てしまいやすい症状です。しかし、痛みが軽くても、繰り返す場合や長引く場合は体からのサインであることがあります。

このページでは、胃痛・腹痛の主な原因、症状の見分け方、当院で行う検査、治療、早めに受診した方がよい目安について、巣鴨駅前胃腸内科クリニックの消化器内科専門医がわかりやすく解説します。

 

胃痛・腹痛でお悩みの方へ

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、胃痛・腹痛に対して、問診・診察、血液検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラなどを組み合わせ、原因に合わせた診療を行っています。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

 

胃痛・腹痛の原因は?

胃痛や腹痛は様々な内臓疾患によって起こり、その原因は多岐にわたります。

胃痛・腹痛の原因は非常に幅広く、痛みの場所だけで正確に判断することはできません。

同じ「みぞおちの痛み」でも、ある方は胃潰瘍、別の方は胆石、膵炎、虫垂炎、大腸の病気ということもあります。

原因によって治療法が大きく異なるため、症状の経過や痛みの場所、随伴症状を確認しながら、必要な検査を選ぶことが大切です。

<急に発生する痛み>

・胆石 

・腹膜炎 

・尿管結石 

胃アニサキス症

感染性胃腸炎(嘔吐下痢症・ノロウイルスなど) 

・急性膵炎 

急性虫垂炎(いわゆる盲腸)

大腸憩室炎

・婦人科疾患(卵巣捻転、子宮外妊娠など)

など

 

<慢性的な痛み>

表層性胃炎

胃潰瘍十二指腸潰瘍 

・慢性膵炎 

・消化器がん(胃がん、大腸がん、膵がんなど) 

機能性ディスペプシア

過敏性腸症候群 

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

など

代表的な病気とは?

1. 胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

みぞおちの痛み、胃の重さ、吐き気、食後の痛み、空腹時の痛みなどを起こすことがあります。ピロリ菌感染や痛み止めの薬、ストレス、飲酒、喫煙などが関係することがあります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍では、出血を伴うと黒い便が出ることがあります。ピロリ菌は、消化不良症状、消化性潰瘍、胃がんと関連する重要な感染症として扱われています[1]。

2. 機能性ディスペプシア

胃カメラや腹部エコーで大きな異常がないにもかかわらず、胃痛、胃もたれ、早期満腹感、吐き気などが続く病気です。

胃の動きの低下、胃酸への過敏性、ストレス、睡眠不足、胃内細菌叢の乱れなどが関係すると考えられています。機能性ディスペプシアでは、ピロリ菌の確認、制酸薬、消化管運動改善薬、漢方薬などを症状に合わせて検討します[2]。

当院では、機能性ディスペプシアの治療選択肢の一つとして、胃内環境の改善を目的にi-katsuを用いることがあります。

3. 胆石・胆のう炎

食後、特に脂っこい食事の後にみぞおちから右上腹部が痛む場合、胆石や胆のう炎が関係していることがあります。

痛みが背中に響く、吐き気を伴う、発熱がある場合は注意が必要です。胆石や胆のう炎は腹部エコーで確認しやすい病気の一つです。

4. 急性膵炎・慢性膵炎

みぞおちから背中にかけて強い痛みが出る場合、膵臓の病気を考えることがあります。急性膵炎では、強い腹痛、吐き気、発熱などを伴うことがあります。

膵臓は胃の奥にあるため、痛みが「胃痛」として感じられることもあります。血液検査や腹部エコー、必要に応じてCTなどで評価します。

5. 急性虫垂炎

虫垂炎は、最初にみぞおちやおへその周りが痛み、その後に右下腹部へ痛みが移動することがあります。

右下腹部を押すと強く痛む、歩くと響く、発熱や吐き気がある場合は注意が必要です。虫垂炎は急性腹痛の代表的な病気の一つで、診察、血液検査、画像検査を組み合わせて判断します[3]。

