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便がすっきり出ない…原因は大腸がんだった|残便感から見つかった50代女性の実例

[2026.04.01]

「便は出るけれど、なんとなくすっきりしない」

「出し切れていない感じが続く」

「前はこんなことはなかったのに、最近ずっと残便感がある」

このような症状は、便秘過敏性腸症候群でもみられます。

一方で、大腸がんが大腸の内側を狭くすることで、便が出にくい・細くなる・残便感が続くこともあります。

大腸がんは早い段階では無症状のことも多いですが、ある程度進行すると血便、便通異常、腹痛、腹部膨満感などが出ることがあります。

今回は、「便がすっきりと出ない」ことをきっかけに受診され、直腸を越えてすぐのS状結腸に進行大腸がんが見つかった50代女性の実例をもとに、症状の見方、検査、治療について専門医の院長が分かりやすく解説します。

 

同様の症状でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

巣鴨駅前胃腸内科ではWEB予約・電話予約を受け付けております是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

 

実際の治療例|50代女性「便がすっきりと出ない」

症状

今回の患者さんは、数か月前から便がすっきり出ない、排便後も出切っていない感じがあるという症状が続いていました。

それまでは快便だったため、「何かおかしい」と感じて受診されました。

今までなかった便通の変化が続く場合は、痔や便秘だけでなく、大腸の中に狭くなる原因がないかを確認することが大切です

 

診察

「便がすっきり出ない」という症状からは、次のような病気を考えます。

1.便秘症

便が硬い、回数が少ない、出し切れない感じが続くときに多い原因です。

2.過敏性腸症候群(IBS)

腸の動きの乱れで、便秘、下痢、残便感、お腹の張りが出ることがあります。

3.大腸炎

潰瘍性大腸炎などでは、便意が残る感じ、粘液便、血便、腹痛を伴うことがあります。

4.大腸ポリープ・大腸がん

病変が大きくなると、腸の内側が狭くなり、便が通りにくくなって残便感や便の狭小化につながることがあります。

5.直腸周囲の病変

直腸の近くの病変では、便意が残る感じが強く出ることがあります。

大腸がんの症状は感染、痔、過敏性腸症候群など他の病気でも起こり得るため、症状だけで自己判断せず、必要に応じて大腸カメラで直接確認することが重要です【2】【6】。

今回も状態を正しく診断するため、大腸カメラ(内視鏡)を行いました。

 

大腸カメラ

直腸を超えてにすぐのS状結腸出血を伴う不整な腫瘍(青丸部分)を認め、生検を行い、大腸がんと診断しました

がんよって大腸の管腔は狭窄して(矢印部分)、便の通り道が細くなることで一度に便がすっきりと出ない状態となっていました。

大腸がんとは

大腸がんは、大腸の粘膜上皮から発生するがんです。

早期の段階では無症状のことが多い一方、進行すると血便、便通変化、腹痛、腹部膨満感などが出てきます【5】。

また、大腸がんが大きくなると、大腸の内腔が狭くなり、便の通り道が細くなるため、

  • 便が細くなる
  • 便が出切らない
  • 何度もトイレに行きたくなる
  • お腹が張る

といった症状につながります【5】【6】。

大腸がんの進行度は、がんの深さ(深達度)、リンパ節転移、遠隔転移の組み合わせで決まります。

一般に粘膜下層までにとどまるものを早期がん、それより深いものを進行がんと考えます【3】。

大腸がんの多くは、前がん病変であるポリープを経て発生すると考えられており、大腸カメラでポリープを見つけて切除することは、大腸がんの予防にもつながります【5】。

 

治療・経過

大腸がんの治療は、ステージ(病期)や病変の深さ、転移の有無、全身状態をもとに決めます【3】。

早期がんの場合

大腸がんが粘膜内、あるいは浅い粘膜下層にとどまっている場合は、内視鏡で切除できることがあります【1】【3】。

進行がんの場合

内視鏡だけでの治療が難しい場合は、手術(外科治療)が中心になります。

また、stage IIIや再発リスクが高いstage IIでは、術後に抗がん剤治療が検討されることがあります【3】【5】

今回の治療

今回は残念ながら進行がんの状態であり、高次医療機関でCTなどで大腸がんのステージを評価して治療方針を決める必要があり、対応できる医療機関に紹介となりました。

紹介先の病院では遠隔転移はなく、stageⅢ-Bの診断で手術と抗がん剤治療となりましたが、治療後は再発なく現在も経過観察中です。

院長からのコメント

「便がすっきり出ない」「残便感が続く」という症状は、便秘や腸の動きの問題でも起こります。

そのため、つい様子をみてしまう方が少なくありません。

ただ、それまで快便だった方に新しい便通異常が続く場合は、やはり一度原因を確認した方が安心です。

大腸がんは早期では症状が乏しい一方、進行すると便の通り道を狭くして、今回のような残便感、便が細い、便秘、血便、お腹の張りなどの形で見つかることがあります【1】【5】【6】。

