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炎症性腸疾患外来

炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)外来

※当院は東京都難病指定医療機関及び難病指定医です。

※大変申し訳ありませんが、現在クローン病の新規の患者様の受け入れは一旦停止しております。

1.炎症性腸疾患とは?

2.原因は?

3.症状は?

4.検査は?

5.治療は?

6.難病医療費助成制度とは?

 

1.炎症性腸疾患とは?

大腸や小腸などの消化管の粘膜に原因不明の慢性的な炎症をひきおこす疾患を炎症性腸疾患と呼びます。疾患としては“潰瘍性大腸炎”と“クローン病”があります。

 いずれの疾患も原因不明であり、根本的に治す治療が未だにありません。生涯を通して病気をコントロールしていく必要があるため、指定難病とされており、長期の療養を必要とするため医療費の経済的負担に対しての支援が受けられます。(詳しくは6.難病医療費助成制度とは?をご参照ください。)

 大変な病気ではありますが、一緒に病気を抑え、上手く付き合っていく治療を行っていきましょう。

 

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 2.原因は? 

炎症性腸疾患は、体の免疫機構の異常によっておこっています。

私たちの体の中にはウイルスや細菌が体内に侵入した際に攻撃する免疫細胞(白血球など)がありますが、この細胞が腸や本来共存すべき腸内細菌に対して攻撃的に働いてしまい、腸の粘膜に慢性的に炎症が引き起こされます。

(※図準備中)

 

ただ、なぜ免疫機構の異常が起こるかということは、はっきりと分かっていません。

最近の研究では、遺伝子の関与や腸内細菌叢の変化などが原因になりうるのではということが言われています。

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3.症状は?

腸の慢性的な炎症なので、下痢や血便がよく見られますが、潰瘍性大腸炎とクローン病で症状がやや異なります。

また、腸管以外の症状として、関節炎、皮膚症状(結節性紅班・壊疽性膿皮症)・眼炎などがあります。

 

<潰瘍性大腸炎>

・下痢、粘血便などの便通異常

・良くなったり悪くなったり慢性的に経過することが多い。

・直腸の知覚異常(便なのかガスなのか分かりにくくなる)

※悪化してくると、腹痛、発熱、食欲不振、体重減少、貧血などが起こる

 

<クローン病>

・腹痛

・下痢

・痔ろうなどの肛門病変

・体重減少

・発熱

・口内炎

※悪化すると、腸管の狭窄・腸閉塞、腸穿孔、大量下血をきたすことがある。

 

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4.検査は?

診察の上、必要に応じて下記の検査を行います。

炎症性腸疾患の診断には、他の病気がないかをチェックして診断する「除外診断」が必要となるため、様々な検査を組み合わせます。

 

<血液検査>

炎症の程度や、栄養状態、貧血の有無などを確認します。

また、腸炎の合併を調べるためサイトメガロ抗体・抗原などの感染症関連の項目を調べることもあります。

 

<腹部レントゲン・エコー>

腸管の狭窄や異常なガス貯留がないかの確認を行います。

一般にエコーは腸管のガスが邪魔をしてしまい観察には向かないと言われていますが、炎症性腸疾患では腸の壁が浮腫み、腸液が貯留しガスが減ります。周りの腸間膜へも炎症が広がり、周りの腸からも浮き上がって観察されるため、病気がある場合はむしろ観察しやすいと言えます。

エコーは体に負担をかけずに外来ですぐに簡単に行えるため、非常に有効です。

潰瘍性大腸炎のエコー像はこちら>>>

 

<便培養>

炎症性腸疾患と感染による腸炎との区別をつけるため、便の中に病原性のある菌(O-157やカンピロバクターなど)の繁殖がないかを調べる必要があります。

 

大腸内視鏡(大腸カメラ)

炎症性腸疾患が疑われた場合は、大腸カメラを行い診断を確定させます。

大腸の粘膜を直接観察することで、炎症の程度や範囲を確認し、場合によっては粘膜を生検し細胞レベルでの変化をみます。

また、診断後も治療の効果判定や発がんのチェックを行うために大腸カメラは非常に重要です。

UCとCD

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5.治療は?

炎症性腸疾患は、原因が分かっておらず根本的な治療が難しいため、腸の粘膜に起こった炎症を抑え込み、腸を普通の状態に戻すこと(=寛解が治療の目標になります。

ただ、炎症性腸疾患は寛解・再燃を繰り返すことも特徴の一つであり、寛解になったからといって治療終了ではなく、寛解期を維持してくため薬を続けていき、病気をしっかりとコントロールしていく必要があります。

 UC経過

 

 

治療法は、潰瘍性大腸炎とクローン病で異なります。

 

<潰瘍性大腸炎>

潰瘍性大腸炎は直腸から口側に広がっていきます。病気の広がりの範囲により3タイプに分かれ、また重症度によって軽症・中等症・重症に分けることが出来、治療法が変わってきます。

潰瘍性大腸炎分類

 

UC重症度軽症の方は5ASA製剤(後述)の内服や直腸炎型の方には座薬・注腸を用い、基本的に食事の制限はありません。

悪化した場合や治療に反応がない場合は、免疫を抑える内服薬の追加や血球除去治療・生物学的製剤の投与を行います。

重症の場合は入院しての絶食の上、強力な治療がが必要になります。

また、最近では、便移植といった新しい治療や漢方薬による治験も行われており、結果が待たれます。

 