6. 大腸憩室炎

大腸の壁にできた小さなくぼみである憩室に炎症が起こる病気です。右下腹部や左下腹部の痛み、発熱、押したときの痛みなどを起こすことがあります。

軽症であれば外来治療が可能なこともありますが、炎症が強い場合や穿孔のリスクがある場合は入院が必要になることがあります。憩室炎後の大腸カメラは、炎症が落ち着いてから検討することが一般的です[4]。

7. 過敏性腸症候群(IBS)

腹痛に加えて、下痢、便秘、便通の変化、お腹の張りを繰り返す場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。

IBSは、腸の動きの乱れ、腸の知覚過敏、ストレス、食事内容などが関係します。ただし、血便、体重減少、発熱、貧血などがある場合は、IBSと決めつけず、大腸炎や大腸がんなどを除外する必要があります[5]。

8. 大腸がん・大腸ポリープ

大腸がんは、初期には症状が出にくいことがありますが、腹痛、便秘、下痢、便が細い、血便、貧血、体重減少などをきっかけに見つかることがあります。

「胃薬を飲んでも改善しない左上腹部の痛み」「便通異常を伴う腹痛」「血便を伴う腹痛」では、大腸由来の病気も考える必要があります。大腸がんの早期発見には、大腸カメラによる確認が重要です[6]。

症状の特徴

みぞおちが痛い

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア、胆石、膵炎、虫垂炎の初期などを考えます。

食後に痛い

胃潰瘍、機能性ディスペプシア、胆石、胆のう炎などを考えます。脂っこい食事の後に右上腹部や背中まで痛む場合は、胆のうの病気にも注意が必要です。

空腹時に痛い

十二指腸潰瘍や胃酸分泌過多が関係することがあります。夜間や明け方に痛みが出る場合もあります。

右下腹部が痛い

急性虫垂炎、大腸憩室炎、感染性腸炎、尿管結石、婦人科疾患などを考えます。発熱や押したときの強い痛みがある場合は早めの受診が必要です。

左下腹部が痛い

大腸憩室炎、便秘、過敏性腸症候群、大腸炎、大腸がんなどを考えます。血便や便通異常を伴う場合は、大腸カメラを検討します。

背中まで痛い

膵臓、胆のう、胃十二指腸潰瘍、尿管結石などが関係することがあります。強い痛みや吐き気を伴う場合は注意が必要です。

診察・鑑別

胃痛・腹痛の診察では、まず以下の点を確認します。

  • いつから痛むか
  • 急に始まったか、慢性的に続いているか
  • 痛みの場所はどこか
  • 痛みが移動しているか
  • 食事との関係があるか
  • 下痢・便秘・血便・黒色便があるか
  • 発熱・嘔吐・体重減少があるか
  • ピロリ菌感染歴、内服薬、飲酒、喫煙歴があるか

そのうえで、胃・十二指腸、胆のう、膵臓、大腸、小腸、尿管、婦人科疾患などを鑑別していきます。

検査は?

診察で状態を把握後に、適切な検査を行っていきます。

血液検査

炎症の程度を評価したり、疑わしい原因臓器の数値の異常がないかをみます。

腹部エコー

内臓の状態(胃の壁が腫れてないか、胆石がないか、腸の炎症がないか、膵臓はどうか、など)を体の外側から確認します。

(図:エコーでわかった胆石胆のう炎)

▶腹部エコーについて詳しくは、腹部エコー検査 のページをご参照ください。

胃カメラ(胃内視鏡)

胃潰瘍などの病気が疑われた場合に行い、内側から状態を調べます。

(写真:胃カメラで診断した胃アニサキス症

大腸カメラ(大腸内視鏡)

大腸がんや大腸炎などの大腸疾患が疑われた場合に考慮します。ただし炎症が強い場合には一旦落ち着いてから考えます。

(写真:大腸カメラで診断した虚血性腸炎)

カプセル内視鏡

炎症性腸疾患や小腸病変が疑われた場合に考慮します。

 (写真:小腸カプセル内視鏡で認めたクローン病の特徴的所見)

必要に応じた追加検査

症状や検査結果によっては、尿検査、便検査、CT検査、婦人科受診、泌尿器科受診などが必要になることもあります。

◆関連ページ:

治療は?

