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バレット食道とは?がん化のリスク・原因・胃カメラでの経過観察を専門医が解説

💡本記事でお伝えしたいポイント
  • バレット食道は、食道下部の粘膜が胃に近い粘膜へ置き換わった状態です。
  • 主な原因として、胃酸や胆汁の逆流が関係すると考えられています【1】【2】。
  • バレット食道は、食道腺がんのリスクと関係します【3】【4】。
  • ただし、バレット食道と診断された方全員ががんになるわけではありません。
  • 大切なのは、胃カメラで範囲・炎症・異型・がんを疑う所見の有無を確認することです。

本記事ではバレット食道や関係する疾患や、受診のタイミングについて、消化器専門医の神谷院長がわかりやすくお伝えします。

バレット食道を指摘された方や治療方針でお困りの方がいらっしゃれば、このケースが受診のきっかけになれば幸いです。

 

バレット食道を指摘された方、胸やけ・げっぷ・のどの違和感が続く方は、胃カメラで状態を確認することが大切です。

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、胃カメラによる食道と胃のつなぎ目の観察、逆流性食道炎の有無、バレット食道の範囲、食道がんを疑う所見の有無を丁寧に確認しています。

WEB予約・電話予約を受け付けておりますので是非ご相談ください。

WEB予約はこちら 03-5940-3833

バレット食道とは?

バレット食道とは、胃と食道のつなぎ目から食道下部にかけて、本来は食道にあるはずの粘膜が、胃に近いタイプの粘膜へ置き換わっている状態をいいます。

食道の粘膜は本来、胃酸に強くありません。そのため、胃酸や胆汁が何度も食道へ逆流すると、食道下部の粘膜に炎症が起こります。その炎症が長く続くことで、食道の粘膜が胃に近い粘膜へ変化していくと考えられています【1】【2】。

バレット食道そのものは、診断された時点ですぐにがんという意味ではありません。しかし、食道腺がんの発生と関係するため、状態に応じた経過観察が重要です【3】【4】。

バレット食道の原因|逆流性食道炎の関係

バレット食道の大きな背景として、逆流性食道炎があります。

逆流性食道炎とは、胃酸や胃の内容物が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症を起こす病気です。胸やけ、げっぷ、酸っぱいものが上がる感じ、みぞおちの違和感、のどの違和感、咳払いなどの症状が出ることがあります。

胃酸や胆汁の逆流が長く続くと、食道下部の粘膜が刺激を受け続け、バレット食道につながることがあります【1】【2】。

関連ページ

胸やけ・げっぷ・呑酸・のどの違和感がある方は、逆流性食道炎が背景にあることがあります。

逆流性食道炎の原因・症状・治療について

ショートバレット食道とロングバレット食道の違い

バレット食道は、胃の粘膜に近い変化が食道側へどのくらい広がっているかによって、主に次のように分けられます。

  • ショートバレット食道(SSBE):3cm未満
  • ロングバレット食道(LSBE):3cm以上

一般的には、範囲が長いロングバレット食道の方が、ショートバレット食道よりも発がんリスクが高いと考えられています【3】【4】。

ただし、リスクは長さだけで決まるものではありません。男性、喫煙、バレット食道の長さ、細胞異型の有無などもリスク評価に関係します【5】。

バレット食道はがんになりますか?

バレット食道は、食道腺がんのリスクと関係します。ただし、バレット食道と診断された方全員ががんになるわけではありません。

日本では食道がんの多くは扁平上皮がんですが、近年はバレット食道を背景とした食道腺がんも注目されています【3】。

大切なのは、過度に怖がることではなく、胃カメラでバレット食道の範囲や炎症、異型、がんを疑う変化がないかを確認し、必要に応じて定期的に経過をみることです。

食道がんについて詳しく知りたい方へ

バレット食道は食道腺がんと関係しますが、食道がんには他のタイプもあります。症状や検査について知りたい方はこちらもご覧ください。

食道がんの原因・症状・検査について

バレット食道で注意したい症状

バレット食道そのものは、症状がはっきり出ないこともあります。

ただし、背景に逆流性食道炎がある場合には、以下のような症状がみられることがあります。

  • 胸やけ
  • げっぷが多い
  • 酸っぱいものが上がる感じがある
  • みぞおちの違和感や痛み
  • 食後に胃酸が上がる感じ
  • のどの違和感
  • 咳払いが続く
  • 声がかすれる
  • 食べ物がつかえる感じ

