エコーでみえるもの、みえないもの
更新日 2026年5月26日
腹部エコー検査(超音波検査)は、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓など、お腹の中の臓器を体の外から確認できる検査です。
一方で、エコーには「見えやすいもの」と「見えにくいもの」があります。
たとえば、胆のうポリープ・胆石・脂肪肝・虫垂炎・腹水などはエコーで確認できることがありますが、 胃や大腸の粘膜の内側、骨の奥、腸のガスに隠れた部分などは苦手です。
このページでは、エコー検査で見えるもの・見えにくいもの、胃カメラや大腸カメラとの違いについて、 巣鴨駅前胃腸内科クリニックの消化器内科専門医がわかりやすく解説します。
エコー検査で見えるもの・見えにくいもの
エコー検査は、体の外から超音波を当てて、臓器の形・大きさ・内部の変化を確認する検査です。 痛みが少なく、放射線被ばくもないため、腹痛や背中の痛み、健診での肝機能異常、胆石・脂肪肝の確認などでよく行われます。
ただし、エコーは万能な検査ではありません。
超音波は骨や空気に弱いため、骨の奥や腸管ガスに隠れた部分は見えにくくなります。
| エコーで見えやすいもの | エコーで見えにくいもの |
|---|---|
| 肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓 | 骨の奥にある部位 |
| 胆石・胆のうポリープ・脂肪肝 | 腸のガスに隠れた部分 |
| 腹水・虫垂炎・腎結石・水腎症 | 胃や大腸の粘膜表面 |
| 腹部大動脈瘤などの血管の異常 | 肺など空気を多く含む臓器 |
なぜ骨とガスはエコーで見えにくいのか
エコーはこの二つにぶつかると、減衰・反射を起こし画像を作ることが出来なくなります。
時折、「背中が痛いから、背中からエコーを当てて検査をしてほしい。」という患者さんがいらっしゃいますが、背中はエコーの天敵、“骨”で覆われているばかりか、その奥に“空気の塊である肺”が存在するため、背中からエコーを当てても情報を得ることは難しく、基本的にはお腹側から検査をします。
エコー検査で確認しやすい臓器
それでは、エコーでみえるものはなんでしょうか。
それは“骨より柔らかくてガスを含まないもの”と“水”です。
具体的にいうと臓器なら肝臓、腎臓、膵臓、脾臓、胆嚢、大動脈(詳しくはエコー検査:3を参照してください)などがみえます。
そしてそれらに出来た
良性の腫瘍、がん、石、ポリープなどを見つけることが出来ます。
またその他に、形や大きさの変化、色の変化などを観察しています。
エコーで見つかる代表的な異常
エコー検査では、臓器の形や大きさだけでなく、内部の見え方の違いも観察します。 消化器内科でよく確認される代表的な異常には、胆のうポリープ・胆石・脂肪肝・虫垂炎・腹水などがあります。
◆ポリープ
エコーでみえるポリープは、主に“胆嚢ポリープ”です。
たまに患者さんからポリープがあると伺い、必死になって胆嚢ポリープを探していると、よくよく聞いてみたら大腸のポリープの話だった、ということがあります。
前述のとおり、大腸には腸内細菌が産生したガスが存在するため、残念ながらエコーでは大腸の壁の厚さは測れても、内側は観察できません。大腸の内側の観察には大腸カメラが有用です。
この写真は胆嚢と、矢印はそこに出来たポリープです。胆嚢の中は胆汁という液体で満たされているため、内腔が黒く観察できます。この写真の胆嚢ポリープは直径3~4㎜程ですが、1㎝をこえてくると癌との鑑別が必要になります。
検査の8時間以内にお食事をしてしまうとこの胆嚢が収縮してしまい、内腔がつぶれてポリープの観察が出来なくなってしまいます。
そのため、午前中の腹部エコーをご希望の方には朝食を、午後の腹部エコーをご希望の方には昼食を抜いて頂いております。
◆形や大きさの変化
形の変化や、大きさの変化をみつけた場合、検査中の痛みの程度などを確認しながら、炎症かどうかを考えながら検査をします。
例えば、上の写真は腫大した虫垂(いわゆる盲腸)の写真です。圧痛が一致したため、急性虫垂炎と判断しました。
◆色の変化
エコーでは色の変化をみることもできます。白と黒の世界ですが、その中でもわずかな色調の変化に気づくことで新たな疾患に気づくことができます。
上の写真は脂肪肝の様子です。脂肪肝は通常の肝臓より全体的に白っぽく描出されますが、主観で評価にばらつきが生じないよう、“脂肪肝”と診断するには決まりがあります。それは腎臓より肝臓の色が白く、かつ脾臓より肝臓の色が白いことです。
写真をみてお分かりになるように、三つ並んだ臓器の中で、一番白いのは肝臓です。
これにより、“脂肪肝”という診断がつきます。
エコー・胃カメラ・大腸カメラの違い
胃や大腸も、進行したがんや強い炎症、腸閉塞などであればエコーで異常を疑えることがあります。
しかし、胃や大腸の粘膜を直接観察する検査ではないため、早期の胃がん・大腸がん・胃潰瘍・大腸ポリープなどを詳しく確認するには限界があります。
胃の内側を詳しく見るには胃カメラ、大腸の内側を詳しく見るには大腸カメラが必要です。
症状や疑われる病気に合わせて、必要な検査を選ぶことが大切です。
| 検査 | 主に確認できる場所 | 向いている症状・目的 |
|---|---|---|
| エコー検査 | 肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・大動脈など | 腹痛、背中の痛み、肝機能異常、胆石、脂肪肝、腹水の確認など |
| 胃カメラ | 食道・胃・十二指腸の粘膜 | 胃痛、胃もたれ、吐き気、胸やけ、胃がん・胃潰瘍の確認など |
