実際の治療例 “のどに痰がへばりついた感じが治らない”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
40代 女性 のどに痰がへばりついた感じが治らない
【症状】
半年以上前からのどに痰がへばりついている感覚があり、耳鼻科を受診したが異常がないと言われ様子を見ていましたが一向に改善がないとのことで来院されました。
【診察】【検査】
耳鼻科で喉頭ファイバーやアレルギー検査を受けたが異常はないとのことで、当院では食道疾患や甲状腺疾患などがないかを調べるため、胃内視鏡(胃カメラ)や甲状腺エコーを行いましたがこちらも異常なく、特に病気で起こっているというよりは、咽喉頭の知覚過敏による「咽喉頭異常感症」ではないかと考えました。
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・胃カメラでのどは見れるの?~当院の咽喉頭(のど)観察の工夫~
【治療】
咽頭・喉頭の知覚の異常は、咽喉頭異常感症や咽喉頭過敏症・ヒステリー球などと言われ、症状があるにも関わらず調べても異常がない状態を指します。
当院ではそのような知覚過敏症と考えられる方には、漢方による治療や神経に作用する薬による治療を行っております。
<治療内容>
今回は副作用などが出にくい漢方を使用して治療を開始しました。
【経過】
治療を開始してしばらくはあまり変化を感じなかったとのことでしたが、10日ほどするとのどにへばりついた感じが和らいできて、2週間目の再診時には痰のへばりつき感が気にならない日も出てきたとのことでした。
そのまま漢方を継続してもらい、1か月ほど服用してもらうとほとんど症状はなくなったとのことで、症状が再燃したときに再度漢方を飲んで頂くことにして今回は一旦終了としました。
咽喉頭異常感症(知覚過敏症)には治療のガイドラインなどはなく、また特別な特効薬などもなく、治療に難渋することもありますが、漢方が効果を出してくれる場合も多々あります。
のどの知覚過敏症に効果があるとされる漢方は種類が多く、初回のものが効かない場合でも種類を変えたり組み合わせることで効果を得られることがあり、症状を見ながら使用していきます。
※その他ののどのつまり感や違和感の原因・治療については、のどの違和感・つまり感外来で詳しく解説しております。
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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