特に、食べ物がつかえる、飲み込みにくい、体重が減る、黒い便が出る、貧血を指摘されたなどの症状がある場合には、早めに胃カメラで確認することが大切です。

のどの違和感が続く方へ

耳鼻科で異常なしと言われても、胃酸逆流が関係していることがあります。

のどのつかえ・違和感外来について

胃カメラで確認するポイント

バレット食道の状態を正確に確認するためには、胃カメラが重要です。

胃カメラでは、以下のような点を確認します。

  • バレット食道の範囲=ショートバレット食道かロングバレット食道か
  • 逆流性食道炎を伴っているか
  • 細胞の異型があるか
  • 食道がんや異型を疑う隆起・陥凹・発赤・不整な粘膜がないか

バレット食道は、見た目だけでなく「どの範囲にあるか」「変化が進んでいないか」を継続的に確認することが大切です。

胃カメラをご検討中の方へ

当院では、経鼻内視鏡・経口内視鏡・鎮静剤の使用など、患者さんの不安や苦痛に配慮した胃カメラを行っています。

当院の胃カメラ検査についてはこちら

バレット食道の治療・進行予防

一度できたバレット食道そのものが完全にもとの食道粘膜に戻ることは、一般的には難しいと考えられています。

そのため、治療の目的は主に以下の2つです。

  • 胃酸や胆汁の逆流を抑え、バレット食道が進展しにくい状態を作ること
  • 胃カメラで定期的に状態を確認し、食道がんを疑う変化を早期に見つけること

逆流性食道炎を伴う場合

胃カメラで逆流性食道炎を伴っている場合や、胸やけ・のどの違和感・呑酸などの症状がある場合は、まず逆流性食道炎の治療を行います。

治療では、以下を組み合わせて行います。

  • 胃酸分泌を抑える薬
  • 胃の動きや逆流を整える薬
  • 食事・姿勢・体重管理などの生活習慣の見直し
  • 必要に応じた再検査・経過観察

胃酸分泌抑制薬は、逆流性食道炎の治療で重要な役割を持ちます【6】。

逆流性食道炎を伴わない場合

逆流性食道炎を伴わない場合でも、バレット食道の範囲や状態に応じて経過観察を行います。

症状がないからといって完全に放置してよいとは限りません。特に、ロングバレット食道、喫煙歴がある方、過去に異型を疑われた方、食道がんのリスクが気になる方は、医師と相談しながら胃カメラの間隔を決めることが大切です。

当院でのi-katsuの使用について

当院では、バレット食道の進展予防や逆流性食道炎の再発予防の一つとして、胃酸分泌過多の適正化を目的に、治療の一環としてi-katsuを使用することがあります。

i-katsuは、乳酸菌と生薬を組み合わせた当院の治療選択肢の一つです。薬だけに頼らず、胃酸分泌の過剰、胃の動き、胃内環境などを整える目的で使用します。

ただし、バレット食道の状態や逆流性食道炎の程度によって適した治療は異なります。胃カメラの所見や症状を確認した上で、薬・生活習慣・i-katsuなどを組み合わせて方針を決めていきます。

胃カメラでの経過観察の目安

バレット食道の胃カメラの間隔は、バレット食道の長さ、炎症の有無、異型の有無、過去の検査結果、症状、喫煙歴などによって変わります。

ただし、日本人ではバレット食道の頻度や食道がんのタイプ、医療環境が欧米と異なるため、実際の経過観察間隔は一律ではありません。日本の診療では、胃カメラ所見や患者さんごとのリスクに応じて判断することが大切です【6】。

