大腸内視鏡(大腸カメラ)Q&A
大腸内視鏡(大腸カメラ)についてよく受けるご質問をまとめております。
検査体制について
Q:大腸カメラの検査は予約が必要ですか?
A:基本的には予約制です。
予約なしの場合でも、当日の診療状況によっては対応できることもあります。(当日の状況はトップページのお知らせよりご確認いただけます)
ご予約はWEB予約、お電話(03-5940-3833)で承っております。
Q:下血しているのですが、当日すぐ大腸カメラを行ってもらえますか?
A:状況を確認してからの判断となります。
当院では下血の方への当日緊急内視鏡や、止血術なども行っております。
まずは診察や血液検査で下血の状況や原因を見極め、当日の緊急内視鏡が必要かどうか判断し、その上で検査を行います。
(下血があっても、痔核出血や虚血性腸炎など、緊急で内視鏡を行う必要のない病気が原因のこともあります。)
Q:土日も検査を受けられますか?
A:はい、大丈夫です。
Q:大腸カメラを受ける前にクリニックを受診する必要はありますか?
A:便秘のない方は特に受診は必要ありません。
注意点と大腸カメラの説明ページをお読み頂き、前日のお食事などに注意いただければ事前の診察なしでも検査可能です。
ご不明点があられる方はお電話にてお問合せ頂ければご説明させていただきます。
(※便秘の方は必ず事前に診察をお受けください。当日の下剤だけでは前処置が完了しない場合があります。またご不安な点がある方は一度受診して頂くとより安心して検査をお受けいただけると思います。)
Q:検査前日に下剤は必要ですか?
A:基本的には不要です
当院では当日朝に前処置薬を飲んで頂ければ検査がお受け頂けます。
検査の前日はお食事を注意して頂くだけで構いません。
※ただし便秘の方は事前に下剤を服用して頂く必要があります。
Q:大腸カメラの前日の食事の注意点を教えてください。
A:下の表をご参考にされてください。
検査前日は、野菜やキノコなどの繊維質の多いものは避けるようにします。繊維質は腸内の残渣の原因になってしまいます。
また、夕食はなるべく早めに済ませ(19時頃まで、遅くとも21時まで)、食べ過ぎないようにしてください。
Q:大腸カメラの際に前処置の下剤を飲む必要があると聞いたのですが、どのようなものになりますか?
A:当日の検査開始時間の3-4時間前から、1.0~2.0リットルの腸管洗浄液か錠剤(約50錠)を服用していただきます。
下剤の飲み方は、
①来院してクリニックで飲む、②お家で飲んでからくる、
のどちらでも選択いただけます。詳細はこちらをご参照ください。
関連ページ:
大腸カメラの検査自体について
Q:大腸カメラってどんな検査ですか?
A:簡単に言うと、『下剤を飲んで腸の中を綺麗にし、お尻から細いカメラを入れていく検査』です。
「大腸カメラ」は文字通り大腸を見る検査で、別名「下部消化管内視鏡」とも呼ばれます。
大腸の中をカメラで直接見られるので、腹痛や下痢・便秘・血便などの原因となる疾患がないかを見て確認することが出来、またポリープやがんが見つかった場合には生検や切除が出来るため、病気の診断や治療に非常に有効な検査と言えます。
お尻からカメラが入ったら、まず肛門から大腸の一番奥まで進め、抜きながら全大腸を観察します。(一番奥に達するのに1-5分程度、抜いてくるのに5-10分程度です。)
その際、ポリープやがんが見つかった場合は詳細に観察し、生検を行ったり、切除可能な病変はその場で切除します。
Q:無痛で大腸カメラを受けられると聞いたのですが、本当ですか?
