実際の治療例 “検診のバリウムで胃にポリープを指摘された”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
50代 男性 検診のバリウムで胃にポリープを指摘された
【症状】
特に自覚症状はありませんでしたが、検診で受けたバリウム検査で胃にポリープを指摘され来院されました。
【診察・検査】
バリウム検査で指摘されたポリープが実際にあるかどうか(バリウム検査では胃の中の泡がポリープと間違われることもあります)、ポリープがあるとしたら良性か悪性か、
調べるために胃カメラを行いました。
胃カメラを行うと、胃の中にポリープを複数認めました。
ピロリ菌はおらず、ポリープの色調や形・構造を観察し、ピロリ菌がいない人に出来る胃底腺ポリープと診断しました。
胃のポリープは
A:ピロリ菌がいない人や制酸剤の影響によって出来る胃底腺ポリープ
B:ピロリ菌による炎症が影響して出来る過形成性ポリープ
の2つに分けられます。 ※例外もあります
今回のポリープはAの胃底腺ポリープと呼ばれるタイプで、ガン化のリスクがほとんどないと言われており、定期的に胃カメラで状態を見ていく方針として一旦終了となりました。
ただし、極々稀にガン化するケースや、一見胃底腺ポリープに見えてもガン化のリスクがある「腺腫」と呼ばれる病変だったりすることもあるため、
内視鏡時には詳細に観察し、場合によっては生検を行い確定診断をつける場合もあります。
また、患者さんから「バリウム検査でポリープを指摘された際に、胃カメラは必要ですか?」といった質問を伺いますが、
当院では上記のような理由から胃カメラを受けることを強くお勧めしております。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
■関連ページ■