原因疾患によって治療が異なるため、基本的には検査で診断をつけた後に原因に合わせて治療を行っていく方針となります。

胃痛・腹痛の治療は、原因によって大きく異なります。

胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃酸を抑える薬、胃粘膜を保護する薬、ピロリ菌が陽性の場合は除菌治療を行います。黒い便や貧血がある場合は、出血の確認が必要です。

機能性ディスペプシア

制酸薬、消化管運動改善薬、漢方薬、生活習慣の見直しを行います。症状や胃内環境に応じて、当院ではi-katsuを用いた治療を行うことがあります。

胆石・胆のう炎

炎症が軽い場合は薬物治療で経過を見ることがありますが、繰り返す場合や炎症が強い場合は、連携医療機関での精査・治療が必要になることがあります。

急性虫垂炎

軽症の場合は抗生剤で経過を見ることもありますが、炎症が強い場合、穿孔が疑われる場合、悪化する場合は手術が必要になることがあります。

大腸憩室炎・感染性腸炎

炎症の程度に応じて、食事制限、整腸剤、抗生剤、点滴などを検討します。症状が強い場合は入院治療が必要になることがあります。

過敏性腸症候群

食事内容、生活リズム、ストレス、便通状態を確認し、整腸剤、漢方薬、便通を整える薬などを組み合わせます。

大腸がん・胃がんなどが見つかった場合

病変の場所や進行度に応じて、内視鏡治療、手術、薬物療法などが検討されます。当院で対応が難しい場合は、適切な高次医療機関へご紹介します。

受診の目安

以下のような胃痛・腹痛がある場合は、早めの受診をおすすめします。

  • 痛みが強い
  • 痛みがだんだん悪化している
  • 12時間以上痛みが続く
  • 発熱を伴う
  • 吐き気・嘔吐が強い
  • 水分が取れない
  • 血便がある
  • 黒い便が出る
  • 体重が減っている
  • 食欲不振が続く
  • 胃薬を飲んでも改善しない
  • 痛みが移動する
  • 同じ痛みを何度も繰り返す

 

迷った場合は一度ご相談ください

胃痛・腹痛は、原因によって必要な検査や治療が変わります。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。巣鴨駅周辺で胃痛・腹痛が続いている方、胃薬でよくならない方、便通異常を伴う方はご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

実際の治療例

以下、実際の治療例をいくつか挙げます。

 

① 50代 男性 食後の胃痛 

【症状】

2週間くらい前から食後の胃痛を感じおり、ここ数日は痛みが増強し、痛みで食事がとれないとのことで来院されました。

 

【診察】

食後に痛みがあること、また以前にピロリ菌を指摘され除菌は行っていないとのことで、第一に胃潰瘍の可能性を考え、鑑別疾患として膵炎胆のう炎なども想定し、まずはエコー検査を行い、胃や十二指腸・胆のう・膵臓などを観察することとしました。

 

【検査】

エコー検査では、胆のう・膵臓に異常はなく、胃の壁の肥厚と陥凹を認め、胃潰瘍を疑いました。

ご本人に胃潰瘍が疑われることをご説明し、引き続き胃カメラを行ったところ、実際に胃潰瘍を認め、診断が確定しました。

【治療】

胃や十二指腸の粘膜は、常に胃酸にさらされていますが、健康な状態では粘膜の防御機能によって胃酸により粘膜が傷つかないようになっています。

ただ、ピロリ菌痛み止めの薬などによりこの防御機能がうまく機能しなくなり、そこが胃酸にさらされることで、粘膜が傷つきただれてしまい、ついには一部が欠損し潰瘍になってしまいます。