当院で行っている治療としては下記のようなものがあります。

ご本人の潰瘍性大腸炎の範囲・重症度と、治療による副作用などを考慮し、どの治療を選択するかを患者さんと相談しながら一緒に考えていきます。

 

【内服薬治療】

・5-アミノサリチルサン(5-ASA)製剤

潰瘍性大腸炎の治療のベースとなる薬です。大腸の粘膜に直接作用して炎症を抑えます。

軽症から中等症の潰瘍性大腸炎の半数以上の方がこの薬の内服のみで寛解導入が可能です。

ごく稀に発熱などのアレルギー反応がでますが、他の薬剤に比べ副作用があまりないのも特徴です。

炎症の場所がお尻から近い直腸付近までに限局している直腸炎型には、座薬や注腸療法を行います。

 

・免疫抑制剤

炎症を起こしている免疫細胞を抑える薬です。非常にゆっくり効いてくる薬で1-2か月して効果が出始めます。

副作用としては、骨髄抑制、肝機能障害、膵炎、消化器症状(吐き気など)、脱毛、などがあります。

それらのチェックのため、内服開始後しばらくは定期的な血液検査を行います。

 

・ステロイド

こちらも免疫細胞を抑え炎症を落ち着ける作用があります。効果は迅速で、すぐに効いてきますが、その分副作用も多彩です。

ステロイド副作用

ただ、副作用はあっても、炎症が強く迅速に寛解導入を目指す場合には必要になってきます。

ステロイドには寛解を維持する効果はないので、寛解導入後は速やかに減量し最終的には中止します。

 

【血球成分除去治療】

先に記載したように、潰瘍性大腸炎は免疫細胞である白血球などの血球成分が、腸自体や腸内細菌を敵と誤認し攻撃してしまい、腸に慢性的な炎症をおこします。

血球成分除去治療は、この血液中の白血球などの成分を取り除き、炎症を抑える治療法です。

血液の一部を体外へ取り出し、フィルター(アダカラム)を通すことで活性化した白血球を取り除いた後、再び体内に戻します、その後 血液を体内に戻します。

1回約60分の治療で、潰瘍性大腸炎では週に2回、計10回を行います。

白血球吸着除去

 

この検査はステロイドと同等以上の効果が期待でき、かつ安全性が高いのが特徴です。(薬と違うので副作用がほぼありません。)

また、ステロイドを使用していない方が効果が出やすい傾向があるため、当院の方針としては、ステロイド投与前に先行して行うことが多いです。

ただ、自宅ではできないのでクリニックに来院する必要があります。当院では土日も対応し、平日に時間がとりにくい方にも受けて頂きやすい環境を整えております。

 

【生物学的製剤】

「TNFα」という炎症反応に関与する生体内物質の働きを抑える製剤です。

「TNFα」はもともと人の身体に存在するものですが、炎症性腸疾患では異常に増加しており、炎症の場で中心的に働いていると考えられています。

2016年の段階では、点滴製剤(レミケード)と皮下注射(ヒュミラ)の2種類があります。

いずれも免疫を強力に抑えることができるので効果も期待できるのですが、副作用として感染に弱くなるといったデメリットもあります。

そのため体内に結核やB型肝炎などがある場合は再燃の可能性があり、治療導入前にそのような感染がないかをきちんと調べた上で行います。

 

【漢方薬】

潰瘍性大腸炎にある種の漢方薬が効果があるということが昔から言われております。

現在(2016年)治験を行っている漢方薬もありますが、はっきりと効くというデータはないため、現時点ではあくまで補助治療といった位置づけになります。

 

※治療の流れ

 UC治療

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<クローン病>

潰瘍性大腸炎と異なり、小腸に病変があるクローン病の場合は食事制限が必要になってきます。

軽症の場合は食事療法と5ASA製剤にて治療を行いますが、増悪した場合はステロイドや血球除去治療・生物学的製剤の投与を行います。

重症化した場合は入院しての絶食・点滴が必要になります。

 

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6.難病医療費助成制度とは?

潰瘍性大腸炎・クローン病には「難病の患者に対する医療等に関する法律」に基づく指定難病として、長期の療養による医療費の経済的負担を支援する難病医療費補助制度があります。

医療助成が受けられるのは、潰瘍性大腸炎の患者さんで重症度が中等度以上の方、クローン病の患者さんではIOIBDという重症度スコアが2点以上の方となります。

この基準に当てはまらない患者さんでも次の2つの場合は助成の対象となります。

①高額な医療費を支払っている方(指定難病に関わる医療費の月額総額が33,330円を超える月が年間3回以上)

②2014年までの制度で助成を受けられていて、新制度の開始にあたって更新の手続きをされた方(既認定者と言い、2017年12月31日までの暫定措置になります。)

 

<自己負担額の上限額>

医療費助成が認定された方の医療費の自己負担額は2割となります。

世帯の所得に応じて自己負担額の上限が定められており、それを超えた医療費は公費で助成されます。

自己負担額

クリックすると拡大表示されます

 

<申請の手続き>

東京都の場合

①診断書(臨床個人調査書)と申請書を都のホームページからダウンロード(潰瘍性大腸炎クローン病)、または保健所窓口でうけとる。

②難病指定医が診断書(臨床個人調査書)を記載 ※当院院長は難病指定医なので記載が可能です。

③必要書類をそろえて、保健所の窓口へ提出申請時書類

④都で審査

⑤認定されると医療受給者証が交付されます。

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■関連ページ■

大腸内視鏡(大腸カメラ)

巣鴨駅前胃腸内科クリニックでのIBD治療 (「CCJAPAN」 vol.93 掲載)

 

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