腹部エコー検査で何がわかる?費用・注意点・観察できる臓器を専門医が解説
腹部エコー検査は、超音波を使ってお腹の中の臓器を確認する検査です。 肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱など、胃カメラや大腸カメラでは直接確認しにくい臓器の状態を、体の外から観察できます。
「腹痛が続く」「みぞおちや右上腹部が痛い」「背中が痛い」「健診で肝機能異常を指摘された」「胆石や脂肪肝が心配」といった場合に、腹部エコー検査が原因確認の手がかりになることがあります。
巣鴨駅前胃腸内科クリニックでは、腹部エコー検査を行っています。 腹部エコーをご希望の方は、検査前に8時間以上お食事を抜いてご来院ください。
腹痛・背中の痛み・肝機能異常などで腹部エコーをご希望の方へ
腹部エコー検査は、ご予約がなくても午前中に直接外来にお越しいただければ検査をお受けいただけます。 午後・日曜日は検査不可です。 腹部エコーをご希望の方は、8時間以上絶食のうえご来院ください。
WEB予約はこちら 03-5940-3833腹部エコー検査とは?
腹部エコー検査とは、超音波を出す「プローブ」と呼ばれる機器をお腹に当て、反射して戻ってくる超音波を画像として映し出す検査です。 体を切ったり、内視鏡を入れたりする検査ではありません。
検査ではお腹にゼリーを塗り、プローブを当てながら肝臓・胆のう・膵臓・腎臓などを観察します。 観察しやすくするために、検査中に息を吸ったり、吐いたり、体の向きを変えていただくことがあります。
腹部エコー検査は、放射線を使わないため被ばくがなく、痛みもほとんどない検査です。 一方で、胃や腸の中の空気、体格、食事の影響などにより、見えにくくなる臓器や部位もあります。
腹部エコー検査でわかる主な臓器
腹部エコー検査では、主に以下の臓器を確認します。
| 部位 | 確認できる主な臓器 | 見つかることがある異常 |
|---|---|---|
| 上腹部 | 肝臓・胆のう・胆管・膵臓・腎臓・脾臓・腹部大動脈など | 脂肪肝、肝腫瘤、胆石、胆のうポリープ、胆のう炎、膵臓の腫れ、腎結石、水腎症など |
| 下腹部 | 膀胱、前立腺、子宮、卵巣、虫垂、大腸、小腸、腹水など | 膀胱内の異常、前立腺肥大、卵巣腫大、虫垂炎、腸管の炎症、腹水など |
ただし、前立腺・子宮・卵巣などは尿のたまり具合や体格、腸のガスなどの条件により見えにくいことがあります。 また、虫垂・小腸・大腸は、炎症や腸管拡張がある場合に確認しやすくなります。
関連ページ:エコーでみえるもの、見えないもの
腹部エコー検査で見つかる主な病気
腹部エコー検査では、以下のような病気や異常が見つかることがあります。
肝臓の病気
- 脂肪肝
- 肝のう胞
- 肝血管腫
- 肝腫瘤
- 肝硬変を疑う所見
- 肝臓がんを疑う所見
健診でAST、ALT、γ-GTPなどの肝機能異常を指摘された場合、血液検査だけでなく腹部エコーで肝臓の状態を確認することがあります。 脂肪肝は自覚症状が少ないことも多いため、健診異常をきっかけに見つかることがあります。
胆のう・胆管の病気
- 胆石
- 胆のうポリープ
- 胆のう炎
- 胆のう腫大
- 胆管拡張
右上腹部の痛み、みぞおちの痛み、背中の痛み、脂っこい食事の後の痛みなどがある場合、胆石や胆のう炎が関係していることがあります。 胆石症の画像診断では、腹部超音波検査は非侵襲的で比較的高い診断能があり、第一選択として位置づけられています【1】。
膵臓の病気
- 膵のう胞
- 膵管拡張
- 膵臓の腫れ
- 膵腫瘤を疑う所見
膵臓は胃や腸のガスの影響を受けやすく、腹部エコーでは見えにくいことがあります。 ただし、みぞおちの痛み、背中の痛み、膵酵素の異常、糖尿病の急な悪化などがある場合には、腹部エコーが確認の入口になることがあります。 必要に応じてCT、MRI、超音波内視鏡などを追加で検討します。
腎臓・尿路の病気
- 腎結石
- 水腎症
- 腎のう胞
- 腎腫瘤を疑う所見