当院では、バレット食道の範囲や炎症の程度、症状、過去の所見に応じて、必要な方には半年〜1年ごとの胃カメラをおすすめしています。

関連ページ:

胃カメラ|実際の検査の流れや鎮静剤・スコープ選択による無痛胃カメラの詳細がご確認いただけます

生活習慣で気をつけること

バレット食道の背景には、胃酸や胆汁の逆流が関係します。そのため、逆流を起こしにくい生活習慣を整えることも大切です。

  • 食べ過ぎを避ける
  • 脂っこい食事を控えめにする
  • 夕食後すぐに横にならない
  • 寝る前の食事・飲酒を控える
  • 肥満がある場合は体重管理を行う
  • 喫煙している方は禁煙を考える
  • ベルトや衣服でお腹を締め付けすぎない
  • 前かがみの姿勢を長時間続けない

特に喫煙は、バレット食道から腫瘍性変化への進展リスクと関連することが報告されています【5】。

受診の目安

以下に当てはまる方は、消化器内科での相談をおすすめします。

  • 健診や胃カメラでバレット食道を指摘された
  • バレット食道と言われたが、その後胃カメラを受けていない
  • 胸やけやげっぷが続いている
  • 酸っぱいものが上がる感じがある
  • のどの違和感や咳払いが続いている
  • 食べ物がつかえる感じがある
  • 飲み込みにくさがある
  • 体重減少や貧血を指摘された
  • 黒い便が出た
  • 食道がんや胃がんが心配

胃カメラをご希望の方へ

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、鎮静剤による無痛胃カメラにも対応しております。是非ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

当院の胃カメラの特徴
  • ご自身に合わせた鎮静剤やスコープ調整で苦しくない内視鏡検査

  • 高解像度スコープで小さな病変も発見

  • 土日対応、事前診察は原則不要

当院の胃カメラの特徴として、鎮静剤調整、経鼻・経口内視鏡の選択、専門医による検査、当日・土日対応をまとめた医療図解

院長コメント

バレット食道と聞くと、「がんになるのではないか」と不安になる方が多いと思います。

しかし、バレット食道は見つかった時点ですぐにがんという意味ではありません。大切なのは、胃カメラで現在の状態を正しく把握し、逆流性食道炎があればしっかり治療し、必要に応じて定期的に確認していくことです。

特に、胸やけ・げっぷ・のどの違和感が続いている方、以前バレット食道を指摘されたままになっている方は、お力になれますので一度ご相談ください。

お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833

よくある質問

Q1. バレット食道はがんですか?

A. バレット食道は、診断された時点ですぐにがんという意味ではありません。ただし、食道腺がんのリスクと関係する状態のため、胃カメラで定期的に状態を確認することが大切です。

 

Q2. バレット食道は自然に治りますか?

A. 一度できたバレット食道が完全にもとの食道粘膜に戻ることは、一般的には難しいと考えられています。そのため、逆流を抑えて進展を防ぐことと、胃カメラで経過を確認することが重要です。

 

Q3. バレット食道と逆流性食道炎は同じ病気ですか?

A. 同じ病気ではありません。逆流性食道炎は胃酸などの逆流で食道に炎症が起こる病気です。バレット食道は、そのような逆流や炎症が長く続くことで、食道下部の粘膜が胃に近い粘膜へ変化した状態です。

 

Q4. バレット食道を放置するとどうなりますか?

A. すぐに問題が起こるとは限りませんが、バレット食道は食道腺がんのリスクと関係します。特に、ロングバレット食道、喫煙歴がある方、異型を疑われた方、症状が続く方は、自己判断で放置せず胃カメラで確認することが大切です。

 

Q5. 胃カメラはどのくらいの間隔で受けるべきですか?