大腸カメラは、症状の原因確認だけでなく、ポリープの段階で見つけて切除できれば、大腸がんの予防にもつながる検査です【5】。

「恥ずかしい」「つらそう」と感じて先延ばしにされる方もいますが、症状が続くときは我慢せずご受診ください。

早期受診が根治につながります。

 

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、最短で当日中に大腸カメラをお受け頂ける体制を整えています。

また鎮静剤による無痛大腸カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。

※受診時間や当日の状況によっては翌日以降の検査となる場合もあります

当院の大腸カメラの特徴
  • 鎮静剤や独自の低痛挿入法による苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

よくある質問

Q:便がすっきり出ないだけでも、大腸がんのことはありますか?

あります。大腸がんは進行すると大腸の内側が狭くなり、残便感、便が細い、便秘、お腹の張りなどの便通異常として現れることがあります【1】【5】【6】。

 

Q:残便感は便秘や過敏性腸症候群でも起こりますか?

はい。便秘症や過敏性腸症候群でも、出し切れない感じや便通異常は起こります。ただし症状だけで見分けることは難しく、必要に応じて大腸カメラで確認することが大切です【2】【6】。

 

Q:血便がなくても大腸がんはありますか?

あります。大腸がんは早期では無症状のことも多く、進行して初めて便通異常や腹痛、腹部膨満感などが出ることがあります。血便がないことだけで否定はできません【1】【5】。

 

Q:便が細い、すっきり出ないときは何科を受診すればよいですか?

消化器内科の受診がおすすめです。問診や診察のうえで、大腸カメラが必要かどうかを判断します。大腸がんが疑われる場合は、大腸内視鏡検査が重要です【1】【2】。

 

Q:大腸カメラでは何が分かりますか?

大腸カメラでは、大腸の内側を直接観察でき、ポリープ、大腸がん、大腸炎などの有無を確認できます。病変があれば組織を採取して詳しく調べることもできます【1】【2】。

 

Q:生検とは何ですか?

生検は、病変の一部を採取して顕微鏡で調べる検査です。大腸がんかどうかの確定診断に用いられ、治療方針を決めるためにも重要です【1】【2】。

 

Q:早期の大腸がんなら内視鏡で治療できますか?

病変が粘膜内や浅い粘膜下層にとどまっていれば、内視鏡で切除できることがあります。どこまで深く入り込んでいるかで治療法が変わります【1】【3】。

 

Q:進行していた場合は、どのような治療になりますか?

一般には手術が中心となり、ステージや再発リスクに応じて抗がん剤治療が追加されることがあります。治療は病期、転移の有無、体の状態などを総合して決めます【3】【5】。

 

Q:便潜血陰性なら安心してよいですか?

便潜血検査は大切な検診ですが、1回で全てを否定できるわけではありません。症状がある場合は検診ではなく診療として評価を受けることが重要です【1】【4】。

 

Q:どのくらい症状が続いたら受診した方がよいですか?

以前はなかった便通異常が数日以上続く場合や、残便感に加えて血便、便が細い、お腹の張り、腹痛、体重減少、貧血などを伴う場合は、早めの受診をおすすめします【5】【6】。

まとめ

便がすっきり出ない、残便感が続く――

この症状は、便秘や過敏性腸症候群でも起こりますが、大腸がんが大腸の中を狭くしているサインであることもあります。

大腸がんは早期では無症状のことが多く、進行してから

  • 便が細い
  • 便がすっきり出ない
  • 血便
  • お腹の張り
  • 腹痛

といった形で見つかることがあります【1】【5】【6】。

「よくあることだろう」と思っていた便通異常の背景に、治療が必要な病気が隠れていることもあります。

症状が続くときは、自己判断せず、一度大腸の状態を確認することが大切です。

 

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関連ページ

便が細い・便の狭小化をきっかけに見つかる大腸がんについては、以下のページでも詳しくまとめています。
大腸カメラ(内視鏡について)はこちらからご確認頂けます
その他の関連ページはこちら

医師紹介

神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるうような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

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参考文献

  1. 国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)検査」
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)治療」
  4. 厚生労働省「大腸がん検診について」
  5. 国立がん研究センター「大腸がんファクトシート2024」
  6. American Cancer Society. Colorectal Cancer Signs and Symptoms.
  7. 大腸癌研究会「大腸癌治療ガイドライン 医師用 2024年版」
 

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