胃底腺ポリープとは?胃カメラで見つかる良性ポリープと稀な胃がんの可能性|実際の症例あり
「胃にポリープがある」と聞くと、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし 胃底腺ポリープは多くの場合、ピロリ菌がいない方に発生する良性のポリープ で、基本的には治療や切除の必要はありません。
一方で、まれに胃がんと見分けがつきにくいケースもあるため、専門医による胃カメラでの経過観察が大切です。
今回は実際の症例とともに解説します。
胃のポリープについてご不安な方・お悩みの方はご参考にしていただければ幸いです。
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胃底腺ポリープとは?
・胃底腺ポリープ(Fundic gland polyp)は、胃の上部(胃底部)にできる小さな良性ポリープです。
・ピロリ菌感染のない方 に多くみられます【1】。
・大腸ポリープのように将来的にがん化するリスクは ほとんどありません【2】。
ポリープと聞くと嫌なイメージがありますが、上述のように大腸ポリープと違いガン化のリスクはほぼないため、基本的には切除は必要なく、見つかっても特に処置は行わず経過観察で問題ないことがほとんどです。
胃底腺ポリープの胃カメラ画像①
発生の背景
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ピロリ菌陰性例:ピロリ菌がいない方で自然発生することが多い。
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薬剤性(PPI関連):胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害薬:PPI)を長期服用している方にみられる場合もあります【3】。
胃底腺ポリープの胃カメラ画像②
注意が必要なケース
ただし例外として、胃底腺ポリープに似た胃がんや前がん病変もあるため、以下のような場合には生検(組織検査)が必要になります。
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発赤が強いポリープ
→ 「ラズベリー型胃がん」と呼ばれ、見た目がポリープに似ています【4】。 -
サイズが大きく、形が崩れているポリープ
→ 生検で胃がんと診断されることがあります。早期であれば内視鏡切除で根治可能です。
胃底腺ポリープと鑑別が必要な病変①:ラズベリー型胃がん
こちらもピロリ菌がいない人に出来るポリープですが、実はラズベリー型胃がんといわれる胃がんです。
胃底腺ポリープに比べて発赤が強いのが特徴ですが、最近疾患概念が確立されたばかりで認知度も低く専門医でも知らない医師がいるほどです。
検診で良性ポリープと言われた中にも紛れ込んでいる場合もあり、発赤が強いタイプのポリープを指摘されている方は注意が必要です。
胃底腺ポリープと鑑別が必要な病変②:胃底腺ポリープのがん化
前述の胃底腺ポリープを多数認め(青部分)、サイズが大きく表面に炎症を伴い形が崩れているものがあり(黄色部分)、生検を行ったところガンとの診断結果でした。
幸い早期の胃がんであり内視鏡で切除し、根治することができました。
胃底腺ポリープは基本的にはガン化しない良性ポリープですが、極稀にがんになることもあり、定期的に胃内視鏡(胃カメラ)を行い経過観察は必要と考えます。
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まとめ
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胃底腺ポリープは基本的に良性で、切除不要。
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ただし、ごく稀に胃がんと鑑別が必要なケースがある。
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定期的な胃カメラで経過観察することが安心につながります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 胃底腺ポリープが見つかったら必ず切除しないといけませんか?
A:いいえ。良性でがん化のリスクはほぼないため、基本的には切除不要です。
Q2. PPI(胃酸を抑える薬)を飲んでいるとポリープができると聞きましたが大丈夫ですか?
A:PPI関連の胃底腺ポリープも良性であり、経過観察で問題ありません。
Q3. 胃底腺ポリープから胃がんになることはありますか?
A: ほとんどありません。ただしまれに「胃がんと区別がつきにくいポリープ」や「がん化することがある」ため、生検で確認することがあります。
医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
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所在地
〒170-0002
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交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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参考文献
- Carmack SW, et al. Fundic gland polyps: Clinical characteristics and management. Am J Gastroenterol. 2009;104(6):1528-33.
- Shaib Y, et al. Risk factors of gastric polyps: A case-control study. Am J Gastroenterol. 2006;101(10):2195-2202.
- Freeman HJ. Proton pump inhibitors and gastric polyps: More questions than answers. World J Gastroenterol. 2008;14(9):1318-1320.
- Ueyama H, et al. Raspberry-like gastric cancer: A novel endoscopic appearance of early gastric cancer. Dig Endosc. 2020;32(2):301-308.
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