背中や腰の痛み、血尿、腎機能異常がある場合、腎臓や尿路の異常が隠れていることがあります。 腹部エコーでは、腎臓の腫れや結石、水腎症などを確認できることがあります。
腸管・腹水など
- 虫垂炎を疑う所見
- 大腸炎・小腸炎を疑う腸管壁肥厚
- 腸閉塞を疑う腸管拡張
- 腹水
- 腹部大動脈瘤を疑う所見
腹痛や下痢、発熱、血便などがある場合、腹部エコーで腸管の炎症や腹水の有無を確認することがあります。 ただし、腸の内側の粘膜を詳しく見る検査ではないため、必要に応じて大腸カメラやCT検査を組み合わせて判断します。
▶関連ページ: 胃痛・腹痛外来
腹部エコー検査を受けた方がよい症状
腹部エコー検査は、以下のような症状や健診異常がある方に検討されます。
- 腹痛が続く
- みぞおちが痛い
- 右上腹部が痛い
- 背中や腰が痛い
- お腹の張りが続く
- 吐き気や食欲不振がある
- 健診で肝機能異常を指摘された
- 脂肪肝と言われたことがある
- 胆石や胆のうポリープを指摘されたことがある
- 血尿や腎機能異常を指摘された
- 腹水や腫瘍が心配
特に、強い腹痛、発熱、黄疸、吐き気・嘔吐、背中に響く痛み、体重減少などがある場合は、早めの受診をおすすめします。
エコー検査・胃カメラ・大腸カメラの違い
腹部エコー検査は、お腹の中の臓器を体の外から確認する検査です。 一方、胃カメラや大腸カメラは、食道・胃・十二指腸・大腸の粘膜を直接観察する検査です。
| 検査 | 主に確認できる場所 | 向いている症状・目的 |
|---|---|---|
| 腹部エコー検査 | 肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱など | 腹痛、背中の痛み、肝機能異常、胆石、脂肪肝、腎結石、腹水の確認など |
| 胃カメラ | 食道・胃・十二指腸の粘膜 | 胃痛、胸やけ、吐き気、胃もたれ、黒い便、胃がん・胃潰瘍・逆流性食道炎の確認など |
| 大腸カメラ | 大腸の粘膜 | 血便、便潜血陽性、下痢、便秘、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎の確認など |
「胃の中の粘膜を詳しく見たい」「大腸ポリープや大腸がんを調べたい」という場合は、エコー検査だけでは不十分です。 症状に応じて、胃カメラ・大腸カメラ・血液検査・CT検査などを組み合わせて判断することが大切です。
関連ページ
腹部エコー検査で見えにくいもの・追加検査が必要な場合
腹部エコー検査は非常に有用な検査ですが、すべての病気がわかる検査ではありません。 特に以下のような場合は、見えにくいことがあります。
- 胃や腸の中にガスが多い場合
- 食後で胆のうが収縮している場合
- 膵臓が胃や腸のガスに隠れている場合
- 体格や脂肪の影響で超音波が届きにくい場合
- 小さな病変や早期の粘膜病変
腹部エコーで異常が疑われる場合や、症状が強い場合には、血液検査、尿検査、CT、MRI、胃カメラ、大腸カメラなどを追加して原因を調べることがあります。
関連ページ: エコー検査でみえるもの、みえないもの
腹部エコー検査の方法と所要時間
当院の腹部エコー検査の所要時間は、目安として10〜15分程度です。 検査室に入ったら、シャツを胸のあたりまで上げ、ズボンやスカートを腰骨あたりまで下げていただきます。
ベッドに仰向けになり、お腹にゼリーを塗って、プローブを当てながら臓器を観察します。 必要に応じて、横向きになっていただいたり、息を吸う・止めるなどの指示をお願いすることがあります。
検査中に強い痛みを伴うことは通常ありません。 お腹を少し押さえることがありますが、痛みが強い場合は遠慮なくお伝えください。
腹部エコー検査前の注意点|食事・水分・尿ため
食事について
腹部エコー検査では、検査前に食事を取らないことが大切です。 当院では、腹部エコーをご希望の方に8時間以上の絶食をお願いしています。
食事をすると、胆のうが収縮して見えにくくなったり、胃腸のガスが増えて膵臓などの観察が難しくなったりします。 午前の検査では朝食を、午後の検査では昼食を抜いてご来院ください。