A:本当です。
軸保持短縮法という痛みの出ない挿入法や、ご希望の方には鎮痛剤(静脈麻酔)で眠った状態での検査や、さらに個々の患者さんの体型や腸の状態に合わせて使用するカメラの種類を選択しており、基本的には無痛で受けて頂けます。
実際に以前に受けた検査が痛くて苦痛が強かった方、痛みのため途中で断念してしまった方からもご相談を頂き、苦痛なく検査を受けて頂いております。
ただ極まれではありますが、過去の手術により激しい癒着がある方や大腸憩室炎などにより腸管が狭窄を来している方は、痛みが出る場合があります。その場合も、胃カメラ用の細いスコープを用いたり鎮静剤の量や種類を調整し、少しでも苦痛なく検査を受けて頂けるように工夫しております。
関連ページ:当院の大腸カメラの工夫
Q:大腸カメラはどのくらい時間がかかりますか?詳しい流れも教えてください。
A:検査自体の所要時間は10-15分程度になります。
詳しい流れは「大腸カメラの実際」をご参照ください。
Q:大腸ポリープは検査当日その場でとれますか?また、すぐに帰宅できますか?
A:その場で切除出来ます。ご帰宅も可能です。
当院では、cold-polypectomy(コールドポリペクトミー)という出血などの合併症の頻度の低い手技でポリープを切除していますので、ほとんどの場合は入院も必要ありません。
(※20㎜を超える大きいものやがんの疑いがあるもの、ご本人の内服薬によってはすぐには切除できない場合もあります。)
Q:血をサラサラにする薬(抗血栓薬)を飲んでいるのですが、大腸カメラは受けられますか?また、ポリープを切除しもらえますか?
A:大腸カメラ検査自体は支障なくお受けいただけますが、ポリープに関してはお薬の種類やポリープの大きさ・ご本人の基礎疾患によっては検査当日には切除できないことがあります。
抗血栓薬は主治医の指示なしに勝手にやめてしまうと危険ですので、くれぐれも自己判断での中止はお控えください。
※当院での抗血栓薬ごとのポリープ切除時の対応は下記表をご参照ください。いずれもお薬は飲んだままの場合の対応です。
一般名(主な商品名) |
ポリープ切除について |
アスピリン(バファリン、バイアスピリン) |
ポリープの大きさや形態にもよりますが、要相談となります。 (※ただし抗血栓薬を2種類以上服用中の方は切除できないことが多いです。) |
クロピドグレル硫酸塩(プラビックス) |
|
プラスグレル硫酸塩(エフィエント) |
|
チクロピジン塩酸塩(パナルジン) |
|
シロスタゾール(プレタール) |
|
イコサペント酸エチル(エパデール) |
通常通りのポリープ切除が可能です。 |
ジピリダモール(ペルサンチン) |
|
サルポグレラート塩酸塩(アンプラーグ) |
|
ベラプロストナトリウム(ドルナー、プロサイリン) |
|
リマプロストアルファデクス(オパルモン、プロレナール) |
|
ワルファリンカリウム(ワーファリン) |
コールドポリペクトミーで切除出来るポリープであれば、当日に日帰り切除も検討します。 (但し出血のリスクがあるため、検査当日にポリープ切除を希望の方は事前のご相談が必要です。) |
ダビガトラン(プラザキサ) |
|
リバーロキサバン(イグザレルト) |
|
アピキサバン(エリキュース) |
|
エドキサバン(リクシアナ) |
Q:大腸検査の後はどれくらいで食事ができますか?
A:検査終了後からお食事は可能です。
ただしポリープを切除した場合はアルコールや食物繊維などを2-3日控えて頂くことがあります。
Q:胃カメラと同時に受けることは出来ますか?
A:はい、同時に受けることは可能です。
ただし時間によっては対応していない検査枠もありますので、ご希望の方は予約の際にお電話で確認頂ければと思います
Q:費用はどのくらいかかりますか?
A:検査だけの場合だと、3割負担で約5000円、1割負担で約1600円となります。
ポリープを切除したり生検をおこなうと、追加で費用がかかります。
詳細はこちらをご参照ください。
Q:便秘があるのですが、検査は受けられますか?
A:もちろん検査可能です.
ただし便秘の方(毎日排便がない方)は、前処置に工夫が必要なことがあり、事前の下剤や前処置薬の量・種類の調整をおこなっております。
大腸カメラ関連の病気について
Q:大腸のポリープは切除した方がいいのですか?
