【のどの違和感や咳の原因?】咽喉頭酸逆流症とは|逆流性食道炎との違い・治療法を専門医が解説
「のどのつまり感が続く」「咳や痰が長引く」「胸やけは少ないのにのどの不快感が強い」──
その症状、咽喉頭酸逆流症(LPR: Laryngopharyngeal Reflux)かもしれません。
逆流性食道炎の一種ですが、胃酸が食道を超えてのど(咽頭・喉頭)にまで逆流することで起こり、気づかれにくく慢性化するケースも少なくありません【1】【2】。
当院では最新の胃カメラによる咽頭観察や、胃酸を整える治療・オリジナルサプリ「i-katsu」を組み合わせた治療を行っています。
咽喉頭酸逆流症とは?
咽喉頭酸逆流症(LPR)は、胃酸や消化液が食道を超えて咽頭・喉頭にまで逆流し、炎症や違和感を引き起こす病気です。
逆流性食道炎の一種であり、近年は耳鼻咽喉科や呼吸器科の患者さんにも見られることが増えています【3】。
主な症状
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のどのつまり感・異物感
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飲み込みにくさ(嚥下障害)
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咳や痰(特に夜間や朝方)
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胸やけ
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口の中の苦み・酸味
※特に食後や就寝中・起床時に起こりやすいのが特徴です。
原因
咽喉頭酸逆流症は胃酸分泌増加や咽頭の粘膜の知覚過敏、食道と胃の境目にある括約筋の機能低下など様々な要因が重なり、胃酸の逆流が生じて発症します。
・知覚過敏 : ストレス、睡眠不足、疲れなど
・胃酸分泌の増加 : 食生活(アルコールやカフェイン、食べ過ぎなど)の乱れ
・括約筋の低下 :胃と食道のつなぎ目の緩み=食道裂孔ヘルニア
胃から食道への逆流を防いでいる下部食道括約筋の締め付け機能の低下。もともとの体質や加齢などで生じてきます。
胃カメラの所見
最近では胃カメラの性能が向上し、のどもしっかりと観察をすることができ、咽喉頭酸逆流症では
・披裂部(のどの入り口のヒダ)の発赤・腫脹
・喉頭肉下腫形成
などの所見が見られます。
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治療
治療は逆流性食道炎とほぼ同様に、薬物療法+生活習慣改善+サプリ活用が柱となります。
① 薬物療法
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胃酸分泌抑制薬(PPI、P-CAB)
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消化管運動改善薬
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知覚過敏を抑える漢方薬
症状の出現タイミングや逆流の原因には個人差があるので、一人一人の症状に合わせ薬の種類を変えたり、飲み合わせを行ったり、服薬時間の工夫を行っていきます。
② 生活習慣の改善
1.食事内容の見直し
以下のものの過剰摂取は控えるようにします。
・アルコール:食道運動機能が低下し、食道の内圧が下がります。
・高たんぱく、高脂肪、香辛料、高カフェイン(コーヒー・お茶):胃酸の分泌過多につながります。
2.喫煙を控える
喫煙は食道運動の低下、腹圧の上昇を招きます。また喫煙により唾液中のアルカリ濃度が低下するため、唾液が食道に流れた時に胃酸に対する中和能力が落ちます。
3.食べ過ぎない(腹八分目)
食べ過ぎて満腹になりすぎると、胃の内圧が上がってしまい胃酸や胃内容の逆流が起こりやすくなります。
4.食後すぐに横にならない・寝る前には食べない
食後と夜寝ている間は胃酸がよく出ます。
加えて横になる姿勢だと、食道の位置が低くなり重力もかかりにくくなるため、胃酸が逆流しやすくなります。
5.ベルトなどでお腹を絞めすぎない
腹圧が上がり、胃酸の逆流の原因になります。③ 当院オリジナルサプリ「i-katsu」
薬が効きにくい方や副作用が心配な方には、胃酸の分泌を整えるオリジナルサプリ「i-katsu」を導入。
食品ベースのため副作用リスクが少なく、長期的に安心して服用できるのが特長です。
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胃酸の逆流は繰り返しやすい??
咽喉頭酸逆流症や逆流性食道炎は、一度改善しても再発しやすい病気です。
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胃酸分泌の増加や胃腸の動きの低下は、自律神経によって調整されており、ストレスや生活習慣の乱れで悪化しやすい
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薬で良くなっても、服薬をやめるとリバウンド現象で胸やけが再発することがある
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生活習慣の改善は大切だが、急な変化やストレス環境で難しい場合もある
そのため、薬の継続や胃酸分泌を整えるサプリ(i-katsu)の併用が再発予防に有効です。
サプリは食品なので長期に安全に使用でき、体質改善のサポートにもなります。
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
参考文献
- Koufman JA, et al. Laryngopharyngeal reflux: position statement of the committee on speech, voice, and swallowing disorders. Otolaryngol Head Neck Surg. 2002.
- 北村溥之ほか. 咽喉頭酸逆流症の臨床的特徴と診断基準. 耳鼻咽喉科臨床. 2003.
- Ford CN. Evaluation and management of laryngopharyngeal reflux. JAMA. 2005.
- 日本消化器病学会. 逆流性食道炎診療ガイドライン2021.