ですので、潰瘍自体については胃酸を抑える制酸剤や粘膜を保護する粘膜保護剤を使い治療を行います。

また、食事についてはしばらくの間は刺激の少ない粥食や消化のよい和食系のものを召し上がっていくこととしました。

 

<治療内容>

①制酸薬

胃酸の分泌過多を抑える薬です。胃酸分泌を抑えることで、胃の粘膜の再生力で潰瘍は治癒していきます。今回はプロトンポンプ阻害薬(PPI)という薬を処方しました。

②粘膜保護薬

胃の粘膜の防御機能を高め、潰瘍による胃痛を抑え改善をより早めます。

 ③食事指導

 

【経過】

投薬開始翌日には痛みは取れてきており、3日目の再診時には痛みはほぼなくなったとのことでした。食事は通常食に戻し内服を続け、1か月後の再診時もほぼ問題ない状態でした。

 

胃潰瘍は90%近くがピロリ菌が原因となっており、今回もピロリ菌が陽性であったため、除菌も行うこととしました。

(実際にピロリ菌除菌後の潰瘍の再発率は 1~2%と極めて低いことが報告されています※1。詳しくは、ピロリ菌と潰瘍の関係を参照ください。)

抗生剤と制酸剤の組み合わせを1週間飲んでもらい、1か月後に再診をして頂き、呼気検査にてピロリ菌の除菌成功を確認しました。

その後、内視鏡検査でも潰瘍が完全に改善したことを確認し、治療はいったん終了としました。

ただ、ピロリ菌除菌後も胃がんのリスクがあるため※2、胃カメラは定期的に行っていく方針としています。

 

胃潰瘍はみぞおちの辺りの慢性的な痛みがでることが多く、食後に増強するのも特徴の一つです。出血を伴う場合は便が黒くなります。

大きな潰瘍は今回のようにエコーでもわかることも多く、最終的に胃カメラで確定診断します。

悪化すると出血したり胃に穴が開いたり(穿孔)、重症化することもあるため、慢性的な胃痛が続く場合は、エコーや胃カメラの検査を行うことが大切です。

参考文献:※1Miwa H, Sakaki N, Sugano K, et al. Recurrent peptic ulcers in patients following successful Helicobacterpylori eradication: a multicenter study of 4940 patients. Helicobacter 2004; 9: 9-16

※2Sugano K. Effect of Helicobacter pylori eradication on the incidence of gastric cancer: a systematic review and meta-analysis. Gastric Cancer 2019;

② 20代 女性 急に発症したみぞおちの痛み・右下腹部痛 

【症状】

前日夜から急にみぞおちの痛みが出現。改善するかと思い様子を見ていたが、どんどん増強してきたとのことで当院を受診されました。

 

【診察】

診察時にはみぞおちに加え、右下腹部にも痛みが出てきており、触診上でも右下腹部にかなり強い痛みがありました。

急激に症状が発症していることと、痛みがみぞおちから右下腹部に移動してきたことから急性虫垂炎(いわゆる盲腸)を疑いエコー検査を行いました。

 

検査】

エコー検査では、やはり急性虫垂炎の所見を認めました。

 

【治療】

エコー検査では虫垂の穿孔(穴が開くこと)はなく、血液検査でも炎症は軽症であり、抗生剤の点滴で炎症を散らすこととしました。

翌日の再診時には痛みはかなり落ち着いており、炎症は改善傾向であり、3日ほど抗生剤を続け、最終的に痛みの改善、エコーや血液検査でも炎症の鎮静化を確認し、いったん治療終了としました。

 

薬で散らした場合は15~30%程度の再燃リスクもあるため※1、落ち着いた後に1-3か月をめどに予防的に虫垂を切除する手術を行うケースもあります※2(今回は患者さん本人が希望されず、手術までは行いませんでした。)

 