| 大腸カメラ | 大腸の内側・大腸粘膜 | 血便、便潜血陽性、下痢、便秘、大腸ポリープ・大腸がんの確認など |
胃痛・胃もたれ・吐き気などがある場合は、 胃カメラ検査 を組み合わせて確認することがあります。
血便・便潜血陽性・便通異常などがある場合は、 大腸カメラ検査 が必要になることがあります。
エコー検査を受けた方がよい症状
次のような症状や健診異常がある場合は、腹部エコー検査が役立つことがあります。
- みぞおちや右上腹部の痛みがある
- 背中の痛みが続く
- 吐き気や食欲不振がある
- 健康診断で肝機能異常を指摘された
- 脂肪肝を指摘されたことがある
- 胆石や胆のうポリープを指摘されたことがある
- 尿管結石や腎臓の異常が心配
- お腹の張りや腹水が心配
背中の痛みや腹痛が続く場合は、胃腸・胆のう・膵臓・腎臓など複数の原因が関わることがあります。 症状が続く方は、 胃痛・腹痛外来 もご参照ください。
エコー検査で見えにくい場合に行う追加検査
エコー検査で異常が疑われる場合や、ガス・体格・臓器の位置などの影響で十分に見えない場合は、症状や疑われる病気に応じて追加検査を行います。
- 胃や十二指腸の病気が疑われる場合:胃カメラ
- 大腸ポリープ・大腸がん・大腸炎が疑われる場合:大腸カメラ
- 膵臓・胆道・腎臓などをさらに詳しく調べる場合:CT・MRI
- 炎症や肝胆膵の異常を確認する場合:血液検査
エコー検査は体への負担が少ない検査ですが、すべての病気を一度に診断できる検査ではありません。 症状・診察・血液検査・内視鏡検査などを組み合わせて判断することが大切です。
巣鴨で腹部エコー検査をご希望の方へ
腹痛・背中の痛み・健診での肝機能異常・胆石・胆のうポリープ・脂肪肝の確認などでエコー検査をご希望の方は、 巣鴨駅前胃腸内科クリニックまでご相談ください。
📞 お電話でのご予約:03-5940-3833
よくある質問
Q. エコー検査で何がわかりますか?
肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・脾臓・大動脈などの状態を確認できます。胆石、胆のうポリープ、脂肪肝、腹水、虫垂炎などが見つかることもあります。
Q. エコー検査で胃がんや大腸がんはわかりますか?
進行した病変や強い炎症を疑えることはありますが、胃や大腸の粘膜を詳しく見る検査ではありません。胃がんや大腸がんを詳しく調べるには、胃カメラや大腸カメラが必要です。
Q. エコー検査で見えにくいものはありますか?
骨の奥、腸のガスに隠れた部分、胃や大腸の内側、肺など空気を多く含む臓器は見えにくいことがあります。
Q. エコー検査は痛いですか?
通常は痛みの少ない検査です。お腹にゼリーを塗り、プローブという機械を当てて観察します。病変の場所によっては、少し押すように観察することがあります。
Q. 食事をしていてもエコー検査は受けられますか?
胆のうなどを詳しく見る場合は、食事の影響で見えにくくなることがあります。検査内容によっては絶食が必要になるため、事前にご確認ください。
まとめ
エコー検査は、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓など、お腹の中の臓器を確認するのに役立つ検査です。 胆石・胆のうポリープ・脂肪肝・虫垂炎・腹水などが見つかることもあります。
- エコーは腹部臓器の観察に向いている
- 骨やガスに隠れた部分は見えにくい
- 胃や大腸の内側は胃カメラ・大腸カメラで確認する
- 症状に応じて検査を組み合わせることが大切
- 腹痛・背中の痛み・健診異常がある方は早めの相談が安心
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医師紹介
神谷雄介(かみや ゆうすけ)院長
📍経歴
国立佐賀大学医学部卒業後、消化器内科・内視鏡内科の道を歩み始め、
消化器・胃腸疾患の患者さんが数多く集まる戸畑共立病院・板橋中央総合病院・平塚胃腸病院にて研鑽を積む。
胃もたれや便通異常といった一般的な症状から、炎症性腸疾患や消化器がん治療まで幅広く診療を行いながら、
内視鏡専門医として年間3000件弱の内視鏡検査、および早期がんの高度な内視鏡治療まで数千件の内視鏡治療を施行。
2016年4月に巣鴨駅前胃腸内科クリニックを開業。
内視鏡検査だけでなく、胃痛・腹痛・胸やけや下痢などの胃腸症状専門外来や、がんの予防・早期発見に力を入れている。
- 日本内科学会認定医
- 日本消化器病学会専門医
- 日本消化器内視鏡学会専門医
🩺 診療にあたっての想い
胃や大腸の病気は、早期発見・早期治療がとても重要です。
「気になるけれど、どこに相談したらよいかわからない」「検査は怖いし、つらそうで不安」
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文責:巣鴨駅前胃腸内科クリニック院長 神谷雄介
(消化器学会・内視鏡学会専門医)
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※ご予約がない方でも受付時間内に受診して頂ければ診察可能です。
参考文献
- 日本消化器がん検診学会・日本超音波医学会・日本人間ドック学会ほか. 腹部超音波検診判定マニュアル改訂版(2021年).
- 日本超音波医学会. 超音波診断装置の取り扱いと安全性に関する勧告や資料.
- U.S. Food and Drug Administration. Ultrasound Imaging.
- RadiologyInfo.org. General Ultrasound.