飲み物について
水やお茶などは、少量であれば問題ないことが多いですが、牛乳や乳製品、脂肪分を含む飲み物は控えてください。 脂肪分を含む飲み物は胆のうを収縮させ、胆のうや胆石の確認が難しくなることがあります。
尿ためについて
膀胱、前立腺、子宮、卵巣など下腹部の臓器を確認する場合は、尿がたまっている方が見えやすいことがあります。 可能な範囲で、検査前はお小水をためておいてください。
当院の腹部エコー検査の特徴
- 腹部エコー検査は、午前中にご予約がなくても直接外来にお越しいただければお受けいただけます。
- 消化器領域専門の超音波検査士が検査を行います。
- 腹痛、背中の痛み、健診異常、胆石、脂肪肝など、消化器内科の診療と合わせて確認できます。
- 見づらいと言われる膵臓の観察も独自の様々な工夫で高い描出が可能です。
- 必要に応じて、胃カメラ・大腸カメラ・血液検査などと組み合わせて原因を調べます。
- 巣鴨駅から徒歩2分の通いやすい立地です。
午後・日曜日は検査不可です。 混雑状況や診療状況によりお待ちいただく場合がありますので、あらかじめご了承ください。
▶なぜ、膵臓はエコー検査で観察し辛いのか?観察のための当院の当院の工夫について
腹部エコー検査の費用
腹部エコー検査の費用目安は以下の通りです。
| 項目 | 1割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|
| 腹部エコー検査 | 約530円 | 約1,590円 |
上記は検査費用の概算です。 診察代、血液検査、尿検査、処方などがある場合は別途費用がかかります。
受診の目安
以下のような症状がある場合は、腹部エコー検査を含めた診察をご検討ください。
- 腹痛が続いている
- みぞおちや右上腹部が痛い
- 背中や腰の痛みが続いている
- 吐き気や食欲不振が続く
- 健診で肝機能異常を指摘された
- 脂肪肝、胆石、胆のうポリープを指摘された
- 血尿や腎機能異常を指摘された
- お腹の張りや腹水が心配
- 体重減少がある
- 痛みが強い、発熱や黄疸を伴う
院長コメント
腹部エコー検査は、腹痛や背中の痛み、肝機能異常などの原因を調べるうえで、とても有用な検査です。 特に、胆石、胆のう炎、脂肪肝、腎結石、腹水などは、エコー検査が診断のきっかけになることがあります。
一方で、エコー検査だけですべての病気がわかるわけではありません。 胃や大腸の粘膜の異常、早期がん、小さな病変などは、胃カメラや大腸カメラ、CT、MRIなどが必要になる場合があります。
当院では、症状や診察所見に応じて、腹部エコー・血液検査・内視鏡検査などを組み合わせ、原因を丁寧に確認していきます。 腹痛や背中の痛みが続く方、健診で異常を指摘された方は、お気軽にご相談ください。
お電話でのご相談・ご予約は03-5940-3833
当院では腹部エコー以外にも頸動脈エコー・甲状腺エコーも施行しております。
よくある質問
Q. 腹部エコー検査では何がわかりますか?
A. 腹部エコー検査では、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱などを確認できます。脂肪肝、胆石、胆のうポリープ、腎結石、腹水、腸管の炎症などが見つかることがあります。ただし、胃や大腸の粘膜を詳しく見る検査ではないため、症状によっては胃カメラや大腸カメラが必要になることがあります。
Q. 腹部エコー検査は痛いですか?
A. 基本的に強い痛みはありません。お腹にゼリーを塗り、プローブという機器を当てて観察します。臓器を見やすくするために少しお腹を押すことがありますが、痛みが強い場合は検査中にお伝えください。
Q. 腹部エコー検査の前に食事をしてもよいですか?
A. 腹部エコー検査では、検査前の食事を控えていただく必要があります。当院では、腹部エコーをご希望の方に8時間以上の絶食をお願いしています。食事をすると胆のうが収縮したり、胃腸のガスが増えたりして、胆のうや膵臓などが見えにくくなることがあります。