急性虫垂炎は急激に起こる腹痛で始まる疾患です。最初に胃のあたりが痛み、右下腹に痛みが移動してくるような経過をたどることが多いです。

上記の経過と、触診で右下腹部に強い痛みのサインを認めると、虫垂炎を疑います。

エコー血液検査で診断し、程度が軽ければ、抗生剤の点滴や内服で散らします。ただ、重症時や抗生剤治療で悪化時には手術を考えます。(そのような場合には速やかに連携病院にご紹介させて頂きます。)

参考文献:※1)Tekin A, Kurtoglu HC, Can I, et al: Routine interval appendectomy is unnecessary after conservative treatment of appendiceal mass. Colorectal Dis 10:465-468,2018

※2)前田 大,藤崎真人,高橋孝行ほか:成人の虫垂膿瘍に対する interval appendectomy.日臨外会誌 64:2089-2094,2003

③ 40代 男性 腹部の激痛 

【症状】

朝から下腹部に強い激痛を感じ、しばらく耐えているといったんは落ち着いたものの、再度激痛が出現し、当院を受診されました。

 

【診察】

診察時には痛みはすこし和らいでいましたが、依然下腹部に鈍痛を感じていました。

腹部の触診では痛みの増強はありませんでしたが、左の背部を叩くと痛みが走り痛みに波があるとの症状と合わせて尿管結石を疑いエコー検査を行いました

 

【検査】

エコー検査では、やはり尿管内に結石を認め、検尿でも血尿を認め、尿管結石と診断しました。

 

【治療】

疼痛に対して痛み止めを処方し、結石自体に対しては溶解作用・抗炎症作用・利尿作用・排出促進効果を示すウロカルンという特効薬を用い投薬治療を行いました。

また、本人には排出促進のためどんどん水分を取ってもらい、尿を出してもらうように指示しました。

痛みは徐々に和らぎ、翌日の再診時には痛みは消えている状態でした。エコー上も結石は消失しており治療は終了となりました。

 

尿管結石はいきなりおこる腹部の激痛が特徴の疾患です。

痛みには波があり、落ち着いたり痛んだりを繰り返します。診察で腰を叩くと鋭い痛みが走ることがこの疾患に特徴的です。

 

診察で尿管結石を疑ったら、検尿エコーを行い診断します。診断後は本ケースのように、痛み止めとウロカルンという特効薬を使います。

また、薬で改善しない場合は、泌尿器科に紹介して、衝撃波で体外から結石を砕く体外衝撃波結石破砕術などを行います。

 

尿管結石は食事によるシュウ酸の摂取などが原因となることが多く1)、繰り返す場合も少なからずみられ、改善後も食事内容の見直し・水分摂取が再発予防のためには重要となります。

一実際に1 日2,000 mL 以上の水分摂取を行い,1 日尿量を2,500 mL以上とすることで再発リスクを61%に減少できるというデータもあります2)

参考文献:1)Holmes RP, Goodman HO, Assimos DG. Dietary oxalate and its intestinal absorption. Scanning Microsc. 1995;9:1109-18;discussion 1118-20.

2F)ink HA, Akornor JW, Garimella PS, et al. Diet, fluid, or supplements for secondary prevention of nephrolithiasis:a systematic review and meta-analysis of randomized trials. Eur Urol. 2009; 56:72-80

④ 40代 男性 急に発症した右の下腹部痛 

【症状】

朝から右下腹部にチクチクとした痛みを感じていました。

会社に行き経過を見ていましたが、次第に痛みが鋭く強くなり、早退して当院を受診されました。

 

【診察】

診察では、痛みは右下腹部に限局しており、押すと強い痛みが走る状態でした。

急性虫垂炎(いわゆる盲腸)大腸憩室炎などの腸管の炎症を考え、腹部エコー・レントゲン・血液検査を行いました。

 

【検査】

エコーを行うと、痛みの場所に一致して上行結腸の憩室(図:青矢印)と周囲の大腸の壁の肥厚(図:黄矢印)が描出され、大腸憩室炎と診断しました

血液検査でも炎症反応の上昇を認めましたが、腹部レントゲンでは穿孔(腸に穴が開くこと)の所見はなく、軽症と判断しました。

 

