カプセル内視鏡(小腸・大腸)
カプセルを飲み込むだけ、楽な内視鏡検査
「腹痛があって色々検査したが原因がわからない」
「原因不明の血便が続いている」
「腸が心配。でもカメラの検査はちょっと怖い」
「前に受けた大腸カメラがすごく痛かった」
カプセル内視鏡はそんな方にも受けて頂きたい検査です。
<目次>
3.カプセル内視鏡のメリット・デメリット、スコープ式の内視鏡との違い
5.検査費用
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1.カプセル内視鏡ってなに?
カプセル内視鏡とは超小型カメラを内蔵したカプセル型の内視鏡で、口からごっくんと飲むだけの内視鏡検査です。
小腸や大腸の病変が直接観察できる患者さんに優しい検査です。
サプリメントや薬を飲むような感じで飲み込みます。
大きさは小腸用で長さ26㎜×幅11㎜、大腸用で長さ31.5㎜×幅11.6㎜程度です。
飲み込んだカプセルは小腸や大腸を1秒間に2-6枚と高速に撮影し、画像を外にある記録装置に転送します。
後で記録装置をパソコンに接続し、病変のチェック・診断を行います。
(最終的にカプセルはお尻から排出されますが、無理に回収せずにトイレに流してしまっても構いません。いわゆる使い捨てです。)
2.どんな人が受けるの?何がわかるの?
カプセル内視鏡は小腸用と大腸用の2種類があります。
検査の対象となる方はざっくりというと、小腸・大腸の病気が疑われる方、小腸・大腸の病気の経過を見る必要がある方、となります。
小腸の病気が疑われる方・病気の経過を見る必要がある方
・腹痛・腹満などの症状があり、CTや大腸カメラなどを受けたにも関わらず原因がはっきりとしない方
・原因不明の血便が続く方(血便外来ご参照ください。)
・クローン病やベーチェット病などで治療中の方
小腸は全長6-7mと長い臓器で全消化管の75%を占める臓器ですが、従来の検査では、その長さのため十分な観察ができなかったり、実際行われている小腸造影検査や小腸内視鏡(スコープ式)は体に負担がかかり、非常に時間もかかる検査でした。
カプセル内視鏡の登場で、より簡便に負担が少なく他の検査で見逃されていたような病気も検出することが可能になっています。
特に原因不明の血便の方では、小腸に腫瘍が見つかった方は10%弱に及び、うち半分が悪性腫瘍だったという報告もありますので、カプセル内視鏡はやっておいた方がよい検査です。
大腸の病気が疑われる方・病気の経過を見る必要がある方
・腹痛が続く方
・血便が続く方
・潰瘍性大腸炎などで治療中の方
大腸カプセル内視鏡は、カプセルを飲み込むだけなので、非常に楽に受けられるため、以前に大腸カメラを受けて苦痛が大きかった方も検査の良い適応です。
また、肛門からスコープを入れる通常の大腸内視鏡に抵抗がある方も、まずはカプセル内視鏡を受けてみるということも可能です。
※現在は大腸カプセル内視鏡は休止しております。
※カプセル内視鏡ができない方※
・消化管の閉塞や痩孔がある方・疑われる方:カプセルが通過しない可能性があります。
・心臓ペースメーカ又は他の電気医療機器が埋め込まれている方:カプセルからの画像が正常に記録装置に転送されない可能性があります。
・嚥下障害がある患者さん:カプセルが飲み込めない可能性があります。
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3.メリット・デメリット
カプセル内視鏡の最大の利点は、楽なことです。
検査自体の苦痛はほとんどなく、検査中は日常生活が送れるため仕事や家事を行いながら受けるとこもできます。
また、小腸カプセル内視鏡の場合は、検査中は2時間後から水分、4時間後から軽食を召し上がっていただけます。
ただ、デメリットももちろんあります。
スコープ式内視鏡と違い生検や治療ができないので、病変が見つかった場合は改めてスコープ式の内視鏡を受ける必要が出てきます。
大腸内視鏡検査の場合は、前処置の後も検査中も下剤を飲む必要がったり、前処置の状態によっては観察が十分にできないケースもあります。
4.検査の実際(前処置・検査の流れ・所要時間など)
<小腸カプセル内視鏡>
- 検査前の診察●
カプセル内視鏡は消化管の狭窄があると検査ができないため、小腸に閉塞や狭窄がないかどうかを腹部エコーやレントゲン検査で確かめます。
- 検査前日●
検査日前日の夕食は、消化の良い食事を摂って下さい。
検査前日の午後10時以降は、服薬に必要な少量の水以外は飲食しないでください。
検査開始の24時間前からは喫煙をは控えるようにしてください。
- 検査当日●
検査当日朝の朝食はお控えください。
①
上下分かれたゆったりとした服装で来院して下さい(センサーアレイを取り付けることから、上下別れた服装などが好ましいためです)。
検査の2時間前からは、基本的に薬も一切飲まないで下さい。
※但し、服薬について担当医師から別途指示があった場合は、それに従って下さい。
②
胸部と腹部にセンサーアレイを取り付けます。
③
記録装置(データレコーダ)が収納された専用ベルトを腰に装着します。
④
適量の水でカプセル内視鏡を飲み込んで下さい。(カプセル内視鏡を飲み込んだら、少なくとも2時間は物を食べたり飲んだりしないで下さい)
※但し、食事について担当医師から別途指示があった場合は、それに従って下さい
⑤
カプセル内視鏡を飲み込んだ後は、日常の生活に戻ることができます。
(カプセル内視鏡の通過で痛みを感じることはありません)
検査開始2時間後からはお水、4時間後からは軽い食事を摂ることができます。
※但し、食事について担当医師から別途指示があった場合は、それに従って下さい
⑥
検査中(カプセル内視鏡が体内で画像撮像を行っている)は記録装置(データレコーダ)のLEDが点滅しています。嚥下から約8時間経過した以降、記録装置のLEDの点滅が終了しているときは通常の食事を摂っても構いません(担当医師から特別な指示がある場合もあります)。
約11時間前後に検査が終了します。
検査終了後、検査機器(データレコーダ、センサーアレイ)を取り付けたままで検査施設に再来院して下さい。検査機器を取り外します(検査施設によっては、返却方法が異なる場合もあるので、担当医師にご確認下さい)。
⑦
通常、カプセル内視鏡は排便とともに体から自然に排出されます。
排出されたカプセルは所定の回収用の袋(収納用袋)に入れ、地方自治体や検査施設のルールに従い、適切に廃棄して下さい。
※2週間以上、カプセル内視鏡の排出が確認できない場合は、腹部単純X線検査を行い、カプセル内視鏡が存在する時は適切な処置を行います。
⑧
検査終了後、それぞれの検査機器を取り外します。検査結果については、担当の医師から後日、説明を受けることになります。
<大腸カプセル内視鏡>
※大腸カプセルは現在休止中です
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5.検査費用
※別途、診察費・前処置の薬代がかかります。
6.どうやれば検査ができますか?
カプセル内視鏡は保険適応も含めて一度医師と直接ご相談いただく必要があるので、ご希望の方はまずは外来にてご相談ください
7.カプセル内視鏡で見つかる疾患
小腸
・クローン病
・ベーチェット病
・小腸ポリープ・がんなどの腫瘍
・たんぱく漏出性胃腸症
・NSAIDs潰瘍
・小腸憩室・メッケル憩室 など
大腸
・大腸型クローン病
・潰瘍性大腸炎
・大腸ポリープ・がんなどの腫瘍
・大腸憩室症 など
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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