A. バレット食道の長さ、炎症の有無、異型の有無、症状、過去の検査結果によって異なります。欧米では異型を伴わない短いバレット食道では5年ごと、3cm以上では3年ごとなどの目安がありますが、日本では患者さんごとのリスクに応じて判断します。当院では状態によって半年〜1年ごとの確認をおすすめすることがあります。

 

Q6. ショートバレット食道とロングバレット食道は何が違いますか?

A. バレット食道の範囲が3cm未満の場合をショートバレット食道、3cm以上の場合をロングバレット食道と呼びます。一般的には、ロングバレット食道の方が発がんリスクが高いと考えられています。

 

Q7. バレット食道で薬は必要ですか?

A. 逆流性食道炎を伴う場合や、胸やけ・げっぷ・呑酸などの症状がある場合には、胃酸分泌を抑える薬などを使うことがあります。症状や胃カメラ所見によって必要な治療は異なるため、医師と相談して決めることが大切です。

 

Q8. 胸やけがなくてもバレット食道になることはありますか?

A. あります。逆流症状がはっきりしない方でも、胃カメラでバレット食道が見つかることがあります。健診や胃カメラで指摘された場合は、症状がなくても一度状態を確認しましょう。

 

Q9. バレット食道では食事や生活習慣で何に注意すべきですか?

A. 食べ過ぎ、脂っこい食事、寝る前の食事、食後すぐ横になること、肥満、喫煙などは逆流を悪化させることがあります。生活習慣の見直しとあわせて、必要に応じて薬や当院での治療選択肢を組み合わせます。

 

Q10. 健診でバレット食道と言われたら受診した方がいいですか?

A. はい。バレット食道の範囲、逆流性食道炎の有無、食道がんを疑う所見の有無を確認するために、消化器内科で相談することをおすすめします。過去の胃カメラ画像や健診結果があれば持参してください。

まとめ

  • バレット食道は、食道下部の粘膜が胃に近い粘膜へ置き換わった状態です。
  • 主な原因として、胃酸や胆汁の逆流が関係します。
  • バレット食道は食道腺がんのリスクと関係しますが、すぐにがんという意味ではありません。
  • 胃カメラで、範囲・炎症・異型・がんを疑う所見の有無を確認することが大切です。
  • 胸やけ・げっぷ・のどの違和感が続く方、健診でバレット食道を指摘された方は、消化器内科で相談しましょう。

バレット食道を指摘された方へ

不安なまま放置するのではなく、現在の状態を胃カメラで確認し、必要な治療や経過観察の間隔を決めることが大切です。

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医師紹介:神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長

📍経歴

国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、

消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。

胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、

内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。

2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。

内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医

🩺 診療にあたっての想い

胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。

「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」

そんな方にも安心して診察や検査を頂けるような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。

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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介

 (消化器学会・内視鏡学会専門医)

参考文献

  1. Fass R, Hell RW, Garewal HS, et al. Correlation of oesophageal acid exposure with Barrett's oesophagus length. Gut. 2001;48:310-313.
  2. Koek GH, Sifrim D, Lerut T, et al. Multivariate analysis of the association of acid and duodeno-gastro-oesophageal reflux exposure with the presence of oesophagitis, the severity of oesophagitis and Barrett's oesophagus. Gut. 2008;57:1056-1064.
  3. 日本消化器病学会. 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021 改訂第3版. 南江堂. 2021.
  4. Chandrasekar VT, Hamade N, Desai M, et al. Significantly lower annual rates of neoplastic progression in short- compared to long-segment non-dysplastic Barrett's esophagus: a systematic review and meta-analysis. Endoscopy. 2019;51:665-672.
  5. Parasa S, Vennalaganti S, Gaddam S, et al. Development and Validation of a Model to Determine Risk of Progression of Barrett's Esophagus to Neoplasia. Gastroenterology. 2018;154:1282-1289.
  6. 日本医療機能評価機構 Mindsガイドラインライブラリ. 胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版).
  7. Shaheen NJ, Falk GW, Iyer PG, et al. Diagnosis and Management of Barrett's Esophagus: An Updated ACG Guideline. Am J Gastroenterol. 2022.

 

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