【治療】

憩室炎は重症の場合は入院して様子を見ることもありますが、軽症であったので外来で抗生剤治療を行うこととしました。

 

<治療内容>

①抗生剤

外来にて抗生剤の点滴を行い、内服薬の抗生剤も合わせて飲んで頂きました。

 

②食事制限

腸管を安静にし憩室部分に便による圧がかからないように、お食事は水分やスポーツドリンク、ゼリーやプリンなどの流動形のものの摂取にとどめてもらいました。

 

【経過】

受診当日は自宅で安静にしてもらい、翌日にクリニックを再診して頂いたところ、腹痛は改善してきており、血液検査での炎症反応も低下してきていました。

このままの治療方針で憩室炎の改善が見込める状態と判断し、抗生剤の点滴を再度行い、内服薬もを継続とし、食事については翌日痛みがさらに改善しているようであれば、おかゆやうどんなどの消化のよいもの食べて頂くようにし、3日後に再診としました。

再診時には痛みはほぼなくなっており、血液検査・エコーの所見とも改善しており、憩室炎の治療は終了となりました。

 

今回の方は、発症早期に受診して頂いたため、外来通院で完治することが出来ましたが、憩室炎は悪化すると穿孔といって腸が破れてしまい腹膜炎という重篤な状態に陥り緊急手術になったりするケースもあるので、炎症が強い場合や腹痛が強い場合には入院して慎重に経過を見る必要があります。

※関連ページ:大腸憩室の詳細について

⑤ 30代 女性 慢性的な胃痛

【症状】

以前からストレスを感じたり、疲れがたまってくると胃の痛みが出ており、市販の胃薬で様子をみていましたが、ここ最近は痛みが出る頻度が増え、慢性的に鈍痛を感じているとのことで当院を受診されました。

 

【診察】

現在は慢性的に痛みが続いているとのことですが、もともとはストレス時や疲れた時に症状が出ていたとのことから、機能性ディスペプシア(特に疾患があるわけではないのに胃の機能の調整機能が崩れて起こる症状)を考えました。

 

【検査】

機能性ディスペプシアは特に疾患がないにも関わらず、胃酸分泌過多による刺激や胃の粘膜の知覚過敏によって起こる胃痛ですが、実際に胃痛の原因となる疾患が潜んでないかをチェックするため腹部エコー胃カメラなどの検査を行いました。

腹部エコーでは、肝胆膵などの上腹部の臓器に痛みの原因となるような異常は認めませんでした。

また、胃カメラでも胃の中に病変はなく、ピロリ菌もなく異常所見はない状態でした。

 

【治療】

以上のように検査では特に疾患はなく、機能性ディスペプシアと診断しました。

機能性ディスペプシアは、ガンや潰瘍などの病変がないにも関わらず、心因的ストレス・疲労などの身体的ストレスなどが原因となり胃酸分泌過多や胃の粘膜の知覚過敏を生じ胃痛が生じます。

 

治療としては、制酸剤粘膜保護剤漢方薬を飲んでいただきました。

また機能性ディスペプシアの発症には、胃内細菌叢の変化が関わっているとされ、胃内細菌叢の正常化を期待して胃由来の乳酸菌を成分に持つ当院オリジナルサプリのi-katsuを用いました。

 

<治療内容>

① 制酸剤

胃酸分泌過多を抑えることで、胃痛が出ないようにします。

② 粘膜保護剤

胃の粘膜を刺激から保護し、痛みを抑えます。

③ 漢方薬

知覚過敏を抑えることで症状が出ないようにします。

④ サプリi-katsu

胃内細菌叢の改善や過剰な胃酸の分泌を抑える成分を含んでおります。

 

【経過】

内服を初めて3-4日すると、胃痛の頻度が減ってきて、1週間ほどたつと痛みはほとんどなくなったとのことでした。

2週間後再診時には痛みは全くなく、内服薬はいったん中止とました。

 

