メニュー

急に食べ物がつまる原因は?サプリで起きた食道潰瘍の実例を内視鏡専門医が解説

[2026.04.28]

「急に食べ物がつまるようになった」「飲み込んだ後に、のどの下や胸のあたりで引っかかる感じがする」――

このような症状が出ると、食道に何か異常があるのではないかと不安になる方も多いと思います。

食べ物のつまり感は、一時的な違和感で自然に改善することもありますが、食道潰瘍、薬剤性食道炎、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄、まれに食道がんなどが関係していることもあります。

特に、急に症状が出た場合や、飲み込むと痛い、胸の奥が痛い、食事が通りにくい症状が続く場合には、食道の状態を胃カメラで確認することが大切です【1】【2】。

今回は、数日前から急に食べ物がつまるようになり、胃カメラで食道潰瘍が見つかった20代女性の実例をもとに、原因・検査・治療・受診の目安について専門医の院長が分かりやすく解説します。

食道のつまり感でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

💡本記事でお伝えしたいポイント

✅ 急に食べ物がつまる症状は、食道の病気が関係していることがあります。

✅ 薬やサプリを少量の水で飲んだり、飲んですぐ横になると、食道に停留して潰瘍を起こすことがあります。

✅ 食道潰瘍、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄、食道がんなどを見分けるために胃カメラが有用です。

✅ 飲み込むと痛い、胸の奥が痛い、食事が通りにくい症状が続く場合は、早めに消化器内科へ相談しましょう。

 

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

食べ物がつまるときに考える主な原因

食べ物がつまる感じがある場合、原因は「のど」だけでなく、「食道」にあることがあります。特に、飲み込む動作そのものはできるのに、飲み込んだ後にのどの下や胸の奥で止まるように感じる場合は、食道の炎症、潰瘍、狭窄、運動機能の異常などを考えます。

薬剤性食道炎・薬剤性食道潰瘍

薬やサプリメントを少量の水で飲んだり、服用後すぐに横になったりすると、錠剤やカプセルが食道に停留し、粘膜を傷つけて炎症や潰瘍を起こすことがあります。これを薬剤性食道炎、または薬剤性食道潰瘍と呼びます【1】。

飲み込むと痛い、胸の奥が痛い、食べ物が引っかかる感じがする、急に食事が通りにくくなった、という症状で見つかることがあります。

逆流性食道炎

胃酸が食道へ逆流して食道粘膜に炎症を起こす病気です。胸やけや呑酸が典型的ですが、のどの違和感、胸のつかえ感、飲み込みにくさとして感じることもあります。

胸やけを伴う場合や、横になると悪化する場合、食後に症状が出やすい場合には、逆流性食道炎も原因の一つとして考えます。

好酸球性食道炎

好酸球性食道炎は、食道にアレルギーに関連した炎症が起こる病気です。成人では、食べ物のつまり感や飲み込みにくさ、食べ物が食道で詰まる症状をきっかけに見つかることがあります【3】。

若い方でも起こることがあり、内視鏡検査で食道の縦走溝、輪状変化、白斑、狭窄などを確認し、必要に応じて組織検査を行います。

食道狭窄・食道がん

食道が狭くなる病気でも、食べ物が通りにくくなります。特に、症状が徐々に悪化する、固形物が通りにくい、体重が減る、胸の痛みがある、血が混じる、食事量が減ってきた、という場合は注意が必要です。

食道がんは初期には症状が乏しいこともありますが、進行すると食べ物のつかえ感、飲み込みにくさ、体重減少などが出ることがあります。気になる症状が続く場合は、早めの検査が大切です。

食道アカラシアなどの食道運動異常

食道の動きや胃への出口の開き方に異常があると、食べ物や水分がうまく胃へ流れず、つかえ感や逆流感を起こすことがあります。食道アカラシアなどの運動異常では、固形物だけでなく水分も通りにくいと感じることがあります。

「飲み込みにくい」と「飲み込んだ後につまる感じ」は少し違います

患者さんが「食べ物がつまる」と表現される症状には、大きく分けて2つのパターンがあります。

  • 飲み込みにくい:口やのどから食道へ送り込む段階でうまく飲み込めない状態
  • 飲み込んだ後につまる:飲み込むことはできるが、その後にのどの下や胸の奥で止まるように感じる状態

