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実際の診断例 “ラズベリー型胃がん”

[2023.11.01]

当院を受診された患者さんの実際の所見です。

 

40代男性 ラズベリー型胃がん

 

【症状】

定期的に人間ドックで胃カメラを受け胃のポリープを指摘され経過観察とされていましたが、消化器の専門施設で胃内視鏡(胃カメラ)を受けたいと胃のことで当院を受診されました。

 

【胃内視鏡(胃カメラ)】

内視鏡ではピロリ菌のいない綺麗な胃でしたが、襞の中に発赤の強い隆起性病変を認めました。

生検を行ったところ、胃がん(低異型度高分化型腺癌)との病理検査結果でした。

青矢印に囲まれた赤い発赤部分が病変です

 

【治療】【経過】

内視鏡治療のため高次医療機関に紹介とし、同院にて内視鏡治療を行い治癒切除となりました。

 

今回の胃がんは、ピロリ菌陰性の方にできる発赤の強い隆起性の胃がんで「ラズベリー型胃がん」とも呼ばれます。

近年報告された新しいタイプの胃がんで、非常に頻度が低く専門医でも知らない医師もおり、検診などで単なるポリープと思われ見逃されていることもあります。

 

ピロリ菌陰性の方にできるポリープとしては胃底腺ポリープと呼ばれるタイプのものがありますが、こちらは発赤はそれほど目立たず良性のものです。

人間ドックや検診などでポリープを指摘される場合の多くはこちらのタイプになりますが、発赤が強いものであった場合や詳しく説明がない場合などは一度専門施設でご相談することをお勧めします。

ピロリ菌がいない人にできる胃底腺ポリープ(黄色で囲まれた隆起) いずれも胃の粘膜と同等の色調で、発赤は目立ちません。 ガン化することはまずないため特に治療は必要ないものです。

文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

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文責:神谷雄介院長(消化器内科・内視鏡専門医)

 

 

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