ただ、ストレス時などにまた胃痛が出るのが心配とのことで、薬は症状が出たときに屯用で飲んでいただくこととし、サプリは食品ですので、通常は副作用が出ることがなく、長期的に安全に飲んでいただけるので、常用することとし、現在も胃痛に悩まされずに生活されております。

⑥ 40代 男性 みぞおちの左側が痛む(大腸がん)

【症状】

1か月ほど前からみぞおちの左側に鈍痛を感じており、自然に治るかと思い様子を見ていましたが、一向に改善がないとのことで当院を受診されました。

 

【診察・検査】

みぞおちの左側の痛みの原因として

  • 胃、十二指腸病変
  • 膵臓病変
  • 横行結腸や下降結腸の病変

などが考えられ、痛みの原因を調べるため、胃内視鏡(胃カメラ)腹部エコー血液検査などを行いました。

 

【検査】

血液検査や腹部エコーは問題なく、胃カメラでも異常は認めませんでした。

実際の胃カメラの画像です。ピロリ菌もいない正常な状態でした。

一旦は、特に病気がなくてもストレスや疲れなどによる胃酸分泌過多などで生じる機能性ディスペプシアを考え、胃薬で様子を見ることとしました。

しかしながら1週間ほど服用を続けてもらいましたが症状は持続し、頻度としては高くないものの、横行結腸や下降結腸などの大腸疾患の可能性を考え大腸カメラを行うこととしました。

実際の大腸カメラの所見です

下降結腸に腫瘍(黄色矢印)を認め、内腔をやや圧排している状態で、生検でガン細胞を認め、大腸がんと確定診断となりました。

位置的には左上腹部に一致し、腫瘍により大腸が圧排され、ガスや便の通過時に圧がかかってしまうため鈍痛が出ていたと考えられました。

◆関連ページ:

【治療】

病変は手術が必要な進行がんであり対応できる高次医療機関に紹介し、同院にて手術を行いました。

幸いにも進行度はstageⅡAで手術で根治することが出来ました。

 

左腹部の痛みの原因としては、前述のように胃や十二指腸・膵臓疾患などが多くの割合を占めますが、時に今回のような大腸由来で症状が起こることがあります。

  • 胃薬で改善しないような痛み
  • 胃カメラやエコーで異常がない
  • 下痢・便秘・血便などの便通異常を伴う

上記に当てはまるものが一つでもあれば、原因精査のため大腸カメラを受けることを強くお勧めします。

 

このように胃痛・腹痛は原因によって治療が大きく異なるため、まずは診察・検査を行い適切な診断をつけることが重要です。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

 

よくある質問FAQ

Q. 突然胃が痛くなる原因は何ですか?

A. 急性胃腸炎、胃アニサキス症、胃潰瘍、胆石、急性膵炎、急性虫垂炎の初期、強いストレスによる胃酸分泌過多などが考えられます。痛みが強い、持続する、発熱や嘔吐を伴う場合は早めに受診してください。

Q. 胃が痛い時は何を食べればよいですか?

A. 痛みが軽い場合は、おかゆ、うどん、スープ、白身魚、豆腐など消化のよいものを少量ずつ食べてください。脂っこいもの、香辛料、アルコール、コーヒーは控えましょう。痛みが強い場合や嘔吐がある場合は無理に食べず、医療機関に相談してください。

Q. 胃痛が何日続いたら病院に行くべきですか?

A. 軽い痛みでも数日以上続く場合、繰り返す場合、胃薬で改善しない場合は受診をおすすめします。強い痛み、発熱、嘔吐、黒い便、血便、体重減少を伴う場合は、日数にかかわらず早めに受診してください。

Q. みぞおちの痛みは胃の病気ですか?

A. 胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアが原因のこともありますが、胆石、膵炎、虫垂炎の初期、大腸の病気でもみぞおちが痛むことがあります。痛みの場所だけでは判断できないため、症状が続く場合は検査が大切です。