今回の症例では、飲み込み自体は可能でしたが、飲み込んだ後にのどの下のあたりで食べ物がつまる感じがありました。

このような場合、食道の炎症や潰瘍、狭窄などを考えて胃カメラで確認することが重要です。

実際の治療例:20代女性「急に食べ物がつまるようになった」

症状

4日ほど前から、食べ物が突然のどの下のあたりでつまるようになったとのことで来院されました。

食事のたびに違和感があり、「飲み込めないわけではないけれど、飲み込んだ後に途中で引っかかる感じがする」とのことでした。

診察で確認したこと

診察では、まず症状の出方を詳しく確認しました。

  • いつから症状が出たのか
  • 急に始まったのか、徐々に悪化しているのか
  • 固形物だけがつまるのか、水分も通りにくいのか
  • 飲み込むと痛みがあるか
  • 胸やけ、呑酸、胸の痛みがあるか
  • 体重減少や食欲低下があるか
  • 薬やサプリメントを飲んだ後に症状が出ていないか
  • 飲酒、喫煙、アレルギー歴があるか

今回の方は、飲み込み自体はできていましたが、飲み込んだ後にのどの下に食べ物がつまる感じがありました。

そのため、下記の病気を考え、胃カメラ検査を行うことにしました。

鑑別疾患として考えた病気
  • 薬剤性食道炎・薬剤性食道潰瘍
  • 逆流性食道炎
  • 好酸球性食道炎
  • 食道狭窄
  • 食道がん
  • 食道アカラシアなどの食道運動異常
  • 咽頭・喉頭の炎症や腫瘍性病変
  • 甲状腺や頸部の病変による圧迫症状

とくに、急に症状が始まった場合は、薬やサプリメントが食道に停留して起こる薬剤性食道炎・薬剤性食道潰瘍も重要な鑑別になります。

検査:胃カメラで食道潰瘍を確認

胃カメラ検査を行ったところ、のどを越えてすぐの上部食道に潰瘍を認めました。

潰瘍がある部分を食べ物が通過するときに刺激が加わったり、実際に潰瘍部分に食べ物が引っかかったりすることで、「食べ物がつまる感じ」が出ていたと考えられました。

胃カメラでは、食道の炎症、潰瘍、狭窄、腫瘍性病変、好酸球性食道炎を疑う所見などを直接確認できます。嚥下困難や食べ物のつまり感がある場合、原因を確認するうえで重要な検査です【2】。

💡胃カメラ検査について

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、鎮静剤による無痛胃カメラにも対応し、最短で当日中に胃カメラをお受け頂ける体制を整えています。食べ物のつまり感、胸のつかえ感、のどの違和感が続く方は、必要に応じて食道から胃・十二指腸まで確認します。

▶胃カメラ検査について詳しくはこちら

原因:サプリが食道に停留して潰瘍を起こした可能性

詳しくお話を伺うと、症状が出る前日に、美容サプリを少量の水で飲んだ際、少し詰まったような感じがあったものの、そのまま就寝してしまったとのことでした。

この経過から、サプリメントが食道に停留し、食道粘膜に刺激を与えて潰瘍化した可能性が高いと考えました。

薬剤性食道炎・薬剤性食道潰瘍は、薬そのものの刺激や、食道内に薬が長くとどまることによって起こります。カプセルや大きめの錠剤、刺激性のある薬剤などでは注意が必要です【1】。

薬剤性食道潰瘍とは

薬剤性食道潰瘍とは、薬やサプリメントが食道に停留し、食道の粘膜に傷をつけて潰瘍を起こす状態です。

通常、薬やサプリは十分な水で飲めば胃まで流れていきます。しかし、水の量が少ない、寝る直前に飲む、飲んだ後すぐ横になる、食道の動きが弱い、食道に狭い部分がある、といった条件が重なると、食道にとどまりやすくなります。

その結果、薬剤やサプリが食道粘膜に直接触れ続け、炎症や潰瘍を起こすことがあります。症状としては、飲み込むと痛い、胸の奥が痛い、食べ物がつまる、のどの下に引っかかる感じがする、などがあります。