A:ポリープの種類にもよりますが、発ガンのリスクのあるポリープは切除した方がよいです。
大腸がんはごく一部のケースを除いて、ほとんどが腺腫とよばれる大腸ポリープから発生します。(良性の大腸ポリープの遺伝子にキズが重なり、大腸がんになると考えられています。)
ですから、そのようなポリープを切除することは大腸がんの予防につながりますので、切除が望ましいと考えられています。
Q:他院でポリープが見つかり、ポリープを切除するには「入院が必要」と言われたのですが、日帰りで切除してもらえませんか?
A:20㎜以下の大きさのポリープであれば、基本的には日帰り切除可能です。
大腸ポリープを切除した際の合併症として出血や穿孔(腸に穴が空いてしまうこと)があり、この合併症のリスクが高い病変(※)については入院が必要なことがあります。
ただ、大腸のポリープ切除時の合併症の発生率は全国調査では0.2%強とかなり低い割合です。ですから、ほとんどの場合は入院の必要はなく、外来で切除出来ます。
また当院では従来の切除術より合併症のリスクが低いcold-polypectomy(コールドポリペクトミー)という最新の手技を導入しており、より安全に切除が行えます。
※以下の場合は合併症のリスクを考え入院切除を勧めることがあります。
①20㎜以上の大きさの時
②がんの疑いがあるとき
③血をサラサラにする薬を飲まれているとき(詳しくは次項をご参照ください)
A:痛みは全くありません。
もともと大腸の粘膜には痛覚がないため、ポリープを切っても全く痛みはありません。
大腸カメラに対しての不安について
Q:鎮静剤(静脈麻酔)は少し怖い気がするのですが、大丈夫でしょうか?
A:大丈夫です。
鎮静剤(静脈麻酔)は量を多く使いすぎると、呼吸抑制などの副作用がありますが、当院では患者さんお一人お一人の性別・体重・年齢などに合わせての薬の量を調整して検査を行っております。
また、アレルギーなどの副作用に対してもすぐに対応できるように、検査中は全身状態を把握するモニターをつけております。
これにより必要最小限の薬の量でも無痛で、かつ副作用の頻度も少なく安全に検査を行うことができます。
また、鎮静剤(静脈麻酔)も「眠る作用が強いもの」「痛みをとる作用が強いもの」などいくつか種類があり、『楽に受けたいけど検査の画面は見たい』『完全に眠るのは怖い』と言った方には、痛みをとる作用が強い鎮静剤をメインに用いボーっとしたような状態で受けて頂くことも可能です。(もともと軸保持短縮法という痛みの出ない挿入法で大腸内視鏡検査を行うため、鎮静剤なしでも楽に受けて頂けます。)
Q:以前に検査を受けた際、前日の下剤でお腹が痛くなったのですが、大丈夫でしょうか?
A:前日の下剤はないので心配いりません。
検査前日には腸管を刺激するような下剤(ラキソベロン)を飲んで頂く施設もありますが、強い刺激により腹痛や下血を来すことがあるため、当院では用いておりません。
その代わり前日のお食事や当日の前処置薬を工夫しており、前日の下剤なしでもスムーズに検査が受けられる体制を整えております。
Q:以前に大腸内視鏡(大腸カメラ)の検査ですごく痛かったのですが、大丈夫でしょうか?
A:心配いりません。
前述したように、鎮痛剤(静脈麻酔)や軸保持短縮法、カメラの種類を選択などで痛まない検査を行えるようにしております。ご心配だとは思いますが、任せて頂ければと思います。
Q:初めてなので不安です。
A:不安だとは思われますが、一緒に頑張って検査をやっていきましょう!
予約の際にご不安なことは何でも相談してください。直接外来に来ていただいてご相談して頂いても大丈夫です。
また大腸カメラに理解の深いスタッフがそろっていますし、相談しやすくリラックスできるような雰囲気作りも心掛けておりますので安心して検査をお受けください。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
→ → → → → →ホーム