Q. 胃薬を飲んでも腹痛が治らないのはなぜですか?

A. 胃以外の胆のう、膵臓、大腸、尿管などが原因の場合、胃薬では改善しないことがあります。また、胃潰瘍や胃がんなど、薬だけで判断してはいけない病気が隠れていることもあります。改善しない場合は診察・検査を受けましょう。

Q. 胃痛で胃カメラは必要ですか?

A. 胃痛が続く、繰り返す、食欲不振や体重減少がある、黒い便が出る、ピロリ菌感染歴がある、胃薬で改善しない場合は胃カメラを検討します。胃炎、胃潰瘍、胃がん、アニサキスなどを直接確認できます。

Q. 腹痛で大腸カメラが必要になるのはどんな時ですか?

A. 血便、便秘や下痢の繰り返し、便が細い、左下腹部痛、原因不明の腹痛、貧血、体重減少がある場合は大腸カメラを検討します。大腸炎、大腸ポリープ、大腸がんなどの確認に有用です。

Q. 腹部エコーでは何がわかりますか?

A. 胆石、胆のう炎、肝臓・膵臓・腎臓の異常、腸の炎症、尿管結石などを確認できます。胃カメラでは見えない臓器も調べられるため、腹痛の原因検索に役立ちます。

Q. ストレスで胃痛や腹痛は起こりますか?

A. はい。ストレスは胃酸分泌、胃腸の動き、腸の知覚過敏に影響し、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群の症状を悪化させることがあります。ただし、ストレスだけと決めつけず、長引く場合は病気の除外が大切です。

Q. 巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは胃痛・腹痛の検査を受けられますか?

A. はい。診察、血液検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラなどを症状に応じて行っています。症状が強い場合や検査結果によって高度医療機関での治療が必要と判断した場合は、連携医療機関へご紹介します。

まとめ

胃痛・腹痛はよくある症状ですが、原因は胃だけではありません。

胃炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアのような胃の病気に加えて、胆石、膵炎、虫垂炎、大腸憩室炎、過敏性腸症候群、大腸がん、尿管結石など、さまざまな病気で起こります。

大切なのは、痛みの強さだけで判断しないことです。軽い痛みでも、長引く、繰り返す、胃薬で改善しない、便通異常や血便を伴う場合は、検査で原因を確認する必要があります。

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、胃痛・腹痛に対して、問診・診察、血液検査、腹部エコー、胃カメラ、大腸カメラを組み合わせ、原因に合わせた治療を行っています。お困りの方は一度ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

医師紹介 神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

アクセス

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所在地

170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11  十一屋ビル4階

交通

巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階  

巣鴨駅前胃腸内科クリニック

JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら

▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833

▶【WEB予約

文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

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診察/検査予約

 

参考文献

  1. Chey WD, Howden CW, Moss SF, et al. ACG Clinical Guideline: Treatment of Helicobacter pylori Infection. Am J Gastroenterol. 2024.
  2. Moayyedi P, Lacy BE, Andrews CN, et al. ACG and CAG Clinical Guideline: Management of Dyspepsia. Am J Gastroenterol. 2017.
  3. Di Saverio S, Podda M, De Simone B, et al. Diagnosis and treatment of acute appendicitis: 2020 update of the WSES Jerusalem guidelines. World J Emerg Surg. 2020.
  4. Peery AF, Shaukat A, Strate LL. AGA Clinical Practice Update on Medical Management of Colonic Diverticulitis: Expert Review. Gastroenterology. 2021.
  5. Lacy BE, Pimentel M, Brenner DM, et al. ACG Clinical Guideline: Management of Irritable Bowel Syndrome. Am J Gastroenterol. 2021.
  6. Shaukat A, Kahi CJ, Burke CA, et al. ACG Clinical Guidelines: Colorectal Cancer Screening 2021. Am J Gastroenterol. 2021.

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

  

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