薬やサプリで食道潰瘍を起こさないための飲み方

薬やサプリメントによる食道潰瘍を防ぐためには、飲み方がとても大切です。

  • コップ1杯程度の十分な水で飲む
  • 寝る直前の服用を避ける
  • 服用後すぐに横にならない
  • 大きな錠剤やカプセルでつかえた感じがあれば無理に追加で飲まない
  • 飲み込む力が弱い方や、過去に食道の病気がある方は医師・薬剤師に相談する

特に、就寝前に少量の水で薬やサプリを飲む習慣がある方は注意が必要です。薬を飲んだ後に胸の奥やのどの下に違和感が残る場合は、食道に停留している可能性があります。

治療:粘膜保護剤などで改善

今回の方には、食道潰瘍に対して粘膜保護剤などの投薬治療を行いました。また、潰瘍部分を刺激しないように、熱いもの、辛いもの、アルコールなどは控えていただきました。

治療開始後、3日目くらいから症状は徐々に改善し、1週間後の再診時には、食べ物のつまり感はほとんど感じない状態まで改善していました。

薬剤性食道炎や食道潰瘍は、原因となる薬剤やサプリの停留を避け、粘膜への刺激を減らすことで改善することがあります。ただし、症状が強い場合、出血がある場合、症状が長引く場合には、必ず医療機関で確認することが大切です。

受診の目安

食べ物のつまり感が一時的で、すぐに改善する場合は様子を見ることもあります。ただし、以下のような場合は、早めに消化器内科を受診してください。

  • 食べ物がつまる感じが数日以上続く
  • 飲み込むと痛い
  • 胸の奥が痛い
  • 固形物が通りにくい
  • 水分も飲みにくい
  • 症状が徐々に悪化している
  • 体重が減ってきた
  • 吐血や黒い便がある
  • 食事量が減っている
  • 薬やサプリを飲んだ後から違和感が続いている

とくに、嚥下困難、体重減少、消化管出血などの警告症状がある場合には、内視鏡検査で原因を確認することが推奨されています【2】。

院長からのコメント

急に食べ物がつまるようになると、「のどの病気なのでは」「食道がんではないか」と不安になる方も多いと思います。実際には、今回のように薬やサプリが食道に停留して潰瘍を起こしているケースもあります。

一方で、食べ物のつまり感の背景には、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄、食道がんなど、検査をしないと判断が難しい病気が隠れていることもあります。特に、症状が続く場合や、飲み込むと痛い、食事が通りにくい、体重が減るといった症状がある場合には、早めの確認が大切です。

当院では、症状の経過を丁寧に伺い、必要に応じて胃カメラで食道・胃・十二指腸の状態を確認しています。のどの下のつまり感、胸のつかえ感、食べ物が引っかかる感じでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

よくある質問

Q:急に食べ物がつまるようになった場合、何が原因ですか?

急に食べ物がつまる場合、薬剤性食道炎・食道潰瘍、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄、食道アカラシア、食道がんなどが原因として考えられます。特に、薬やサプリを飲んだ後から症状が出た場合は、薬剤性食道潰瘍も鑑別に入ります。

 

Q:サプリでも食道潰瘍になることはありますか?

はい、あります。サプリメントでも、少量の水で飲んだり、飲んだ後すぐ横になったりすると、食道に停留して粘膜を傷つけることがあります。特にカプセルや大きめの錠剤では注意が必要です。

 

Q:薬剤性食道炎ではどのような症状が出ますか?

飲み込むと痛い、胸の奥が痛い、のどの下に引っかかる感じがする、食べ物がつまる、胸やけのような症状が出ることがあります。症状が薬やサプリの服用後から始まった場合は、薬剤性食道炎・薬剤性食道潰瘍を疑います。

 

Q:食べ物がつまる症状があれば胃カメラは必要ですか?

症状の程度や経過によりますが、食べ物がつまる症状が続く場合、胃カメラで食道の状態を確認することが大切です。食道潰瘍、逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄、食道がんなどは、内視鏡で確認して判断します。

 

Q:のどに違和感があるだけでも食道の病気のことはありますか?