Q. 水やお茶は飲んでもよいですか?
A. 少量の水やお茶は問題ないことが多いですが、検査内容や体調によって異なる場合があります。牛乳、乳製品、脂肪分を含む飲み物は胆のうを収縮させることがあるため控えてください。迷う場合は事前に当院へお問い合わせください。
Q. なぜ尿をためておく必要があるのですか?
A. 膀胱に尿がたまっていると、膀胱、前立腺、子宮、卵巣などの下腹部の臓器が見えやすくなることがあります。そのため、腹部エコー検査では、我慢できる範囲でお小水をためておいていただくことがあります。
Q. 腹部エコーで膵臓は見えますか?
A. 膵臓は腹部エコーで確認する臓器の一つですが、胃や腸のガスの影響を受けやすく、見えにくいことがありますが、当院では様々な工夫により高い描出性があります。
Q. 胃がんや大腸がんは腹部エコーでわかりますか?
A. 進行した病変や強い炎症、腸管の腫れなどがエコーで疑われることはありますが、早期の胃がんや大腸がん、粘膜の小さな病変を見つけるには胃カメラや大腸カメラが必要です。胃痛、黒い便、血便、便潜血陽性などがある場合は、内視鏡検査も含めて検討します。
Q. 腹部エコー検査の時間はどれくらいですか?
A. 当院での腹部エコー検査の所要時間は、目安として10〜15分程度です。見えにくい臓器がある場合や、詳しく観察する必要がある場合には、検査時間が前後することがあります。
Q. 当日でも腹部エコー検査は受けられますか?
A. ご予約がない方でも、直接外来にお越しいただければ腹部エコー検査をお受けいただけます。ただし、腹部エコーをご希望の方は8時間以上絶食のうえご来院ください。検査は17時までで、日曜日・月曜日午後は検査不可です。混雑状況によりお待ちいただく場合があります。
Q. 胃カメラ・大腸カメラと腹部エコーのどれを受ければよいですか?
A. 症状によって適した検査が異なります。腹痛、背中の痛み、肝機能異常、胆石、脂肪肝などでは腹部エコーが役立ちます。胃痛、胸やけ、吐き気、黒い便では胃カメラ、血便、便潜血陽性、便通異常では大腸カメラが必要になることがあります。診察で症状を確認し、必要な検査をご提案します。
まとめ
腹部エコー検査は、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・膀胱など、お腹の中の臓器を体の外から確認できる検査です。 痛みや放射線被ばくがなく、腹痛や背中の痛み、健診異常の原因を調べる入口として有用です。
- 腹部エコーでは肝臓・胆のう・膵臓・腎臓などを確認できます。
- 胆石、脂肪肝、胆のうポリープ、腎結石、腹水などが見つかることがあります。
- 胃や大腸の粘膜病変を詳しく見るには、胃カメラ・大腸カメラが必要です。
- 腹部エコー前は8時間以上の絶食が必要です。
- 膀胱や下腹部を確認する場合は、尿をためておくと見えやすくなることがあります。
関連ページ
医師紹介|神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
そんな方にも安心して診察や検査を頂けるような診療を心がけております。お気軽にご相談ください。
アクセス
所在地
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨1丁目18-11 十一屋ビル4階
交通
巣鴨駅から徒歩2分、ローソン(1F)の4階巣鴨駅前胃腸内科クリニック
JR巣鴨駅 南口より徒歩3分。詳しい道順はこちら
▶📞お電話での予約・お問い合わせ:03-5940-3833
▶【WEB予約】
文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
参考文献
- 日本消化器病学会. 胆石症診療ガイドライン2021 改訂第3版. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/tanseki_2021.pdf
- American College of Radiology. ACR Appropriateness Criteria® Right Upper Quadrant Pain. https://acsearch.acr.org/docs/69474/Narrative
- National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases. Diagnosis of Gallstones. https://www.niddk.nih.gov/health-information/digestive-diseases/gallstones/diagnosis
- 一般社団法人 日本超音波検査学会. 検査をお受けになる方へ. https://www.jss.org/about/general/general05/
- 日本消化器がん検診学会・日本超音波医学会・日本人間ドック学会. 腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021年). https://www.jsgcs.or.jp/files/uploads/manual2021_movie.pdf
