実際の治療例 “大腸ポリープが出来やすい体質と言われている”
当院を受診された患者さんの実際の治療経過です。
40代 女性 大腸ポリープが出来やすい体質と言われている
【症状】
以前から大腸カメラを受けポリープを何度も切除し、施行医から「大腸ポリープが出来やすい体質なので毎年大腸カメラを受けたほうが良い」と言われておられました。
今回転居に伴い、当院での大腸カメラ検査を希望され受診されました。
【検査】
実際に大腸カメラを行うと大腸内にいくつかの扁平な大腸ポリープを認めました。
大腸の奥に扁平なポリープ(黄色矢印部分)を認めました。周囲と同色調で丈が低く、非常にわかりづらいタイプのポリープです。
NBIというモードに変更し拡大観察の上、内視鏡的に切除可能であることを確認して、そのまま内視鏡切除をしました。
NBIモードではガン化を示唆する所見はなく、良性と判断しその場で内視鏡切除を行いました。
他にも同様のタイプのポリープを認め、いずれも切除しました。
こちらのポリープもNBIモードで切除可能と診断し、その場で内視鏡切除を行いました。
その後も出血などの合併症なく、切除後の病理検査結果では細胞の異型を伴っていたもののガン化はしておらず、治療は終了となりました。
【今回のポリープについて】
大腸ポリープの中での今回のように扁平なタイプを鋸歯状病変と呼びます。
このタイプのポリープが多発しやすい方を、鋸歯状ポリープ症候群( SPS;Serrated polyposis syndrome)と言い、いわゆる「ポリープが出来やすい体質」のことを指します。
原因としてはご自身の遺伝子異常・遺伝的な素因に年齢・食生活などの生活環境が合わさることで発症すると考えられています。
SPSの有病率は1,000~1,700人に1人であり,大腸癌の合併率は25~54%と極めて高く、
定期的に大腸カメラを行いガン化する前にポリープを適宜切除していくことが重要です。
大腸がんやポリープについて気になる方・ご不安な方はお力になれますのでご相談ください!
WEB予約へ TEL:03-5940-3833
文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)
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