はい、あります。のどの違和感やつまり感は、耳鼻科領域の病気だけでなく、逆流性食道炎、咽喉頭逆流症、好酸球性食道炎、食道潰瘍などが関係することがあります。症状が続く場合は、食道も含めて確認することが大切です。

 

Q:食べ物がつまる症状と食道がんは関係ありますか?

食べ物がつまる症状の原因が必ず食道がんというわけではありません。ただし、食道がんでも食べ物の通りにくさ、胸のつかえ感、体重減少などが出ることがあります。症状が続く場合や徐々に悪化している場合は、早めに胃カメラで確認しましょう。

 

Q:薬やサプリはどのように飲めば食道に残りにくいですか?

コップ1杯程度の十分な水で飲み、服用後すぐに横にならないことが大切です。寝る直前の服用は避け、可能であれば体を起こした状態で飲むようにしましょう。飲んだ後に胸やのどの下に違和感が残る場合は注意が必要です。

 

Q:薬剤性食道潰瘍は自然に治りますか?

軽い場合は、原因となった薬やサプリの停留を避け、粘膜への刺激を減らすことで改善することがあります。ただし、潰瘍が強い場合や症状が続く場合には、粘膜保護剤などの治療が必要になることがあります。自己判断で様子を見すぎず、医療機関で相談しましょう。

 

Q:食べ物がつまる感じがあるとき、何科を受診すればよいですか?

飲み込んだ後にのどの下や胸の奥でつまる感じがある場合は、食道の病気が関係していることがあるため、消化器内科での相談をおすすめします。必要に応じて胃カメラで食道の状態を確認します。

 

Q:好酸球性食道炎でも食べ物がつまりますか?

はい。好酸球性食道炎では、食道にアレルギーに関連した炎症が起こり、飲み込みにくさや食べ物のつまり感が出ることがあります。若い方でも起こることがあり、内視鏡検査や組織検査で診断を検討します。

 

Q:一度改善しても、また同じ症状が出ることはありますか?

あります。薬やサプリの飲み方が同じままだと、再び食道に停留して症状が出る可能性があります。また、逆流性食道炎や好酸球性食道炎など別の原因がある場合も再発することがあります。症状を繰り返す場合は、一度原因を確認しましょう。

 

まとめ

急に食べ物がつまる症状は、一時的な違和感だけでなく、食道の炎症や潰瘍、狭窄などが関係していることがあります。

今回の症例では、サプリメントが食道に停留したことによる薬剤性食道潰瘍が疑われ、胃カメラで診断し、治療によって症状は改善しました。

 ✔ 急に食べ物がつまる場合、食道の病気を考える必要があります。

 ✔ 薬やサプリを少量の水で飲むと、食道に停留して潰瘍を起こすことがあります。

 ✔ 飲み込むと痛い、胸の奥が痛い、症状が続く場合は胃カメラで確認することが大切です。

 ✔ 逆流性食道炎、好酸球性食道炎、食道狭窄、食道がんなども鑑別に入ります。

 ✔ 薬やサプリは十分な水で飲み、服用後すぐ横にならないようにしましょう。

食べ物がつまる感じが続く方へ

「急に食べ物がつまる」「のどの下に引っかかる」「薬やサプリを飲んだ後から違和感が続く」という症状がある場合は、食道の状態を確認することが大切です。

症状でお困りの方は、巣鴨駅前胃腸内科クリニックへご相談ください。

👉 WEB予約はこちらから

📞 お電話でのご予約:03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

関連ページ

参考文献

  1. Saleem F, Sharma A. Drug-Induced Esophagitis. StatPearls. 2023. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK549818/
  2. Katz PO, Dunbar KB, Schnoll-Sussman FH, et al. ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. Am J Gastroenterol. 2022. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8754510/
  3. Schlager H, et al. Diagnosis and management of eosinophilic esophagitis and esophageal food impaction. 2024. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11387459/
  4. Dhar A, Haboubi HN, Attwood SE, et al. British Society of Gastroenterology and British Society of Paediatric Gastroenterology, Hepatology and Nutrition joint consensus guidelines on the diagnosis and management of eosinophilic oesophagitis. Gut. 2022. https://gut.bmj.com/content/71/8/1459

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

HOME

ブログカレンダー

2026年10月
月 火 水 木 金 土 日
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME