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痔核(内痔核・外痔核)

「痔」と聞くと、何か「おでき」のような出来物が出来てしまうことを思い浮かべる方も多いと思いますが、実はその正体は、静脈が浮腫んだ状態です

イメージとしては、静脈に血液が停滞・うっ血してそれがさらに集合して膨れ上がった感じです。

 

肛門から入ってすぐの所にある直腸の静脈が浮腫んだ状態を「内痔核」(図の赤丸部分)、

肛門の皮膚部分の静脈が浮腫んだ状態を「外痔核」(図の緑丸部分) と言います。

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※一般に言われる「いぼ痔」とは内痔核が外に飛び出したり、外痔核が腫れた状態や、皮垂といって外痔核がしぼんで皮がたるんだ状態などを指します。

 

<原因>

直腸や肛門部の血液の循環が悪くなることで、静脈内に血液が停滞しうっ血して、はれ上がることで起こります。

 

・便秘 排便時のいきみ。

・長時間の同一姿勢

・食生活(アルコール、多量の香辛料など)

・妊娠・出産

 

<症状>

内痔核と外痔核で症状が異なります。

 

【内痔核】

血便

真っ赤な鮮血のことが多く、便自体は普通のことが多いです。

鮮血拭いたら紙に付く、排便後にポタポタと出るといった軽い出血から、便器が真っ赤になるような大出血を起こすこともあります。

・異物感

悪化すると肛門から飛び出してくることがあります。

※直腸粘膜には痛覚がないため、痛みが出ることは稀ですが、炎症を起こしたりすると痛みがでます。

 

【外痔核】

・痛み

肛門の外側には痛覚があるため、痛みを感じることがほとんどです。出血自体はあまりひどくないことが多いです。

 

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<検査>

・直腸診指による診察と肛門鏡という器具を用い、外側から痔の状態を直接観察します。

 

大腸カメラ(大腸内視鏡)血便があった場合は、直腸の内側から内痔の状態を確認したり、痔核以外の病気(大腸がんやポリープ・炎症など)が隠れていないかのチェックを行います。

 

【大腸カメラでみる内痔核の写真】

肛門から入ってすぐの直腸で大腸カメラを反転させて、直腸の内側から痔の状態を見ています。 内痔静脈叢に血液がうっ滞して浮腫んでおり、内痔核となっています(矢印部分)

 

<治療>

痔核は生活習慣の改善やお薬でほとんどの方が改善します。悪化しないように生活習慣や便通を改善していくことが重要になります。

内科的治療で良くならない場合や痛みが激しい場合には外科的治療を行います。(全体の10-20%です)※外科治療は他院への紹介となります。

 

【内科的治療】

・生活習慣の改善

 (風呂にゆっくりつかる、トイレでいきまない、同じ姿勢になりすぎない)

・座薬、軟膏(痔の炎症・浮腫みを抑えます)

・漢方薬(血の巡りをよくして静脈のうっ血を改善します)

 

【外科的治療】※外科治療は他院への紹介となります。

・血栓除去:外痔核にうっ滞している血栓を取り除きます

・注射療法(硬化療法):痔の原因となっている血管を注射でつぶします。

・手術:痔核を切除

 

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

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